決勝戦: 森田雅彦 vs 熊谷真一

Posted in Event Coverage on August 25, 2002

By 真木孝一郎

 無くか笑うか。鬼が出るか蛇が出るか。何が起ころうともこれが最後の一戦である。

 シルバーコレクター。個人戦グランプリ二位三回。抜群の成績であるが、一方で一人スーパーもう一歩同盟な森田雅彦。GP 名古屋で団体戦ながら P.S.2 で遂に初優勝を果たしている。ここらで、準優勝男の名を返上し、連覇といきたいところ。

 一大学生。これが二度目の参加となるプレミアイベントで、一気に決勝までのシンデレラストーリーを昇ってきたのが、熊谷真一。アマチュア賞金を加えると、既に稼ぎ頭が確定している熊谷。だが、勿論これで満足するわけが無い。ありえない。狙うは王者只一つ。

 森田のデッキは、世界選手権で Kai Budde が使用した Quiet-Roar を、黒田正城や鹿田暢亮と調整したもの。

 熊谷のものは、彼の好みが良く反映されている、青緑マッドネスと Quiet-Roar を微妙に織り交ぜた独自色が高いデッキ。

 二つの青緑が、最後の激闘を。

Game 1

 先手熊谷の《物静かな思索/Quiet Speculation(JU)》即座に《被覆/Envelop(JU)》。逆に森田は自身のをキャストし、《綿密な分析/Deep Analysis(TO)》と《ワームの咆哮/Roar of the Wurm(OD)》二枚を墓地へ送りこむ。互いにフラッシュバックを多用するデッキ同士、森田が一歩リード。

 土地が止まっている、しかも《島/Island》二枚と緑マナの無い熊谷は《アクアミーバ/Aquamoeba(TO)》を召喚するのみ。

 森田は《触媒石/Catalyst Stone(OD)》を出しながら、分析を使用し更にアドバンテージを広げていく。

 だが、熊谷は只のアマチュアではない。だからなんだとばかりに終了時に《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TO)》を二枚ぽぽんと場に。更には攻撃を仕掛けてからアクアミーバを変形させるべく三体目のルートワラを。
 いきなりトリオ・ザ・ルートワラ。思わず観客からも歓声と驚愕の入り混じった声が。

 更に森田がフルタップの間に、一度は防がれた《物静かな思索/Quiet Speculation(JU)》をキャストする。

 ブロッカーの配置が急務な森田が二体のワームを召喚。だが、それぐらいで熊谷は止まらない。引いてきた《森/Forest》をセットすると、《生ける願い/Living Wish(JU)》から《不可思議/Wonder(JU)》を入手。即座にアクアミーバで叩き捨てると空から強襲。森田のライフが早くも 6 。

 飛ばねば、もしくは無効化せねば。

 突然死線をさ迷う森田。Quiet から急遽《一瞬の平和/Moment's Peace(OD)》を含む三枚を墓地に。更に墓地の骸に生命を吹き込む。
 これでこちらもトリオ・ザ・ワーム。ちょっとサイズが違う。

 ライフが 8 の熊谷、二体のワラをブロッカーに残しつつアクアミーバとワラで致死量の 6 点ダメージを。森田は他に選択肢無く、墓地から平和を使用し、このターンをしのぐ。

 だが、依然瀕死。再び何かが無ければ。一枚、二枚、《入念な研究/Careful Study(OD)》を通し祈るように解決策を捜し求める森田。ついに巡り合えた愛しき《不可思議/Wonder(JU)》、とっとと墓地へ。

森田雅彦 とりあえず第一弾は完了だ。今度は第二段。島一枚をアンタップさせている熊谷を見ながら、《灰毛の定め/Grizzly Fate(JU)》を...通った。一息つきながらキングギドラの如く三体の竜をレッドゾーンへ。二体のワラがこれに飲み込まれる。熊谷のライフも 2。

 互いに瀕死。熊谷はカードを引くと、触媒石を恨めしく見ながら、墓地の《クローサ流再利用/Krosan Reclamation(JU)》を利用し、森田の不可思議を消去。そして空から二体で攻撃!

 だが、アクアミーバがどれだけ変形しようとも。与えられるダメージは四点。触媒石さえなければ、ワラがパンプ出来たのだが...

 などと悔やむ素振りを微塵も見せず、たんたんと、ただたんたんとシャッフルを始める熊谷。殴りきれなかったデュエルに興味はないよ、と。

 森田 1 - 熊谷 0

Game 2

 後手の森田がまず動く、《森を護る者/Sylvan Safekeeper(JU)》。

 一方、初手の芳しくない熊谷は二ターン目も何もせずに終了。森田は更に思索を使用する。一戦目同様に、分析、咆哮、咆哮と墓地へカードがなだれ込む。

 その終了時に《霊気の噴出/AEther Burst(OD)》が護る者を。まだ場に土地が二枚の森田、さすがに護ってる場合では無くこれを手札へ。

 ここでようやく生物を引き当てた熊谷。《アクアミーバ/Aquamoeba(TO)》を召喚。森田も、護る者を再び出しながら、フラッシュバックでの分析を。

 そんな暇があれば殴る。とりあえず殴る。ぼこすか殴る。先のアクアミーバで攻撃を仕掛けた熊谷は、手札の咆哮を墓地へ送り三点のダメージを。すぐさまこれを召喚する。

 森田は遅まきながら《触媒石/Catalyst Stone(OD)》を。次なる二体の攻撃の内、ワームに金髪の少年を捧げる。それほどに熊谷の攻撃は鋭い。初戦はそれを受けきった森田だが。今回はどうなるか。

 一人だけ楽はさせないぞと、熊谷も触媒石を場に。

 なんにせよ。生物を補充せねば、ぼっこが大確定。森田は手札から灰毛を唱えるが、これが待ち構えていた熊谷の《堂々巡り/Circular Logic(TO)》によって阻止されてしまう。
 
 防御網の無い戦場を二体が駆ける。

 早くも残りライフが僅か 2 と追い込まれる森田。ようやく次のターンで、ワームの召喚に成功するが、心もとない。そこに再び二体が...

 《一瞬の平和/Moment's Peace(OD)》。手札に隠された秘蔵の一枚が森田を救う。返しで更なる竜を蘇生し、なんとか生物の数をイーブンに持ち込む。

熊谷真一 足りないならば増やすまで。熊谷は先ほどブラフのため手札に残しておいたアクアミーバを追加召喚。

 熊谷の場には、二体のアクアミーバと竜。
 森田の場には、二体の竜。

 森田のライフは 2。だが、墓地には未だ機会を待つ、一瞬の平和が配備されている。まだもう一ターンならば。

 だが、そんな時間は無かった。カードを引くなり熊谷が全軍での攻撃を。防御網から漏れる一体のアクアミーバ。熊谷は即座にカードを捨て、ぐにゅりと変形が始まる。

 森田が墓地から平和を。マタドールがマントを翻すように。ひらり。

 あれ?

 角がマントを突き破る。唱えたはずの呪文が打ち消される。たった今、熊谷が引いたカード。その一枚が...

 《堂々巡り/Circular Logic(TO)》!

 森田 1 - 熊谷 1

Game 3

 これが最後の最後。
 先手の森田がマリガンを宣言する。二連覇危うし、アマチュアチャンプ誕生なのか !?
 そんなざわめきが場内に。

 だが、後手の熊谷もこれにお付き合い。今度は喧嘩両成敗的な安堵感が場内に。やはり最後の締めくくりには、全力の殴り合いが相応しい。

 森田が、熊谷が。互いに雑種犬を並べる。森田はこれに続けて《熊人間/Werebear(OD)》を、だが常にアグレッシブな熊谷は更なる猛犬を。それに留まらず、先の犬が《不可思議/Wonder(JU)》をぼりっと飲み込みながら、その力を得て上空から襲い掛かる。

 森田は急ぎ追いつかんと、思索を使用。探し出したカードが

 平和、咆哮、咆哮。

 後出しジャンケンで勝つのは? 勿論後出し側だ。森田が山札から捻り出した三枚のカードを見ながら、熊谷は逆襲となる思索を。

 《クローサ流再利用/Krosan Reclamation(JU)》、咆哮、咆哮。

 森田の墓地から未然に咆哮を二枚消し去る。これで森田の墓地には平和が一枚のみ。逆に熊谷には二体の竜が。

 殴りあう犬。手札の悪い森田を尻目に、勢いに乗る熊谷は犬を補充。一方、森田もようやく引き当てた灰毛を使用するが、墓地の枚数の少ない現在、出てくるは僅か二体の熊。

 サイズが違う! 熊谷は触媒石を設置してから、竜を反魂。犬二体で上空より襲いかかる。森田 5、一方の熊谷は未だ 11。

 ずしりと重くのしかかる《不可思議/Wonder(JU)》の存在。三戦を通し、いずれも先に引き当てるのは熊谷である。

 他に選択肢の無い森田が一回、二回とワームの攻撃を、一瞬の平和によって凌ぐものの、
森田の生物は全てが地を這っている。それを見下ろす熊谷の軍勢。制空権の差が森田を苦しめる。

 三度、竜がうねるように空を飛ぶ。

 まだだ、まだ! 再び森田の手札に隠されていた、一瞬の平和が、炸裂を、あれ、なんで、消える...

 森田の全ての願いを祈りを

 《堂々巡り/Circular Logic(TO)》
 
 が打ち消した。

 常に殴る姿勢を忘れなかった、熊谷真一。
 攻めの心が、彼に王座を。

 森田 1 - 熊谷 2

Kumagai Shin'ichi

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Land (24)
12 Island 11 Forest 1 Tarnished Citadel
Other (4)
4 AEther Burst
60 Cards

Morita Masahiko

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