ラウンド 15: 岡本尋 vs. Jeroen Remie

Posted in Event Coverage on August 8, 2003

By Koichiro Maki

 Remie は的確な表現かどうか議論はあると思うが、解りやすく書き表すと「フジケン」タイプ。かなりの巨体をのそりと揺らしその口には楊枝をくわえた風貌が特徴的だ。彼が世間から親しみを込めて「悪い」と呼ばれているかどうかは解らないが。

慶太:だから名前がレミィなんですね。

 池田がマスターズ横浜で使用したのを原型に、最終調整を加えたデッキが今回尋が使用しているゴブバンテージだ。ウイニーで有りながらコンボデッキの側面を持つこの奇妙な子鬼の集団はここまで期待通りの成果をあげている。現在 34 点の尋に必要な点数は残り 6。つまりここを勝利できれば、残りの 3 ラウンドでたった一度勝てれば良い非常に楽なポジションに進出可能だ。

Game 1

 15分に渡る長いデッキチェックの後にようやく試合開始のゴングが。デッキチェック中の時間というのは全く問題が無いと解っていても不安になるもの。特に筆者のように、何度かレア取りしたフェッチランドを書き忘れてゲームロスなんかをくらった経験が有ると尚更だ。なら取るな? ごもっとも。

 岡本は文字通り幸先良い《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》から。Remie が森を置いただけなのとは対象的に、攻撃前に@2マナ出る土地の力を借りると《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》を召還し、《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を入手。《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》が攻撃するとこの司令官がずどんと場に。

 Remie は再び沼を置いただけで終了。ここまでアクションは無い。
 
 だが、尋は止まらない。攻撃前に《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》を召還し 4 枚のカードをめくると
 
 《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader
 《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief
 《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator
 《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver

 めくれすぎ。
 
 もういいよ。Remie は苦笑しながらシャッフルを開始。
 
Jin -1, Remie -0

Game 2

 先手の Remie は先ほどとは変わって《極楽鳥/Birds of Paradise》からの好調な滑り出し。そのまま《仕組まれた疫病/Engineered Plague》に繋げられてはと、すぐさま尋はこれを《炎の印章/Seal of Fire》で焼き焦がす。しかし、Remie はここから《花の壁/Wall of Blossoms》を連打しながら更なる《極楽鳥/Birds of Paradise》を。

 これほどがっちりされては、さすがのゴブリンにも分が悪い。岡本もゴブリンを並べていくが、立ち並ぶ壁の前に進路を阻まれ本丸へ侵攻する事が出来ない。

 その間に Remie は《顔なしの解体者/Faceless Butcher》、三つ目の《花の壁/Wall of Blossoms》《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》と並べ布陣を堅牢にしていく。

 だが、尋もここでようやく《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》を発見。逆転の計画を練り始める。まずはライブラリーから全てのゴブリンを抜き出し、Remie に見せる。《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》の強力なところは一旦カードを見せてしまえば並べる順番は自分の任意にいじれる点だ。Remie はルールを再確認すると、仕方なく尋が抜き出した全てのカードをメモする事にした。この辺りの機微はさすがだ。素材さえ解れば、作られる料理には予想がつくからだ。

 ようやくセットが完了。まず尋は《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》で《顔なしの解体者/Faceless Butcher》を殺害し《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を取り戻すと共に積み込んだ一番上のゴブリンを手札に加える。続けて戻ったばかりの《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を Remie のマナが残らぬうちに《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》に飛ばし、アドバンテージの差を広げさせない。

 だが、ここでゴブリンにとっての天敵が登場する。《破滅的な行為/Pernicious Deed》 だ。小粒揃いのゴブリンにとって、このカードでの一掃は余りに容易。

 だが、それは単なるゴブリンデッキの場合だ。このゴブリンバンテージではその点が一味も二味も大違い。
 
 《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》からの《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》は次々とゴブリンの群れを尋にもたらす。死んだなら補充する。ただそれだけの事である。

 これには Remie も弱った。まず一度《破滅的な行為/Pernicious Deed》によるリセットを行うが、場にはすぐさまゴブゴブゴブゴブブ。もいちど流してとっておきの《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》を出すが...

 《ゴブリンの暗殺者/Goblin Assassin
 
 場内爆笑。まさかこのカードを構築で見る日が来ると誰が予想しただろう。しかもこれはパワーカードが超満載のエクステンド世界においてだ。

 共にフリップ失敗。死にはしたが、暗殺者的には任務完了。

 しかし Remie もさすが現在単独トップの男だ。手札の無い状態で引いたカードを見ると、それがなんと《破滅的な行為/Pernicious Deed》。三度散りゆくゴブリン達。

 そして場にはゴブゴブゴブゴブブ。

 だが、Remie のライブラリートップは強い。ここで驚きの《起源/Genesis》! 墓地には《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》が出番待ちで、更に尋のゴブリンも度重なる徴収に疲弊してしまい、ついに全てのゴブリンを使い果たしてしまったのだ。

 となるとこの後は。増えるビースト、減るゴブリン。
 
 もう無理。

 Jin -1, Remie -1
 
Game 3

 先手の尋は《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を、後手の Remie は《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を。これが相打つと、尋は《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》を、Remie は《極楽鳥/Birds of Paradise》と《ただれたゴブリン/Festering Goblin》を。

 再び消耗戦か。
 
 三枚の山を前に尋はしばしの時をかけプランを練った。《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を召還し先ほど召還しておいた《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》と併せて三体の攻撃を行おうとしたものの、Remie はその着地前に《悪魔の布告/Diabolic Edict》を使用する。Remie の側には《ただれたゴブリン/Festering Goblin》が同族の来襲を今かと待ち構えており、これはあまり旨くない。

 仕方なく《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》を召還するだけに。ならばと Remie も《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》を。

 この前哨戦は Remie に《破滅的な行為/Pernicious Deed》の設置を可能とした。
 
 尋は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》でこれを一度流しにかかる。《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》の力を借りた放火が Remie に飛び Remie のライフは 8 へと。一方、尋は《古えの墳墓/Ancient Tomb》を起動しただけの 18。

 ここで Remie は腹を据えた。手札に明確な解答が無い以上はダメージレースをする他ない。《樹上の村/Treetop Village》を尋に向けて発進。

 タイトロープのダメージレース。ゴール直前の状況はこうだ。
 
 ライフは共に 4。現在は Remie のターン。彼の場には二体の《樹上の村/Treetop Village》を含めた八枚の土地。緑マナも黒マナも十分にある。
 尋の場にはタップ状態の《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》と《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》。そして出たばかりの《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》と三体のトークン。尋のマナは全て寝ている。

 Remie は二体の《樹上の村/Treetop Village》を起動し攻撃。尋は三体のトークンで一体を、《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》その人でもう一体をブロックする。ぱっと見ると《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を残しておきたいと思うかもしれないがそれは間違いで尋のブロックが正解。《樹上の村/Treetop Village》はトランプルを持っているので、もしもったいないブロックでも行い、Remie が《燻し/Smother》でも持っていたとしたら、はいそれまでだからだ。

 Remie は《極楽鳥/Birds of Paradise》を残して終了。これが本陣を守る肉壁となれれば。
 
 だが、尋の《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》が《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を招集し、この信者が鳥をネタにこんがりと皮焼きを一丁上がり。

 ごちそうさまでした。

Final Results:Jin Okamoto -2, Jeroen Remie -1

Jin Okamoto

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Sideboard (15)
4 Seal of Fire 4 Pyrostatic Pillar 4 Pillage 1 Goblin Sharpshooter 1 Goblin Assassin 1 Goblin Incinerator

Jeroen Remie

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