Preview: 八十岡×川崎のスタンダードウォッチング PT京都直前編

Posted in Event Coverage on February 27, 2009

By Daisuke Kawasaki

スタンダードとアラーラの断片×2+コンフラックス×1のドラフト、構築戦+リミテッド戦のジグザグフォーマットという、プロツアー史上初めての試みで行われるプロツアー京都。

当然、総合力と、知識力が問われる、最高のプレインズウォーカーを決めるにふさわしい戦いの場となったわけなのだが...戦いを観戦する側にも、多くの知識が求められてしまうのは、ほんの少し厳しい所。

特に、スタンダードフォーマットは、青黒フェアリーの強さばかりが目立った世界選手権から、最新セットコンフラックスの発売によって、大きく変化しようとしているさなかなのだ! 各断片のコンフラックス(衝突)によって、大きく環境が変化したアラーラの世界と同じように、コンフラックスはスタンダードの世界にまさに大きな化学変化を仕掛けようとしているのだ。

果たして、この衝突がどのような結果を導き出すか! ・・・は、日曜日の結果を楽しみにするとして、まず、現在どんな変化がおこっているのかをまとめ、読者の皆様にお届けしようと思う。

といっても、所詮は生まれ変わってもっとマシなライターになるべきな程度の能力しかない筆者のこと。読者の皆様に、このすばらしい戦いを楽しんでもらえるだけの情報を提供できるだけの能力があるわけがない。

しかし、こんな時に、私たちには強力なアドバイザーがいるじゃないか!
そう「鬼神」八十岡 翔太(東京)だ!

というわけで、今回、PT京都のプレビュー企画として、タカラトミー公式サイトで好評いただいていた連載企画『八十岡×川崎のスタンダードウォッチング』をPT京都直前編としてお届けしたい。

八十岡 「相変わらず、ウィザーズのカバレッジの時は文体違うよね?なんかのアピールなの?」

川崎 「余計なお世話です」

相変わらず普通の関係のふたりの与太話に、少々おつきあいいただきたい。

八十岡の近況

八十岡先生

川崎 「さて、毎度、これで終わりだ、といってはのらりくらりと復活し続けている、一部では『終わる終わる詐欺』とまで言われている相変わらずのこの企画ですけど、八十岡さんの生活環境には結構大きな変化があったらしいじゃないですか」

八十岡 「ここ数年、神奈川は古淵の中島(主税)さんの家でルームシェアしていたんだけど、ついこの間東京に引っ越したんだよね。トモハル(齋藤)の家のすぐ近くに」

川崎 「古淵と言えば、大塚 高太郎(神奈川)さん・北山 雅也(神奈川)さんの両日本チャンピオンに、PTプラハチャンピオンの大澤 拓也(神奈川)さんがすんでいますし、中島さんの家には、よく浅原 晃(神奈川)さんも遊びに来たりと、非常に充実した環境...」

八十岡 「いや、そんなことないけどね...」

川崎 「あんまり水を差さないでください。まぁ、とにかく、色々な意味で今まではそんな環境でしたけど、齋藤さんの家は練習場として解放され、多くのプレイヤーが集まっている、今もっともグルーヴ感のある場所のひとつですからね。最近では、藤田 修(京都)さんも引っ越してくるとか...」

八十岡 「まぁ、結局MO(Magic Online)ばっかやってるけどね。ドラフトも、人が足りない時に参加するくらいだからなぁ」

川崎 「協調性ない人だなぁ。とにかく、そんな感じで環境が大きく変わった八十岡さんですけど、今回のプロツアーにむけての調整はどうですか?」

八十岡 「正直、厳しい...アラーラだけの頃からそうなんだけど、この環境のドラフト、かなり勝てないんだよね...2色でデッキ作っても、土地が事故る」

川崎 「そんなことばっかりいってるから、土地岡さんとかいわれるんですよ」

八十岡 「まぁ、スタンダードで1敗くらいでおさえて、なんとか勝とうとは思うよ」

川崎 「おっと、スタンダードにはずいぶん自信があるみたいですね。というわけで、与太話はこれくらいにして、本題のスタンダードの話にいきましょう」

スタンダード二強...青黒フェアリー

八十岡 「といっても、メタゲームの中心は青黒フェアリーと赤白GAPPOの二強状態だけどね。これにPWC(プレインズウォーカーコントロール)が入って3角形かな」

川崎 「赤白GAPPOとPWCについては、後々語っていただくとして、まずは世界選手権を制覇し、かわらぬ支配力を見せている青黒フェアリーについて見てみましょうか」

八十岡 「まぁ、語るといっても、基本的には今まで通りなんだけどね。ただ、今までに比べてキツくはなったね。コンフラックスで対策カードが増えた一方で、フェアリーがコンフラックスで得たカードはまったくないからね」

川崎 「まぁ、そんな事言ったら、青黒フェアリーってモーニングタイド以降ほとんどなんにも増えていないアーキタイプじゃないですか。それなのに強力だから...っていうのは何度も繰り返された話ですよね。実際、アラーラの断片からだって《苦悶のねじれ/Agony Warp》くらいしかカード増えてないですよね?」

八十岡 「その《苦悶のねじれ》だけど、最近は入らずに、かわりに《恐怖/Terror》になっているのが多いね。時間を稼がなきゃいけないビートダウンが少なめで、その分、同型の《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》や、赤白GAPPOの《運命の大立者/Figure of Destiny》に対処できるカードに入れ替わってるんだよね」

川崎 「なるほど。ちなみに、先の世界選手権では5種類の青黒フェアリーがトップ8に入賞しているんですけど、現在のフェアリーは誰のタイプに一番近いですか?」

八十岡 「うーん、コガモ(津村 健志(広島))かな」

Kenji Tsumura

Planeswalker (3)
3 Jace Beleren
Sorcery (4)
4 Thoughtseize
Enchantment (4)
4 Bitterblossom
60 Cards
Volcanic Fallout

川崎 「具体的にはどの辺ですか?」

八十岡 「一番は、《誘惑蒔き/Sower of Temptation》をとってないところだね。《誘惑蒔き》が強い相手が減ってる上に、今回打ち消されない《火山の流弾/Volcanic Fallout》がコンフラックスで追加されたことで環境に増えた《紅蓮地獄/Pyroclasm》系の呪文に弱すぎるんだよね」

川崎 「なるほど。コンフラックスで増えた対策カードにきちんと対処できるように変化していると。コンフラックスでカードは増えなくても、フェアリーには確実にコンフラックスの影響はでてますね」

八十岡 「《火山の流弾》は《苦花/Bitterblossom》相手にはやっぱり厳しいカードだからねぇ。その辺に対処するためにさらに突き詰めたのが、五竜杯(東京で行われている草の根大会)であんちゃんが優勝した時のフェアリーかな」

Yuuta Takahashi

Shriekmaw

川崎 「高橋君が妖精王の名に恥じない、1デュエルも落とさない完全勝利したデックレシピですね。たしかに、非常に特徴的なレシピですね」

八十岡 「うん。もともとあんちゃんはGP神戸の時にも《苦花》引けないゲームでも勝率挙げるために、《苦花》だけに頼らないフェアリーとして、近い形のフェアリーを作っていたんだけど、今回《苦花》対策が増えたから、さらにその傾向を推し進めたんだよね」

川崎 「やはり、こちらのレシピも《誘惑蒔き》が入っていないですね...あと、《ウーナの末裔/Scion of Oona》も入っていないですね」

八十岡 「《ウーナの末裔》も《紅蓮地獄》系に弱いからね。とにかく、その辺の《紅蓮地獄》系に弱いカードを抜いて、代わりに《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》や《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》みたいなカードをいれてるね。全体的に青黒コントロールよりの調整をしているよ」

川崎 「なるほど。除去も《恐怖》ではなくて、《叫び大口/Shriekmaw》を採用していますね」

八十岡 「あんちゃん《叫び大口》大好きだからね。プレイスタイルも、こういう大振りなカードをいかせる形に変化してきてるんじゃないかな」
川崎 「相手に選択肢をあえて多く与えるプレイング、ですか」

八十岡 「そうだね。普通のフェアリーとはたしかに違う形だけど、これはこれで強いと思うよ」

川崎 「その辺はプレイスタイルとのかみ合いもあるかもですね。ちなみに八十岡さんも世界選手権に続いて、今回も青黒フェアリーですか?」

八十岡 「PWCも魅力的だけど、たぶんフェアリーだと思うよ」

川崎 「通常のフェアリーと、高橋君のフェアリー、どちらに近い形になりそうですか?」

八十岡 「うーん、まだわからないけど、中間くらいの形になるんじゃないかなぁ(編注:このインタビューは2/23に収録されたものです)」

川崎 「土地ばっかひかないといいですね」

八十岡 「余計なお世話だよ」

スタンダード2強...赤白GAPPO

川崎 「さて、スタンダードの二強のもう一角である赤白GAPPO、えっと、赤白のアドバンテージウィニーとでも言えばいいんですかね?」

八十岡 「まぁ、赤白キスキンでも赤白ヒバリでもないから、赤白GAPPOとしか言いようがないよね」

川崎 「このデッキが王者である青黒フェアリーと対抗するほどのデッキだと」

八十岡 「そりゃそうだよ。PT京都直前の週末に行われた神奈川のPWCや千葉のLMCといった関東の草の根大会4回のうち、3回をトモハルが赤白GAPPOで優勝しているわけだから」

Tomoharu Saito

Path to Exile

川崎 「もちろん、齋藤さん自身、Player of The Yearをはじめ、数々の戦歴を持つすばらしいプレイヤーだっていうのはあると思いますが、それでも2週間で3大会優勝はすごいですね」
八十岡 「デッキのポテンシャル自体はすごい高いからね。というか、赤白GAPPOは有象無象のよくわかんないデッキに強いんだ。デッキがパワーカードの固まりみたいなもんだからね」

川崎 「だからこそ、メタが混沌としている草の根の大会で強い、っていうのはあるのかもしれませんね」 

八十岡 「まぁ、それはそうだね。でも、MOでも多いし、プロツアーでもおおいんじゃないかな。たぶん一番多いのが赤白GAPPOなんじゃないかな」

川崎 「なるほど。この赤白GAPPOって、昨年の世界選手権直前くらいででてきたデッキですよね?」

八十岡 「そりゃね。赤白GAPPOって名前の語源はラッシュ(高橋 純也)が『世界選手権でプロプレイヤーに売りつけてガッポり稼ごうって思ってたのに、直前で結果だされちゃって計画狂った!』って言っていたのを皮肉って呼ばれるようになったくらいだからね」

川崎 「ラッシュは、今度はそのデック名の知名度を逆手にとって、今度は青白GAPPOっていう新しいデックテックを今回のPT京都に向けて開発し、何人かのプレイヤー相手にガッポしようとしているみたいですけどね(編注:高橋自身も直前予選で権利を獲得している)。そんな構築のテロリストの話はおいておいて、で、世界選手権でも一応スタンダードラウンド全勝しているわけじゃないですか」

八十岡 「そうだね、デッキ自体のポテンシャルはとにかく高いんだ。デッキのほとんどがアドバンテージカードで、盤面にパーマネントを3つ追加できるカードで構成されているんだ。そうすると、《苦花》でトークンが増える量を上回れるし、なにより、粘りやすいし、まくりやすい」

川崎 「のらりくらりとかわしているうちにいつの間にか逆転してしまうと」

八十岡 「そうそう。形としては、世界選手権頃に流行っていた白黒トークンの上位互換なんだよね。白黒トークンの序盤が弱いっていう弱点を、《運命の大立者》と、2ターン目の《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》や《精神石/Mind Stone》で補ったかんじかな」

川崎 「赤黒トークンから脈々と続くトークン系デックの最新系だと」

八十岡 「特に、5マナ域が《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》から《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》になってるのはすごい強いね。キスキンからしたら、同じ5マナなのに...って呆然としてもおかしくない。しかも《目覚ましヒバリ/Reveillark》で戻ってくるしね」

川崎 「そんなに強力な赤白GAPPOなんですけど、たとえば、昨年末のThe Finalsにはほとんどいなかったりと、最近まではそこまで話題に上がらなかったと思うんですよね。世界選手権で高桑 祥広(東京)さんも結局ユダって別のデッキ使ってましたしね」

八十岡 「うーん、世界選手権の頃のデッキレシピはまだ動きがぎこちなかったんだよね。それがだんだんと洗練されてきたのはあるだろうね。特に、トモハルのデッキはよく練られてる。あと、コンフラックスが大きいね」

川崎 「《流刑への道/Path to Exile》ですか?」

八十岡 「うん。特に1マナで《霧縛りの徒党》に対処できることで、フェアリーへの負けパターンが減ったのが大きい。今までは対処するためには《損ない/Unmake》で3マナ用意して...みたいなあり得ない動きしなくちゃいけなかったのが、スムーズになったからね」

川崎 「なるほど。それもあって、フェアリーメタの急先鋒になったと」

八十岡 「まぁ、単純なスピードだけだと、キスキンの方が早いんだけどね。赤白GAPPOもフェアリーもキスキンのスピードにはキツイ」

川崎 「そういえば、中島さんと石川 練(神奈川)さんと、平林 和弥(滋賀)さんの3人でフェアリーと赤白GAPPOにスピードで対処できるキスキンにしようかって話してたんですけど...この三人ってPT神戸で白ウィニーを揃って使って、ボロボロだった3人なんですよね」

八十岡 「まぁ、IR(石川)にはやめとけ、っていいたいけどね。キスキンはスピードが速い代わりにアドバンテージカードが劣化している赤白GAPPOではあるからね。赤白GAPPOと違って、まくられるとまくりかえしにくいんだよね」
川崎 「じゃあ、キスキンは厳しいってことですか?」

八十岡 「一概にそうとも言いきれないんだけどね。特に、フェアリー相手の時に厳しかった《ウーナの末裔》や《誘惑蒔き》が減ってる傾向だから、メタ的には追い風な部分も多い。関西のプレイヤーはキスキン使うんじゃないかな」
川崎 「そのへんのメタゲームの結果は注目したいところですね」

■第三のメタデッキ...PWC

Nicol Bolas, Planeswalker

川崎 「そんな赤白GAPPOやキスキンに対するメタデックとして登場するのが、PWC、プレインズウォーカーコントロールですね」

八十岡 「PWCも含めたクイッケン系だね。これは本当に《紅蓮地獄》系が強くて、赤白とかキスキンには本当に強いんだ。《神の怒り/Wrath of God》まであれば《目覚ましヒバリ》だけ《霊魂放逐/Remove Soul》とかではじけば、ほとんどクリーチャーが残らないんだよね。《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》ぐらいのアドバンテージはとりかえせちゃうんだ」

川崎 「全体除去が強いってことですか?」

八十岡 「うーん、まぁ、そうなんだけどね。もっと言うと、全体除去と《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》が組み合わさると強いんだ。全体除去で相手の場にクリーチャーが残らないから《ジェイス・ベレレン》が壊れない。そして《ジェイス・ベレレン》で引きながら全体除去うって相手のアクション無駄にすれば《紅蓮地獄》が《Time Walk》みたいなもんだからね」

川崎 「やっぱり、プレインズウォーカーは強いです」

八十岡 「《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》も強いね、やっぱ。コンフラックスで入った《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Planeswalker》も強いよ。忠誠カウンターの増え方がやばいし、爆発(3番目の能力のこと)はホントやばいね。ただ、ちょっとオーバーキルだけどね」

川崎 「他のプレインズウォーカーはどうですか?」

八十岡 「《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》は正直なくてもいいんじゃないかって思う事もあるけど、一応《目覚ましヒバリ》対策になるし、最悪4マナの《稲妻のらせん/Lightning Helix》としても使えるからね。《チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar》は弱くないけど、場の制圧力がたまにもの足りないことがあるかな...。《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》は使われるとウザイのに、使うと地味な印象かなぁ。ただ、プレインズウォーカー相手には強いからね。《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》は...PWCで使うには緑っていう色が悪いよね」

川崎 「なるほど。ちなみに、プレインズウォーカーのいない、もしくは少ないタイプのクイッケン・トーストはどうですか?」

八十岡 「うーん、あんまりいないんじゃないかな?一応、フェアリーにマシになってる代わりに、赤白には厳しくなってる、のかな?あと、PWCとちがって《雲打ち/Cloudthresher》とか《熟考漂い/Mulldrifter》あたりのクリーチャーが入ってくるね」

川崎 「あぁ、PWCはノンクリーチャーなんでしたっけ?」

八十岡 「それが強みだからね。今のデッキは《霧縛りの徒党》のせいもあって《流刑への道》や《恐怖》みたいな単体除去がほとんど必ず入ってるんだよね。それを無駄カードにできるのがいいんだ。まぁ、そのへんのカードをひかれなかったら結局同じなんだけどね」

川崎 「でも、ワフォタパがまた新しいクイッケン・トーストを開発してるとかいう噂もありますし、楽しみにしたいですね」

八十岡 「フェアリーとの戦い方をどうするか、なのかなぁ。PWCは通して強いカードってのが無いのがねぇ。プレインズウォーカーは残って初めて強いカードだから。だした瞬間は弱い」

川崎 「あぁ。たしかに、だした瞬間だけでみれば、4マナのソーサリーの《稲妻のらせん》だったり、4マナ3/3のクリーチャーですからねぇ」

八十岡 「そうそう。フェアリー相手には《苦花》のトークンで忠誠カウンター持ってかれちゃうからね。でも《ジェイス・ベレレン》だけは通れば強い。+2能力でドローして、《紅蓮地獄》とか打てれば、強い」

川崎 「やっぱり《ジェイス・ベレレン》ですか」

八十岡 「うん。フェアリー同型も《苦花》をどっちがおけるかっていう《苦花》ゲーのあとに、今度はどっちが《ジェイス・ベレレン》を通せるかっていうジェイスゲーが待ってるからね」

川崎 「つまり、今のスタンダードのメタゲームの一角は《ジェイス・ベレレン》が担っていると」

八十岡 「うん、ふたつの《ジェイス・ベレレン》デッキ対赤白GAPPOっていうのが基本的なメタゲームの対立軸なんじゃないかな」

川崎 「《苦花》で《ジェイス・ベレレン》を守るデッキである青黒フェアリーに対しては、トークンの数で押せる赤白GAPPOが有利ということですか」

八十岡 「数でまくれるカードがあるからね。あと、やっぱ《イーオスのレインジャー》が強い。正直《運命の大立者》を2枚もってこられちゃうと、フェアリーじゃさばききれないことが多いね。《イーオスのレインジャー》は歴代のインヴィテーショナルカードの中でもトップレベルに強いかもね」

川崎 「なるほど。《ラクドスの穴開け魔道士/Rakdos Augermage》に謝れって感じですよね」

八十岡 「で、さっきも言ったように、トークンを一掃できる全体除去が入ってる《ジェイス・ベレレン》デッキであるPWCは、赤白GAPPOに強い」

川崎 「そのPWCには、《ジェイス・ベレレン》をカウンターできるフェアリーが強いと」

八十岡 「それだけじゃないけどね」

川崎 「そうなんですか?」

八十岡 「《ジェイス・ベレレン》より《苦花》の方が軽い」

川崎 「あぁ、なるほど」

その他のデッキ

Rakka Mar

川崎 「さて、メインのメタゲームの三角形はわかりましたけど、もちろん、メタゲームにあるデッキはそれだけじゃないですよね」

八十岡 「そうだね。っていうか、だからこそ、赤白GAPPOが一番多いって予想するんだけどね。さっきも言ったように、赤白GAPPOは2番手組以下のデッキに対して強いから。苦手は本当にPWCくらい。フェアリーはその辺の層のデッキにきついことがおおいんだよね」

川崎 「具体的にはどんなデッキですか?」

八十岡 「赤単とか、赤黒、エルフとかかなぁ」

川崎 「赤黒といえば、《ラッカ・マー/Rakka Mar》の入ったタイプが結構話題になってますけど、どうですかね?」
八十岡 「うーん、むずかしいなぁ...結局対処されなかったら勝ちで、しかも能力をすぐ使うんだったら5マナのカードなんだから《包囲攻撃の司令官》の方が強いようにも見えるけどねぇ」

川崎 「そこでどっちが強かったか、みたいなのに注目してもいいかもしれませんね。赤単はどうです?」

八十岡 「さっき、例に出しておいてなんだけど、赤単はプロツアーレベルだといるのかなぁ?さすがに黒入れた方がいい気がするけどね。もしかしたら《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》入りの蘇生バーンみたいなデッキがいるかもね...さすがにいないか」

川崎 「八十岡さんが大好きな黒緑エルフはどうですか?」

八十岡 「しつこいね、本当に。最近めっきりみない感じだけどなぁ...赤白GAPPOがきついんだよね、たぶん。これもコンフラックスの影響だけど、《流刑への道》のせいで、《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》が、ただの4マナ4/4になっちゃってるんだよね。だから、ここが《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》になって、さらに《安寧砦の精鋭/Safehold Elite》まで入ってるタイプがたまにいるくらいかな。まぁ、余程好きじゃないとわざわざ使わないんじゃないかな。好きな人はぜひ使ってください」

川崎 「なんか、フラグ立ってませんかね?日曜日が楽しみです。そうそう、メタゲームの三角形といえば、大塚さんが面白いことを言っていたんですよね。『デッキの選択肢が三つある。あんちゃんかトモハルかナベ(渡辺 雄也)だ』って。高橋君がフェアリー、齋藤さんが赤白GAPPO、で渡辺さんのデッキというのが...」

八十岡 「赤青白鳥でしょ。ナベずっと使ってるからね。でも...どうなんだろうなぁ」

川崎 「うーん、メタが悪いですか?」

八十岡 「メタっていうか、デッキそのものが...」

川崎 「そういう事言うと、また大変な事になりますよ。ちなみにデッキ相性的にはどんな感じなんですか?」

八十岡 「赤白にはまぁまぁ有利。PWCとかにもまぁ有利」

川崎 「なんか『まぁ』が多いですね」

八十岡 「そういうデッキだからねぇ...かみ合いが必要なんだよ。《紅蓮地獄》が引けないとキツイんだ。昔のカウンターバーンに近いデッキではあるんだけど、カウンターが昔より弱いからさばききれないし、《火葬/Incinerate》みたいな火力だと、今みたいなトークンで数並べる環境だと結局ボードコントロールとして機能してくれないんだ」

川崎 「フェアリーはどうですか?」

八十岡 「カウンターデッキとしては、《苦花》が無いフェアリーの上に、有効なカウンターである《呪文づまりのスプライト》もないんだから、無理っぽいよね」

川崎 「じゃあ、厳しいじゃないですか」

八十岡 「《突撃の地鳴り/Seismic Assault》は強い。そのへんも含めてかみ合いのデッキなんだ」

川崎 「そこは渡辺さんのチューンナップに期待、って感じですね」

と、ここまでがプロツアー京都前のまとめ。実際のプロツアーで、どのようなデックが使われていったかについては、また後日発表されるデックブレイクダウンをぜひとも楽しみにしていただきたい。

はたして、世界中から集まったプレインズウォーカーの戦いを制したプレイヤーの手に握られるデックはどんなデックなのか? そして、リミテッドで土地しか引かない八十岡の成績はどうなるのか?

見所満点のプロツアー京都という物語。
この記事が、その物語を楽しむ助けとなれば幸いである。

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