マスターズ決勝ドラフト考察

Posted in Event Coverage on March 23, 2003

By 石田格

チームマスターズと言えば日本。

過去二回のこのフォーマットにおいてダークホース以外の何者でもない日本産のチームが必ず決勝に残ってきた。もちろん今年も例年通り決勝のドラフトテーブルには日本産のチームの姿がある。

誰もがフェニックス・ファウンデーションが勝つと思っていたブロックから勝ち上がってきた「PS2」こそ今回のチームマスターズ最大のダークホースであり、我等日本勢が過去二回にわたって逃し続けたマスターズ制覇という偉業の最後の挑戦者なのだ。

なんとしてでも「Panzer Hunter」が果たせなかった栄光を勝ち取ってくれ!

◆オンスロート

先攻の「PS2」は開封パックから《運命をかたどるエイヴン/Aven Fateshaper》と《原初の支援/Primal Boost》を引き当てチームの基本戦術である「担当」通りに森に《運命をかたどるエイヴン/Aven Fateshaper》、森田に《原初の支援/Primal Boost》をピックさせて幸先の良いスタート。

対する「2020」は左から順に《上昇するエイヴン/Ascending Aven》、《切り刻まれた軍勢/Severed Legion》、《ワイアウッドのエルフ/Wirewood Elf》とピックして今回のチームマスターズで良く見られる「赤青、白黒、赤緑」という定石手を展開し始める。

続く森田の開封パックで《死の脈動/Death Pulse》が出現したため森田はサポートカラーを黒緑に定め続くパックを《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》や《卑劣なアヌーリッド/Wretched Anurid》と言った「部族」関連のカードを主体にドラフトしていく、オンスロート発売当初は部族はそれ程ドラフトには絡まないと言われていたがレギオンの参入とチームロチェスターという特異なフォーマットのせいもあってチームロチェスターでの「部族」シナジーは通常のドラフトとは比較にならない強力なものになる。これを利用しない手はないのでしばらくどちらのチームもカットもそこそこに自らのデッキを強化し続けていた。

この静寂が破られたのは一巡目の最後である黒田のパックだった。

「ゴットレア」「爆弾」「壊れたカード」

その呼び名は様々だがリミテッドをよりエキサイティングなフォーマットにしている理由の一つが・・・たった一枚で場をひっくり返してしまうこの手のレアカードの存在である。

しかもオンスロートという環境にはこの手の「ゴットレア」が数多く存在していて、その遭遇率の高さは他のエキスパンションとは比べ物にならない。

それこそどんな熟練のプレイヤーでも《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful》や《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》には歯が立たないのだ。

黒田が開封したパックの中には実に壊れたカードアドヴァンテージを提供してくれる《未来予知/Future Sight》があった、当然青の担当である森にこれをピックさせ黒田自身は《平和な心/Pacifism》を取り自身のデッキの強化に走る。

返す二順目でさらに《水銀のドラゴン/Quicksilver Dragon》を引き当てた黒田はこの三色目の「ゴットレア」を躊躇無く手に入れた。

対戦相手の「2020」はレアにこそ恵まれないものの《火花鍛冶/Sparksmith》や《陽光の突風/Solar Blast》、《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》と言った優良なコモンカードを手に入れて実に堅実にデッキを強化していき、技術的な勝利を目指して着実に前進していく。

しかしそんな「2020」をあざ笑うかのように「PS2」側のパックでは《賛美されし天使/Exalted Angel》や《稲妻の裂け目/Lightning Rift》といった環境を象徴するブロークンカードが出現し続け、露骨に「PS2」側に有利な状況のままオンスロートは終了となった。

この時点では

○PS2

黒田:兵士&クレリック(《賛美されし天使/Exalted Angel》《水銀のドラゴン/Quicksilver Dragon》)
: ウィザード&ゴブリン(《未来予知/Future Sight》《火花鍛冶/Sparksmith》《稲妻の裂け目/Lightning Rift》)
森田: エルフ&ビースト(《死の脈動/Death Pulse》《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》×2 《卑劣なアヌーリッド/Wretched Anurid》×3)

○2020
David Rood: ウィザード(《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》《うつろう爆発/Erratic Explosion》《稲妻の裂け目/Lightning Rift》《陽光の突風/Solar Blast》《焦熱の火猫/Blistering Firecat》)
Steven Wolfman:  ゾンビ(《燻し/Smother》《虫つぶし/Swat》)
Elijah Pollck:  エルフ&ゴブリン&ビースト(《うつろう爆発/Erratic Explosion》《火花鍛冶/Sparksmith》《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》《ショック/Shock》)

◆レギオン

ここまで好調なパックに恵まれた「PS2」だがレギオンに入ってからはいまいちおいしくないパックを開けてしまい《スカークの匪賊/Skirk Marauder》や《ブロントセリウム/Brontotherium》等のカードの頭数は揃うものの《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》や《皮を剥ぐ者/Skinthinner》のようなデッキとして機能するためのカードが取れない。

一方「2020」はオンスロートの時点でしっかりとしたドラフトを行っていたためレギオンに入ってからは赤緑は各種挑発付きのクリーチャーで《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》《暴れまわるマーロドント/Berserk Murlodont》等の挑発ロックを形成し、青赤は《残響の追跡者/Echo Tracer》、《霧衣のウミツバメ/Mistform Seaswift》、《秘密調査員/Covert Operative》と言った優秀な青いカードで頼りなかったクリーチャー陣を一気に引き締めにかかる。

唯一白黒だけはまとった部族が取れず雑多な混成デッキとなってしまったがレギオンでの立ち回りはさすがといった感があった。
 
結局「ゴットレア」こそ出なかったものの期待通りのコモンカードが出現した事によって「2020」が一気にデッキのパワーを対等な位置にまで戻してきたため、この勝負はマジックにおいて永遠の課題である「運」VS「知恵」という対決によって決まる事になってしまった。
 
果たして日本人初のマスターズチャンピオンは生まれるのだろうか?

すべてはもうすぐわかるはずである。

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