ジャッジにおける「レベル」とは何か?

Posted in Event Coverage on June 22, 2012

By Wizards of the Coast

ジャッジにおける「レベル」とは何か?

 今回のグランプリ・横浜でジャッジをしている中に、イタリアのレベル5ジャッジ、Riccardo Tessitoriさんがいらっしゃいます。レベル5というのはジャッジの最高レベルであり、現在世界に4人しかいないうちのお1人です(アメリカ3名、イタリア1名)。  しかし高レベルジャッジというのは、いったいどのような仕事をする人なのでしょうか? お仕事の合間にインタビューさせていただきました。

Riccardo Tessitoriさん

――あなたは世界最高レベルのジャッジだということですが、奥さんもジャッジなのだそうですね。

「彼女(Cristiana Dionisioさん)はレベル4です。そしてイタリアの地域コーディネーターでもあり、地域コーディネーター統括でもあります」

――すごいですね!

「面白い話がありまして、私はヨーロッパを出てアジアを回って日本に来ました。彼女はヨーロッパを出て、反対回りにアメリカへ行き、このグランプリと同時に行なわれているグランプリ・バンクーバーにいます。お互いにもう少し進めば、ハワイで合流できますね(笑)」

――すごいご家庭ですねえ。

「確かに特殊ではあると思います」

――高レベルのジャッジの仕事というのは、低レベルと何が違うのですか?

「ジャッジになると、まずルールを勉強し始めます。レベルが上がるにつれて、大きいトーナメントとはどういうものか、それをうまく動かすにはどうしたらいいかというのを学んでいきます。
 さらに上の方に行くと、コミュニティ全体の面倒を見つつ、人を育てるという立場になります。そしていずれ、ジャッジプログラムというものに対して、WEBサイトであったり、教育であったり、ジャッジプログラムの構成であったりという、それぞれのエリアに対して責任を持つことになります。
 一方、ジャッジという枠を超えて、文章を書いたりテレビに出たりしてマジックというものを外に向かってアピールする、広報のような立場になります。
 つまり、高いレベルに行けば行くほど、見ている範囲が広くなっていくのです。最初は自分の周りからスタートして、だんだんエリアが広くなり、最後は世界全体を見渡すようになる。それがレベルの差であると考えます。
 会社で、最初は自分の仕事だけをする平社員ですが、そのうち部署を見て、会社全体を見て、最後はCEOになるようなものです」

――よくわかりました。そのレベルはどのようにして上がっていくのでしょうか?

「基本はルールとポリシーを学び、トーナメントをどう進めていくかを順に学んでいくことで、だんだんと上がっていきます。
 その後、自分がまわりに影響を与えられることを示していかなければなりません。それはカリスマだったり、リーダーシップだったり、ほかの人を無理やり引っ張っていくことだったり、いろいろです。それをまわりに示していくことで、レベルが上がっていくと考えていただければいいと思います。
 レベル3まではテストがあり、筆記と実技、それから面接をします。レベル4と5には試験はなく、純粋な推薦制です。あの人は頑張って働いていて成果も挙げているとなれば、上のほうから『それなら、レベル4なり5に上げよう』という話が出ます」

――その「上のほう」というのは、誰なんですか?

「ジャッジマネージャーのアンディ・ヘクト、彼はジャッジではなくてウィザーズ社に雇われているのですが、彼がジャッジ全体を見渡す役割です。彼は我々の目印であり船を導く灯台のような立場で、我々が道を見失わないための中心にいます」

――なるほど。それでは今回のグランプリ・横浜についても少々お聞きしたいのですが、人数がとても多くて大変でしたか?

「今回は日本で過去最高の参加者数だと聞きました」

――そうですね。

「ここに参加したことで我々は歴史の一部となったわけで、とても誇りに思っています。
 設備や運営の面に関しては、人数が多いためとても大変でした。ただ、日本ではあまり試合中にもめるということがありません。日本人プレイヤーはとても真面目で勤勉、いろいろなことに関して思いやりがあるので、大げんかになったりしないのだと思います。そういう点では、日本のイベントはやりやすいですね。
 それはそれとして今回、自分にとって難しかったのは、私は日本語をしゃべれず、ここにいる99%のプレイヤーは日本語をしゃべるということです。そんな中、英語でコミュニケーションをとるというのは、私にとっては大きなチャレンジでした。ですが、外国に行って違う文化の人と接すること自体は、自分の考え方を豊かにしてくれる、素晴らしい人生経験の一つです。なので、コミュニケーションが難しいとはいえ、私はここにいて大変ハッピーですよ」

――もう、ジャッジとして世界を回るのが天職のようなものですね。

「そうかもしれませんね」

試合

――最後に1つ、1500人もプレイヤーがいると、今までのヨーロッパのグランプリだったらトーナメントが2つに分割されていたと思うんですが、今回分割しなかったのはなぜですか?

「確かに今までは分割していましたが、今後は3000人とかの大人数にならないかぎり、原則として分割せず1つのトーナメントとしてやる意向になっています。1つのトーナメントにすることで、トーナメント内の全員と当たる可能性があり、公平性が確保できるからです。
 分割したほうが、結果報告用紙が集めやすいとか、印刷が少なくて済むとか、運営に手間がかからないといったメリットはあります。でも逆に、1つのトーナメントにすることで全体をシンプル化できるという利点もあります。それらをひっくるめた上で、1つのトーナメントだけれども、入力と印刷については分割して行なう方法というのを、今開発しているところです」

――つまりシステムとしては分割のラクさを取り入れつつ、みんな平等に1つのトーナメントで戦える、といういいとこ取りですね。

「そうです。将来的には、という話ですが」

――なるほど、実現を楽しみにしています。それでは、どうもありがとうございました。

ジャッジの集合写真

by Seo Asako

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