APAC 2 連覇の実績を引っさげ、予定調和のように決勝シングルエリミネーションまで駒を進めてきた「日本の切り札」森 雅也。それに対するのは関西 4 強の一角であり、 99 年日本選手権で準優勝に輝いた黒田 正城。
「事実上の決勝戦」。この組み合わせを見た、多くの観客がそう思ったことだろう。そしてその期待は裏切られることはなかったのである。
Game 1
ダイスロールの結果、先攻を取ったのは森。「まず手始めに」とばかりに Duress で黒田の手札を確認。 Ghitu Fire と Urza's Rage の 2 択で、Ghitu Fire を選択し、手札から落とす。
対する黒田のほうは Birds of Paradise を皮切りに、セオリーどおりクリーチャーを並べ展開していく。
お互いやりたいことを的確に進めているかのような展開だが、森のほうに若干の問題が発生する。クリーチャー除去こそしっかりと引くものの、肝心のクリーチャーを手に入れることができず黒田のクリーチャー群にじりじりと押され始めたのだ。
結局その流れは変わらず、黒田の場に Void 以外では除去できない Blastoderm が 2 体並んでしまいそのまま圧殺されたのである。
黒田 1-0 森
Game 2
Game 2 が始まる前のサイドボーディングに、両者かなりの時間を費やす。お互いのデッキ、プレイングがともに互角である以上、サイドボードが間違いなく明暗を分ける。自らのバランスを崩さないように、可能な限り慎重にサイドボードを行う必要があるのだ。
さて、Game 2 のほうであるが、お互い立ち上がりがうまくいかない。森のほうは土地が 3 枚でとまり、その反対に、黒田のほうは土地を引きすぎて、ダメージソースを手に入れることができない。
そのような膠着状態を先に打ち破ったのは森のほうだった。黒田の Rishadan Port を Tsabo's Web で封じ込めようやく引き始めた土地を展開。さらに Moss Diamond を並べマナソースを確保し、苦し紛れに黒田が出した Rith, the Awakener もきっちりと除去し、押し切ることに成功した。
黒田 1-1 森
Game 3
お互い土地がうまく展開できない状況から、森が鋭いプレイングを見せる。 Darigaaz's Caldera の関係上ディスカードを要求された森が、優秀クリーチャー除去である Urza's Rage を捨てたのだ。本来ならば一番重いスペルである Saproling Burst を捨てるのがセオリーである。しかし森は、例え何ターンかかろうとそれを使わなければ勝ち目はない、と読みきったのだろう。そしてその読みは見事に当たるのである。Tangle 2 枚で時間を稼ぎしぶとく Saproling Burst まで繋ぎ、攻勢に転じたのだ。
一方の黒田も火力でなんとかしようとするものの、土地がうまく並ばず、 Damage Land を使うことを要求され、自らの命を削るかっこうになってしまった。
結局、黒田のライフが 4 まで減ったところで Plague Spitter を森がキャストし、この素晴らしい白熱した勝負にけりをつけたのである。
森 2-1 黒田