準々決勝: 廣澤 遊太 vs. 彌永 淳也

Posted in Event Coverage on September 2, 2005

By Yukio Kozakai

共に18歳のプレイヤー同士の、東西若手対決。
「大阪の秘密兵器」廣澤 遊太(ひろさわ ゆうた/大阪)と、「東京の秘密兵器」彌永 淳也(いやなが じゅんや/東京)だ。

大阪のコミュニティを代表して戦う事になった廣澤は、GP札幌以来、久々にプレミアイベントのプレーオフに進出した。若手、というありふれたキャッチフレーズを使わせて頂いてはいるが、実は古豪までいかないまでも、かなりのキャリアを持っているプレイヤーである。

日本と世界とのボーダーすら今やほとんど意味を持たないこの時代。西と東という分け方自体が意味を持たないのは重々承知している。しかし、ファミリー的なコミュニティを脈々と受け継ぐ大阪というフィールドは、やはり日本のMTGを語る上で外せないキーワードなのだ。そんな中、ファミリーの長である昨年の王者、藤田 剛史(大阪)は最後の最後で敗れてしまった。

だが、まだ廣澤がいる。
大阪勢最後の砦として、再び大阪の地に栄冠をもたらす為に、地元の期待を一身に背負う。

気がついたら、勝ってる男がいる。
彌永 淳也、まだ高校3年生の少年だ。

飄々としていて、掴み所が無い。しかし、決してマイナスイメージの表現ではない。けれども、常にポールポジション付近でトーナメントを戦っていたにもかかわらず、「気が付いたら勝ってた」というイメージしか周囲に与えないのだから、まったく不思議な少年だ。

特に決まった拠点を持っているわけではない。それでも「MTGは場所ではなく人だ」と言わんばかりに、関東のコミュニティでは広く知られたプレイヤーだ。昨日のベスト8が決まった時点で、仲間達の歓喜の輪の中心に彌永はいた。「やっと俺達の中から1人送り込めた!」と喜ぶ彼らのバックアップを受けた彌永は、決して一人で戦ってきたわけではない。

特に最近では関東の若手の台頭と言えば、すぐに浮かぶのが「浅原連合」だと思われるが、彌永を含めた彼らは、いわばその枠にかからない新興勢力。つまりは「関東の第3世代代表」なのだ。

その東西の世代代表が、この準々決勝で熱い火花を散らす。

Game 1

zo-zu the punisher

赤単の彌永にとって、先攻を取れたのはこの上なく大きい。開幕からギア全開で、《凍らし/Frostling》《炎歩スリス/Slith Firewalker》と次々展開して一気に攻めるが、マリガン後のハンドに《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》を見出せた廣澤は一方的にはさせまいと構える。

枷に対して、ちょっと難しい表情を浮かべた彌永は、廣澤のエンドに《マグマの噴流/Magma Jet》を打ち込み、返しのターンで《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》を召喚。枷の為に土地を伸ばせば、廣澤にダメージが入る仕組みだ。

《炎歩スリス/Slith Firewalker》を奪われた彌永だが、ダメージレースで大きく先行している優位は動かない。残りの微妙な数のライフは、《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》で確保している制空権でキッチリと削り取って見せた。

廣澤 0-1 彌永

Game 2

無事に3枚目の土地を引き込めた廣澤が、先に召喚していた《呪師の弟子/Jushi Apprentice》の起動を見込める体制になる。その間、彌永は《かまどの神/Hearth Kami》を戦闘に送り込んでおり、《炎歩スリス/Slith Firewalker》も加えて攻めの姿勢を見せる。

廣澤は、その後も順調に土地を伸ばし、またしてもダメージでは先行されているものの《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》までたどり着き、土地が2枚でストップしてしまっている彌永に対して大きなアドバンテージを得る。彌永もようやく届いた3マナ目で《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》をプレイするが、《ブーメラン/Boomerang》と《邪魔/Hinder》で排除され、後続も断ち切られ、今度は廣澤の制空権が彌永を捕らえきった。

廣澤 1-1 彌永

Jushi apprentice

Game 3

やはり、先手を取った方が圧倒的に有利なマッチアップだ。

今度は彌永が《炎歩スリス/Slith Firewalker》《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》で攻め立て、《呪師の弟子/Jushi Apprentice》を《真髄の針/Pithing Needle》で禁じ、《尖塔のゴーレム/Spire Golem》は《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》で叩き落す。

意を決した廣澤は、5ターン目に《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》をプレイ。俗に言う、「キレメロク」だ。

これが決め手となるゲームも実際にはあるのだが、即座に《爆片破/Shrapnel Blast》が飛んできて再び彌永の侵攻が始まる。《真髄の針/Pithing Needle》を贄にしたおかげで廣澤は《呪師の弟子/Jushi Apprentice》を起動出来る体勢にはなったが、2枚に増えた《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》が止まらない。

それでも粘る廣澤だったが、《爆片破/Shrapnel Blast》が彌永に王手をもたらした。

廣澤 1-2 彌永

Game 4

ゲームの流れで行くならば、今度は先攻が回ってきた廣澤が取り返す番だ。

ここまでは、後手を取った方が必ずマリガンを選択している。ハンドを見る限りには、事故の類ではないという印象なのだが、先手後手をひっくり返すには、生半可なハンドをキープするぐらいなら、1枚損をしてでも重厚かつ展開の見えるハンドを手にしたいと思うのは当然か。

彌永が《かまどの神/Hearth Kami》をプレイすれば、廣澤が3ターン目に《尖塔のゴーレム/Spire Golem》を召喚し返す。だが、そこに待っていたのは彌永の《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》! その後に引き込んできた《ブーメラン/Boomerang》で何とか対処する廣澤だが、取られたアドバンテージを取り返すどころか、まともなカウンターを引いて来れない。

彌永は《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》での攻撃を始めており、《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》もカウンターされずに場に残った。彌永は、廣澤のライフが0になるのを待つばかり。

遅すぎた《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》を引き当て、廣澤の顔に苦悩が滲む。逆転の術は、もう残されていなかった。

勝利した彌永に、仲間達が一斉に押し寄せた。雑談のような、作戦会議のような、とりあえずの祝福のような声が、次々に彌永を包み込む。

少年達の大いなる挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。

廣澤 1-3 彌永

Final Result 彌永 Wins!

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