ラウンド 9: Ben Rubin vs Franck Canu

Posted in Event Coverage on August 15, 2002

By 真木孝一郎

Game 1

Superman Ben Rubin 「Oh, so lucky!」

 山、森、沼。三枚並んだ Ben の土地を見た Franck が茶化す。茶化すのはいいんだけれど、ここから試合は大膠着。どのぐらい膠着したかというと。

 試合開始後26分。

 一本目が終わるまで? 何を言いますお嬢さん。これは、最初の攻撃が終わるまでにかかった時間なんですってば。思わず筆者も夢の中から声援を送ってしまうぐらいの大熱戦。いや、寝てませんってば。きっと。

 さて、その戦闘シーン。

 《狂気の力/Strength of Lunacy(TO)》を纏いし《薄暮のインプ/Dusk Imp(OD)》が二体の《陰謀団の拷問者/Cabal Torturer(TO)》を従えながら、意気揚揚と。

 だが、なんの気負いも無しにこれを《ハイドロモルフのカモメ/Hydromorph Gull(TO)》でブロックする Franck。すかさず拷問者を二度起動する Ben 。みるみるうちにカモメが縮んでいく。

 3/3 ⇒ 2/2 ⇒ 1/1 ⇒ 5/5

 大きくなってる!
 《勇敢な行為/Gallantry(OD)》。Ben の全ての計算と、見るもののやっと戦闘が始まる感を全て粉砕する見事な一枚。再び戦場に膠着と平和が...

 だが、ただただ場を固めていたわけではない、ようやく Franck が打開要素を引き当ててくれた。ありがとう。

 《ナルシシズム/Narcissism(TO)》! 墓地にはうっかりと《裂け岩の扉/Riftstone Portal(JU)》が捨てられており、三色ながらも緑マナには事欠かない。これなら。きっと。

 《熊人間/Werebear(OD)》とカモメがついに発進。いけーいくのだー。

 既にスレッショルドしている熊を《耳裂きネズミ/Earsplitting Rats(JU)》を含む3体で複合ブロックしてみる Ben 。ナルシシズムはあれど、再生効果を使用し少しずつ手札を削ぎ取ろうという狙い。

 珍しく Ben がミスを犯した。Franck の墓地では不思議な波動を送り続けていたある物体が。

 《武勇/Valor(JU)》

 不思議なオーラに包まれた熊が凄い勢いでブロッカーを排除する。ちょっと寂しげにネズミを再生する Ben 。だが彼はこんなもんでめげたりしない。してやらない。程よくスレッショした墓地を鋭い眼光で一睨みしながら、《毒の臭い/Toxic Stench(JU)》でカモメを屠る。

 が、一度動きだしたゲームはノンストップ。Franck は休まずに《アヌーリッドのゴミあさり/Anurid Scavenger(TO)》。今の防御作戦により緑生物の多くを失った Ben の心に警鐘が鳴り響く。

Ghostly Wings
 ならば。Ben も動いた。序盤に《ドングリの収穫/Acorn Harvest(TO)》のフラッシュバックによって 17 と減っていた Franck の本体を《臓器をすり砕く者/Organ Grinder(TO)》が狙う。

 殴るが先か。砕くが先か。

 Ben はタイミングを図りながら、《病的な飢え/Morbid Hunger(OD)》のフラッシュバックや、《ゾンビ化/Zombify(OD)》した《群れ叩きアヌーリッド/Anurid Swarmsnapper(JU)》を利用し時を稼ぐ。

 だが、あと 1 ターンが足りない。ここまでか。次の全軍突撃は濁流の如く全てを粉砕する。

 誰もが皆そう思った。ただ一人 Ben を除いて。

 Franck が全ての生物をプレイマットの中央に位置するレッドゾーンへと突入させる。ついに訪れた最後の瞬間。

 「ジャッジ!」

 Ben が冷静に、だが力強く審判に指摘する。

 「彼は《鏡の壁/Mirror Wall(JU)》の戦闘参加コストを支払ってない。」

 そう、鏡の壁は戦闘に参加するためには指定前に白マナを払わなければならない。そして Franck はそれをうっかり怠った。

 うっかり?

 これは世界選手権である。うっかり・つい・出来心で・もし。等といった言葉が通用する場では無いのである。ジャッジは彼に、このターン壁が戦闘に参加できないことを宣告する。

 足りぬ。攻撃陣の数が。それでは Ben の防衛網を突破出来ない。出来なければ、次のターン確実に訪れるものが。

 死。

 うぉぉぉぉ。必死に方策を探す Franck 。何か何かないのかよぉ。きらりん。
 そして彼はただ一つの可能性を発見する。非常にか細く虚ろな蜘蛛の糸。

 慎重にマナを計算した後、決して間に合う事の無い《遊牧の民のおとり/Nomad Decoy(OD)》をキャストし、それを

 《忘却の掌握/Grip of Amnesia(JU)》

 場に手段が残されていない以上、賭けることが出来るのはこのライブラリーのトップただ一枚のみ。頼む。なんとか。

 叩きつけるように引いたその一枚。それは。

 《かそけき翼/Ghostly Wings(TO)》

 パンドラの箱より力づくで引っ張りだした最後の希望。
 55 分にも及んだ奇妙なシーソーゲームが、ようやく終焉。

Final Result:Franck 1 - Ben 0

Latest Event Coverage Articles

December 4, 2021

Innistrad Championship Top 8 Decklists by, Adam Styborski

The Innistrad Championship has its Top 8 players! Congratulations to Christian Hauck, Toru Saito, Yuuki Ichikawa, Zachary Kiihne, Simon Görtzen, Yuta Takahashi, Riku Kumagai, and Yo Akaik...

Learn More

November 29, 2021

Historic at the Innistrad Championship by, Mani Davoudi

Throughout the last competitive season, we watched as Standard and Historic took the spotlight, being featured throughout the League Weekends and Championships. The formats evolved with e...

Learn More

Articles

Articles

Event Coverage Archive

Consult the archives for more articles!

See All