Coverage of Grand Prix Kobe 2009

Posted in Event Coverage on April 19, 2009

By Wizards of the Coast



また神戸でひとつ伝説が。

日本マジック界において、常に伝説とも言えるエピソードを生み出し続けている土地、神戸。

この地でおこなわれたグランプリで、また新たな伝説がうまれた。

その中心人物は、齋藤 友晴。

齋藤は、このグランプリの直前におこなわれたグランプリ・シンガポールに引き続き、なんとこのグランプリ神戸でも優勝を飾ったのだ。

これだけでも十分な偉業ではあるが、真の伝説は、その間の時期にある。

斎藤はすでに一般的であったNaya Zooというアーキタイプの完成形をシンガポールで示し、その内容を日本のマジックコミュニティ全体へと周知したのだ。

そして、日本全体のZooに対する情報のスタートラインを揃えた上で、その後の調整で、新たなデッキ「Super Naya Zoo」を作り上げ、今度は、自身の実力を日本のマジックコミュニティ全体へとみせつけたのだ。

この齋藤の行動を、伝説と呼ばずして、そして、プロプレイヤーと呼ばずしてなんと呼ぼう。

結果、齋藤の強さが強調された大会となったが、しかし、その存在感を示したのは、齋藤だけではない。

あの齋藤をして「この発想にはたどり着けなかった」と言わしめた《等時の王笏/Isochron Scepter》入りのZooを構築してきた浜本 憲至。

トップ8をはじめ上位にその名を連ねた愛知勢。

そして、関東草の根新時代を牽引してきた、山本 賢太郎と渡辺 雄也。

それぞれがそれぞれ、自身の存在感を発揮し、神戸の地にその名を刻んだ。

だが、神戸の伝説も大きなマジックの歴史の一部ではない。

続く歴史は、6月のプロツアーホノルルによって紡がれる。

ぜひとも、伝説の続きを、その目でご確認ください!


top 8 bracket

Quaterfinals

Katsuya Ueda

Kentaro Yamamoto

Yuuya Watanabe

Kenji Hamamoto

Tomoharu Saitou

Ryouma Shiozu

Tzu Ching Kuo

Keiichi Kondou

Semi-finals

Kentaro Yamamoto, 2-1

Yuuya Watanabe, 2-1

Tomoharu Saitou, 2-0

Tzu Ching Kuo, 2-1

Finals

Yuuya Watanabe, 2-1

Tomoharu Saitou, 2-0

Champion

Tomoharu Saitou, 2-1

EVENT COVERAGE

  • by Keita Mori with Akihiro Takakuwa
    Day 2: Photo Essay

  • by Daisuke Kawasaki
    Final Match
    齋藤 友晴(東京) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

  • by Naoaki Umesaki
    Semifinal Match
    斎藤 友晴(東京) vs. Kuo,Tzu Ching(台湾)

  • by Daisuke Kawasaki
    Semifinal Match
    山本 賢太郎(埼玉) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

  • by Naoaki Umesaki
    Quarterfinal Match
    渡辺 雄也(神奈川) vs. 浜本 憲至(大阪)

  • by Tomohiro Kaji
    Quarterfinal Match
    植田 勝也(愛知) vs. 山本 賢太郎(東京)

  • by Daisuke Kawasaki
    Quarterfinal Match
    齋藤 友晴(東京) vs. 塩津 龍馬(愛知)

  • by Event Coverage Staff
    Top 8 Decklists

  • by Event Coverage Staff
    Top 8 Profiles

  • by Keita More / Daisuke Kawasaki
    Ask Pros Archive

  • by Event Coverage Staff
    Day 2: Blog Archive

  • by Event Coverage Staff
    Day 1: Blog Archive

  • by Keita Mori
    Day 1: Photo Essay

  • by Event Coverage Staff
    Info: Fact Sheet

INFORMATION

1. Saitou, Tomoharu$3,500
2. Watanabe, Yuuya$2,300
3. Kuo, Tzu Ching C$1,500
4. Yamamoto, Kentarou$1,500
5. Ueda, Katsuya$1,000
6. Kondou, Keiichi$1,000
7. Hamamoto, Kenji$1,000
8. Shiozu, Ryouma$1,000

pairings, results, standings

Pairings

14 13 12 11 10 9

8 7 6 5 4 3 2 1

Results

13 12 12 11 10 9

8 7 6 5 4 3 2 1

Standings

14 13 12 11 10 9

8 7 6 5 4 3 2 1


Top 8 Player profiles

■山本 賢太郎(ヤマモト ケンタロウ)

ホームタウン:埼玉
年齢:24
職業:学生

ふだんどのような場所で、どのようなときに、マジックをプレイしていますか?

週末に友達とドラフトしています。

不戦勝の有無をふくめ、予選ラウンドの成績を教えてください。
不戦勝(Awarded Bye):2
土曜日(Day 1):7-0-1
日曜日(Day 2):4-2

あなたの使用しているデッキについて、教えてください。
名前:Level Blue
デザイナー:高橋 優太
工夫した点、重要な点:《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》が入っていないことと、《卑下/Condescend》が入っている事。

このGPでもっとも印象に残っている対戦相手は誰ですか?そして、その理由も教えてください。

特にいないです

主なマジックの戦績を教えてください。

PT2位

マジック以外のご趣味、興味があることを教えてください。

特にないです。

■植田 勝也(ウエダ カツヤ)

ホームタウン:愛知
年齢:30
職業:狩人

ふだんどのような場所で、どのようなときに、マジックをプレイしていますか?

名古屋らへん(主にケロヨンの別荘)

不戦勝の有無をふくめ、予選ラウンドの成績を教えてください。
不戦勝(Awarded Bye):3
土曜日(Day 1):3-2
日曜日(Day 2):6-0

あなたの使用しているデッキについて、教えてください。
名前:エルフ
デザイナー
工夫した点、重要な点:デミゴッドメタ

このGPでもっとも印象に残っている対戦相手は誰ですか?そして、その理由も教えてください。

K.K.さんに負けた中村修平

主なマジックの戦績を教えてください。

マジック以外のご趣味、興味があることを教えてください。

デミゴッドへのメタり方

■渡辺 雄也(ワタナベ ユウヤ)

ホームタウン:神奈川
年齢:20
職業:けいおん部

ふだんどのような場所で、どのようなときに、マジックをプレイしていますか?

2次元っぽいとこ

不戦勝の有無をふくめ、予選ラウンドの成績を教えてください。
不戦勝(Awarded Bye):3
土曜日(Day 1):4-0-1
日曜日(Day 2):4-2

あなたの使用しているデッキについて、教えてください。
名前:デザイア
デザイナー:自分
工夫した点、重要な点:サイドボードの《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives

このGPでもっとも印象に残っている対戦相手は誰ですか?そして、その理由も教えてください。

初日最終戦の近藤 恵一さん

主なマジックの戦績を教えてください。

2007 RoY GP京都

マジック以外のご趣味、興味があることを教えてください。

けいおん

■浜本 憲至(ハマモト ケンジ)

ホームタウン:大阪府東大阪市
年齢:28
職業:会社員

ふだんどのような場所で、どのようなときに、マジックをプレイしていますか?

にじいろくじら(MTG店) GPT・GP・PTQなど

不戦勝の有無をふくめ、予選ラウンドの成績を教えてください。
不戦勝(Awarded Bye):3
土曜日(Day 1):8-0
日曜日(Day 2):3-2-1

あなたの使用しているデッキについて、教えてください。
名前:セプターZoo
デザイナー:ハマモト ケンジ
工夫した点、重要な点:《等時の王笏/Isochron Scepter》を入れたこと。ミラーマッチ・クリーチャー戦で大爆発。

このGPでもっとも印象に残っている対戦相手は誰ですか?そして、その理由も教えてください。

最終戦、オカモトジンさん
IDできるとおもっていたところ、できなかったので。結果的に引き分けで冷や汗。

主なマジックの戦績を教えてください。

GPベスト32 1回

マジック以外のご趣味、興味があることを教えてください。

株式投資

■近藤 恵一(コンドウ ケイイチ)

ホームタウン:名古屋市東区
年齢:27
職業:会社員

ふだんどのような場所で、どのようなときに、マジックをプレイしていますか?

名古屋の地元のショップで日頃はレガシーをやっています。

不戦勝の有無をふくめ、予選ラウンドの成績を教えてください。
不戦勝(Awarded Bye):3
土曜日(Day 1):6-1-1
日曜日(Day 2):5-0-1

あなたの使用しているデッキについて、教えてください。
名前:ソクターデックウィンズ
デザイナー:自分
工夫した点、重要な点:Zooをメタったコントロールにも勝てるようにバーン寄りの構成にした事です。

このGPでもっとも印象に残っている対戦相手は誰ですか?そして、その理由も教えてください。

3バイ明けでいきなりたたかったサイトウトモハルさん。試合には勝てたけど、相手の方が明らかにプレイングがうまかった。

主なマジックの戦績を教えてください。

2008年グランプリ岡山のサイドイベントレガシーで3位

マジック以外のご趣味、興味があることを教えてください。

読書 山歩き

■塩津 龍馬(シオズ リョウマ)

ホームタウン:名古屋
年齢:27
職業:自営業

ふだんどのような場所で、どのようなときに、マジックをプレイしていますか?

家 ファイアーボール名古屋 ビッグマジック名古屋

不戦勝の有無をふくめ、予選ラウンドの成績を教えてください。
不戦勝(Awarded Bye):3
土曜日(Day 1):4-1
日曜日(Day 2):4-1-1

あなたの使用しているデッキについて、教えてください。
名前:ストーム
デザイナー:メインはナベ(※渡辺雄也) サイドは自分
工夫した点、重要な点:1日1回の1人回し

このGPでもっとも印象に残っている対戦相手は誰ですか?そして、その理由も教えてください。

ナベ(渡辺 雄也) ストーム6の《精神の願望/Mind’s Desire》をハズされて負けた 

主なマジックの戦績を教えてください。

GPトップ8 5回

マジック以外のご趣味、興味があることを教えてください。

引退したマジックプレイヤーとの遊び方(イチロー君おめでとう!)

■齋藤 友晴(サイトウ トモハル)

ホームタウン:Tokyo
年齢:25
職業:MTG通販晴れる屋店主 プロプレイヤー

ふだんどのような場所で、どのようなときに、マジックをプレイしていますか?

自宅のプレイスペースで。主に試合前。

不戦勝の有無をふくめ、予選ラウンドの成績を教えてください。
不戦勝(Awarded Bye):3
土曜日(Day 1):3-1-1
日曜日(Day 2):5-0-1

あなたの使用しているデッキについて、教えてください。
名前:Super Naya Zoo
デザイナー:Tomoharu Saito
工夫した点、重要な点:メタ上位をすべてメタる事に成功

このGPでもっとも印象に残っている対戦相手は誰ですか?そして、その理由も教えてください。

初日全勝のセプターZooの人(※浜本)。思いつかなかった。

主なマジックの戦績を教えてください。

PoY PT Champ(チーム戦) GP2勝

マジック以外のご趣味、興味があることを教えてください。

マジックの存在が大きすぎて、なかなか他のものが入り込めない。
強いて言えばKONAMIの音ゲー「ユビート」によるダイエット(笑)

■Tzu-Ching Kuo

ホームタウン:台湾
年齢:27
職業:Trader

ふだんどのような場所で、どのようなときに、マジックをプレイしていますか?

Taiwan cardshop ”Card Master” and “Moku”

不戦勝の有無をふくめ、予選ラウンドの成績を教えてください。
不戦勝(Awarded Bye):3
土曜日(Day 1):7-1
日曜日(Day 2):4-1-1

あなたの使用しているデッキについて、教えてください。
名前:Tezzeretar
デザイナー:Chen Liang
工夫した点、重要な点:《燎原の火/Wildfire》をNaya Zoo対策で投入

このGPでもっとも印象に残っている対戦相手は誰ですか?そして、その理由も教えてください。

Round 13中島と対戦する時、言語の問題で13分かかったが、結果すぐTopdeck(《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》)してTop 8に入れた。

主なマジックの戦績を教えてください。

GP Top 8に6回

マジック以外のご趣味、興味があることを教えてください。


Top 8 Decklists

by Event Coverage Staff

Tzu-Ching Kuo - Tezzeretor

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Kentaro Yamamoto - NLB

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Yuya Watanabe – KEION’ Storm

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Kenji Hamamoto - Scepter Zoo

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Tomoharu Saito – “Super Naya Zoo”

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Katsuya Ueda – Elves!

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Ryoma Shiozu - TEPS

Download Arena Decklist

Keiichi Kondo - Thoctar Deck Wins

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Sorcery (4)
4 Rift Bolt
Instant (8)
4 Lightning Helix 4 Incinerate
Artifact (2)
2 Umezawa's Jitte
Enchantment (4)
1 Seal of Fire 3 Oblivion Ring
Tribal instant (1)
1 Tarfire
60 Cards

Quarterfinal: 齋藤 友晴(東京) vs. 塩津 龍馬(愛知)

by Daisuke Kawasaki

斎藤 友晴今回のグランプリ神戸を、というよりかは、このPTQホノルルシーズンを語る上で、齋藤 友晴(東京)の名前をはずすことはできないだろう。

直前のグランプリであるGPシンガポールで戴冠している、というのはむしろ付加情報でしかない。もっとも重要なのは、その時に優勝した時に使用していたナヤZooのデックレシピと、「なぜ強いのか、なぜこのような構成なのか」を、自身のショップブログで事細かに解説したということだ。

実際、この齋藤による情報開示によって、国内のエクステンデッドの情報差が一気に埋まり、そして各地のGPT・PTQにナヤZooが溢れたのだ。

これは、齋藤が国内でも屈指のトッププロであるという事を差し引いたとしても大きすぎる影響である。

そして、このことについて、当然、多くのプレイヤーは懸念を抱いた。

「齋藤 友晴は自分の情報をここまで開示してしまっていいのだろうか?」

齋藤からすれば、それが自身のショップの宣伝につながるのであれば、問題はないハズであった。少なくとも、そう予想する人は多かった。

しかし、プロ中のプロである齋藤は、その予想の斜め上をいった。

そう、自身が公開したデックを超えるデックをこの神戸に向けて持ち込んできたのだ。

その名もSuper Naya Zoo。

トップ8入賞こそ、齋藤ひとりであるものの、初日全勝の彌永 淳也(東京)をはじめ、二日目でもかなりぎりぎりまでラインを争ってきたデックである。

ほとんどのトップデックをメタる事に成功したというこのデックのポテンシャルは、この神戸の地でトップとなることができるほどのものだろうか。

対戦するのは、塩津 龍馬(愛知)である。

この神戸のトピックとして間違いなく上位にあがるであろう、名古屋勢の活躍。トップ8はもとより、タイブレイクで涙をのんだ2名までもが名古屋・愛知勢であったことを考えると、今シーズンの今後にも期待しないわけには行かない。

そして、そんな中でも「古豪(笑)」として、長きにわたって活躍を重ねている塩津が、久々のグランプリトップ8を決定したのだ。

使用するデックは、渡辺 雄也(神奈川)からレシピを提供されたストームである。

Game 1

塩津 龍馬後手の塩津がマリガン。

先手の齋藤は、1ターン目こそフェッチランドからショックランドをタップインするのみだが、2ターン目には早速《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》をキャストする。

対する塩津は、ショックランドのタップインでライフを守りつつ、《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》にカウンターを溜め、要所で《差し戻し/Remand》という形で機会をうかがう。

だが、齋藤は、メインターンにはクリーチャーを追加しつつ、塩津のターンにも呪文を使用できる機会を無駄にしないよう《稲妻のらせん/Lightning Helix》などのインスタントでライフを削っていく。

メインボードからの《エーテル宣誓会の法学者》という、齋藤のデックテク。大塚 高太郎(神奈川)をはじめとした多くのエルフ使いがこのテクニックに泣かされてきたが、当然のことながらストーム使いにもこのテックは大きく突き刺さる。

なにせ、ストームを稼ぎ出すというデックの根本の動きを否定されてしまっているのだ。

必死に対抗策を探すも、メインボードでの対抗策などほとんどないに等しい。

最終的に、塩津が齋藤のターンエンドにキャストした《深遠の覗き見/Peer Through Depths》にスタックしてキャストされた「対応されない」《稲妻のらせん》が、塩津のライフを削りきったのだった。

齋藤 1-0 塩津

Game 2

Kird Ape
先手の塩津は、《思案/Ponder》《魔力変/Manamorphose》《差し戻し》《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》そして《精神の願望/Mind’s Desire》と内容は充実しているものの、土地が《戦慄艦の浅瀬》という、色マナの供給に苦労しそうな手札を小考の後にキープ。

一方で齋藤はマリガンをし、頬を強くひっぱたく。

その甲斐あってか、マリガン後ながら1ターン目から《密林の猿人/Kird Ape》というアクションでスタートする齋藤。2ターン目も、小考した上で《エーテル宣誓会の法学者》をキャストという順調な立ち上がり。

しかし、サイドボード後の、しかも相手のプランのわかっている状況でなら、メインボードのように一方的にやられることもない。

塩津は、ここで《エーテル宣誓会の法学者》に対処できる《残響する真実/Echoing Truth》をトップデックする。

さらに、溜めたカウンターを消費してひねりだした青マナでうった《思案》が、待望の色マナを塩津に供給してくれる。

最大の懸念材料であった色マナ供給が安定し、そして《エーテル宣誓会の法学者》への対処手段も手に入れた塩津。あとは、塩津のマナが揃うのが早いか、齋藤のクロックが早いかの勝負となった。

まず、王手をかけたのは齋藤。塩津のライフは1。

塩津は、手札の《魔力変》2枚によるキャントリップにも期待し、見切り発車気味に《残響する真実》を《エーテル宣誓会の法学者》にキャスト。

すると、ここでのトップデックが、なんと《煮えたぎる歌/Seething Song》。

これによってマナが足りた塩津は一気にコンボをスタートさせる。

まずは《煮えたぎる歌/Seething Song》をキャストしてマナを増やすと、さらに《捨て身の儀式/Desperate Ritual》でマナの総量を増やし、そして《魔力変/Manamorphose》で色マナとストームを稼いでの《精神の願望/Mind’s Desire》キャスト。ストーム数は5。残りマナはゼロ。

ここで、手札に《差し戻し/Remand》を持っている塩津は、マナが揃った時のために、まずはストーム分の5つまでスタックを処理することを選択。

めくられた5枚のカードは土地が4つと《残響する真実》。

まったく進展のない手札ゆえに、塩津は最後の《精神の願望》を解決する。

最後の1枚は、文字通り塩津の願望であった《精神の願望》ではなかったが、とりあえずマナを生み出してくれるカード、《捨て身の儀式/Desperate Ritual》であった。

手札に《ぶどう弾/Grapeshot》と《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を持ち、このターンはクロックを外せる上に、続くクロックもハズし、最後の最後まで賭けにでることはできる塩津。

ここで齋藤に声をかける。

塩津 「手札に火力あったら駄目だから投了するけど?」

塩津に提示される《モグの狂信者/Mogg Fanatic》。

齋藤 2-0 塩津

塩津 「今回のグランプリは、自分のできる範囲でできることをほとんどやりきったので、ほとんど後悔はないです。デッキもデッキですし」

比較的すがすがしい表情で語る塩津。でも、ひとつだけ後悔があるとすれば、と言葉を続ける。

塩津 「優勝して、イチロー(志村)君におめでとうといいたかったですね」

ちょうどこのグランプリ神戸初日の裏で、志村の結婚式が行われている。

中島 主税(神奈川)の引越記念の飲み会にわざわざ名古屋からかけつけるほど義理堅い性格でしられる塩津だけに、友人のあらたな門出を最高の形で祝いたかったのだろう。

その塩津の思いは、志村との共通の友人である齋藤にゆだねられる事となる。


Quarterfinal: 植田 勝也(愛知) vs. 山本 賢太郎(東京)

by Tomohiro Kaji

ついにTop 8が出そろい、準々決勝が始まった。

Elves! 対NLBという、このGPではたくさん見かけたであろう対戦だが、ここまで勝ち残った2人のプレイスキルに期待したい。今大会は名古屋勢の活躍が目立っているらしいのだが、植田もその中の一人である。対する山本は、プロツアー準優勝経験のあるプレイヤーだ。

Game 1

植田の先行ゲームが始まる予定なのだが、7枚でキープした植田に対し、山本は渋い表情。
結局、初手をマリガンしたのだが、それでも手札はプレイには程遠く、5枚で始めることとなった。

《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》に1点のライフを支払い、植田は《森/Forest》から《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》をプレイするスタートする。
山本も同様に《汚染された三角州/Polluted Delta》からの《繁殖池/Breeding Pool》をフェッチし、ライフを17にして《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機させた。
Extendedといえばフェッチランドとショックランドといわれるほど、デッキのマナベースの安定度を格段に上げている。

植田は、《樺の知識のレインャー/Birchlore Rangers》を追加し、《ラノワールのエルフ》をアタックに行かせ、順調にマナを伸ばす。しかし、山本はダブルマリガンの影響から2枚目の土地をプレイ出来ず、ただターンを返すのみとなった。

その間、マナ加速からの《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》で、植田は《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》と《遺産のドルイド/Heritage Druid》を手札に加え、着実にパーマネントを展開し続ける。

なんとか2枚目の土地を引き込んだ山本ではあったが、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をブロッカーとして呼ぶことしか出来ず、タップアウトを確認した植田は《垣間見る自然/Glimpse of Nature》からコンボを開始させる。

サーチしてきた《イラクサの歩哨》と《遺産のドルイド》を使い、マナを生み出しながらの《召喚士の契約/Summoner’s Pact》、そこからの《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》、さらに《ワイアウッドの共生虫》、もう1枚の《ワイアウッドの共生虫》、最後に《召喚の調べ/Chord of Calling》をプレイしようとしたところで山本はカードを片付けだした。

植田 1-0山本

Game 2

先ほどのゲームとは違い、今回はすんなり初手をキープした山本に対し、渋い表情をしたのは植田。土地が1枚しかないが、一応はデッキが機能するというElves!にありがちな7枚に、この第2ゲームのプランをどうするかで頭を悩ませる。結局、その7枚で始めることにするのだが、後手ということがどこまで影響するのだろうか。

《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》、《島/Island》、《島》と、パーミッションらしく順調に土地をプレイし続ける山本だが、植田はそうはいかない。

《思考囲い/Thoughtseize》のために、フェッチした《草むした墓/Overgrown Tomb》から《イラクサの歩哨》、《遺産のドルイド》と、1ターンに1枚しかプレイできない状況が続く。

やっと2マナ目を確保し、《ワイアウッドの養虫人/Wirewood Hivemaster》をプレイするも、《呪文嵌め/Spell Snare》で対処され、場にいたエルフたちも《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》で一掃されてしまう。植田は《思考囲い》で山本の手札を公開させると、そこには大量のカウンター呪文と、更なる《仕組まれた爆薬》が。1マナの呪文ばかりのハンドのため、その中から《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》を捨てさせるが、これからどうやってこれらの呪文を消費させるか、非常に難しい。《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》と《ワイアウッドの共生虫》で、《仕組まれた爆薬》を1対1交換で使わせ、植田は《思考囲い》やクリーチャーの追加で徐々にカウンターを使わなければならない状況を作っていった。

公開された中での最後のカウンター呪文、《謎めいた命令/Cryptic Command》を使わせることには成功したが、『カードを引く』モードでの追加の1枚から、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をプレイされ、山本に土地や手札破壊に使ったライフを攻められ始める。

残されたライフが12の植田に3点のダメージクロックは馬鹿に出来ず、クリーチャーの展開を迫られるが、《仕組まれた爆薬》の被害を最小限にとどめるために、《樺の知識のレインジャー》を変異で呼び出さなければならず、苦しい時間が続く。

最終的に、山本の《タルモゴイフ》の登場で、地上を止められた植田は、飛行からのダメージに耐えきれず、投了するしか残された道はなかった。

植田 1-1山本

Game 3

先行の植田はまたも7枚の手札を見て厳しい表情。手札には1マナのカードが沢山あるのだが、いかんせんそれらがエルフではなく、3枚の《ワイアウッドの共生虫》だったり、《思考囲い》では何がしたいのかよくわからない。仕方なくマリガンすると、《ラノワールのエルフ》や十分な色マナなど、そこそこの6枚を手に入れる。

《光り葉の宮殿/Gilt-Leaf Palace》からの《ラノワールのエルフ》、《思考囲い》とプレイする植田は、公開された山本の手札でプレイをかなり制限される。2枚の《ワイアウッドの養虫人》を持っているのだが、山本も《呪文嵌め》を持っており、カードを交換するのにマナの面で損をするからだ。

仕方なく2マナの呪文を唱えないように注意しながらクリーチャーを呼びだすが、大したダメージクロックを用意できずにいる植田は、《垣間見る自然》をプレイし、通った事を確認してから手札のクリーチャーを連続で展開しはじめる。

《ワイアウッドの共生虫》や《遺産のドルイド》に、虫の能力でエルフを回収し、再度プレイすることで、カードを引き増しながら攻め手を追加する。山本も植田ターンの終了時に《ヴェンディリオン三人衆》を追加し、空と地上の殴り合いがはじまった。

このままではエルフの軍団に押し切られてしまう山本は、X=1の《仕組まれた爆薬》を使うが、《ワイアウッドの共生虫》の存在で、時間を稼ぐにとどまった。しかし、その1ターン分の時間が《タルモゴイフ》を召喚するタイミングを作ることができた。

地上が止まってしまってはゲームに勝てない植田は、手札を使い切ろうとするが、そうなってしまうと、対象が無くなってしまう《卑下/Condescend》を、山本がX=0で挟む。
その青マナが少なくなった瞬間に、初手から温存していた《ワイアウッドの養虫人》を《呪文嵌め》させずに場にねじ込むのだが、山本の3枚目の《仕組まれた爆薬》によって、《タルモゴイフ》をブロックするクリーチャーがいなくなり、《ワイアウッドの養虫人》でチャンプしなければならない状況に。

最後のカードをドローして植田はカードを片付けた。

植田 1-2山本


Quarterfinal: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 浜本 憲至(大阪)

by Naoaki Umesaki

ここ最近、マジックの世界に復帰したという浜本。 昨年末に開催された『GP岡山』の併設イベントで開催されたトライアルイベントで勝利し、3Bye(不戦勝)を獲得しての参加だというが、復帰したのはその1週間前だというのだから驚きである。

本イベントは、獲得した3Byeのアドバンテージを活かして危なげなく2日目に進出。 そして、勢いそのままにTop8進出を果たした。

使用デッキは『Naya Zoo』。 一般的なレシピでは採用されていない《等時の王笏/Isochron Scepter》をメインに3枚採用しているのが印象的である。

浜本 「引退する前だから3年くらい前ですかね。レガシーの大会で《等時の王笏》を搭載した『Zoo』が好成績を残していたのを覚えていて。 練習で試してみたら強かったので、そのまま採用しました」

実際、本大会で多かった『Naya Zoo』の同系対決において、《流刑への道/Path to Exile》《稲妻のらせん/Lightning Helix》といったカードを刻印した《等時の王笏》によって何本ものゲームを圧倒的に勝利しているという。

間違いなく、浜本にとって本大会のMVPといえるカードと言えるだろう。

しかし、MVPカードでどうにか出来ない状況もある。 これから始まる準々決勝で当たる渡辺(TEPS)との試合はデッキ相性が悪く、MVPカードの活躍も期待できない状況だと浜本は語る。

浜本 「メイン戦が厳しいのはともかく、調整不足のせいでサイドボードが煮詰まってなくて、サイド後もお世辞にも相性がいいとはいえないのが厳しいです」

実際、スイスラウンドで渡辺と対戦して負けを喫しているというが、「とにかく楽しみたい」と笑顔を見せ意気込みを語ってくれた。

浜本 「相手がブン周りしないことを祈って、いかにこちらのビートダウンが相手のライフを削るスピードで追いつけるかですね。 とりあえずベストを尽くすだけです」

対するは、渡辺 雄也(神奈川)。

『GP京都』優勝、『The Finals』準優勝、『Rookie of the Year』などなど、輝かしい戦績を持つ彼を今更改めて紹介する必要はないだろう。

使用デッキは、『The Extended Perfect Storm』こと『TEPS』。

渡辺 「選択理由ですか? メイン戦は、どのデッキ相手でもひたすら強いからですかね?『GPシンガポール』でも同じデッキタイプを使ってたですけど、12位と中々に良い成績で感触も良かったので、サイドボードを煮詰めてきた感じです。」

勝負の焦点などについて質問すると、「スピード勝負とか、対策カードが刺さるとかいう勝負じゃないよ。運がいいほうが勝つよ。」とコメントになっていないコメントだったので、渡辺の盟友である長島 誠(日本選手権Top8など)にコメントを頂いた。

長島 「《エーテル宣誓会法学者》を採用されていると厳しい勝負なんですけどね。浜本さんが使用しているレシピは《法学者》ではなく《ガドック・ティーグ》を採用しているレシピなので、渡辺がノビノビと有利に試合を運べるんじゃないかなと」

《エーテル宣誓会の法学者》と《ガドック・ティーグ》の差については?

長島  「《法学者》だと1ターンに1回しか行動出来なくて、そもそもデッキが動きません。 でも、《ガドック》なら《思案》などのドロー呪文で手札を整えたり、対抗策を探すことが出来て、手札が揃ったら《ガドック》を排除してコンボを決めて勝利することが出来ます。」

なるほど。 それでは、試合を見てみよう。

Game 1

先攻の渡辺がマリガン、後攻の浜本はダブルマリガンでのゲームスタート。

渡辺のキープ手札は、《睡蓮の花/Lotus Bloom》《思案/Ponder》と土地4枚という内容で、まずは《思案/Ponder》をキャストする。

この《思案》でめくれたのは、《思案》2枚・《睡蓮の花》という3枚。
上から《睡蓮の花》《思案》《思案》の順に詰み、1ターン目に《睡蓮の花》を2枚待機するという渡辺の第1ターンとなった。

渡辺は《睡蓮の花》2枚の待機が明けてプレイされるターンに《思案/Ponder》を打ち、ドローを進めながら《精神の願望/Mind’s Desire》を探しに行こうかというゲームプランだったのだが、探すまでもなく4ターン目の通常ドローで《精神の願望》をドローして、これでコンボを決めにゆく体制が一気に整った。

まず《睡蓮の花》2枚が待機を明け、場に登場。《思案》→《思案》と適当にストームを稼いで、X=5での《精神の願望/Mind’s Desire》をプレイ。

これを解決をすると、《精神の願望》Aは《精神の願望》Bを呼び込み、《精神の願望》Bは浜本のライフを削るのに十分な《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を供給したのである。

浜本も、 2・3ターン目に《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と連打して中々のビートダウンを始めようかというところだったのだが、完全に別のベクトルでゲームを進めていた渡辺のスピードには敵わなかった。

渡辺 1-0 浜本

・渡辺のサイドボーディング
【IN】
1《残響する真実/Echoing Truth
2《蒸気の連鎖/Chain of Vapor
2《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives

【OUT】
2《電解/Electrolyze
3《差し戻し/Remand

・浜本のサイドボーディング
【IN】
4《紅蓮光電の柱/Pyrostatic Pillar
1《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg
3《火山の流弾/Volcanic Fallout

【OUT】
3《等時の王笏/Isochron Scepter
4《流刑への道/Path to Exile
1《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte

Game 2

両者ともに、初手をキープ。

渡辺は《精神の願望/Mind’s Desire》とマナブーストが揃っている良質な初手で4ターン目にはコンボが決まりそうな手札のように見える。

対する先攻の浜本。 フェッチランドから《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》をサーチして《密林の猿人/Kird Ape》というロケットスタートから、2ターン目に《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》で渡辺をコンボを妨害にしにかかる。

場だけを見ると渡辺が厳しいようにも見えるのだが、渡辺の手札には《ガドック》に対処できる《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》があり、《思案》《深遠の覗き見》と確実にコンボ完成に向けてドローを進める。

そして、浜本が《長毛のソクター/Woolly Thoctar》を出した返しのターン、渡辺は動いた。

《炎の儀式》→《炎の儀式》→《魔力変》→《捨て身の儀式》→と十分なマナ加速・ストームを稼いだ後、《蒸気の連鎖》で邪魔となっている《ガドック・ティーグ》をバウンスしての《精神の願望/Mind’s Desire》。

まさに「お見事!」といった感じで、ストームコンボを決めてみせた渡辺。

《精神の願望》が解決され、次々にカードがめくられてゆく。

そして、勝者が決まった。

もはや、返ってこないと思われていたターンが返ってきた浜本である。

悔しさを堪えきれず思わず「くそー」と声が出てしまう渡辺を見ると、「よくある」では済ましたくはないが、綺麗にコンボは決めても決め手となるカードがめくれず残念な結果に終わるのは『TEPS』ではよくあることである。

渡辺 1-1 浜本

Game 3

浜本が《密林の猿人》《ガドック・ティーグ》と調子良くクリーチャーを展開し、渡辺は《睡蓮の花》待機した後に《深遠の覗き見/Peer Through Depths》2連打で手札を整える序盤戦。

浜本は《紅蓮光電の柱/Pyrostatic Pillar》と『TEPS』に効果的なカードを続けてプレイするのだが、渡辺は2発目の《深遠の覗き見》で《蒸気の連鎖》を獲得しており、現状は厳しい状態にしろコンボ成功にほぼリーチをかけている状態となった。

手札には《精神の願望》が既にあり、決め手段である《苦悶の触手》もある。それなりのマナ加速もあるのだが、手札の全てをプレイするのにはマナが若干足りず、コンボの邪魔となる《ガドック》《柱》を排除するための2枚目となるバウンス手段も足りていないといった感じだ。

しかし、リーチをかけても、渡辺のライフを確実に減らしてゆく浜本のダメージクロックは待ってはくれない。

熟考する渡辺。

まず、ライフを10に減らしながら《思案/Ponder》をキャストする。
見えたカードは、《戦慄艦の浅瀬》《炎の儀式》《蒸気の連鎖》。
渡辺は、待望となるバウンス呪文の2枚目をそこに発見した。

しかし、ここから渡辺は更に熟考する。

マナが足りず、このターン内には《精神の願望/Mind’s Desire》のプレイにまで辿りつけないのだ。

ターンを返すと、相手クリーチャーのアタック+火力呪文よってライフが2、もしくは0へとなる可能性がある。確認になるが、ライフが2以下となってしまうと、《紅蓮光電の柱》が出ている場では詰みである。

やはり、これはあと一歩足りなかったのか?

だが、渡辺は難解な手順だが《精神の願望》をプレイせずに勝つ道を発見してみせた。

《精神の願望/Mind’s Desire》に頼らず、軽いドロー呪文やマナブーストをうまく繋いでストームを溜め、手札にある《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を決めるという道筋である。

先ほどのゲームでは《精神の願望》での不運に泣いた渡辺だったが、最終ゲームは難解な詰め将棋を解き明かすことによって《精神の願望》によるランダム要素が絡まない確実な手順で勝利。準決勝進出を決めた。

渡辺 2-1 浜本

Result : 渡辺 雄也 Win!


Semifinal: 山本 賢太郎(埼玉) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

by Daisuke Kawasaki

神は細部に宿る。

八ヶ月前の神戸。

ひとりの青年が、日本人としては始めて国内グランプリの連覇という偉業を成し遂げた。

青年の名前は、高橋 優太(東京)。

今となっては、スタープレイヤーとしてその名を広く知られる高橋だが、ほんの数年前までは、関東の草の根ちょっと名の知られるレベルの、PTQプレイヤーでしかなかった。

そんな高橋がブレイクしたきっかけは、一昨年のプロツアーサンディエゴでファイナリストとなったことだった。

ツーヘッドジャイアントでおこなわれたこの大会で、高橋とともにプレイをしていたプレイヤーこそが、いま、この席に座っている山本 賢太郎(埼玉)だった。

高橋と山本がファイナリストになった時、恥ずかしながら、当時両名のことをほとんど知らなかった筆者は数名のプロプレイヤーに彼らについて質問した。

すると、みな、口を揃えてこう言った。

「あの2人は、いつも一緒にマジックやってんだよ」

Game 1

ダイスロールで、2対3という僅差で山本が先攻。

山本はマリガン後に、《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機というスタート。対する渡辺は、1ターン目に《思案/Ponder》はうてず、《睡蓮の花/Lotus Bloom》を待機する。

2枚目の《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機し、ターンを返す山本。渡辺も《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》をセットするのみと言う、お互いに非常に静かな立ち上がりとなった。

山本は土地を並べ、渡辺は《戦慄艦の浅瀬》にカウンターを載せていく。

やはり、ファーストアクションがあったのは、渡辺の《睡蓮の花》の待機があけたターン。

まず、《捨て身の儀式/Desperate Ritual》で3マナを生み出す許可を求める渡辺。山本は、これを許可。山の手札は《呪文嵌め/Spell Snare》が2枚と《マナ漏出/Mana Leak》というものだが、まずは様子見といったところか。

渡辺は、このうみだされた3マナのうち2マナを使用して《ぶどう弾/Grapeshot》を山本に。こうして3つのストームを稼いだ渡辺は、《精神の願望/Mind’s Desire》をキャストする。山本はまだ動かない。

山本が動いたのは、渡辺の《精神の願望/Mind’s Desire》のストーム分が解決され、土地が1枚に《思案》《深遠の覗き見/Peer Through Depths》が後悔された後。本体である《精神の願望》を《マナ漏出》する。渡辺にマナは残されていないので、これは解決。

渡辺は《深遠の覗き見》で追加の《精神の願望》を手札に入れ《思案》でさらなる手札の充実を図る。

これで、渡辺のターンは終わり、続いて山本のターン。まずは《祖先の幻視》の待機が溶け、通常ドローとあわせて4枚のカードを手に入れる。

そして、渡辺ターンに《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をキャストする。これを《差し戻し/Remand》しようと試みる渡辺だが、山本は《呪文嵌め》でこれをカウンター。この《差し戻し》を2枚目の《差し戻し》で自身の手札に戻すことで守ろうと考えた渡辺なのだが、山本の手札には前述の様に2枚目の《呪文嵌め》があるため、成功しない。

結果、山本は渡辺の手札から《精神の願望》を失わせるとともに、3点分のクロックを獲得する。

そして《祖先の幻視》によってさらに手札を充実させた山本は、《変わり谷/Mutavault》とあわせて、5点ずつ渡辺のライフを削っていく。

そしてついに渡辺のライフは6に。

ターンエンドに《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》がでてきてしまえばライフがなくなってしまう渡辺。ここで、不十分な手札ながら仕掛けにでることを選択する。

まずは、数々の奇跡を起こしてきた《思案》。しかし、これは《呪文づまりのスプライト》でカウンターされてしまう。

このことで《ぶどう弾》がなければ次のターンの敗北がほぼ決定的になった渡辺。続いて《煮えたぎる歌/Seething Song》をキャストする。これも《呪文づまりのスプライト》。

だが、これで山本はタップアウト。

渡辺は《魔力変/Manamorphose》で手札を増やすと、2枚目の《煮えたぎる歌》によって、あらためてマナを確保し、2枚目の《魔力変》によるトップデックにかける。

《魔力変》によって生み出したマナは青マナなものの、2枚の《戦慄艦の浅瀬》にはカウンターが載せられているので、黒マナは十分に調達でき、そして山本のライフを削りきるのに十分なストームもたまっている。

あとはライブラリーの上から《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を引き込むのみ。

渡辺は、ライブラリーのトップを手に持つと、表向きにしてたたきつける。

《捨て身の儀式》

山本 1-0 渡辺

準々決勝がおこなわれる前に、どのマッチアップをどのライターが受け持つかの割り振りが決定された。

その時に、今大会ではカバレージライターとして参加している鍛冶 友浩(埼玉)が、こういった。

鍛冶 「ヤマケンのマッチがとりたいです」

3人チーム戦で行われたグランプリ浜松で、高橋・山本、そして栗原 伸豪(東京)で結成された「Wrath of God of KJ」というチーム。

このチームに対して鍛冶が日本のマジックを未来を担ってくれるプレイヤーたちだと語った事については、浜松で、そして高橋の優勝した静岡のマッチカバレッジでお伝えした記憶がある。

だが、その言葉はもちろん、高橋だけでなく、山本にも向けられたものだった。

いや、むしろ、ふたりのマジックへのスタンスにむけられたものだったのかもしれない。

Game 2

先手の渡辺が《思案》で、そして山本が《祖先の幻視》の待機でというゲームスタート。

渡辺が2ターン目3ターン目と《戦慄艦の浅瀬》へカウンターを載せる以外のアクションが無いと見るやいなや、山本はターンエンドに《呪文づまりのスプライト》をキャストし、クロックを用意する。

山本が4枚目の土地として《激浪の研究室/Riptide Laboratory》をセットし、そして《祖先の幻視》の時間カウンターが1つとなった、続くターン。間違いなく次のターンはこのターンよりも条件が悪いため、渡辺は、とにもかくにもこのターンにアクションを起こすことを選択する。

渡辺の手持ちの土地は、《島》《滝の断崖/Cascade Bluffs》、そして、カウンターのみっつ載った《戦慄艦の浅瀬》。

手札をみて、かなりの長考をおこなった後に、まずは《煮えたぎる歌》をキャストする。山本は、これをスルーする。

5マナを手に入れた渡辺は、続いて《炎の儀式》。これもスルーで渡辺のマナは6マナ。

うち、2マナを使った《魔力変》をキャストしたところで、山本がまたも小考。盤面をじっとながめ、考えた上で、この《魔力変》まで許可を与える。当然続く《捨て身の儀式》も《魔力変》もオッケーだ。

この時点で、赤マナが3つに青マナが4つというマナを獲得した渡辺。

フェッチランドをセットし、土地をサーチして土地を引いてしまう可能性をわずかながらでもへらすと、駄目押しの《魔力変》から《精神の願望》をキャスト。

ここで7つのスタックを解決すると、3枚の土地に《火山の流弾/Volcanic Fallout》《否定の契約/Pact of Negation》《煮えたぎる歌》、そして《精神の願望》が公開される。

渡辺が《煮えたぎる歌》《火山の流弾》とキャストし、今度はストーム9の《精神の願望》をキャスト。

ここでライブラリーを10枚めくるまでもなく、渡辺の手札にある《苦悶の触手》で山本のライフを削りきれることが明らかにされ、勝負は最終戦へともつれ込んだのであった。

山本 1-1 渡辺

その後、鍛冶の予言通り、2007年に彼らふたりはプロツアーでファイナリストとなり、日本を代表するデュエリストとなった。

しかし、その後めだった活躍をしていたのはご存じの通り、高橋の方だった。グランプリ2連覇をはじめ、2年連続の日本選手権トップ8入賞など、高橋の戦歴は数え上げればきりがない。

さらに言うと、山本に関してはむしろほとんど情報が無いと言ってもいいくらいだ。そう正直に人に話すと、みな同じように返事する。

「ヤマケンは謎だから。そういうキャラだから」

だが、高橋に話を聞くと、必ずといっていいほど、山本の名前がでてくる。

例えば、2007年にトップ8に入賞した高橋は、一晩山本と練習したと言うことと、そこで得た練習の成果、そして山本と段々と正しい答えに近づいていったことを語った。

山本は謎の多いプレイヤーかもしれないが、高橋のマジックに対するストイックさを考えると、山本というプレイヤーの姿も見えてくる。

Game 3

山本は、三度《祖先の幻視》を待機するスタート。

一方の渡辺も《思案》からゲームを開始する。

山本が土地を並べながら《祖先の幻視》の待機を待ち、渡辺が《戦慄艦の浅瀬》にカウンターを載せるという展開。

またも《祖先の幻視》の待機が明ける直前のターンが勝負所になる、かに見えたが、その前に山本がアクションを起こす。

渡辺が《手練》を使いターンを終了したターンに、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をキャストしたのだ。悔しそうに手札を投げ出す渡辺。

土地に《魔力変》2枚《炎の儀式》2枚、そして《思案》《深遠の覗き見》という手札から、《深遠の覗き見》をライブラリーのそこに送り込む。

これによって、再び3点のクロックを獲得した山本。だが、渡辺はかわりに《火山の流弾/Volcanic Fallout》を手に入れる。

続くターンの《思案》は、シャッフルを選択する渡辺だったが、その甲斐あってか《睡蓮の花》を待機することに成功する渡辺。山本が《祖先の幻視》で手札を充実させ、《ヴェンディリオン三人衆》と《変わり谷》でアタックしてきたところで《火山の流弾》で場をリセットする。

しかし、ここで山本は、2枚目の《ヴェンディリオン三人衆》を渡辺のターンにキャスト。再び悔しそうに手札を投げ出す渡辺。

今度の手札は《炎の儀式》2枚《魔力変》2枚に《苦悶の触手》《精神の願望》という充実したもの。

山本は、少し検討した後に《精神の願望》をライブラリーの下に送り込む。

ふたたび《ヴェンディリオン三人衆》と《変わり谷》でクロックを刻み、渡辺のライフを4にまで追い詰める。場には5点分のクロックがあるので、続くターンには渡辺は何かしらのアクションを起こさなければならない。どちらにしろ渡辺の《睡蓮の花》の待機があけるのも次のターンなので、ビッグアクションがあるとしたら、間違いなく次のターンである。

山本は《睡蓮の花》に対処するべく《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をX=0でキャストし、4マナ残してターンを終了する。

渡辺のアップキープ。アップキープ中にキャストされた《睡蓮の花》を破壊するべく、《仕組まれた爆薬》が起動され、山本の残りマナは2。これに対して渡辺は《睡蓮の花》をサクリファイスし、青マナを3つ生み出す。

青3マナを残したまま迎えた渡辺のドローフェイズ。

ここでの渡辺のドローが《ザルファーの魔道士、テフェリー》。渡辺は土地から2マナを追加し、これをキャストする。

《ザルファーの魔道士、テフェリー》が通ってしまえば、どれだけマナがあろうが関係がなくなってしまう山本。しかたなく《マナ漏出》。

こうしてタップアウトした山本に対して、渡辺はマナを増やし《魔力変》でストームを稼いでいく。

そして《思案》がさらにストームを稼ぐ。

ストームが10を超えた。

山本は、渡辺が《苦悶の触手》を持っている事をすでに知っている。

神は山札に宿る。

渡辺 2-1 山本

マッチの終了後、山本と八十岡 翔太(東京)が検討戦を始める。なんだか、2年前の日本選手権準々決勝を思い出させるシーンだ。

八十岡 「うーん、手札弱かったからなぁ...」

山本 「《変わり谷》まで殴るべきじゃなかった?」

八十岡 「(ライフ的に)追い詰めちゃったら、相手動くしかないからね」

山本 「むしろ、もう1ターン与えて《もみ消し/Stifle》の引きにかけるべきだったか」
神は細部に宿る。

小さな可能性も限界まで検討し、突き詰めることで、そのプレイには、神が宿る。

こういった、デュエルごとの検討の積み重ねが、山本の今のマジックスキルを支えているのだろう。

検討を続ける山本と八十岡の姿を見て、そんなとりとめのないことを考えていると、本戦を見ていたはずの高橋が、なぜか外から戻ってきた。

高橋 「《ザルファーの魔道士、テフェリー》がでてきた瞬間、ヤマケンが負ける!って思ったら涙が出てきちゃって」

きっと、神は細部にだって山札にだって、なんにでもどこにでも宿っている。

人が何かを定義付けようと作り出す、架空の概念なのだから。

ただ、飽きずに永遠に一緒に検討をし、自分のために涙をながす友人は、現実にしか存在しない。


Semifinal: 斎藤 友晴(東京) vs. Kuo,Tzu Ching(台湾)

by Naoaki Umesaki

Kuo,Tzu Ching(台湾)は、斎藤 友晴が優勝した『GPシンガポール』にてTop8入賞を果たしているプレイヤーで、斎藤と同じく、グランプリで2大会連続のTop8進出ということになる。

日本のほとんどの方は今までKuoというプレイヤーのことを知らなかったことと思われるが、Kuoの実績はこれだけではなく、グランプリのTop8進出もこれで5・6回目と、これまでにかなりの戦績を持つアジアの強豪プレイヤーなのである。

使用デッキは、『GPシンガポール』の時と同様で『Tezzereter』。
『GPシンガポール』から大きなデッキの変更点は2点。 メインデッキが60枚から61枚となっていることと、サイドに《燎原の火/Wildfire》が新たに搭載された点である。

まず、デッキが61枚に増えた理由だが、同じデッキを使用している友人が高橋優太の『ローム』に痛い目にあわされ、アドバイスによって『ローム』に対して有効なカードである《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》を急遽追加したためだと、Kuoは話しながら苦笑い。

次に、サイドボードに新たに加えられた《燎原の火/Wildfire》は、『GPシンガポール』で痛い目をあわされた『Naya Zoo』を意識・メタって採用したカードだというが、その威力については未知数なところが多い。

何故ならば、『GPシンガポール』時点で斎藤が使用していた『Naya Zoo』ならば《燎原の火/Wildfire》は全てのクリーチャーを流すことが可能なのだが、現在斎藤が使用しているデッキレシピはそこから大きな変化を遂げ、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》という《燎原の火/Wildfire》で流せないクリーチャーが搭載されていたりと、Kuoにとって誤算となるような要素が多いように感じられるからだ。

さて、迎え討つ斎藤 友晴(東京)。

メタゲームの中で多いと思われるデッキにサイドボードのスロットを割いたデッキ構築をした為、少数派である『Tezzereter』に対しての投入するサイドボードカードの枚数が無いとマイナス要素を語るが、「相性は厳しいとは思わない」とのこと。

斎藤 「相手が使用する『Tezzereter』って繊細なバランスの上に成り立ってるデッキだから、引きなどが噛み合わず、すんなりと思うような展開ができないこともが多いんだよね。その点、こっちは金太郎飴みたいなデッキ構成で動きが安定してるデッキだからね。サイドから投入されるだろう《血染めの月/Blood Moon》とか厳しい要素も多いんだけどね。多分負けないと思う」

と、控え目に勝利宣言だ。

Game 1

斎藤は《密林の猿人/Kird Ape》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と調子良い序盤の展開。

対してKuoは2ターン目にX=1で《虚空の杯/Chalice of the Void》を置き、斎藤の動きを抑制した上で、《粗石の魔道士/Trinket Mage》で《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をサーチしてきて場をコントロールする体制に入る。

しかし、Kuoはここで土地をセットするのみで第4ターンを終了。
手札にある《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》をセットしない。

見るからに怪しいが、斎藤が《タルモゴイフ》《密林の猿人/Kird Ape》でアタックしたところで、やはりというかブロック前に《ヴェンディリオン三人衆》がKuoの手札からプレイされる。

能力によって《野生のナカティル》《流刑への道》という、現状では《虚空の杯》で封殺できているカードと土地3枚という斎藤の手札を確認すると、カード変更無しを選択。

《ヴェンディリオン三人衆》は《密林の猿人》を相打ちに仕留め、次のターンにいよいよ《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》で《タルモゴイフ》も御退場頂く。

続けてKuoは《仕組まれた爆薬》を使い回せる《アカデミーの廃墟》をセットして、段々と『Tezzereter』が目指すゲーム展開へとなってきた。

斎藤は後続として《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を出し、《野生のナカティル》と《モグの狂信者》をサーチしてくるのだが、《虚空の杯》で制限を受けているので今は陽の目を見ることはない。

Kuoは《知識の渇望/Thirst for Knowledge》でドローを進め、《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》で斎藤の唯一の攻め手である《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を奪取すると、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》で再び斎藤の手札を確認して安全を確認。 斎藤が引き込んできた【7/7】の《聖遺の騎士》も《謎めいた命令/Cryptic Command》でカウンターして勝利を確定させた。

斎藤 0-1 Kuo

・斎藤のサイドボーディング
【In】
4《流刑への道/Path to Exile
4《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist

【Out】
3《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg
2《忘却の輪/Oblivion Ring
1《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos
1《窒息/Choke
1《古えの遺恨/Ancient Grudge

・Kuoのサイドボーディング
【In】
3《血染めの月/Blood Moon
3《誘惑蒔き/Sower of Temptation
2《燎原の火/Wildfire

【Out】
1《真髄の針/Pithing Needle
2《知識の渇望/Thirst for Knowledge
2《謎めいた命令/Cryptic Command
1《虚空の杯/Chalice of the Void
1《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker
1《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles

Game 2

先攻の斎藤、1ターン目に《野生のナカティル》、3ターン目に《聖遺の騎士》というクリーチャー展開。4ターン目に斎藤が通常ドローをしたところで、Kuoは《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》と遅めのアクションをみせる。

能力によって公開された斎藤の手札は《忘却の輪》《モグの狂信者》《樹上の村》《山》という内容で、Kuoはこの中から《忘却の輪》を抹消登録するのだが、斎藤は《モグの狂信者》のプレイで《ヴェンディリオン三人衆》を焼いて《野生のナカティル》と《聖遺の騎士》によるダメージを通す。

これによってKuoのライフは7へと落ち込み、斎藤は追い打ちで追加戦力となる《樹上の村/Treetop Village》をセットしてターン終了する。

返すターン、《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で《聖遺の騎士》のコントロール権を奪取するのだが、斎藤はここで《稲妻のらせん/Lightning Helix》を引きこみ《誘惑蒔き》を除去。

斎藤の攻めに対する防壁が無くなってしまったKuoは投了となった。

斎藤 1-1 Kuo

Game 3

横のテーブルはゲームが既に終わっており、渡辺 雄也が決勝進出を決めている。

もし、このゲームに斎藤が勝って決勝進出を決めると『GP神戸2009』決勝戦は2007年度の『Rookie of the Year』vs.『Player of the Year』ということになるが、全てはこの試合の勝敗次第だ。
果たして、斎藤は渡辺の待つテーブルへとたどり着けるのだろうか?

後攻となった斎藤、《野生のナカティル》・《密林の猿人》・《稲妻のらせん》・《モグの狂信者》2枚・《寺院の庭》・《樹木茂る山麓》という内容の手札をキープする。

1ターン目に《野生のナカティル》を繰り出し、2ターン目には《樹木茂る山麓》で《踏み鳴らされる地》をサーチして【3/3】へと成長させてアタック。

2ターン目のドローにて《タルモゴイフ》を引いているが、《呪文嵌め》を警戒して《密林の猿人》をプレイしてターンを終了する。《モグの狂信者》を出さなかったのは、《仕組まれた爆薬》による一掃を警戒してだろうか?

さて、先程のゲーム同様に《ヴェンディリオン三人衆》がファーストアクションとなったKuoだが、斎藤の手札を見て固まる。

《モグの狂信者》2枚・《タルモゴイフ》2枚・《稲妻のらせん》《イーオスのレインジャー》・・・

カロリーの高い手札で、どれを抜いても焼け石に水といった感もあるが、《誘惑蒔き》への布石へとして《稲妻のらせん》をライブラリーへと送るKuo。

斎藤は、この《ヴェンディリオン三人衆》を《モグの狂信者》のプレイで除去してアタックを通す。先ほどのゲームとまったく同じような流れである。

先ほどのプレイでKuoはフルタップとなっているので、斎藤は《タルモゴイフ》を場に投下。これまた先ほど同様にKuoの第4ターン目は《誘惑蒔き》で、《タルモゴイフ》が強奪されるのだが、今度は斎藤の手札・トップデッキに火力・除去呪文は無し。

しかし、ここで止まる訳にはいかない。ライフが10となっているKuoに対し、斎藤は《野生のナカティル》と《密林の猿人》によるアタックを仕掛け、《密林の猿人》をブロックした【2/3】の《タルモゴイフ》を《モグの狂信者》で除去。 そして、《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》を場に追加。

次の斎藤のアタックには《誘惑蒔き》がチャンプブロックする形となり、このまま斎藤が押し切り勝つのかと思われたのだが、Kuoは《知識の渇望》でドローを進め《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》をセットしてからの《炎渦竜巻/Firespout》で場を一掃。

更に《ヴェンディリオン三人衆》《求道者テゼレット》と粘り腰を見せる。

一転、劣勢へと追い込まれた斎藤はすぐさま《聖遺の騎士》を引きこみ巻き返す体制を見せるのだが、《求道者テゼレット》のサーチ能力によって《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》を持ってきて《聖遺の騎士》の活躍を許さない。

一気に場を優勢なものへとしたいKuoは《求道者テゼレット》の能力で自身を犠牲にしながら《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》をサーチして、即座にその能力を起動して《聖遺の騎士》のコントロールを奪いに行く。

しかし、ここで斎藤は能力の解決前に《古えの遺恨/Ancient Grudge》!

もちろん、能力の解決時に《ヴィダルケンの枷》がなければコントロールは奪えない。

大一番で必要な物を先取りトップデックしていた斎藤、このまま《聖遺の騎士》の能力によって《樹上の村/Treetop Village》をサーチしてきて戦線を補強。更に、次のターンには2枚目となる《樹上の村》をサーチ。

《嘆きの井戸、未練》でのライフ回復や、何らかの対抗手段があった場合のケアを考えて、斎藤が少しずつダメージを削ってゆくターンが続くが、最後は《樹上の村》2枚でアタックを決行。

Kuoは、そのアタック宣言を確認すると、握手によって斎藤の勝利を祝福した。
1時間30分にもわたる熱戦だった。

斎藤 2-1 Kou

Result : 斎藤 友晴 決勝進出


Final: 齋藤 友晴(東京) vs. 渡辺 雄也(神奈川)

by Daisuke Kawasaki

2007年に、ニューヨークでおこなわれた世界選手権。

2005年の「帝王」森 勝洋(大阪)、2006年の「魔王」三原 槙仁(千葉)と、2年連続で世界王者を輩出していた日本勢だったが、この年の日本人最高位は、トップ4の大塚 高太郎(神奈川)であった。

大塚と、並んでトップ8入賞した中野 圭貴(大阪)・森 勝洋の活躍は、当然最大限に賞賛されるべきものではあったが、一方で、やはり2年連続で獲得していたタイトルを取り逃してしまった残念さといった空気も、当然日本勢の中では流れた。

しかし、そんな世界選手権の授賞式で、タイトルを獲得したふたりの日本人がいた。

「年間最優秀選手、Player of The Year」 齋藤 友晴(東京)
「年間最優秀新人賞、Rookie of the Year」 渡辺 雄也(神奈川)

日本勢の意地を見せつけたこのふたりは、昨年も日本のトーナメントシーンを引っ張り続けた。

そして、今年もふたりの進化はとまらない。

今、このふたりによる決勝戦が、この「伝説の地」神戸でおこなわれようとしている。

Game 1

ダイスロールで先手は齋藤。

1ターン目にフェッチランドから《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》をサーチし、《野生のナカティル/Wild Nacatl》キャストという、絶好のスタートを決めた齋藤に対して、渡辺も山札のトップから《睡蓮の花/Lotus Bloom》を引き込み、2枚の《睡蓮の花》待機という、これまた絶好のスタートでゲームを開始する。

この渡辺の絶好の展開に対して、齋藤は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》で対抗するものの、まだ墓地に土地しか落ちていないため、クロックとしては少々心許ない。

もとより《睡蓮の花》だのみの1ランドキープの渡辺は、2ターン目に土地を引くことができない。が、かわりに引いたのが、なんと《精神の願望/Mind’s Desire》。

渡辺にとって、もはや盤上の興味は自分が土地を引けるかどうかではなく、齋藤のクロックが《睡蓮の花》の待機あけまでに達成されてしまわないか、そして、《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》がキャストされるかどうか、のみに絞られることとなった。

齋藤のアクションは《野生のナカティル》キャストから、余ったマナで《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》設置。この《梅澤の十手》にカウンターがのると《苦悶の触手》や《ぶどう弾/Grapeshot》で必要なストームが増えてしまうが、目下問題ではない。

齋藤は《梅澤の十手》を装備させて《野生のナカティル》をアタックさせる。そして、ターンエンド。渡辺が大きく息をはく。

明らかに次の待機があけるターンに仕掛けてくる雰囲気が見える渡辺に、齋藤が声をかける。

齋藤 「ストームいくつ?」

渡辺 「まだわかりません」

とりあえずは、齋藤のターンエンドに《深遠の覗き見/Peer Through Depths》をキャストし《捨て身の儀式/Desperate Ritual》を手に入れ、暫定的にストームを増やす。

いよいよ渡辺のターン。

《睡蓮の花》2枚に、《煮えたぎる歌/Seething Song》が2枚、ここで挟んだ《思案/Ponder》でさらに《煮えたぎる歌》を引き、《捨て身の儀式》。ここに《魔力変/Manamorphose》を重ねて、ストーム8の《精神の願望/Mind’s Desire》をキャストする。

齋藤が、1枚ずつカットし、ライブラリーのトップを公開していく。

《炎の儀式》
《深遠の覗き見》
《電解/Electrolyze
《思案》
《戦慄艦の浅瀬》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
《電解》
《捨て身の儀式》

そして、最後の《精神の願望》を渡辺は自ら《差し戻し/Remand》する。

渡辺には、あらためて《精神の願望》をキャストするのに十分なマナがある。

齋藤 「やばいね...」

渡辺 「やばいですね...」

齋藤 「確定勝ちパターンじゃん、っていうか、もう負けた?」

渡辺は、続いて《精神の願望》でリムーブされたカードの使用にうつる。

まず《深遠の覗き見》をキャスト。

これによって手札に入ったカードが《ぶどう弾》であることが公開されると、《梅澤の十手》のカウンター分を含めても、十分なストームがたまってしまうだろうと、齋藤は土地を片付けた。

渡辺 1-0 齋藤

渡辺といえば、ルーキー獲得の大きな要員となったプロツアーサンディエゴでもチームを組んでいたように、中村 修平(大阪)との関係がよく語られるプレイヤーである。

しかし、実際のところ、あまり明言されないことが多いだけで、同じくらいに関係が深く、そして影響を強く受けているプレイヤーである。

例えば、昨年のグランプリ静岡。

この時、渡辺と齋藤はともに調整したデックを使用して大会に参加している。

トレーダーとしても活躍している齋藤が、自身のネットショップ「晴れる屋」の拠点兼練習場として用意した、通称「はるるーむ」。

渡辺も、そこに出入りするプレイヤーのひとりなのだ。

Game 2

先手齋藤の1ターン目のアクションは《モグの狂信者/Mogg Fanatic》。

渡辺 「うわ...」

齋藤 「いや、喜ぶところでしょ」

渡辺 「いや、7枚キープで1ターン目《モグの狂信者》って事は、ハンド相当強いって事じゃないですか」

齋藤 「ギャラリーにもわかりやすい説明だ!」

返しのターンに渡辺が《思案》をキャストし、齋藤がいかに渡辺が《思案》を好きかをギャラリーに解説したりなんやかんやで齋藤の2ターン目に突入し、渡辺の予想通りに《エーテル宣誓会の法学者》がキャストされる。

渡辺 「ほら、やっぱ強い」

齋藤 「そりゃそうだろ」

渡辺は《思案》で見た3枚のウチから《溢れかえる岸辺》《深遠の覗き見》と手に入れたところで《溢れかえる岸辺》をセット。

齋藤は3ターン目に《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を追加しようとするが、ここで渡辺は《溢れかえる岸辺》でライブラリーを刷新しつつ、《差し戻し》をキャストする。

続いて、赤マナふたつを含む土地を3枚揃えた渡辺は《エーテル宣誓会の法学者》を《火山の流弾》で除去する。

このタイミングでの除去はライフ的な問題も十分に考えられるが、しかし、《精神の願望》への準備が整っているようにも判断できる齋藤。

なやんだ結果、齋藤は《タルモゴイフ》(5/6)と《野生のナカティル》をキャスト。ライフが8の渡辺に対して、1ターンのクロックをかける。

実は、手札がかな厳しい渡辺。

渡辺 「ここで決めなきゃいけないのかなぁ...」

ドローは《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》。

渡辺 「わけでもないか」

ターンを返し、齋藤の攻撃に対応して《硫黄の蒸気》を《タルモゴイフ》にキャストする。

これでライフを守った渡辺だったが、齋藤が《タルモゴイフ》をキャストしたあとにスタックにのせた呪文は...2枚目の《エーテル宣誓会の法学者》。

とにかく、回答策を求めなければならない渡辺は対応して《深遠の覗き見》をキャストし《電解》を手に入れる。

《電解》で《エーテル宣誓会の法学者》を除去するものの、とにかくマナが足りない渡辺。

《炎の儀式》《魔力変》と一応キャストしてみるものの、まだあと1本余裕がある状態では神は降臨せず、決着は3本目へともつれ込んだ。

渡辺 1-1 齋藤

ともに調整をする仲間でもある齋藤と渡辺。

しかし、一方で、少なくとも渡辺からは、齋藤に対するライバル意識が少なからずあるだろう。

準々決勝で語ったように、齋藤はグランプリシンガポールをナヤZooで優勝し、その情報を広く開示した。

そして、それにとどまらず、自身が開示したデックと、そしておそらく会場のほとんどを占めるであろう5つのアーキタイプのすべてをキチンと対策した新しいナヤZooを開発し、それを持ち込んできたのだ。

そのデックのポテンシャルは、今現在齋藤が決勝戦を戦っている事実のみならず、齋藤からこのデックをシェアされたほとんどのプレイヤーがマネーフィニッシュをしていることからも実証されている。

そう、今の日本マジックシーンにおいて、齋藤の影響は大きすぎるのだ。

渡辺は、試合開始前にこう言った。

渡辺 「相手はトモハルさんですし、どっちが勝っても喜べる決勝ではありますよね。でも、勝ちたいです。関東第3世代の流れをここで止めたくないです」

そのせいかはわからないが、渡辺も、自身で独自に赤青ストームを開発し、そして、そのデックを多くのプレイヤーにシェアした。そのほとんどが同じようにマネーフィニッシュをしていることを考えると、齋藤のナヤZooが会場最強のチューンであったのと同じように、渡辺のストームも会場最強のチューンであったと言えるだろう。

グランプリ京都を制した時と同じ赤青で、日本選手権トップ4入賞時に身をゆだねた《思案》の入った、渡辺の歴史の集大成のようなデッキが。

Game 3

Ponder
先手の渡辺はマリガンのチェックをおこなう。

ゆっくりと初手をみていった渡辺が《思案》を見つけた瞬間に、一気にそのスピードを速める。

最終的な初手は、《思案》《睡蓮の花》《滝の断崖》《精神の願望》《煮えたぎる歌》《炎の儀式》《捨て身の儀式》というもの。

青マナがでてくる土地が無いことが懸念材料だが、逆に言えば、それさえクリアしてしまえば2ターンキルも狙える、いわば1枚待ちのテンパイハンドだ。しかも、その条件は特定の種類のカードを引くのに比べて、何倍も緩い。

苦悶の表情で長考した渡辺だったが、最終的にこの手札をキープする。昨日今日でクリアしてきたハードルに比べれば、こんな条件は、条件のウチに入らないのだ。

齋藤 「大丈夫なの?」

一方の齋藤は、マリガンを即断し、6枚の初手を小考してキープする。

渡辺は《滝の断崖》をセットし《睡蓮の花》を待機。

対して齋藤は、珍しくフェッチから《寺院の庭/Temple Garden》をサーチして《野生のナカティル》スタート。

渡辺は土地をひけず、当然《思案》も打てない。

齋藤は、今度は《山》をサーチし、3/3の《野生のナカティル》でアタック。そして、《エーテル宣誓会の法学者》を着地させる。

一方で、渡辺はまだ2枚目の土地を引けない。

齋藤のアタックで渡辺のライフは12。

続いて齋藤が《聖遺の騎士》をキャストしてきた事で、場のクロックは10点となり、即死ではないものの、齋藤がなにかしら火力を持っているだけで渡辺は敗北してしまう。

一方で、このターンで《睡蓮の花》の待機があける。

この正念場となるターンに渡辺は念願の土地を引く。しかし、それも青マナのでない《戦慄艦の浅瀬》。

渡辺 「よりによってこれかー」

《差し戻し》《思案》《精神の願望》《炎の儀式》《捨て身の儀式》2枚と《煮えたぎる歌》という、7枚の手札をみて、渡辺は長考する。

そして、ターン終了。

齋藤は、フェッチを使用してからアタックしたので、渡辺のライフは1。そして、齋藤がキャストした《モグの狂信者》を《睡蓮の花》からのマナで《差し戻し》する。

齋藤は自身の《エーテル宣誓会の法学者》の能力で、この《モグの狂信者/Mogg Fanatic》をキャストできない。

渡辺は《差し戻し》のキャントリップでのドローに期待を込める、山札に神が降りるのを待つ。

だが、そこに《蒸気の連鎖》はない。

マナバーンを《戦慄艦の浅瀬》で防ぎ、続くターンの、渡辺のドローフェイズ。

しかし、それは、渡辺の希望するようなカードではない。

自嘲気味に渡辺がキャストした《思案》で、めくれたライブラリートップは、やっぱり《思案》だった。

渡辺 1-2 齋藤

渡辺の歴史の詰まった、渡辺そのものと言っていいようなデックは、これまで最後の最後で渡辺を助けるドローを提供してきてくれたデックは、齋藤に勝利するに至らなかった。

きっと、齋藤が先進のプレイヤーに感じていたように、齋藤自身も、まだまだ若手に対して乗り越えるべき壁として存在し続けるだろう。そうなるだけの歴史が齋藤にはある。

そして、ただの壁ではなく、自身も常に高くなり続ける、進化の止まらない壁であることを、今大会で証明してみせた。

齋藤が、シンガポールをZooで戴冠し、そしてエクステンデッドで2大会をZooで連覇したことは一昨年のRaphael Levy(フランス)の姿を想起させる。

しかし、思い出して欲しい。なぜ、そんなロケットスタートをしたLevyがPoYを獲得できなかったのを。そのLevyの勢いをとめ、逆に自身が勢いに乗ってPoYを獲得したのが齋藤であったことを。

現在のPoYレースは、Gabriel Nassif(フランス)とLuis Scott-Vargas(アメリカ)の独走態勢である。グランプリ2連覇したとはいえ、まだまだ齋藤はプロポイントで先行する両名に追いつけていない。

だが、この2連覇の勢いが、齋藤に続くプロツアーホノルルで逆転のチャンスを与えるかもしれない。なにせ、ホノルルと言えば、齋藤歴代の制作デックの中でも1・2を争う名作「シーストンピー」のうまれた土地なのだから。

また、逆に、齋藤という巨大な壁を乗り越えて、齋藤がLevyに対してそうしたように、その勢いを借りる新鋭が登場するかもしれない。

このグランプリ神戸という道は、6月のプロツアーホノルルに続く道。そして、このグランプリ戴冠も、齋藤にとっては一年間の大きな流れの途中経過にすぎない。

ぜひとも、6月のプロツアーホノルルでの齋藤の物語の続きも、その目で確かめて欲しい。

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