ラウンド 4: Unchain vs. Raw Dogs

Posted in Event Coverage on September 27, 2002

By Keita Mori

Unchain
A:藤枝勇(RG)
B:藤田憲一(UB)
C:真木孝一郎(UW)

Raw Dogs
A:Brian Hacker(RB)
B:Gabriel Tsang(UW)
C:Jeff Cunningham(UG)

 
 Maro が Unchain をフューチャーマッチエリアへと招待したようなので、当然のごとく筆者もフューチャーマッチエリアへ。すると、物凄い形相で藤田憲一がこちらを睨んでいるではないか。

藤田「おいお前。これはいったい何の嫌がらせなんだ?」
筆者「......???」

真木(無言で Cunningham のデッキをシャッフルしている)

藤枝「いやね。なんで 2 敗 1 分けラインの僕らなんすかね。」
筆者「......え?......」

 そう、Mark Rosewater はよりにもよって0勝2敗1分けラインの両者をこのフューチャーマッチエリアへと呼び出したのである。

 どうやら、このボストンが久々の復帰戦となった Brian Hacker がトーナメントから棄権してしまう前に「一度はフューチャーしてあげたかった」のだそうだが、それって Hacker にとってもいい迷惑なのではないだろうか。

 たしかに、青い髪をなびかせていた頃の Hacker はツアーにおけるアメリカ勢の兄貴分的な存在であり、テレビマッチの解説者もかつては Brian Kibler でなく彼の指定席だった。まあ、Hacker が Maro の「お気に入り」なのは結構知られていることなのだが、それにしたってこれは「晒し者対決」ともとれてしまうような...。

 ともあれ、Raw Dogs と Unchain というカードそれ自体にはフューチャーされてしかるべき魅力があるわけだから、彼らの奮闘に期待したいものだ。

元祖イイ男」Brian Hacker■Table A
藤枝勇 vs. Brian Hacker

 チーム紹介の記事でも触れたことだが、このチームは"Unchain"。すなわち藤枝勇のためのチームなのである。プロツアー・ボストンは藤枝にとってデビュー戦であり、一方の Brian Hacker にしてみれば復帰戦ということになるわけで、なんとも興味深い対比といえるだろう。

藤枝が赤緑、Hacker が赤黒というデッキ構成でのマッチアップだ。

Game 1

 ダイスロールによって後手となった藤枝のオープニングハンド。それはマナソースこそ《森/Forest》のみだが、開幕ターンに《精励する農場労働者/Diligent Farmhand》をプレイできるという悪くないものだった。実際に藤枝がその通りにプレイすると、Brian Hacker も彼の第 2 ターンにファーストアクションを起こす。

 《焚書/Book Burning》。

 この意外な第一手を前に藤枝は随分と悩んだのだが、結局ここで 6 点のライフを支払うほうを選択する。そして藤枝は Hacker のエンドステップに《不屈の自然/Rampant Growth》能力を起動して《山/Mountain》を場へ出した。そのまま迎えた自ターンにはセットランドから《飛びかかる虎/Springing Tiger》を召喚したのだった。

 対する Hacker はここで渋い表情。どうやらハンドの内容があまり優れないようで、ここでフルタップしての《死を食うもの/Mortivore》をプレイする。状況によっては十分なサイズの「再生」能力つきファッティとして圧倒的な破壊力を見せ付けるカードなのだが、ここでは所詮1/1 Regenerater。何事もなかったかのように《集中砲火/Flame Burst》がこれをなぎ払い、藤枝はさらに《幻影の虎/Phantom Tiger》を召喚して陣容を厚くした。

 明らかに藤枝の側に流れが傾きかけている局面だったが、Hacker もここで《仮面のゴルゴン/Masked Gorgon》を召喚し、さらに《顔なしの解体者/Faceless Butcher》をトップデック。この《解体者》が《飛びかかる虎/Springing Tiger》を除去したことで盤面のバランスは一気に均衡へと向かった。そして、Hacker はさらにブロッカーとして《蛮族ののけ者/Barbarian Outcast》を召喚し、なんとか戦線の建て直しをはかろうと奔走した。

 しかし、藤枝もここで順調に後続を引き当て続ける。
 《象の待ち伏せ/Elephant Ambush》から 3/3 トークンを展開し、《リスのお喋り/Chatter of the Squirrel》で1/1 トークン、さらに《クローサの射手/Krosan Archer》...と、攻撃の手を緩めなかった。

 結局、フルアタックからの《降り注ぐ塊炭/Shower of Coals》が Hacker のブロッカーをなぎ払い、ここで彼は敗北を認めざるを得なくなってしまう。藤枝のフルアタックの際に1/1トークンをブロックした《顔なしの解体者》までもが《塊炭》で除去されてしまい、もはや堤防は完全に決壊してしまったのだ

 しかし、たしかに《焚書/Book Burning》でも打たない限りはスレッショルドを満たした《仮面のゴルゴン/Masked Gorgon》が活躍するところなど想像できなさそうだ。

Game 2

'Unchain'こと藤枝勇 今度は《墓所を歩くもの/Crypt Creeper》に《巣立つインプ/Fledgling Imp》と最序盤から順調に戦線を構築していく Hacker。しかし、藤枝勇の怒涛の勢いは止まらない。

 《虚無魔道士の代言者/Nullmage Advocate》。そして、それに続くのが《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur》!!!

 結局、クリーチャーの大多数が黒い Brian Hacker にとってはこの「プロテクション:黒」のファッティは致命傷そのものとなったようだ。

 藤枝は《突然の力/Sudden Strength》と《筋力急伸/Muscle Burst》、さらに《降り注ぐ塊炭/Shower of Coals》までを引き当てて...Brian Hacker を圧殺した。

Unchain 1-0

■Table C:
真木孝一郎 vs. Jeff Cunningham

 藤枝の快勝で一気に勝利への期待感が高まったものだったが、テーブルの反対側では Jeff Cunningham がチームメイトの分まで鬱憤を晴らすかのようなすばらしいドローを連発していた。

 藤枝の圧倒的なドローが Hacker を追い詰めたように、Cunningham の猛攻は実にすさまじいものだった。真木孝一郎はジリ貧を承知で《操作室/Chamber of Manipulation》を起動し続けるしかない状態に二戦とも追い込まれてしまい、それはやはり延命治療という悪足掻きにしかならなかったのだった。

 圧倒的な物量に押しつぶされてしまう真木...

Raw Dogs 1-1

■Table B
藤田憲一 vs. Gabriel Tsang

 そんなこんなで青黒の藤田と青白のTsangとによるマッチがチームとしての勝敗を左右することとなったわけだが、一戦目は藤田憲一のやりたい放題そのものだった。

Raw Dogs そう、最速で展開される《苦痛をもたらす者/Painbringer》と《屍肉ワーム/Carrion Wurm》が、文字通りにTsangをズタズタにしたのである。Tsang のデッキは青白という構成上、対戦相手のシステムクリーチャーには干渉しづらく、同時に自陣の重要なシステムクリーチャーをピンポイントで除去されてしまうと非常につらい。そして、《苦痛をもたらす者》が睨みをきかせることによって《屍肉ワーム》は実質的アンブロッカブル、ないし死なないクリーチャーとして大暴れというわけだった。

 しかし、続く 2 戦目と 3 戦目にはその肝心のところで《苦痛をもたらす者/Painbringer》も《屍肉ワーム/Carrion Wurm》もまったく引いてくることができない。

《不運な研究者/Hapless Researcher》を《グレイブディガー/Gravedigger》や《モルグの窃盗/Morgue Theft》によって必死で循環させるなど、藤田は実に涙ぐましい努力をしたのだが...結局、デッキは思いにこたえてくれなかった。
どうやら、《不運》なのは《研究者》だけではなかったようだ。

 3戦目の敗北を認めた直後、藤田はおもむろにライブラリーのトップをめくり、憮然とした表情を作った。...そこには《苦痛をもたらす者/Painbringer》が眠っていたのだ。

Final Result:Raw Dogs wins 2-1

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