ラウンド 10: 大澤 拓也 vs. 廣澤 遊太

Posted in Event Coverage on September 2, 2005

By Daisuke Kawasaki

廣澤 遊太

「《春の先駆け/Harbinger of Spring》は出来れば入れたくないですね。入れちゃってる時点でデックはかなりやばいと思いますよ。」

セカンドドラフト終了時点で、津村 健志(広島)に《春の先駆け/Harbinger of Spring》と《這い回る不浄/Crawling Filth》のピックで悩んでいた事について質問したところ、津村はこう答えた。そんな《春の先駆け/Harbinger of Spring》が…大澤のデックには2枚も入っているのだ。

ここで、第9回戦で、強力な赤黒デックのoks oliverに勝利した大澤に聞いてみた。

――勝因は?
大澤:《春の先駆け/Harbinger of Spring》を引かなかったことかな?

そんな大澤が卓内でも1位2位を争うほどまとまったデックを作り上げ、なるべくして2勝してきた廣澤に立ち向かう。

会場一の花形、第2ドラフトの第4ポッドを制するのはどちらか。

Game 1

先攻は廣澤。マリガンは双方共に無し。

序盤はお互いに土地を置きつつ、《裂け尾の巫女/Split-Tail Miko》《花鬣の獏/Petalmane Baku》とキャストする展開。

だが、廣澤が《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》をキャストしたことによって一気にゲームの流れが変化する。大澤が返しのターンに《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》しかキャストできなかった事もあって、《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》が一気に支配的な力を持つ事になる。

お互いに手札の枚数を確認し、調整しながら《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》が殴り続ける展開。特に大澤は、うっかり手札を展開してしまうと膨れ上がった《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》に対処できなくなってしまう可能性があった。そう、大澤のデックには小粒のクリーチャーばかりが揃っていたのだ。しかも、小粒でもピリリと辛くない奴らが。その代表格が……冒頭でも名前を挙げた《春の先駆け/Harbinger of Spring》だろう。

手札の枚数である程度プレッシャーを与えつつ、《偽りの希望の神/Kami of False Hope》などの後続を追加する廣澤。一方の大澤は《武道家の学徒/Budoka Pupil》を場に出すのが精一杯だった。大澤のデックの数少ないエースである。

しかし、明らかにプレッシャーを与えられていた大澤に転機が訪れる。《春女/Haru-Onna》だ。《春女/Haru-Onna》がいれば、スピリットに限っては手札の消費を気にしないで展開することが出来る。そう、それこそ《春の先駆け/Harbinger of Spring》でさえも。

噂をすれば影とばかりに《春の先駆け/Harbinger of Spring》がキャストされる。
そして2匹目も。

「引かない事が勝因」とまで言われてしまうこのカードも、《春女/Haru-Onna》が場に出ていれば話が違う。枯れ木も山の賑わいとはよく言われる事だが、こうなると《春の先駆け/Harbinger of Spring》はホントに場に春を呼んでくれたようにすら感じる。ほら、《花鬣の獏/Petalmane Baku》も花盛りだ。大澤にも華は咲いているのだろうか。

スピリットのドローが止まらない、花盛りでロマンティックが止まらない。そんな大澤に対して、廣澤も流石に優秀なクリーチャーを並べ、ヒーラーも並べる。1:1での戦いならば決して負けないであろう廣澤のクリーチャー達も、お祭り全開の大澤のクリーチャーの前に、数の暴力で殴りに行けない。そして、膠着すればするほど、大澤が3ターン目に苦し紛れにキャストした《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》が光り輝いてくるのである。

そんな話をしているうちにも《春女/Haru-Onna》が大澤からくっついたり離れたりくっついたり離れたり。

そして、20点分のパワーのクリーチャーが並んだところで、大澤はたった一回のアタックで勝負を決めた。

大澤 1-0 廣澤

終了直後に大澤は語る。

「たしかに、唯一と言っていいほどの楽勝パターンですけど、あんなん10回に1回決まればいい方ですよ」

数少ない秘密兵器を使い切った大澤は残り一勝をどう手に入れるのだろうか。

よく言うではないか。

先に必殺技を出した方が勝負に負ける、と。

Game 2

必殺技を出し尽くした…かに見えた大澤だったが、秘密兵器を隠し持っていた。

先攻は廣澤。

ランドのない手札をマリガン。

マリガン後の手札にもランドは無い。

仕方なくマリガンするも、やはりランドは無い。

そして、トリプルマリガンの後の手札にもランドはなかったのだ。

トリプルマリガン後に土地もおかずエンドをする廣澤の姿をみて大澤の顔がほころんだ。

その後の一方的な勝負について細かく触れる必要は無いだろう。

唯一特筆するべき点があるとすれば、二回起動された《樹海の古松/Elder Pine of Jukai》でめくられた6枚のカードは全部土地だった、という事くらいだろうか。

大澤 拓也

大澤「このドラフトで相手のトリプルマリガン二度目ですよ」

大澤 2-0 廣澤

安定した実力を持ち、マネーフィニッシュも結構な打率である大澤だが、これまで大きなトーナメントでトップ8に入ったことはなかった。

マジックでは、時に実力だけでなく、その日の勢いや華を持った人間が勝ちあがる事が多い。

今回、華盛りの第4ポッドをその日の勢いで勝ちあがった大澤の今後の成績に期待したい。

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