更新日 Making Magic on 8月 7, 2017

By Mark Rosewater

Working in R&D since '95, Mark became Magic head designer in '03. His hobbies: spending time with family, writing about Magic in all mediums, and creating short bios.

 『統率者(2017年版)』プレビュー特集へようこそ! このプレビュー特集は、他のプレビュー特集とは少し違う形となる。『統率者(2017年版)』には、それぞれ特定の部族の(特定のクリーチャー・タイプを参照する)4つのデッキが存在する。月曜から木曜まで、毎日別々の、『統率者(2017年版)』のデッキに登場する部族に焦点を当てていく。今日は、『統率者(2017年版)』の1つ目のデッキ「猫の獰猛」を称える、猫の日なのだ。

 マジックの歴史家として、私はこの機会にマジックにおける猫の歴史についての記事を書くことにした。終わる前には、新しい多色の伝説の猫・カードを2種ご紹介しよう。魅力的な話だろう。それでは、早速始めよう。

猫の簡単な歴史

『アルファ版』

 マジックの始まりに、1種の猫が存在した。

 《サバンナ・ライオン》である。実際は、これは猫ではなかった。クリーチャー・タイプとしてはライオンだったのだ。部族デッキを組めるようにクリーチャー・タイプをまとめるという発想はまだなく、ライオンはライオンだったのだ。《サバンナ・ライオン》が猫になるのは、それから12年後の『基本セット第9版』のときであった。それまでにあと4回、ライオンのまま再録されることになる。


『レジェンド』

 次に猫が登場するのは、1年後、マジック初の大型エキスパンションのときだった。そのセットでは人間型の猫という考えをマジックに導入した。ファンタジーにおいて猫型人間はそれまでにも存在していた。最初がどこなのかはわからないが、少なくとも20世紀初頭のパルプ・コミック「フラッシュ・ゴードン/Flash Gordon」などに遡ることができる。

 『レジェンド』には2種の猫が登場している。

 ルール上猫というクリーチャー・タイプを初めて持ったカードが《猫族の戦士》であるが、それは野生ネコを猫と呼ぶ、というような高度な思考があっての話ではなく、単にカード名と一致しただけのことである(訳注:当時はクリーチャー・タイプは1単語ごとに分けるというルールはなく、「Cat Warrior/猫族の戦士」で1つのクリーチャー・タイプだったので、《猫族の戦士》が猫というクリーチャー・タイプを持っていたわけではありません)。

 《Jedit Ojanen》は(『レジェンド』で導入された概念である)伝説のクリーチャーで、当時はすべての伝説のクリーチャーはレジェンドというクリーチャー・タイプだったので、猫ではなかった。《Jedit Ojanen》が公式に猫になったのは、2007年のクリーチャー・タイプ大更新のときだったのではなかろうか。


『アイスエイジ』

 このセットでマジック史上4種目の猫となる《剣歯虎》が登場したが、これは猫ではなく虎として記されていた。何も進歩していない。トリビアが好きな諸君のために1つ、他の「剣歯」という表記を持つカード(《野良剣歯猫》《剣歯コブラ》《剣歯ニショーバ》《剣歯虎の先導隊》《剣歯ワイヴァーン》《ティムールの剣歯虎》は「Sabertooth」だが、《剣歯虎》だけは「Sabretooth」である。この単語だけが綴りがブレているわけではない(《Golgothian Sylex》では「Sylex」と書かれている単語が、《Draconian Cylix》《Ashnod's Cylix》《マナの大鉢》では「Cylix」となっている)が、これほど数があるのは珍しい。


『ミラージュ』ブロック

 『ミラージュ』はブロックという大きな概念を導入したセットなので、ここからは、セット1個単位ではなくブロック単位で見ていくことにしよう(『アライアンス』は後で『アイスエイジ』ブロックとされたが、『ミラージュ』と『ビジョンズ』のように最初から組み合わせることを考えてデザインされたわけではない)。

 このブロックに存在した猫は以下の通り(クリーチャーが8体と、猫・トークンを出すカードが1種)。

『ミラージュ』:《メテンダ・ライオン》(ライオン)、《アーボーグのプーラージ》(レジェンド)、《忍び寄る虎》(虎)、《アーボーグの豹》(夜魔)、《ウークタビー・ワイルドキャット》(ワイルドキャット)、《草陰の待ち伏せ》。

『ビジョンズ』:《ジャムーラン・ライオン》(ライオン)、《キング・チータ》(チータ)、《豹の戦士》(猫族の戦士)

 初めて猫を大量に登場させたのは、他ならぬアフリカ風ブロックである。この時点でもまだ猫という全般的クリーチャー・タイプという発想には行き着いていない。《ウークタビー・ワイルドキャット》がワイルドキャットで《豹の戦士》が猫族の戦士だったので、ある意味では「猫」という単語を重視する方向性に向かい始めていると言えるかもしれない。《アーボーグのプーラージ》は史上2種目の伝説の猫である(これも印刷された時点ではレジェンドであり、後にエラッタによって猫になった)。彼女は『ミラージュ』のストーリー上で登場しているので、ストーリー的に初の、同時に初めてカードになった、猫である登場人物となった。

 デザイン上の重要なネタ:《キング・チータ》は最も初期の、同時に緑初の、瞬速(キーワード化がなされたのは『時のらせん』のときである)持ちカードである。《忍び寄る虎》で、キーワード化はされていないが時折使われる「忍び寄り」能力(「2体以上のクリーチャーによってはブロックされない」)が初登場した。《アーボーグの豹》は、ルール文中で他のカード名を参照するカードの中で最も古いものの1種である(最初というわけではなく、『レジェンド』に何種か存在している)。《草陰の待ち伏せ》はリス・トークンを作る予定だったが、アーティストが指示を誤読してアート中に猫が描かれていたので、このカードは猫・トークンを生み出すように変更された。


『ポータル』

 『ポータル』は初めて作られた導入用ブースター商品であった。そのため、いろいろな部分が簡略化されており、クリーチャー・タイプはカードに書かれていない。このセットでは猫・カードは3種新しく登場し(《猫族の精鋭戦士》、《ジャングル・ライオン》、《怒り狂うクーガー》)2種はアートを変えて再録されている(《豹の戦士》《忍び寄る虎》)。新規カードの3種は、『ポータル』がエターナルで使用可能になった際に公式に猫になった。

忍び寄る虎》 アート:Terese Nielsen

『テンペスト』ブロック

 私がデザイナーとして関わった初めてのブロックには、それほど多くの猫は存在しなかった。《峡谷の山猫》が『テンペスト』に、《猫族の戦士ミリー》が『エクソダス』にいただけである。しかし、どちらも歴史上重要なのだ。

 《峡谷の山猫》は、すべての猫を単に猫というクリーチャー・タイプにするという決定を下したカードであり、《猫族の戦士ミリー》は、ストーリー上初めての重要人物となる猫・クリーチャーである。ミリーはウェザーライト号の乗組員であり、主人公である《ジェラード・キャパシェン》の親友なのだ。彼女は『エクソダス』のストーリー中でクロウヴァクスに殺されることになる。《猫族の戦士ミリー》のタイプ行には「レジェンドの召喚」と書かれているが、ルール文中で猫族の戦士であると書かれており、ルール上猫族の戦士として扱われる。これは当時、我々がクリーチャー・タイプについて用いていた技法である。


『ポータル・セカンドエイジ』

 2つ目の『ポータル』では猫は1種、《オオヤマネコ》だけが存在していたが、これは猫のクリーチャー・タイプを持っていた。


『ウルザズ・サーガ』ブロック

 このブロックの3セットの中で、猫が存在するのは『ウルザズ・サーガ』だけであり、4種(《洞穴の虎》、《グーマ》、《飛びかかるジャガー》、《ワイヤー・キャット》)だけである。《飛びかかるジャガー》は「ストンピィ」と呼ばれる緑単色デッキで人気のトーナメント・カードになった。《ワイヤー・キャット》は後に初の猫であるアーティファクト・クリーチャーになる。当時アーティファクト・クリーチャーはクリーチャー・タイプを持っていなかったので、カードには猫とは書かれていないが、後にエラッタを受けて猫になっている。


『ポータル三国志』

 3つ目にして最後となる『ポータル』セットには、4種の新しい猫(《狩りをする豹》《猛虎》《訓練された豹》《黄道の虎》)と、1種の再録の猫(《忍び寄る虎》)が登場している。奇妙なことに、通常のマジックではすでに野生ネコをすべて猫にするという決定が下されているのに、この商品では豹や虎が使われている。なぜそうなったかはわからない。これらのカードは、『ポータル』のカードがエターナルで使用可能となったとき、すべてがエラッタを受けて猫になっている。


『スターター1999』

 トリビア好きな諸君に聞いてみよう。「ブースターでない導入用商品で初登場した唯一の猫は?」 答えは、『スターター1999』で初登場した単純なカードの中の1種である《ライオンの群れ》だ。導入用商品として作られたこの『スターター1999』では、入っているカードをランダムではなくするという試みもなされていた(箱には、カードと一緒にプレイの仕方を伝える小冊子が入っていた)。


『メルカディアン・マスクス』ブロック

 『メルカディアン・マスクス』ブロックで初登場した猫は5種だけである。《ジョーヴァルの女王》と《野生のジョーヴァル》が『メルカディアン・マスクス』で、《輝くライオン》《輝くオオヤマネコ》《岩滓の猫》が『プロフェシー』で登場している。これら5種とも、最終的には猫のクリーチャー・タイプを持つことになった。興味深いことに《ジョーヴァルの女王》は猫のクリーチャー・タイプを持たなかった。これはレベルのメカニズム(デッキからレベルを探すことができるというもの)のためにレベルのクリーチャー・タイプが必要で、当時はクリーチャーが持つクリーチャー・タイプを1つに制限していたからである。後に、クリーチャー・タイプの大更新の際にエラッタを受けることになった。


『インベイジョン』ブロック

 『インベイジョン』ブロックでは、新たに8種の猫が登場している。

『インベイジョン』:《鎧を着た守護者》(ガーディアン)、《有角チータ》(猫)、《気高き豹》(猫)、《剣歯ニショーバ》(ビースト)、《傷痕のピューマ》(猫)

『プレーンシフト』:《俊足の豹》(猫)

『アポカリプス』:《暗影のボブキャット》(猫)、《幽体オオヤマネコ》(猫)

 『インベイジョン』では新しい猫型人間のニショーバが登場している。カードになっている2種のニショーバ(《鎧を着た守護者》と《剣歯ニショーバ》)は最初は猫ではなくガーディアンとビーストだった。後に、我々は猫型人間すべてを猫にするという決定を下している。


『オデッセイ』ブロック

 『オデッセイ』ブロックでは6種の新しい猫が登場しており、そのうち5種は実際に猫というクリーチャー・タイプを持っていた。

『オデッセイ』:《パーディック山の火猫》(猫)、《凶暴な火猫》(猫)、《飛びかかる虎》(猫)

『トーメント』:《狂った火猫》(猫)

『ジャッジメント』:《幻影のニショーバ》(ビースト・スピリット)、《幻影の虎》(猫・スピリット)

 この中の3種は火猫で、文字通り火から生まれた猫である。火猫は後にエラッタを受け、エレメンタル・猫になっている。我々が猫を他の種類のクリーチャーとクリエイティブ的に組み合わせるという実験を始めていることがわかるだろう。幻影クリーチャーは、スピリットと、スピリットになる前のクリーチャー・タイプを両方持っている。『インベイジョン』同様、ニショーバは後にエラッタを受けて猫になっている。


『オンスロート』ブロック

 『オンスロート』ブロックには新しい猫は5種しかいないが、猫で初めてのことが2つ起こっている。

『オンスロート』:《焦熱の火猫》(猫)、《臓物にかぶりつく者》(ゾンビ・猫)、《獅子面のタイタン、ジャレス》(猫・巨人・レジェンド)

『レギオン』:《クローサのむさぼり獣》(猫・ビースト)

『スカージ』:《黒焦げ牙のクーガー》(猫・ビースト)

 《臓物にかぶりつく者》は史上初のゾンビ・猫であると同時に、史上初のイエネコ(野生ネコでない猫)である。そう、マジック史上初のイエネコはアンデッドだった。しかし、いつかは初登場させなければならなかったのだ。《クローサのむさぼり獣》と《黒焦げ牙のクーガー》は猫・ビーストとして印刷された初めてのカードである。そして、この《獅子面のタイタン、ジャレス》が人気だったため、時を経て、プレインズウォーカーの《黄金のたてがみのアジャニ》が生まれたのだろう。


『ミラディン』ブロック

 『ミラディン』ブロックは猫にとって重要なブロックである。新しい猫が13種登場しただけでなく、マジック流の猫戦士、レオニンが初登場したのだ。

『ミラディン』:《レオニンの高僧》(猫・クレリック)、《レオニンの居衛》(猫・兵士)、《レオニンの古老》(猫・クレリック)、《レオニンの空狩人》(猫・騎士)、《空狩人の若人》(猫・騎士)、《空狩人の巡回兵》(猫・騎士)、《タージ=ナールの剣鍛冶》(猫・兵士)

『ダークスティール』:《レオニンの戦闘魔道士》(猫・ウィザード)、《レオニンのシカール》(猫・兵士)

『フィフス・ドーン』:《レオニンの従者》(猫・兵士)、《黄金の若人ラクシャ》(猫・兵士・レジェンド)、《うろつく空狩人》(猫・騎士)、《空狩人の散兵》(猫・騎士)

 レオニンと、種族/職業のクリーチャー・タイプ構造の導入はどちらも『ミラディン』のときのことであり、これによって猫をさまざまな職業と組み合わせる種族として使うことができるようになった。最初に登場したのが、猫・クレリック、猫・騎士、猫・兵士、猫・ウィザードである。『フィフス・ドーン』には、猫部族初のロードである伝説のクリーチャー《黄金の若人ラクシャ》が登場している。これは装備する必要があるという点でもっとも単純な部族カードとは言えないが、それでも猫の部族デッキを成立させる助けにはなったのである。

空狩人の散兵》 アート:Greg Staples

『ラヴニカ』ブロック

 『ラヴニカ』ブロックで初登場した猫は、『ラヴニカ:ギルドの都』の《野良剣歯猫》と『ディセンション』の《雲の群れ》の2種だけである。カードにエレメンタル・猫と印刷されたのは《雲の群れ》が初めてだったと記憶している。


『コールドスナップ』

 『コールドスナップ』の猫は新しいニショーバの《極北ニショーバ》1種だけである。ニショーバとしては初めての猫だったと記憶している。


『時のらせん』ブロック

 『時のらせん』ブロックで新たに登場した猫は7種いる。

『時のらせん』:《ジェディットの竜騎兵》(猫・兵士)

『次元の混乱』:《エフラヴァのジェディット・オジャネン》(伝説のクリーチャー ― 猫・戦士・ロード)、《呪われたミリー》(伝説のクリーチャー ― 吸血鬼・猫)、《白たてがみのライオン》(猫)

『未来予知』:《第六隊の刃》(猫・レベル)、《ナカティルの戦群れ》(猫・戦士)、《セトの虎》(猫)

 この内2種は、伝説のクリーチャーである登場人物を改めて想像したものである。《エフラヴァのジェディット・オジャネン》は、彼が「彼の部族の森を見捨て」なかったらどうなっていたかを想像したもので、一方の《呪われたミリー》は、クロウヴァクスが彼女を殺さずに吸血鬼にしたとしたらどうなったかを掘り下げたものである。その結果、史上初の猫・吸血鬼が生まれたのだ。《第六隊の刃》は猫・レベルとして印刷された初めてのカードである。《ナカティルの戦群れ》は、『時のらせん』ブロック全部でのドラフトで爆弾カードとしてよく知られていた。


『ローウィン』ブロック

 『ローウィン』/『シャドウムーア』ブロックは猫を愛する者にとって非常に残念なブロックで、新しく登場した猫は『イーヴンタイド』の《かまどの精霊》だけであった。ただし、それと引き換えに、このブロックは《黄金のたてがみのアジャニ》が初登場したブロックである(アジャニが初めてプレインズウォーカー・カードとして登場したのは『ローウィン』である)。ルール上は猫ではないが、アジャニは史上初にして現在唯一の猫のプレインズウォーカーなのである。


『アラーラの断片』ブロック

 『アラーラの断片』ブロックでは、『ローウィン』/『シャドウムーア』ブロックで出し惜しみした借りを返すかのように11種の新しい猫と新しいアジャニが登場している。

『アラーラの断片』:《復讐のアジャニ》(プレインズウォーカー)、《クァーサルの伏兵》(猫・戦士)、《アンデッドのレオトー》(ゾンビ・猫)、《野生のナカティル》(猫・戦士)

『コンフラックス』:《ナカティルの狩り群れ》(猫・戦士)、《ナカティルの異国者》(猫・スカウト)、《ナカティルの野人》(猫・戦士)、《野生のレオトー》(猫)

『アラーラ再誕』:《灰色のレオトー》(猫)、《レオニンの鎧守護兵》(猫・兵士)、《マリーシの双子爪》(猫・戦士)、《クァーサルの群れ魔道士》(猫・ウィザード)

 『アラーラの断片』ブロックでは、アジャニの出身次元であるナヤが初登場した(当時、アラーラは5つの断片に分断されていて、ナヤはそのうちの1つだった)。アジャニの出身部族であるナカティルと、猫の中でもさらに野生寄りのレオトーが登場している。


『基本セット2010』

 基本セットとしては初めて――ああ、『アルファ版』以来初めて、だ――新カードが導入されたセットで登場した2種の新しい猫の《霧の豹》と《銀毛のライオン》は、どちらもこの上なく単純であった。


『ゼンディカー』ブロック

 『ゼンディカー』ブロックで登場した新しい猫は、わずか5種であった。

『ゼンディカー』:《フェリダーの君主》(猫・ビースト)、《鎌虎》(猫)、《ステップのオオヤマネコ》(猫)、《石造りのピューマ》(アーティファクト・クリーチャー ― 猫・同盟者)

『ワールドウェイク』:《壌土のライオン》(猫)

 猫にはそれほどの進歩はなかったが、《ステップのオオヤマネコ》はトーナメント・レベルのクリーチャーだった。


『基本セット2011』

 『基本セット2011』で初登場した猫は《アジャニの群れ仲間》1種だけであった。このカードは、このセットで再録されている《黄金のたてがみのアジャニ》と組み合わせるためにデザインされたものである。


『ミラディンの傷跡』ブロック

 ミラディンを再訪したので、レオニンも再登場することになる。そして登場したのが、9種の新しい猫(うち1種はアーティファクト・クリーチャーでありレオニンではない)である。

『ミラディンの傷跡』:《高僧の見習い》(猫・クレリック)、《王の摂政、ケンバ》(伝説のクリーチャー ― 猫・クレリック)、《ケンバの空護衛》(猫・騎士)、《レオニンの裁き人》(猫・クレリック)、《太陽の槍のシカール》(猫・兵士)

『ミラディン包囲戦』:《ケンバの軍勢》(猫・兵士)、《レオニンの遺物囲い》(猫・クレリック)

『新たなるファイレクシア』:《敗残のレオニン》(猫・兵士)、《切りつける豹》(アーティファクト・クリーチャー ― 猫)

 このブロックで追加された中で猫愛好家にとって最も大きかったのは、猫の統率者として新しい選択肢となる《王の摂政、ケンバ》であった。彼女は《黄金の若人ラクシャ》のように猫を強化してはくれないが、猫・クリーチャー・トークンを作ることに長けている。また、彼女と《黄金の若人ラクシャ》の両方が装備品を必要とするので、組み合わせても上手く働くのだ。


『基本セット2012』

 増えた猫はわずか1種で、史上初の猫・モンクとなる《群れの護衛》だけである。


『イニストラード』ブロック

 『イニストラード』では猫は2種類しかいない。ともに『闇の隆盛』の《黒猫》と《聖所の猫》である。しかし、ここで重要なことが起こっている。通常の、生きた、イエネコの登場だ。マジックではこれまで長年に渡り、大量の野生ネコや猫族の戦士を登場させてきたが、『オンスロート』に1種いたゾンビ・猫を除いて、イエネコが登場したことはなかったのだ。ユーザーはこれを気に入った。《黒猫》も《聖所の猫》も特に強かったわけではないが、非常に愛されたカードであった。


『基本セット2013』

 このセットでは、新しいアジャニとして《群れの統率者アジャニ》が登場し、その奥義は大量の猫を生み出す(2/2で白の猫・クリーチャー・トークンを、コントローラーのライフ総量と同じだけ生成する)ものだった。また、新しい猫である《アジャニの陽光弾手》(猫・クレリック)、《守護ライオン》(猫)、《群れの癒し手》(猫・クレリック)の3種は、テーマ的にアジャニと関係するように作られたものである。


『ラヴニカへの回帰』ブロック

 このブロックの各セットで、新しい猫は1種ずつ存在する。《訓練されたカラカル》(『ラヴニカへの回帰』の猫)、《ザリーチ虎》(『ギルド門侵犯』の猫)、《瓦礫帯のマーカ》(『ドラゴンの迷路』の猫)である。これらはどれも野生ネコで、特に印象的なものではなかった。


『基本セット2014』

 『基本セット2014』では《群れの統率者アジャニ》のようにトークンを生成する《アジャニに選ばれし者》と、レガーサの世界を垣間見せるエレメンタル・猫の《レガーサの火猫》の2種が初登場している(『マジック・オリジン』で、レガーサとはチャンドラが灯が点ったときに初めて訪れた次元だということが知らされることになる)。


ホリデー・カード 2013

 毎年12月に、我々は銀枠のホリデー・カードを発行している。2013年には、史上初にして現在唯一の猫のホリデー・カードを発行した。そのカードは『ミラージュ』の《忍び寄る虎》(上記参照)と、『アンヒンジド』の《Booster Tutor》のメカニズムを組み合わせたパロディ、《Stocking Tiger》である。


『テーロス』ブロック

 クリエイティブ・チームはアジャニを『テーロス』のストーリーに登場させたかったので、レオニンがこの世界に存在することにして彼が登場しやすいようにした。このブロックでは新しい猫が9種と、新しいアジャニが登場している。

『テーロス』:《羊毛鬣のライオン》(猫)、《レオニンの投網使い》(猫・兵士)、《ナイレアの使者》(クリーチャー・エンチャント ― 猫)

『神々の軍勢』:《オレスコスの王、ブリマーズ》(伝説のクリーチャー ― 猫・兵士)、《オレスコスの太陽導き》(猫・モンク)、《ブリマーズの先兵》(猫・兵士)

『ニクスへの旅』:《英雄の導師、アジャニ》(プレインズウォーカー)、《レオニンの偶像破壊者》(猫・モンク)、《オレスコスの速爪》(猫・戦士)、《テツモスの大神官》(猫・クレリック)

 《ナイレアの使者》は史上初のエンチャントである猫である。《オレスコスの王、ブリマーズ》はまた別種の伝説の猫であり、これも猫・クリーチャー・トークンを生成する。

ナイレアの使者》 アート:Sam Burley

『基本セット2015』

 『基本セット2015』には《不動のアジャニ》という新しいアジャニと、《霜のオオヤマネコ》(エレメンタル・猫)という新しい猫が存在する。


『統率者(2014年版)』

 この商品に入っている猫は1種だけだが、アジャニの亡くなった兄である《黄金のたてがみのジャザル》という魅力的なものである。もちろん《黄金のたてがみのジャザル》は強力な統率者になるようデザインされており、様々な白の猫・カードと相性が良い。


『タルキール覇王譚』ブロック

 『タルキール覇王譚』ブロックの新しい猫はわずか5種である。

『タルキール覇王譚』:《ラクシャーサの死与え》(猫・デーモン)、《ラクシャーサの大臣》(猫・デーモン)

『運命再編』:《ティムールの剣歯虎》(猫)

『タルキール龍紀伝』:《隠れ潜むエイリンクス》(猫・ビースト)、《ラクシャーサの墓呼び》(猫・デーモン)

 ここで新しい種類の猫であるラクシャーサが登場している。これらは猫・デーモンというクリーチャー・タイプを持つ。


『マジック・オリジン』

 ここで登場した新しい猫は、《悟った苦行者》(猫・モンク)の1種だけである。


『戦乱のゼンディカー』ブロック

 このブロックで登場した新しい猫は《フェリダーの仔》(猫・ビースト)と《鎌豹》(猫)の2種だけであり、どちらも第1セットで登場した。


『統率者(2015年版)』

 この商品には史上初となる猫・イリュージョンの《錯覚の伏兵》と、史上2枚目の猫・スカウトの《オレスコスの探険者》が入っていた。


『コンスピラシー:王位争奪』

 この商品で登場した唯一の新しい猫が《紅蓮の狩り手》(エレメンタル・猫)であった。


『カラデシュ』ブロック

 このブロックでは6種の新しい猫と、2種の新しいアジャニが登場している。

『カラデシュ』: 《牙長獣の仔》(猫)、《水辺の虎》(猫)、《狡猾な猫猿》(猫・猿)

『霊気紛争』:《不撓のアジャニ》(プレインズウォーカー)、《勇敢な守護者、アジャニ》(プレインズウォーカー・デッキのプレインズウォーカー)、《霊気流の豹》(猫)、《守護フェリダー》(猫・ビースト)、《たかり猫猿》(猫・猿)

 『カラデシュ』では猫・猿のクリーチャー・タイプを持つ猫猿が登場した。また、史上初となる猫の禁止カード、《守護フェリダー》もここで登場している。


『アモンケット』ブロック

 『アモンケット』ブロックでは新しい猫が10種登場している。

『アモンケット』: 《優雅な猫》(猫)、《修練者の相棒》(猫)、《飛びかかるチーター》(猫)、《うろつく蛇豹》(猫・蛇)、《威厳あるカラカル》(猫)、《聖なる猫》(猫)、《死者の番人》(アーティファクト・クリーチャー ― 猫)

『破滅の刻』:《典雅な襲撃者》(猫)、《残忍な野猫》(猫)、《誇り高き君主》(猫)

 ただしさらに重要なのは、史上2枚目の猫のロード(《威厳あるカラカル》)で条件無しで自軍の猫を強化する初めてのカードが加わったことである。さらに、協力できるイエネコを何体も生成するのだ。イエネコの人気は『イニストラード』ブロックでわかっていたので、我々はイエネコがいるのにふさわしい場所をずっと待っていたのだ。エジプト風フレイバーについて研究を重ねていくうちに、イエネコにまさにふさわしいということがわかったのだ。古代エジプト人は猫を崇敬していた。エジプト風フレイバーから生まれたもう1つが猫・蛇の蛇豹である。

 こうして猫の部族が推された結果、緑白の伝説の猫が欲しいという声が高まっていった。

『統率者(2017年版)』

 そして今日のプレビュー・カードが生まれることになった。新しい猫のカードをすべて公開することはできないが(ちなみに2桁ある)、緑白の伝説の猫2種をご紹介しよう。

 1種目が、私にとって懐かしい登場人物だ。

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 ミリーは、ウェザーライト・サーガの中で私も協力して作り出した登場人物である。私は『エクソダス』で彼女の最初の伝説のクリーチャー・カードをデザインし、後に『次元の混乱』ではもう1つの現実の姿である伝説のクリーチャー・カードをデザインした。ただし、この新しいカードを作ったのはガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verhey率いるデザイン・チームであり、また違った猫の統率者としてデザインされている。彼女はただ緑白なだけではなく、猫軍団を組織する間もプレイヤーが自分を守れるようになっている。

 2種目は、猫部族の伝説の猫である。

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 《世界の咆哮、アラーボ》は、新能力語である威光能力として、自身が統率領域か戦場にあれば毎ターン、自軍の猫の1体に《巨大化》をかけてくれる。さらに、《世界の咆哮、アラーボ》は自軍の猫のサイズを(1体ずつ)倍にできるだけでなく、トランプルも与えてダメージが通るようにできるのだ。白緑の猫部族の統率者を求めていた諸君、これこそ待望の猫だ。

猫が紙袋から飛び出して

 今日はここまで。マジックの猫の歴史と、2枚のプレビュー・カードを楽しんでもらえたなら幸いである。この記事(この種の歴史記事をもっと読みたいか、もう読みたくないか)や『統率者(2017年版)』についての反響を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、手に入れたらわかる日にお会いしよう。

 その日まで、猫を集めるのがさほど難しくありませんように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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