9月に日本選手権が行われることには多くの意味があるが、そのうちのひとつがドラフトの変化といえる。2度のプロツアー(名古屋、ロンドン)など、発売後1年で数々の物語を紡いできた神河物語-神河謀叛-神河救済というブースター・ドラフトの総決算となるのがこの時期のイベントなのだ。
このことはプレイヤーたちも重々承知で、カードのピック優先順位や目指すべきデッキタイプのかたちはほぼ網羅され、それを見越した上での奇襲戦略も考えられるだろう。
そこで、今回はおさらいの意味もこめて、この環境で活躍してきた猛者たちに「好きなデッキタイプとキーカード、あるいはドラフトのイメージ」という形でこの環境を紹介してもらうことにしよう。
■藤田 剛史(大阪)
好きなデッキタイプ:白ウィニー(2色目はなんでもいい)
「白が好き。でもよく青になる。(白は)人気やからね」
キーカード:《兜蛾/Kabuto Moth》、《光の心/Heart of Light》、そして《霊都の驀進/Plow Through Reito》
「(《霊都の驀進》は)無いと成り立たないよ」
■大礒 正嗣(広島)
好きなデッキタイプ:赤緑
「決め打ちです。白のカードに手を伸ばしたことはありませんね。《兜蛾/Kabuto Moth》より《火の咆哮の神/Kami of Fire's Roar》、《浪人の犬師/Ronin Houndmaster》でもこっち。」
キーカード:《火の咆哮の神/Kami of Fire’s Roar》、《刃鬣の獏/Blademane Baku》(「《蛇の皮/Serpent Skin》がつくとツヨスギです」)、《生命の咆哮の思念/Shinen of Life’s Roar》
「火力は強いし、除去は渡したくないのでそこから取りますが、あとはひたすら赤か緑のカードをかき集めます。(それで失敗したことは?という問いに)どんなに悪くなっても、赤緑なら2-1くらいはできるので」
■石田 格(東京)
好きなデッキタイプ:「流れを読んでデッキを作っていくので、これといって好きなデッキタイプとかはないですが、白黒の組み合わせだけはありえなくて、それ以外の3色が中心になりますね」
ドラフトのイメージ:「1パック目(=神河物語)は半分捨て札にして、上の2人が使っていない色を覚えておいて3パック目(=神河救済)で回収をかけるという感じですね。神河救済では白と黒以外は強いので。その意味でも、白黒はないなと」
キーカード:「これも特にというわけではないのですが、《閃き牙/Glitterfang》とスピリットクラフト(秘儀・スピリットで誘発する能力群)の組み合わせは好きですね。」
■志村 一郎(茨城)
好きなデッキタイプ:「Magic Onlineで練習した感じでは、青白と、あと緑黒の手ごたえがいいですね」
ドラフトのイメージ:「赤は人気色なので、それを避けていく感じで。黒は神河救済で取れないから弱い、ってされてますけど、とにかくスピリットを中心に取っていけば十分いけますよ」
キーカード(緑黒で):《空の墓の神/Kami of Empty Graves》「結構後で取れますし、これがあるとデッキがグッと締まります」