キューブ・ドラフトの道しるべ

Posted in Event Coverage on August 31, 2012

By Wizards of the Coast

 通常のドラフトでは、君たちをある方向に引き込むカードは、はっきりとしていることが多い。《 忌むべき者のかがり火 》が出てきた? それを取るんだ。《 警備隊長 》が流れてきた? 白が空いている可能性アリだな。《 荘厳な大天使 》を見かけた? もうためらうな。

 でも、全てのカードが良かったらどうする?

 それは、このゲームの歴史上初めてのプロ・レベルでのキューブ・ドラフトに臨む16人のプレイヤーが、席に着くなり直面した問題だ。ドラフトとデッキ作成の他に、プレイヤーたちは彼らのカードでどんなアーキタイプが可能なのか読み取る必要があり、さらにそれを一刻も早く為さなければならない。

 キューブ・ドラフトを練習してきた多くのプレイヤーがアーキタイプを選択して始めたものの、彼らのほとんどが、すぐ目についてデッキ全体を固めてくれるようなカードを探していた、と語っている。彼らは道しるべを探していたのだ。

リード・デューク/Reid Dukeは彼のキューブ・ドラフトの方針を定めるキー・カードに目をつけていた。

「欲しいものがない場合は、《 ハルマゲドン 》とか《 頭蓋骨絞め 》とか《 対立 》とか、くさびになるようなものを探したよ」と、語るのは2011マジック・オンライン・チャンピオンのリード・デュークだ。彼は先月、マジック・オンラインにキューブがある間はスケジュールを白紙にしてプレイヤー選手権に備えていた。

 彼はまた「これがなければその方針には行かないほど強力なカード」として、《 激動 》、《 生ける屍 》、《 精神を刻む者、ジェイス 》、そして《 ラノワールの使者ロフェロス 》を挙げた。

Opposition
Living Death

 他のプロも多くがこの意見に賛同したが、わずかに違う意見も少なからずある。

「重要なカードは、低コストでデッキを固めるものだね」アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayneは言った。「《 ジョラーガの樹語り 》とか、《 ルーンの母 》とか、《 ゴブリンの先達 》とか」

プロツアー・アヴァシンの帰還チャンピオン、アレクサンダー・ヘインは、《 ゴブリンの先達 》や《 ルーンの母 》といった低コストでデッキを固めるものを真の道しるべと見ている。

 ドラフトの方針の道しるべとなるのは低コストのカードたちで、これらはデッキがすべきことの手がかりとして使うんだ、とヘインは語った。

「頭の中に戦略を持つことが本当に大切だと思う」と、彼は言う。「キューブ・ドラフトは小さな構築だ。構築のデッキをドラフトしているんだよ」

 プロツアー・フィラデルフィア・チャンピオン、サミュエル・エストラティ/Samuele Estrattiもまた、白アグロ・デッキには《 ハルマゲドン 》、緑ランプ・デッキには《 チャネル 》や《 自然の秩序 》といったように、彼を軌道に乗せてデッキを固めるキーとなるカードを探していた、と言う。

 このことを念頭に置くと、本日行われたドラフトのいくつかに行動原理を見出すことができる。

 例えば、ルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargasは非常に有名で長く愛され続けている赤いデッキをキューブで組んだが、後に彼はアグレッシブな青いデッキがキューブでは一番だと考えていた、と言った。

 だがしかし、最初のパックを開けると、赤いアグロ・デッキのキー・カードのひとつである《 ゴブリンの先達 》が彼を見つめ返していた。これは《 硫黄の渦 》ではない――スコット=ヴァーガスをもってして、赤いデッキで楽しむなら事実上最強とまで言わしめるカードではないが、確実に大きい、ネオン管レベルのサインが、彼を赤の方針へと向かわせた。

ゴブリンの先達
Sulfuric Vortex

 ここから、スコット=ヴァーガスは他にまったく赤いカードが流れてこない、という事態に陥った。3手目に《 燃え上がる憤怒の祭殿 》を取り、《 ぐらつく峰 》を取るところまで行ってしまった。このカードは実質的に赤単以外では実用性がないが5手目、そして6手目の《 ブリキ通りの悪党 》と、後を追ってしまった。もはや誰も、これらのカードがキューブ内で最も強力なカードだ、と言う者はいないと思われるが、そのときのスコット=ヴァーガスは、彼をある方針へと向かわせる《 ゴブリンの先達 》を見かけて、その方針を守ったのだ。

 八十岡翔太は、1パック目でかなり明確な道しるべである《 精神を刻む者、ジェイス 》に迎えられた。卓のほぼ全員が、《 激動 と並んでキューブ内最高の2枚と見なしていたジェイスは、青いカードを積極的に取ることに対する4マナの強固な方針を八十岡に与えた。

 そして彼はそれを実行した。キューブ内で最も強力なカードではもちろんない《 コー追われの物あさり 》を2手目に取り、《 血染めのぬかるみ 》と続いた。たとえ青いカードではなくとも、フェッチ・ランドを取ることで八十岡はほとんど意のままにシャッフルすることができ、ジェイスの《 渦まく知識 》能力に更なる力を込めることができる。

 面白いことに、その後は八十岡が特別青いカードに恵まれたわけではなかった。彼は《 潮の星、京河 》と《 連絡 》を4手目、5手目と取ったが、残りのパックでは単体で強い青のカードはピックできなかった。

 それでも、彼は自分の見極めを貫き通し、2パック目のはじめの方に《 禁止 》、《 誤算 》、《 渦まく知識 》とピックし、《 沸騰する小湖 》も加えてさらにシャッフル手段を増やした。まだ、ほとんど青いカードは流れてきていなかったが、《 精神を刻む者、ジェイス 》はそれを諦めて余りあるほどの大物だった。

 中村修平も《 精神を刻む者、ジェイス 》を初手にピックしたが、こちらは青いカードに恵まれていた。それでも、2パック目で《 頭蓋骨絞め 》が出ると、途中から別の道しるべがその方針を指し示した。そのおかげで彼は《 熊人間 》や《 Fyndhorn Elves 》といったものや、さらに重要なことに同パックの8手目に《 粗石の魔道士 》を取ることとなった。《 粗石の魔道士 》はこのデッキでは素敵なものだ。なぜなら《 頭蓋骨絞め 》をサーチし、それを着こなすだけでなく、ジェイスのためにもうひとつのシャッフル手段を与えたのだから。

取り巻くカードが最高のものでも、あるいはそのためだろうか、
精神を刻む者、ジェイス 》はやはり壊れている。

 ジョン・フィンケル/Jon Finkelは道しるべをたくさん見かけた。《 対立 》と《 ハルマゲドン 》が最初のパックで彼にスタート地点を与え、2パック目の初手《 解放された者、カーン 》が、マナ・ソースはなんでも取る、という方針をしっかり固めた。《 解放された者、カーン 》に続いて2手目に《 パラジウムのマイア 》をピックすると、フィンケルはパック中盤に《 金粉の水蓮 》や《 Basalt Monolith 》、《 目覚めの領域 》と猛烈に取り続け、終盤は《 対立 》、《 ハルマゲドン 》そして《 解放された者、カーン 》と上手く機能するピックをした。彼は3つ目のパックでも4手目、5手目に《 冷鉄の心臓 》と《 清純のタリスマン 》まで取った。

Opposition
目覚めの領域
Armageddon

 もちろん、常に上手くいくわけではない。リード・デュークは充実したエスパー・コントロール・デッキを組み上げたが、途中、彼は1パック目8手目に《 生ける屍 》を取った。それはドラフトが始まる前にデュークがくさびだ、と言っていたカードのひとつだった。しかしながら、単純にデッキに入るカードではなく、彼が必要に迫られた場合に《 生ける屍 》デッキをサポートするものも一切見当たらなかった。この例では、彼は道しるべを見つけ出してそれに従ったのだが、最終的には違う道で終わっていた、ということだ。

(私を信じて。そこによく似ていて、もっと進んだところに連れて行けるよ)

 近くでよく見てみると、道しるべに沿ったドラフトの例は今回のドラフトのいたるところに広がっていた。《 ガイアの揺籃の地 》は、オーウェン・ツァーテンウェルド/Owen Turtenwaldをクリーチャー主体の緑デッキへと導き、一方《 頭蓋骨絞め 》は彌永にそれがなかった場合より多くのクリーチャーを取ることを考えさせたのだ。

 

(Tr. Tetsuya Yabuki)

 

Latest Event Coverage Articles

December 4, 2021

Innistrad Championship Top 8 Decklists by, Adam Styborski

The Innistrad Championship has its Top 8 players! Congratulations to Christian Hauck, Toru Saito, Yuuki Ichikawa, Zachary Kiihne, Simon Görtzen, Yuta Takahashi, Riku Kumagai, and Yo Akaik...

Learn More

November 29, 2021

Historic at the Innistrad Championship by, Mani Davoudi

Throughout the last competitive season, we watched as Standard and Historic took the spotlight, being featured throughout the League Weekends and Championships. The formats evolved with e...

Learn More

Articles

Articles

Event Coverage Archive

Consult the archives for more articles!

See All