ラウンド 18: 岡本尋 VS Bob Maher, Jr.

Posted in Event Coverage

By Keita Mori

Jin Okamoto vs. Bob Maher, Jr.

トロントで行われている世界選手権最終戦、Extended のマッチアップは今年度 APAC 王者たる岡本尋と、 "Mr. Extended" たる Bob Maher, Jr. によって飾られることになった。Bob にとって世界選手権はゲンの良いイベントであり、昨年は決勝戦で Jon Finkel にこそ敗れてしまったが、準優勝の栄誉とともに Player of the Year のタイトルの獲得に成功しているのである。そして、Bob は自身の代名詞とも言えるMaher Oath を選択しており、尋もまたメタゲームの結果として Oath デッキに辿り着いたのだった。ミラーマッチであると同時に、両者とも決勝ラウンド進出の僅かな可能性をかけた血戦という場面であり、まさに目の離せない好勝負となったものである。
余談だが、"Djinn" Okamoto という受けのいい表記はすっかり定着してしまったようである。

Game 1

尋 がダイスロールに勝利し、 Treetop Village をセットしたことでゲームは始まった。Bob は Underground River をセットし、尋が Flood Plain をセットしたために Bob は Tropical Island からの Sylvan Library を展開したのだった。 尋はフェッチランドから Tundra をサーチし、Treetop Village を起動してアタック。 Bob のライフを 17 点にまで減少させた。Bob が Sylvan Library によって与えられたドローの選択肢は Enlightened Tutor、Counterspell、Gaea's Blessing という 3 枚であり、彼はここで Countrspell を選択したのだった。 Bob's は次なる一手として Treetop Village への強烈なプレッシャーとなる Powder Keg をプレイした。尋はこれを Force of Will したのだが Bob の Force of Will でもって退けられてしまった。Flood Plain をセットして Bob はターンエンド。尋も Flood Plain をセットしただけでターンエンドを宣言し、Bob は Flood Plains から Tropical Island を入手した。これによって Bob は Sylvan Library で新鮮な 3 枚のドローを手に入れることができる。新たな 3 択の内容は Enlightened Tutor、Force of Will、Flood Plain という内容で、彼はここでペイライフして Tutor と Force を入手し、Tundra をセットした。尋も Tundra をセットしてターンエンド宣言。

両者ともここでしばらくドローゴーのような淡々としたターンを繰り返すことになるが Sylvan Library とフェッチランドというコンボで着々と Bob がアドヴァンテージを広げていったものだった。 Wasteland、Enlightened Tutor、Tundra という 3 択の際に Bob は再びペイ 4 ライフして Wasteland と Tutor をドロー。Wasteland をそのままプレイしたのだった。尋はReflecting Pool をセットしてエンドを宣言。 Bob は Sylvan Library を起動しつつ Tundra をセットして終了。Sylvan Library の提供してくれるドローが気に食わなければ Gaea's Blessing でシャッフルし・・・といった具合で、明らかに Bob の側にアドバンテージが積み上げられていった。

Jin Okamoto

Bob は Brainstorm を尋のターン終了時に使用してハンドの内容を一新。いわゆる「エセ Ancestral Recall モード」である。Brainstorm で不必要なカードをライブラリーの上に戻してから、さらに Impulse でこれをライブラリーの奥底に送り込んだ Bob。これによってとうとう Treetop Village と巡り合えたのであった。尋は Wasteland をプレイし、Bob は Brainstorm からの Enlightened Tutor で Overgrown Estate を調達した. Bob は新鮮な Sylvan Library のドローをまたしても取り戻し、Tutor してきた Estate をキャストしたのだった。尋もこのキャストにレスポンスして Brainstorm と Impulse をキャストし、引っ張り出してきた Annul で Estate をカウンター。 Bob はこの Annul に Counterspell を キャストし、尋も苦しい台所事情ながらも Force of Will.。 Bob は 2 枚目の Counterspell をキャストし、 Overgrown Estate のキャストは成功したのだった。 Bob は Tundra をセットしてターンエンド。 Overgrown Estate と Sylvan Library という素晴らしいコンボを完成させたのである。尋が何も出来ないままにターンを終了すれば Bob は 2 枚の Tundra を生贄に捧げてライフを 11 にまで回復し、Sylvan Library に 4 点のライフを支払った。尋は Powder Keg をキャストするも、これは絶対的な優位を築き上げた Bob にはたいした問題でもなかったようだった。

一見淡々としたターンがしばらく続いていく。
そして、圧倒的なアドバンテージの格差を作り上げた Bob は、Gaea's Blessing で 2 枚の Treetop Village をとうとう対象とした。
尋もこれにカウンター合戦で挑みかかるが・・・勝敗の趨勢は語るまでもないだろう。

Bob Maher, Jr. 1-0 岡本尋

Game 2

sylvan library

サイドボード後に先攻を選んだ尋。Flood Plain をセットすると Bob はこれに Wasteland で即応。次ターンもまったく同じことが繰り返されると、尋は Tundra をセット。 Bob は Treetop Village。今度は尋がこれを Wasteland。Bob は Flood Plain し、尋が報復戦を挑むかのようにこれを Wasteland。 Bob は Savannah から Sylvan Libraryをキャストすると、尋は Treetop Village をセットした。尋は Tropical Island をセットして Treetop Village でアタックし、 Bob は Sylvan Library に 4 点のライフを支払って 2 枚のカードをドローした。1 戦目と同様の試合運びが繰り返され、Bob は Underground Sea から Powder Keg をセット。尋も目には目を・・・といわんばかりに Keg をセット。Bob はまたも Pay 4 life してから Seal of Cleansing をキャストした。尋はこれを通す。Powder Keg にカウンターを置いた尋は Tropical Island セットから Abundance をプレイ。お互いの視線が複雑にからみあったすえ・・・Bob はこれを通し、ターンエンドに Impulse。Bob は Sylvan Library でライブラリートップ 3 枚の内容を確認すると、Seal of Cleansing を Powder Keg を対象として使用。尋の Treetop Village はこれによって動きを封じられてしまうこととなったわけだが、Abundance は無事に生き残ったわけだ。そして、その Abundance の「ノンランド」によってもたらされたのが・・・ Sylvan Library であったのである。

Sylvan Library と Abundance という 2 枚のカードがハーモニーを奏でた場合、それは緑にはビートダウンしか能がないと考えているようなプレイヤーにとっては晴天の霹靂ともいうべき事態が引き起こされることになる。毎ターン、土地とスペルとを自由な組み合わせで 3 枚ずつ永続的に供給してくれるというキ●ガイじみたドローエンジンが完成してしまうのだ。
そして、この Sylvan Library を巡っては、当然、死力を尽くしてのカウンター合戦が展開されるであろうはずだ。
しかし、様子がどうにもおかしい。Bob がマナを支払って Force of Will 。尋はこれに Pyroblast。そして、Bob は Brainstorm をプレイするも、カウンターを引けなかったのである・・・

Bob Maher, Jr.

Syvan-Abundance コンボを決めた尋とは対照的に、この時点でカウンター呪文を切らしてしまっていることが明らかな Bob。
取り返しのつかないアドバンテージの格差。

岡本尋は反撃の狼煙をあげた。

Bob Maher, Jr. 1-1 岡本尋

「あと何分かな?」

Bob はジャッジにこう尋ね、二人のいずれかが決勝ラウンドに進むための時間があまりにも少なすぎること知らされた。
ここで、お互いの視線がまたしても交錯した。
「何もうみださない悪あがきでの引き分けだけはさけよう」
・・・明らかに両者は口にださずともこう語りあっているかのようであった。
13-5 ライン、 39 点のプレイヤーからは 1 人か 2 人は決勝ラウンドに進めるだろうが、37 点ではどちらもノーチャンスである。ともに賞金圏内であるだけに、延命工作とプレイスピードの調整によって引き分けをはかるプレイヤーも決して少なくないだろうが、Bob Maher, Jr. と 岡本尋はそれをよしとしなかったのだった。

お互いに手早くゲーム開始の準備を整え、Bob が Tropical Island をセットした。 尋のハンドは土地だらけであり、ここでセット Flood Plain。Bob は Treetop Village を Brainstorm から見つけ出し、即座にセット。観衆からは小さなどよめき。やはり、役者が違うのだろうか・・・

尋は Volcanic Island を Fetch し、いわゆる「空打ち」の Gaea's Bleesing でドローを進めた。
Bob は Underground River をセットして Treetop Village でのアタック。岡本尋は Flood Plain をセット。尋があきらかに事故気味であったために、尋のキャストした Brainstorm をノータイムで Force of Willed し、Wasteland を引かれてしまう可能性をシャットダウン。Brainstorm と Flood Plain というコンボの恐ろしさを Bob は熟知しているからこそだろうか。これで尋は Treetop Village によって撲殺されてしまうしかないのだろうか?

・・・しかし、尋にはツキがあった。
Tropical Island を Fetcf した直後のドロー、それが Spike Weaver であったのだ !
そして、尋は続く Impulse から・・・待望の Wasteland を !
Bob の希望であった Treetop Village を打ち砕き、Weaver でのビートダウンを開始した。

Bob は一切の時間稼ぎまがいの行動をとらず、むしろ尋を急かしているかのようであった。
Treetop Village を Bob は再び引き当てたのであったが、これをブロッカーとはせず、 Spike Weaver との殴りあいを選択した。

そして、Bob のライフが 4 点となった段階で、尋は Powder Keg をトップデックした。これが通れば、Bob はまさしく全てを失うことになるという一枚である。
Bob はこれを Counterspell し、尋はピッチでの Force of Will。Bob は Force of Will をコストにしての Force of Will でこれに対抗したのだが、尋のハンドにはさらなる Force of Will(Cost:Annul)が控えていたのだった。

なんとも言えない表情を作ってから、Bob Maher,Jr. は直ちに投了を宣言し。
これによって、残り時間 45 秒という段階で岡本尋はトップ 8 入りへの最後のチャンスを手に入れたのだった。

岡本尋 2 - Bob Maher, Jr. 1

結果として岡本尋は Best 8 には残れなかったのだが、Bob Maher,Jr. の見せた「男気」には、一同が感嘆させられたものである。

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