準々決勝: 鍛冶 友浩(日本) vs. Andre Coimbra(ポルトガル)

Posted in Event Coverage on December 3, 2005

By Yusuke Yoshikawa

準々決勝を戦う鍛冶 友浩

鍛冶 友浩:使用デッキ・白緑 スタンダード成績・6-0
Andre Coimbra:使用デッキ・緑黒青8 Specter スタンダード成績・3-3

少し緊張した面持ちで現れた鍛冶 友浩。無理もない、これは世界王者を決めるトーナメントなのだから。

だが、開始前に「デッキが1枚足りない」という軽い騒動があり、それを探したり、シャッフルしたりしているうちに、少しずつ落ち着いてきたようだ。

時折咳が聞こえるなど、体調も決して良いようには見えないが、ここで頑張らなければいつ頑張るというのだろう、という意気込みが感じられる。

対するAndre Coimbraは、同じくTop8に残ったMarcio Carvalhoとともにポルトガル代表でもあるプレイヤーで、ブースタードラフト・エクステンデッドで猛チャージを見せてTop8入りを果たした。スタンダードデッキも爆発力を秘めており、全く油断のならない相手だろう。

そして、ひと月前にグランプリ北九州で待望のタイトルを手にした鍛冶。そしてこの大舞台で結果を残し、この場にやってきた。それは決して勢いという言葉で片付けたくはない、確かな実力に裏付けられたものだろう。その実力を、世界に示すときがきた。
カクテル光線に彩られて、鍛冶 友浩、出陣。

Game 1

ダイスロールで先攻を決めるが、先に20を出した鍛冶に「信じられない」とばかりにかぶりを振るCoimbra。

注目のオープニングハンドは、《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》2枚、《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》に土地4枚と重いハンド。鍛冶はこれを嫌ってマリガンとした。6枚になって、《森/Forest》2枚、《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》、《ロクソドンの教主》、《制圧の輝き/Glare of Subdual》、《空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder》も厳しい内容ではあるが、ここで妥協。Coimbraは7枚でキープ。

第2ターンに《セレズニアの聖域》を出すだけの鍛冶に対し、Coimbraは《極楽鳥/Birds of Paradise》発進。しかし、第2ターンには《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow》を出すだけのCoimbraも決して状態が良いわけではない。

第3ターンにマナクリーチャーを駆使して《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》を送り込んできたCoimbra。これに鍛冶は《空を引き裂くもの、閼螺示》魂力=擬似《ハリケーン/Hurricane》で即応し、《極楽鳥/Birds of Paradise》ともども薙ぎ払う。
土地が止まってしまったCoimbraは《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を出してくるが、鍛冶はあわてず騒がず《ロクソドンの教主》。

Coimbraは《梅澤の十手》装備もせずマナを残すと、鍛冶の出した《ロクソドンの教主》2体目に《化膿/Putrefy》を打ち込んでくる。返すターンには《十手》を《深き闇のエルフ》に装備して、攻撃を加える。

だがここで、鍛冶は満を持してプレイ《制圧の輝き/Glare of Subdual》!

Coimbraはこれを壊すこともできず、鍛冶は続いて《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》と出して反撃を完封。大事な緒戦を圧勝で飾った。

Glare of Subdual

鍛冶 –1 Coimbra –0

鍛冶のサイドボーディング:

In: 4《木彫りの女人像/Carven Caryatid》、2《帰化/Naturalize》、2《空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder

Out: 2《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》、3《真髄の針/Pithing Needle》、2《夜明けの集会/Congregation at Dawn》、1《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch

Game 2

「I go first」とCoimbra。初手をしばし見るなりマリガン。6枚にも決して晴れやかな表情とはいえない。眉間に手を当てて考えても、さすがに《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》1枚では始めることはできず、さらにマリガン。5枚には納得した表情でキープとなった。

鍛冶のほうはというと、《森/Forest》2枚《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》、だがクリーチャーは《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》2枚に《空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder》と重め。先ほど同様、鍛冶はマリガンを選択した。

6枚は《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》2枚に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》、《空を引き裂くもの、閼螺示》、《制圧の輝き/Glare of Subdual》と完璧なのだが土地が《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》1枚。それでも鍛冶はこの初手に賭けた。

しかし、Coimbraはその一変した表情がすべてを物語る、《極楽鳥/Birds of Paradise》から《ディミーアの巾着切り/Dimir Cutpurse》2連打の素晴らしいスタート。

鍛冶は引けた唯一の土地が《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》で、やっとの思いで出した《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》も《化膿/Putrefy》で即除去される。Coimbraのその手つきも、先ほどとまるで違う。

《木彫りの女人像/Carven Caryatid》こそ抱えていたが、鍛冶はそれを出すこともできなかった。

賭けは裏目に出てしまった。鍛冶は流れを取り戻せるか。

鍛冶 –1 Coimbra -1

Game 3

今度の初手は《森/Forest》《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》《木彫りの女人像/Carven Caryatid》《ウッド・エルフ/Wood Elves》《制圧の輝き/Glare of Subdual》《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》。序盤の猛ダッシュこそないものの、ストーリーの見えるハンドである。

一方のCoimbraはまたマリガンスタート。強力だがマナバランスがタイトなデッキである以上、これは仕方のないところか。今回は6枚でスタート。

《森/Forest》、これを戻して《セレズニアの聖域》、と出した鍛冶は、第2ターンにCoimbraが送り込んできた《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》を前にして考える。

結局、プレイ《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー》から《ウッド・エルフ》、これにより《寺院の庭/Temple Garden》をフェッチしてきて終了となった。《惑乱の死霊》に1度殴られるのは仕方ない、と。

しかし、Coimbraがこのランダムディスカードで落としてきたのはピンポイントで《制圧の輝き》。それでも、眉ひとつ動かさずこれを受け入れる鍛冶。Coimbraは《ディミーアの巾着切り/Dimir Cutpurse》《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow》と追加してターンを返してきた。

鍛冶は《ロクソドンの教主》か《木彫りの女人像/Carven Caryatid》かの選択で、《ロクソドンの教主》をプレイした。《惑乱の死霊》の次の攻撃を考え、土地を置かずに終了。

Coimbraの次なる攻撃では、今引いた《火花の結実/Seed Spark》が捨てられる。Coimbraは2体目の《惑乱の死霊》を送り出してきた。

そして《木彫りの女人像/Carven Caryatid》をプレイした鍛冶がその効果で引いたのは、2枚目の《制圧の輝き/Glare of Subdual》! 《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》に対する解答が用意された。

しかし彼には2つの難関が待ち受けている。

ひとつは、次の《惑乱の死霊》の攻撃で《制圧の輝き》を捨てさせられないこと。5枚の手札が残っているとはいえ、先ほどは見事的中されている。Coimbraがダイスを振り、カードを選ぶ。祈るように見つめたそのカードは…《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》。まずは第1関門を切り抜ける。

そしてもうひとつ。鍛冶のターン、Coimbraの土地は十分残っている。そして彼のデッキに《邪魔/Hinder》が入っていることも知っている。でも、出すしかない。頼むカウンター持っていてくれるな!

Coimbraは2枚の手札を見やり、そして…静かにうなずいてこれを通した。

彼が放つ《制圧の輝き》は破壊されることもなく、Coimbraはただ土地とクリーチャーを増やすだけ。数出てくる《ディミーアの巾着切り》などものともせず、関門を乗り越えた彼には逆転の隙などありはしなかった。

鍛冶 –2 Coimbra -1

アンドレ・コインブラ

Game 4

先に王手をかけた鍛冶が手にしたのは、《森/Forest》《低木林地/Brushland》《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》に《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》2枚、《ウッド・エルフ/Wood Elves》と《火花の結実/Seed Spark》という、今度はマナソースばかりの手札だったが、これを嫌う理由もなくキープした。Coimbraは既にキープを宣言している。

カメラが回ってくるまでのしばしの間、Coimbraと少しのコミュニケーションをとる鍛冶。
「キープしたの?」と聞くCoimbraに、鍛冶は親指を立てて答える。「いい初手だよ」と。するとCoimbraも、両手の親指を立ててスマイルを浮かべる。

これはいい戦いが期待できそうだ。

長い休憩の間、すっかり仲良くなった鍛冶とCoimbra。しかし、カメラが回ってきてゲームが始まれば勝負師の顔。さあ、ゲームに戻ろう。

《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》から《極楽鳥/Birds of Paradise》、《森/Forest》から《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》という立ち上がりを見せる両者だが、なんとCoimbraはここにきて2枚目の土地を置けない。

2枚目の《ラノワールのエルフ》を《マナ漏出/Mana Leak》したきりで、後は静かに鍛冶の攻勢を見つめるCoimbra。あれほどいいスマイルだったのに、なぜ?

鍛冶は鍛冶で《ウッド・エルフ/Wood Elves》2枚に《ラノワールのエルフ》都合3枚目と細い細い攻めではあるのだが、相手が黙っているのなら攻めないわけがない。

Arashi, the Sky Asunder

なんとか《平地/Plains》を引いたCoimbraは、申し訳程度に《化膿/Putrefy》を3連発してクリーチャーを減らしていくも、そのころには鍛冶の《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》が生産活動開始。

3枚目の《化膿/Putrefy》を確認してから、鍛冶が《空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder》を送り込むと、Coimbraは自らの判断を悔やむような苦い表情で、何事も告げずカードを片付けた。

鍛冶 –3 Coimbra -1

「たら、れば」の話になるが、Game 4のCoimbraの初手には《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》2枚があった。もし、第2ターンのドローが《沼/Swamp》であったら、鍛冶も大苦戦を強いられていたに違いない。

しかし、引けなかった。判断の是非はともかく、結果はそれが全てだ。

非情な結果は、二人を分かつ。
しかし、ここで合間見えた経験は、それぞれ彼らを育むことだろう。
次に会うときには、また笑顔で。

そして鍛冶は、盟友・森 勝洋が待つ準決勝へ挑む。

鍛冶 友浩、準決勝進出!

Andre Coimbra

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Tomohiro Kaji

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