開戦のゴングまであと数時間というところで会場に姿をあらわしたP.S.2の黒田正城。グランプリ名古屋優勝者としてマスターズにシードされた彼は、快く我々のインタビューに応じてくれた。
ちなみに、オンスロート・ブロック構築で行われるプロツアー本戦への権利を獲得できていない彼は、文字通りマスターズのためだけにここヴェニスへとやってきたということになる。
SideBoard:本番直前の貴重なお時間を有難うございます。
黒田正城:いえいえ。こちらこそよろしく。
SB:さて、色々とお聞きしたいことはあるのですが、とりあえず今回使用されるONS-ONS-LEGというフォーマットについてからお願いできますか?
黒田:わかりました。まず、オンスロート3パック時代ほど赤の圧倒的な強さというのはないと思うんですよね。逆に、かなり黒は強化されたんじゃないかなーと。それこそ、ONS-ONS-ONS時代にはまったく黒をやらなかった森田が最近は黒ばっかりやってますよ(笑) あと、土地は18枚未満って事がほとんどなくなりましたよね。
SB:ときに今回はそのLegions入りのチームロチェスターというフォーマットというわけですが、P.S.2としてはどのような作戦がおありでしょう?
黒田:そやねぇ。まず、配置に関しては横浜と一緒。右端からオレ、森田、モリカツの順番。で、モリカツは彼自身の個人的な感触として赤青がやりたいみたい。その上でオレは白がらみ、森田は緑がらみがいいかな~とは思ってます。でも、先手後手次第やし、森田とオレは場合場合で入れ替わるでしょうね。とりあえず、青がらみというか赤青には緑をぶつけて、白い相手には白をぶつけたいな~ってトコですか。
SB:ちなみに、先手後手が選べるとしたら、どちらを?
黒田:オレと森田は後手派。モリカツは先手でとにかく自分の赤青を主張したいらしい(笑) まあ、こっちのチームが決定権をもっている場合はまよわず後手でいきます。名古屋の決勝では、後手を選んで《踏み荒らし/Overrun》を3枚いただきましたしね(笑)
SB:たしかに、あのS.S.D.との一戦はとても印象的でした。ちなみに、あの頃からエースの森君が好きなデッキを組んで、両脇の森田君と黒田さんが相手の色選択に応じてデッキセレクトする...という手法が確立されていたわけですか?
黒田:そうですね。横浜の頃からこっちは基本的に後手で、その上でモリカツが突っ走って我々はそれをサポートって感じ。それぞれのキャラクターにもあってるからかな。今回も三人揃っての練習はなかなかできてないんですが、それも踏まえていつもの感じでいこうかな、と。
SB:なるほど。ところで話が少し巻き戻ってしまいますが、先ほどの「赤青には緑をぶつけて、白い相手には白をぶつけたい」という話を少し掘り下げていただけますか?
黒田:ああ、アーキタイプ的な話ですね。赤青は《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》で対処しきれないサイズを並べられちゃうと、それだけでキツいですよね。だから、相手が青かったらそれはほとんど間違いなく赤青だろうから、そこに緑をぶつけたいな~と。さすがに赤青に対して《兵士/Soldier》デッキなんかぶつけたくないですしね。まあ、青は基本的にクリーチャー細いですから、サイズで圧倒したいですね。
SB:それでは、「白に白を」というのは?
黒田:そうそう、《クレリック/Cleric》デッキもLegionsでだいぶ強化されましたよね。で、お互いに上下(地上・飛行)とも《兵士/Soldier》同士がにらみ合って、プリベンターを多く展開できた方がダメージレースで圧倒する。もしくは、膠着したところでタッチした赤の《無頓着の波/Wave of Indifference》か黒の《戦慄の葬送歌/Dirge of Dread》でカタがつくっていうのが...白対決ではほとんですよね。二色目が赤になるか黒になるか未知数ですけど、そういったキーポイントを抑えた上での白対決にいきたいなあ、と思っています。まぁ、白黒同士だと沼渡りの数で決まっちゃいそうですけどね。正直な話、3戦あるうちの2つを相性のいいマッチアップにできたらいいわけで、そういう意味ではオレは捨石なのかもしれない(笑)
SB:興味深いお話をありがとうございました。ちなみに、この大舞台で戦ってみたい相手...というのはどこのチームでしょうか?
黒田:決勝戦で格君たち(Panzer Hunter)と、っていうのが一番おいしいけど、それ以外だったらGary Wiseのとこですかね。どことやりたい~というより、Buddeだけ(Phoenix Foundation)はやめてほしいってのが本音かな(笑) まあ、そんなこんなで頑張ってきます。オレもこの四月から社会人ですし、いいイベントになったらいいな。