今週末の要注意カード・トップ5

Posted in Event Coverage on February 15, 2013

By Event Coverage Staff

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 私たちはよく、大会の週末にもっとも影響力のあった5つのカードを取り上げてイベントを締めくくりますが、それはイベント中もっとも記憶に残る瞬間を与えてくれたカードたちへのお礼の気持ちです。先日リリースされました『ギルド門侵犯』にスポットが当たる初めてのプロツアーである今回は、何がやってくるのかを垣間見ることから始めたいと思います。これから2日間にわたって、『ギルド門侵犯』が投下されたスタンダードが10ラウンド行われます。これは生まれ変わったまったく新しいスタンダードで、旧き者たちは姿を消し、あるいは進化を遂げるのです。参考にできるのはわずか2週間ほどの結果だけなので、何が期待されるかを決めるのは難しいかもしれませんが、すでにいくつか明確なパターンが現れています。それらを基準にして、ここに私たちがプロツアー『ギルド門侵犯』に向けて注目しているカードトップ5をご紹介します。


ボロスの反攻者

ボロスの反攻者

 現時点で、《ボロスの反攻者》がスタンダードの新たな支配者になれない、ということは考えにくいことです。わずか3マナで、素晴らしい能力がひとつと敵に回すと恐ろしい能力ひとつをもつ、非常にアグレッシブな3/3クリーチャーが手に入るのです。『ギルド門侵犯』のリリースに先駆けて、スタンダードはクリーチャー・デッキが支配していました。《スラーグ牙》に端を発し、スタンダードはその時々を支配していたクリーチャーに合わせて進化し、プレイヤーたちが上へ下へと奮闘するのに応じてスピードが上下してきました。対処できるか、あるいは無視できるかが、重要なこととなったのです。《ボロスの反攻者》は、対処するにも他のクリーチャーとの戦闘では信じられないほど強く、無視するにも考えられないほど速いクロックと強固な守りを持ち、どちらも困難極まりないでしょう。

 《ボロスの反攻者》は純粋なテンポ・カードで、ますますアグレッシブになるスタンダードに欠かせないものです。コストに対して高いパワーとタフネスを持ち、すでに自らが収まるマナ域を先取りしています。先制攻撃により対戦相手にとって戦闘時の優位を得にくくなりますし、ダメージを反射する能力は少なくとも対戦相手がダメージを受けることを確実にします。2対1交換を取ることも珍しくなく、除去やクリーチャーを受けても一緒に別のものを連れて墓地に行くでしょう。このカードは、効果的に対戦相手を取り巻くゲーム・プランを曲げさせるのという、クリーチャーに求めていたものがまさにそこにあります。プレイヤーがどのようにこのカードを対処することを選ぶか観察するのは、きっと興味深いことでしょう。混成マナ3つなので、このカードは赤単から青白赤、そして緑を含む様々なものなど、多くの種類のデッキに入りえます。そういうものと割り切って、多くのプレイヤーが「倒せないならこっちも使おう」、といったプランをとるかもしれませんね。


カルテルの貴種

カルテルの貴種

 この無垢な2/2が、『ギルド門侵犯』後のスタンダードにおいて予想外の活躍を見せています。最初に現れたのは人間リアニメイト・デッキで、《栄光の目覚めの天使》を利用するのに見出され、《カルテルの貴種》はイニストラードブロック構築で初めて見られたような無限コンボの中で生け贄に捧げる役目として、人間であり、色も合い、便利なものでした。そのコンボとは、《栄光の目覚めの天使》と生け贄に捧げる役目のもの、そして《悪鬼の狩人》が関わります。基本的なループには《悪鬼の狩人》が墓地にいて、《栄光の目覚めの天使》を唱えるか墓地からリアニメイトするかが必要となります。《栄光の目覚めの天使》が《悪鬼の狩人》を墓地から戻し、その能力で天使を追放します。《悪鬼の狩人》を生け贄に捧げることで、《栄光の目覚めの天使》が戦場に戻り、再び《悪鬼の狩人》が墓地から戻り、それを何度も繰り返すことができるのです。この動きの中に別の人間を持ち込めば――大抵は《高原の狩りの達人》を使います――ループのたびに何かを得ることになるのです。このデッキが最初に現れたときは、生け贄に捧げる役目は《ファルケンラスの貴種》が選ばれていました。しかし、それではひとつのデッキで黒、赤、緑、白の4色を使うことになるのです。

 ところが、《カルテルの貴種》はその方程式を変えました。《ファルケンラスの貴種》より唱えやすいだけでなく、人間なので、《栄光の目覚めの天使》の誘発型能力で墓地から帰ってきて、コンボの達成を楽にしました。単体のパワーを失ったところは、安定性でカバーしています。

 ところが、《カルテルの貴種》はそこで終わりませんでした。人間であることと、生け贄に捧げる役目を買われて、《カルテルの貴種》は狂気の天才の生産工場、その名もチーム「SCG」にも使い道が見出されました。《カルテルの貴種》を黒赤白の人間デッキに据え、さらには《ファルケンラスの貴種》も一緒に入れて、《スカースダグの高僧》を備え、チーム「SCG」はオルゾフの小銭入れを振って得られるものよりも多くのシナジーに溢れた、人間・生け贄デッキを生み出したのです。

 それは、まだ予期されていないカードの、さらに新しい予測不可能な使い方でした。残された疑問はただひとつ、次はどのように《カルテルの貴種》が使われるのでしょうか?


炎樹族の使者

炎樹族の使者

 最新のスタンダード・シーズンのまっただ中で起きた変化といえば、流行の、とある素早く大きな連中に対応して、様々なデッキがその速さを変えたことです。足元をくぐり抜けるために1マナ域を増やして、早い段階で大きなダメージを与えるか、あるいは乗り越えるために、その後すぐに対処できないほど大きな脅威を着地させるか。興味深いことに、《炎樹族の使者》はそういった脅威の下をくぐり抜ける新しい方法を見せてくれます。単純に、短い時間で考えられないほど大量のクリーチャーを繰り出す。この実質的にマナのかからないシャーマンのおかげで、1ターンの間に複数のクリーチャーを叩きつけることができます。とてつもないほどの数を。

 次のようなプレイを想像してみてください。2ターン目、《》と《根縛りの岩山》をタップして《炎樹族の使者》をプレイ。生み出されたマナを使って2枚目の《炎樹族の使者》。さらに生まれたマナで3/3の《火打ち蹄の猪》。2ターン目にしてパワー7に相当するクリーチャーたちが戦場に出る、という、至極当然のスタートです。そんなバカな。このカードの組み合わせはグルール・アグロの名を高め、戦線を一掃される前に対戦相手を包囲しきる可能性を与えました。2マナ2/2はまずまずのものです。2マナでかけたマナが戻ってくる2/2なら、環境を変えてしまうのに十分なのです。


至高の評決

至高の評決

 今に至って、この環境のデッキはクリーチャーに大きく依存している、ということは言うまでもなく明らかでしょう。また、『ギルド門侵犯』はアグレッシブなデッキに、とりわけ強力な《ボロスの反攻者》など素晴らしいクリーチャーたちを大量に追加した、ということも火を見るより明らかでしょう。そういった状況の中で、プレイヤーたちは《ボロスの反攻者》のような攻撃を跳ね返すクリーチャーだけでなく、環境に溢れかえるであろうアグレッシブなクリーチャーたちに対処できるカードを、心の底から探し求めているのです。この目標を達成するのに、全体除去呪文の原型といえるあのカード以上のところを探す必要はほとんどありません。《至高の評決》です。

 《至高の評決》は、アグレッシブなデッキに対して坂道の登り直しを迫る強烈なリセット手段をデッキに与えてくれます。非常に少数の例外、特に《ファルケンラスの貴種》や《ウルフィーの報復者》を除いて、《至高の評決》は対戦相手が何を出していようと戦場を流すでしょう。これに《スラーグ牙》や《スフィンクスの啓示》のようなカードを続ければ、一時は手に負えないと思われていたゲームを取り、あるいは形勢を完全に逆転することができます。去最新シーズンの大半において、《至高の評決》は特別多く入っていたわけではないものの、サイドボードとメイン・デッキを行き来していました。状況はコントロールよりもクリーチャー寄りに動くようになり、変化が始まりました。さらに多くのアグレッシブなクリーチャーたちが現れ、アグレッシブなデッキの隆盛が続く兆しがあるのなら、来たる数週間で《至高の評決》はその威力を十分に発揮することが予想されるでしょう。


ミジウムの迫撃砲

ミジウムの迫撃砲

 全体除去と言えば、多くのプレイヤーたちが《至高の評決》を差し置いてこの小さくきらめく宝石を選んでいます。《ミジウムの迫撃砲》は、対戦相手の状況に合わせて早い段階で大型のクリーチャーに対処したり、後半にクリーチャーを一掃したり、柔軟に使うことができます。《ミジウムの迫撃砲》はコストで見れば最高に効率のいいものとは言えませんが、その柔軟性と4点ダメージによる除去の必要性がこのカードの後押しとなっています。

 他に《ミジウムの迫撃砲》が《至高の評決》に引けをとらない長所は、これが赤の呪文であることです。ナヤやジャンドの類型のように《踏み鳴らされる地》を運用するプレイヤーが、一方的な全体除去を使うことができるのです。クリーチャー・ベースのデッキ同士のマッチアップでは、超過した《ミジウムの迫撃砲》が解決されればまず致命的になります。このカードはまた、多くの青白赤使いたちが、ときには《至高の評決》をすべて抜いて彼らのツールボックスに追加し始めているほど便利なカードです。一方的な除去という《ミジウムの迫撃砲》の性質が、攻めに寄せた青白赤の派生デッキに自身のクリーチャーに影響を与えないまま盤面を流せる力を与えるのです。今や、《踏み鳴らされる地》と《聖なる鋳造所》のマナ基盤への参加により、超過コストはもはや夢物語ではなくなりました。そう、『ギルド門侵犯』が戦場に多くのアグレッシブなクリーチャーを持って来たことは確かですが、その一方で、それらに対処する手助けとなるものも持って来てくれているのです。


(Tr. Tetsuya Yabuki)

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