まずは、一番卓のメンバーを見て欲しい。
1 Jorstedt, Mattias [SWE] 30 62.02%
2 Barbero, Jose [FRA] 28 57.85%
3 Caumes, Benjamin [FRA] 28 51.27%
4 Krempels, Craig [USA] 27 61.74%
5 Finkel, Jon [USA] 27 61.24%
6 Ikeda, Tsuyoshi [JPN] 27 60.64%
7 Canu, Franck [FRA] 25 58.18%
8 Parazzoli, Dario [ITA] 25 56.76%
そう、Fire Ball の総帥である池田がここまで僅か二敗の6位につけているのである。今回、池田が取った作戦はグランプリ京都でも高桑が使っていた赤青決め打ち大作戦だ。はたして、藤田・鹿島に続く三人目の Top 8 プレイヤーとなることが出来るだろうか。必要な星は一勝一引き分けだ。
そんな池田がドラフト前に語った言葉は
「じゃ、マネドラして来ます」
池田のポジションを説明しよう。チームパニッシャーでめきめきと頭角を現した Jorstedt Mattias を右手に、まだそれほど知られてはいないが、Pro Tour Venice で20位に続き今回も絶好調な Caumes Benjamin を左手という席。
ちなみに、Mattias の右には青スキーで知られる Finkel が陣取っており、決め打ち大作戦的にはちょっと嫌な匂いがする。
1st シリーズ
Pack 1
《狙いすましたなだれ/Pinpoint Avalanche》
《輝きを放つ者/Glarecaster》《スカークの猛士/Skirk Commando》《魂を見つめるエイヴン/Aven Soulgazer》
さっそくの決め打ちっぷりが光る。流したカード的に左方向は白くなるはずで、2nd シリーズの青に期待がもてそうだ。
Pack 2
《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》
《ショック/Shock》《アヴァラックス/Avarax》
凄い時間をかけて《ショック/Shock》と《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》を選んでいたようだ。最後の最後で手をかけていた《ショック/Shock》を戻し、赤青超重要な《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》に選び直している。
ちなみに、上の Mattias は初手《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》の本気緑路線を採用。
Pack 3
《上昇するエイヴン/Ascending Aven》
《アヴァラックス/Avarax》《干渉/Meddle》
《アヴァラックス/Avarax》が二体目なのが少々気になるが、変な青のシグナルを流すわけにもいかず、冷静に飛行をピックする。
Pack 4
《映像の造形者/Imagecrafter》
Pack 5
《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》
《権利争い/Custody Battle》
Pack 6
《魔道士の悪知恵/Mage's Guile》
Pack 7
《名も無き者/Nameless One》
Pack 8
《魔道士の悪知恵/Mage's Guile》
二つ上に座ったFinkel の影響なのか、青いカードの流れは芳しくない。しかし、池田は意志を曲げる事無く、淡々と青いカードをピックしていく。ちなみに、序盤で流れが良いカードは白と黒。残り五枚に《アフェット式底ざらい/Aphetto Dredging》が。
2nd シリーズ
Pack 1
《ショック/Shock》
《霧衣の壁/Mistform Wall》《燻し/Smother》
Pack 2
《霧衣の天空裂き/Mistform Skyreaver》
《脅しつけ/Threaten》《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》
待望の贈り物が左から届いた。ちなみに、Caumes がピックしたのは《稲妻の裂け目/Lightning Rift》。赤白サイクリングデッキタイプを目指している。
Pack 3
《締めつける綱/Choking Tethers》
《スカークの猛士/Skirk Commando》《突進する石背獣/Charging Slateback》《魂を見つめるエイヴン/Aven Soulgazer》
Pack 4
《霧衣の壁/Mistform Wall》
《焼けつく肉体/Searing Flesh》
4マナ域の豊富な青に取って、序盤の変異を安心してブロックしてくれる壁は重要な一枚だ。《焼けつく肉体/Searing Flesh》の打撃力は抜群だが、無理する事なく安定した一枚を選んでいる。
Pack 5
《上昇するエイヴン/Ascending Aven》
《紛糾/Complicate》
貴重な航空戦力が追加された。1st シリーズで青を絞りに絞った成果が見事に現れている。
Pack 6
《激浪の生物学者/Riptide Biologist》
《急降下爆撃兵/Dive Bomber》《金切り声のノスリ/Screeching Buzzard》
Pack 7
《流水の長魚/Slipstream Eel》
《干渉/Meddle》《背教/Backslide》
Pack 8
《エイヴンの賢人/Sage Aven》
《グラクシプロン/Graxiplon》
《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》の友達を。
Pack 9
《熱病の魔除け/Fever Charm》
《撹乱するピット魔道士/Disruptive Pitmage》
軽い防御策を兼ねてのピック。レギオンのおかげで、生物が足りなくなる事は無い。
Pack 10
《映像の造形者/Imagecrafter》
《アフェットのいかさま師/Aphetto Grifter》
Pack 11
《アフェット式底ざらい/Aphetto Dredging》
左向きも右向きも黒の流れがいいのが気にかかる。
3rd シリーズ
壁、《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》、飛行生物、フィニッシャー。必要なパーツを着実に冷静に、時に我慢を重ねながらも決して諦めずにとり続けてきた池田。いよいよ最終パックであるレギオンへと時代は進む。
Pack 1
《スカークの匪賊/Skirk Marauder》
《慧眼のエイヴン/Keeneye Aven》
貴重な除去の入手に成功する。4マナ飛行は二種類あれど、除去能力はこいつにしかない。
Pack 2
《霧衣のウミツバメ/Mistform Seaswift》
《ゴブリンの乱伐者/Goblin Clearcutter》《九つの強風の守り手/Keeper of the Nine Gales》
Pack 3
《炎波の発動者/Flamewave Invoker》
Pack 4
《有毒グール/Noxious Ghoul》
《秘密調査員/Covert Operative》
これ一枚でデッキが死ぬし、《秘密調査員/Covert Operative》はこの先流れてくるはずだからね。
Pack 5
《秘密調査員/Covert Operative》
先の自身の言葉をしっかり結果が裏付ける。
Pack 6
《秘密調査員/Covert Operative》
Pack 7
《歪んだ爪の古老/Crookclaw Elder》
Pack 8
《霧衣の覚醒者/Mistform Wakecaster》
除去はそれほど多くは無いが、かなりアグレッシブなタイプの赤青デッキが完成だ。
一周目の仕込みが《霧衣の天空裂き/Mistform Skyreaver》を呼び寄せてくれたりもしているわけで、攻撃力を見ればかなり良いデッキに仕上がっているのではないだろうか。
なにしろ、必要なのは一勝なのだ。
さぁ、結果を見守ろうではないか。