準決勝: P.S.2 vs. Panzer Hunter

Posted in Event Coverage on March 21, 2003

By Keita Mori

P.S.2
A:黒田正城
B:森勝洋
C:森田雅彦

Panzer Hunter
A:石田格
B:百瀬和之
C:安藤玲二

それは、...どこかのグランプリのワンシーンであるかのようだった。6人の日本人がチームロチェスターの卓を囲み、和気あいあいと談笑しているのである。

しかし、ここはマスターズ準決勝。勝者は日曜日にスポットライトの下で世界最強の栄誉を賭けて戦うことが許されるというポジションなのだ。

森勝洋:すごい額のマネドラだよね。これ

...ごもっとも。

ちなみに、ここでPanzer HunterがP.S.2を下すという展開になった場合、前人未到の「すべてのチームマスターズで日曜日(決勝)に進出」という記録が樹立されることになる。ことチームイベントという意味では、Panzer Hunterはもはや確固たる強豪として認知されているのである。

黒田正城:相手は格上という認識で、ここではモリカツのオカルトに賭けてみることにしました。実際問題、練習の段階でオレは格君に一度も勝ったことがないんですよ。

...挑戦者たるP.S.2は、望んで先攻を選択することとした。これは奇策である。

インタビュー記事で黒田本人が語っているように、本来的には森田と黒田の連携によるReactive Draftこそが彼らの持ち味であるわけだ。つまり、後手スタートこそが彼らのドラフトスタイルである。...しかし、あえてここで切り込み隊長である森勝洋の独特の感性に賭けてみることにしたのだという。

たしかに、森勝洋はなにかに憑かれたかのような勝負強さを見せ付けることのあるプレイヤーであり、個人的には心情的にわからないでもない。ただ、ここにきて奇策をいれるかどうか、やはり人それぞれだろう。

黒田:準々決勝でも先手になったおかげで《悪辣な精霊シルヴォス/Silvos, Rogue Elemental》、《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》、《星の嵐/Starstorm》といったゴッドレアが実際にこっちに出ましたからね。すがれるものなら、オカルトでもなんでもかまわんですよ。

どこかふっきれた様な表情で、黒田は微笑んだ。

Table A

石田と黒田、つまりは大将同士の一騎打ち。

黒田正城のデッキはゾンビにコンセプトをしぼった黒白デッキで、《死体の収穫者/Corpse Harvester》がまわりだせば...二体の《煙吐く発動者/Smokespew Invoker》などが活躍してくれそうな構成だ。一方の石田は、《霧衣の天空裂き/Mistform Skyreaver》や《虚ろの死霊/Hollow Specter》といったパワーカードが印象的な青黒デッキである。

Game 1

好勝負を期待したいところだったが...見せ場らしい見せ場は、石田の《虚ろの死霊/Hollow Specter》を黒田が《羽ばたく戦士/Wingbeat Warrior》のトリックによって討ち取ったシーンくらいのもの。

最速7ターン目にで石田が《霧衣の天空裂き/Mistform Skyreaver》を召喚し、黒田のライフはあっという間に削られてしまったのだった。

Rare matters

石田格 1-0

Game 2

お互いが第3ターン目に《変異/Morph》を召喚しあうというたちあがりだったわけなのだが、この《変異/Morph》同士の攻防は先手の黒田がでダメージスタック後に《斧のしもべ/Liege of the Axe》に変身させて一方的に勝利。このフォーマットで先手優位説が提唱されるゆえんである。

そして、《変異/Morph》を失った石田格が第4ターンにとった行動は、土地をセットせずに《霧衣の壁/Mistform Wall》をプレイするというだけのものだった。そう、漂う事故の気配。

...ここで黒田は5ターン目に長考することとなった。

ハンドには《平和な心/Pacifism》、《針刺の殴り獣/Spined Basher》、《残酷な蘇生/Cruel Revival》といったカードが眠っていたわけだが、はたしてここであの《壁》を除去すべきか否か、である。

黒田:結局、格君の後続を《殴り獣》と相打ちにとって、その次のクリーチャーを《残酷な蘇生》で除去した上で《殴り獣》を回収したら一番おいしいんちゃうかな、と思ったんですよね。

数分後、黒田は意を決して《平和な心》を《壁》にエンチャントし、2/3の《しもべ》でアタックを宣言した。そして、《殴り獣》を裏向きに召喚してターンを終える。

しかし、石田は第5ターン目には待望の4マナ目を引き当て、ここで黒田にとっては想定外だった一枚、《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》を召喚してくるのである。計算の狂った黒田、やはり表情は明るくない。

ただ、第6ターンに黒田が引き当てたカードもまた出来すぎだった。
《燻し/Smother》!!

結局、ビートダウン路線を継続することがかなった黒田は、予定通りに続く石田の《変異/Morph》も裏向きのままの《殴り獣》で相打ちにしとめた。そして、第7ターンに《煙吐く発動者/Smokespew Invoker》をトップデッキし、第8ターンにはを綺麗にそろえることとなった。

Smother
黒田:今にしてみると、あそこで《平和な心》を使ったこと、そして想定外だった《ナントゥーコの鞘虫》を即座に《燻し》できたというトコで、流れが戻ってきたのを実感しましたね。

黒田 1-1

森田雅彦が安藤玲二を二連勝でくだし、双方にとってこの試合の意味合いはかなり大きなものとなった。そして、黒田は引き寄せた運気を見事に逃さなかったのである。

Game 3

先手石田の《恐怖布の急使/Frightshroud Courier》と黒田の《変異/Morph》とが素直に相打ちしたところで、石田は《霧衣の壁/Mistform Wall》を、黒田は二体目の《変異/Morph》を展開した。そして、石田が《変異/Morph》を《壁》でブロックしたところ、その正体が《のたうつ汚泥獣/Thrashing Mudspawn》だったことが明かされたのだった。そう、文字通りに防御網を突破してみせたのである。

しかし、石田も負けてはいられない。この《のたうつ汚泥獣》を《堕ちたる僧侶/Fallen Cleric》で相打ちにとろうとした。しかし、ここで黒田は《陽光の香油/Sunfire Balm》をサイクリング! ...完璧だ。

続く黒田の《幽体スリヴァー/Spectral Sliver》をマナの無いうちに《虫つぶし/Swat》で除去してみせ、その上で地上に《変異/Morph》を配備し、なんとか石田も形勢の挽回をはかった。ここで踏みとどまれないと、Panzer Hunterの三大会連続決勝進出という大記録は潰えてしまうのだから。

...ただ、黒田が凄い。本当に凄い。

素晴らしいタイミングでトップデッキした《死体の収穫者/Corpse Harvester》をすぐさまここで展開し、これによって次々と《煙吐く発動者/Smokespew Invoker》を呼び出してくるのである。

4/4《のたうつ汚泥獣》がダメージをスタックして2体のブロッカーを除去しつつ、《収穫者》のための贄となる。ああ、これぞアドバンテージ...。

石田も《クローン/Clone》で《死体の収穫者/Corpse Harvester》をコピーし、最終的には《霧衣の天空裂き/Mistform Skyreaver》も召喚することができたのだが...それは黒田が十分すぎるアドバンテージを稼ぎ出してからのことだった。

...かくて、決勝の舞台をつかみとったのはダークホースだった。

黒田正城 2-1

Final Result:P.S.2 wins 2-0 Panzer Hunter

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