ラウンド 1: 岡本尋 vs. Jens Thoren

Posted in Event Coverage on January 17, 2003

By Keita Mori

 「マスターズの指定席」

 それは、プロツアーに継続参戦し、しかもコンスタントに結果を残し続けることの出来た一握りのプレイヤーだけに許された...まさしくトッププレイヤー認定証のようなものである。そして、この栄光のポジションを一定期間にわたって確保することの出来た日本人は、今のところたった二人しか存在していないのだ。

 一人は、ツアーにおける日本勢躍進の端緒となった「開拓者」藤田剛史。そして、今一人がこの「最後のアジア王者」岡本尋である。ツアー決勝ラウンド進出という記念碑を打ち立てたのが藤田。それならば、岡本が狙うは日本勢初タイトル。これしかない。

◆赤単色勝負駆け

 ところで、岡本が最後の最後まで候補として用意していたデッキは三つあったそうである。その中から結局「スライ」を岡本は選択したわけだが、いったいどのような理由からのデッキセレクトなのだろう? ちなみに、以下の3アーキタイプが「最終候補」である。

・サイクリング
・檜垣式リアニメイター
・赤スライ

 「マスターズレベルではサイクリングは難しいだろう」という藤田剛史や石田格のアドバイスがあったそうで、岡本も似たようなイメージを漠然と抱いていたため、「サイクリング」がまず没。

 「世界のほうが、明らかに一歩先いってるんだよねぇ」と岡本が語ってくれたのが「リアニメイター」。檜垣のそれは黒緑赤という不安定なマナベースに依存せざるを得なかったのに対して、GatewayでBen Seckらが使用していたバージョンは赤黒に色を絞った進化形。現状視察するまでは「リアニメイター」を有力候補と考えていた岡本だったが、明らかにミラーマッチを考えると「デッキ負け」している事態に直面させられた。

 「結局、同じ土俵で勝負できるレベルまで練りこまれてるのがスライだけだったってことかもね」

 かくて、男の赤単勝負駆けである。

Game 1

 対戦相手は Invitational Champion でもある"Broken Jens"。彼も寡黙なことで知られるプレイヤーであり、じっくりと一手一手を推敲していくプレイスタイルまでそっくりな二人である。ただ、岡本がスピード狂スライであるのに対して、ThorenはThe Finalsでの中村修平を髣髴とさせるような黒単色コントロールであり、こちらは好対照。

 ダイスロ-ルによって岡本はどうしても欲しかった先手を獲得。しかも、Thorenは1マリガンと幸先良さそうな雰囲気での開幕となった。

 ...そして、岡本のライブラリーは実に都合よく積み込まれていた。フェッチランド起動から《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》召喚という立ち上がりを見せる。2ターン目にもフェッチランド起動から《ゴブリンの監督官/Goblin Taskmaster》を召喚し、本体に《炎の稲妻/Firebolt》。

 Jens Thorenも3ターン目にパンプアップして突撃してきた《怒り狂うゴブリン》を《燻し/Smother》によって撃退してなんとかライフを守ろうと立ち回るのだが、わざわざ《汚れた契約/Tainted Pact》で持ってきた《強迫/Duress》が空振りに終わってしまい、しかもそこには《焦熱の火猫/Blistering Firecat》が控えているという有様だった。

 結局、《火猫》の一撃を食らって瀕死となったThorenは、《魔性の教示者/Diabolic Tutor》からの《堕落/Corrupt》に最後の望みを託すこととなるのだが、ここでThorenが対象として《ゴブリンの監督官》を指定したところで、岡本はハンドから一枚のスペルをキャストした。

 ...《溶岩の投げ矢/Lava Dart》!!!

 かくて岡本は《ゴブリン》を「自殺」させることに成功し、ここで Thorenはデッキを片付け始めた。

岡本尋 1-0

Game 2

 やはり淡々とサイドボーディングを終えた二人。しかし、序盤から早くも波乱含みの展開となる。後手岡本が開幕ターンに召喚した《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》を先手のThorenが第二ターン目に《無垢の血/Innocent Blood》でなぎ払ったところまでは良かったのだが、その直後にセットされたのが...《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》だったのである。

 そして、マナ事故の臭いを敏感に察知した岡本は、ここぞとばかりにハンドから《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》、《ゴブリンの監督官/Goblin Taskmaster》、そして2体目の《ゴブリンのそり乗り》と軍勢を続け、《火山の鎚/Volcanic Hammer》を本体に叩き込んだ。

 ここで《火猫》までが降臨していたらすでに勝負は終わってしまっていただろう。しかし、なんとか致命傷となってしまう前にThorenも3マナを展開することに成功した。そう、必死で《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》をサイクリングし、5ターン目には満を持しての《仕組まれた疫病/Engineered Plague》をプレイできたのである。もちろん、このエンチャントメントは3体の《ゴブリン》を葬り去った。ちなみに、この段階でThorenには11点ものライフが残されており、さすがに場のコントロールを掌握しつつある黒コンが星を取り返しそうな雰囲気だった。

 ...しかし、ここからが男赤単色の見せ場。

純粋なフラッシュバック本体火力となった《燃えたつ計略/Flaming Gambit》、緒戦のMVPとなった《溶岩の投げ矢》、さらに《炎の稲妻》と本体火力を容赦なく詠唱し続ける岡本。

そう。X=5での《堕落/Corrupt》を本体に叩き込まれてしまっているというのに、...岡本尋は"Broken Jens"を見事に焼ききってしまったのだった!

「ん~。ちょっと都合よすぎたかな...」

Final Result:岡本尋 wins 2-0

 かくて、塩津テク(燃えたつ計略)炸裂。
幸先よく賞金倍プッシュである。

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