
全勝の信下 淳(岐阜)と、1分けで追う彌永 淳也(東京)の対戦。今日の無敗同士のマッチは、若手の勢いと古豪の意地がぶつかり合う、妙味の多い戦いを期待したい。
信下は、大量のパンプアップ呪文にサポートされた赤緑のビートダウンデッキ。対する彌永は除去満載の青黒。共に無敗に恥じない仕上がりになっている。
Game 1
後手の信下が1~3ターン目まで毎回クリーチャーを召喚。《花の神/Hana Kami》《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》と連打して、彌永の《死面の鼠/Deathmask Nezumi》は《岩石流/Torrent of Stone》だ。
《霧女/Kiri-Onna》で《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》を戻すが、《野放しの成長/Unchecked Growth》で《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》を増強し、さらに《花の神/Hana Kami》で回収して《飛び回る玻璃凧/Jetting Glasskite》討ち取って見せる。
《鱗の大男/Scaled Hulk》も陣営に加えて押せ押せの信下。だが、彌永が続いて繰り出したのは《沈黙の預見者、ウヨウ/Uyo, Silent Prophet》。しかも、次のターンには2回コピーで《崩老卑の囁き/Horobi's Whisper》をプレイし、信下の場にはクリーチャーがいなくなってしまった。
後はそのまま。ウヨウが信下の残党とライフを刈り取って、大逆転劇を演じて見せた。
彌永 1-0 信下
Game 2
信下「カットしたはずなんだけどなぁ」
と、《崩老卑の囁き/Horobi's Whisper》を見せてくれた信下。誤解の無いように説明を加えておくと、信下のデッキが弱いわけではない。全勝しているデッキが断じて弱いわけはないのだ。
しかし、彌永のデッキがあまりにも強烈過ぎた。

先勝を許した信下の2本目は、《氷河の光線/Glacial Ray》を《精神の槍/Psychic Spear》で、《霊光の養育者/Ghost-Lit Nourisher》は《崩老卑の囁き/Horobi's Whisper》で、《桜族の春呼び/Sakura-Tribe Springcaller》は《空の墓の神/Kami of Empty Graves》との戦闘で失い、《節くれ塊/Gnarled Mass》が《霧女/Kiri-Onna》にバウンスされている間に、信下のライフは水面下に落ち込んでいた。
しかも、彌永のハンドには、まだ2枚目の《崩老卑の囁き/Horobi's Whisper》、それに《撲滅/Eradicate》と《消耗の渦/Consuming Vortex》が残っていた。余力を残しての激勝に、彌永以外の群衆は、ただただ呆然とするばかり。
―――信下「これって、悪い夢だよね?」
その時、会場の時計は残り44分を示していた。
彌永 2-0 信下
Final Result 彌永 Wins!