Day 1 Blog

Posted in Event Coverage on March 8, 2008

By Wizards of the Coast

DAY 1 BLOG

  • Round 9: 藤本 太一(東京) vs. 金澤 浩靖(東京)
    By Naoaki Umesaki
  • Round 9: 今川 浩正(大阪) vs. 有田 隆一(千葉)
    By Daisuke Kawasaki
  • Round 7: 板東 潤一郎(茨城) vs. 平島 祐太朗(福岡)
    By Daisuke Kawasaki
  • Round 6:  ダイジェスト
    By Daisuke Kawasaki
  • Round 5: 津村 健志(広島) vs. 清水 直樹(東京)
    By Naoaki Umesaki
  • Blog 17:11: Quick Questions #3
    By Event Coverage Staff
  • Round 4:  ヒバリを巡る戦い
    By Daisuke Kawasaki
  • Blog 15:29: Quick Questions #2
    By Event Coverage Staff
  • Round 3: 中野 圭貴(大阪) vs. 山岡 直記(愛知)
    By Naoaki Umesaki
  • Blog - 13:47: 来場アーティスト―アレクシー・ブリクロット(フランス)
    by Keita Mori
  • Blog - 12:34: Quick Questions #1
    by Event Coverage Staff
  • Blog - 12:12: Finding the Standard
    by Daisuke Kawasaki
  • Blog - 10:45: 回顧録―グランプリ静岡
    by Keita Mori

BLOG

Blog 10:45 - 回顧録―グランプリ静岡

By Keita Mori

いまや、東海地区は日本における懐古フォーマット(ヴィンテージ/レガシー)の一大拠点とも言うべき成熟したエリアとなっている。日本の競技シーンを振り返ってみても、静岡で2回、浜松で1回(※名古屋でもさらに開催多数)のグランプリ開催実績がある。この記録、通算4大会目というのは京都にならぶものだ。

戦いがはじまる前のこの時間をつかって、少し静岡の記憶を旅してみよう。

■GP Shizuoka (2001 Oct 13-14)

フォーマット : ブースタードラフト
カバレージ : http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=GPSHI01/JPwelcome

Rank Player Prize
1 Yamadaya, Kohei $2,400
2 Morita, Masahiko $1,700
3 Shiozu, Ryouma $1,200
4 Ruel, Olivier $1,000
5 Mori, Katsuhiro $800
6 Douyama, Tsuyoshi $800
7 Ando, Reiji $800
8 Kato, Eiho $800

Winner – 山田屋 耕平

グランプリ静岡2001王者、山田屋 耕平

トップレアの圧倒的なクオリティに、チープなコモンカードのシナジーが挑む戦い。

オデッセイ(Odyssey)のリミテッドで行われた2001年グランプリ静岡の決勝戦は、まさしく対照的なふたつのコンセプトの真っ向勝負となった。そして、山田屋 耕平(東京)の極彩色のレア軍団が見事に勝利をつかみとっている。

山田屋が残した衝撃のデッキリストには、《セファリッドの皇帝アボシャン/Aboshan, Cephalid Emperor》、《玉虫色の天使/Iridescent Angel》、おまけに《石舌のバジリスク/Stone-Tongue Basilisk》といったファッティたちが堂々とラインナップされている。

また、決勝で森田 雅彦が敗れてしまったとはいえ、彼ら大阪勢が《意気沮喪/Demoralize》と《入門の儀式/Rites of Initiation》の一撃必殺スレッショルド(Threshold)コンボを知らしめた影響は大きなものだった。

いまや、競技レベルでドラフトに臨むプレイヤーたちのあいだでは、特定コンセプトに特化したアーキタイプを完成させるという方法論は一般的なものとなりつつある。しかし、誰もがカードを1枚1枚のクオリティのみで判断していた時代、ゴミ同然のコモンカードをかきあつめるというやり方は革命的でさえあった。

森田 「...まあ、それでも《アボシャン》を流したのはやりすぎでしたね(苦笑)」

Kouhei Yamadaya’s Draft Deck

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■GP Shizuoka (2003 Nov 8-9)

フォーマット : ロチェスター
カバレージ : http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/events/gpshi03ja

Rank Player Winnings
1 Katou, Kazuki $2,400
2 Harada, Satoshi $1,700
3 Maki, Koichiro $1,200
4 Sawagawa, Tomohide $1,000
5 Ikeda, Kei $800
6 Fujita, Ken'Ichi $800
7 Shiozu, Ryouma $800
8 Sasaki, Yusuke $800

Winner - 加藤 一貴

2003年GP静岡ベストエイト進出者たち

セットの大半をアーティファクトが占める世界観で注目をあつめたミラディン(Mirrodin)発売直後のリミテッド戦が2003年のグランプリ静岡だ。これは真木 孝一郎(東京)と藤田 憲一(東京)という1990年代を代表するドラフターたちがベストエイトにふたたび躍り出たというトピックも印象的なイベントだったが、加藤 一貴(愛知)が個人戦二つ目となるグランプリタイトル獲得を果たしている。

また、それまで関東勢と関西勢ばかりが注目されがちだった日本のトーナメントシーンにおいて、2003年は東海勢が大躍進を成し遂げた年となった。大塚 高太郎(愛知)が日本王者に輝き、岡本 尋(愛知)が世界選手権で準優勝を果たし、加藤がグランプリ二勝目をあげたのだ。

Kazuki Katou’s Draft Deck

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■GP Hamamatsu (2006 April 8-9)

フォーマット : チーム・スタンダード 
カバレージ : http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/gphama06ja/welcome

Rank Team Winnings
1 Tanii Monogatari $4,500
2 Stardust Crusaders $3,000
3 Limit Break $2,100
4 Kiosk $2,000

グランプリ浜松2006王者、チーム谷井物語Winner - Tanii Monogatari/谷井物語
Player A: 斉藤 宏達(Orzhov Spirit Weenie)
Player B: 片山 貴裕(Tron)
Player C: 谷井 祐介(Selesnya Control – Greater Good

谷井物語の最終章に待ち構えていたのは文字通りのラスボスだった。

決勝の対戦相手は、国内での個人戦グランプリのすべてで決勝ラウンドに進出し、The Finalsもベスト8入賞、きわめつけに世界選手権ベスト4入賞、と2005年シーズンを席巻した浅原 晃(神奈川)のチーム。当時は浅原のワンマンチームであるかのような印象もあった「スターダストクルセイダーズ」だが、脇をかためていた人材も、実は後の日本王者(北山)と年間最優秀プロプレイヤー(八十岡)なのである。

そんな決勝戦の最終局面。《春の鼓動/Heartbeat of Spring》からのコンボデッキである「禍我シュー」を操る浅原は斎藤にブラフを仕掛けた。

勝負に「たら・れば」は禁物だ。しかし、あえて誤解をおそれずに可能性を論ずるなら、百戦錬磨の強豪の張り巡らせた罠に、斎藤 宏達「個人」であれば幻惑されてしまったかもしれない。はやる心で動いていたなら、斎藤の負けだった。だが、信頼する二人の仲間の助言を受けられるチーム戦において、斎藤は、谷井物語は最後まで冷静さを失わなかった。

また、チーム・スタンダードというフォーマットは「基本土地以外のカードは、いずれもチーム内で合計4枚までしか投入できない」という構築ルールでの競技だ。そんな中、2箇所に2枚ずつ《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》を搭載するという大胆な策をとって、谷井たちは勝利を重ねている。

3人あわせて4枚までという縛りの中で、ほとんどのチームが単純な取捨選択というかたちでカードプールを分け合い、消去法的な色あいの濃いデッキ構築へと進んでいった。そんな中で、彼らがサイコロジー的なアプローチを用いているのは実に印象深い。

斎藤 「心理的にすごくきいたんじゃないかと思いますよ。二箇所から十手が出てくるというわけですからね」

単なるジャイアントキリングではなく、創意工夫が結実したのが谷井物語だった。

Blog 12:12 - Finding the Standard

By Daisuke Kawasaki

GP静岡前日のことだが、中村 修平(大阪)はこんな事を言っている。「現在のスタンダード環境は、多くのデッキに可能性がある」と。彼曰く「現在のスタンダード環境は、突出して相性のよい組み合わせはあるものの、全体としては、メタゲームが完全に固まった形になっているとは言い難い。だが、やはり、ヒバリ・黒緑エルフ・青黒フェアリーのデッキパワーは明らかに抜けている事は間違いない。」

私の意見では、中村の言うことには半分賛成で、半分反対だ。確かに、現在の環境は、デック分布は大きくは3分している。しかも、じゃんけんのようなお互いへの有利不利で対抗関係にある、いわゆる「メタゲームによる3すくみ」のような形ではなく、むしろ純粋にそれぞれのデックがデックパワーで並んでいるため、これらの牙城を崩すことは確かに難しいかもしれない。

だが、それぞれのアーキタイプの弱点がはっきりしているため、そこさえ押さえることができれば、様々なアーキタイプに可能性が残されているのではないだろうか?

ここでは、いくつかのキーワードを元に、現在のメタゲームについての認識を改めつつ、スタンダードの可能性について少し考え、スタンダードでおこなわれるGP静岡の楽しみ方について考えてみたいと思う。

■GP京都

Reveillark
さて、現在の環境について考える前に、まずは、昨年のこの時期に同じくスタンダードでおこなわれたGP京都の時のメタゲームについて簡単に思い出してみよう。

メタゲームが大きく変化する要因は数多くある。それは、印象的なシークレットテックの登場であったり、プレミアイベントの結果を受けた特定のデックタイプの反乱であったりする。だが、そんな中でも、もっとも大きな影響を与えるのが、新しいエキスパンションの発売であるということに異論はないだろう。

確か、GP京都は次元の混乱の発売直後におこなわれた。直後と言っても、次元の混乱の発売からは、約一月半たっていた。しかし、実際に公認のトーナメントで使用できるようになってからは一ヶ月たっていない時期であり、そういう意味では、多くのカードの実力がまだまだ未知数であった。

GP京都
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/gpkyo07ja/welcome

当時の観戦記事を読み返してみても、多くのプレイヤーが、様々なカードの価値を見極めかねていた事がよくわかる。この年の正月にWizards社トップページで印象的に発表された黒い《神の怒り/Wrath of God》こと《滅び/Damnation》が圧倒的なパワーカードであると目された一方で、実際の所、ほとんどトップ8のデックには採用されていなかった事からもそれがよくわかる。

なんといっても、実際にトーナメントを制したのは、多くのプレイヤーにとっては「有効なサイドボードカード」止まりの評価であった《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》をメインボードに採用した渡辺 雄也(東京)だったのだから、カード評価の差がどれだけ命運を分けたのかは理解していただけるだろう。

更に、その後、ブロック構築のPT横浜を経て、圧倒的なパワーカードとして認識された《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》が、当時はまったく見向きもされていない、いわゆる「クズレア」に近い扱いであったことも併記しておきたい。

このように、カードの評価が固まる前のプレミアイベントであった場合、往々にして、まだ知られていないパワーカードに気がつくことが、そのまま勝利に直結することも少なくない。

伝説をひもとけば、Ice Ageの《ネクロポーテンス/Necropotence》に気がつくか、最近の例で言えば、未来予知の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》に気がつくか。

そして、今回のGP静岡もまた、モーニングタイドが発売された直後、GP京都と同じく発売から約一月半たってからの開催となっている。

だが、ひとつだけ、大きく違う所がある。

この、モーニングタイドから、発売日に即日で公認トーナメントで使用できるようにルールが変更されたのだ。したがって、発売日からの期間は同じでも、実際にトーナメントで使用できた期間は、約二週間違うのだ。

たかが二週間と侮るなかれ。津村 健志(広島)が繰り返し「実戦すること以上の練習はない」というように、二週間にGPTをはじめとしたトーナメントで使用され続けることは、想像以上にカードの価値の変化を劇的に引き起こす。

実際に、GP京都の時と違い、すでに現在のスタンダードでは《目覚ましヒバリ/Reveillark》を中心とするいわゆる「ヒバリデック」をはじめとして、モーニングタイドのカードを中核に据えたデックがすでに数多く存在している。

つまり、すでに、モーニングタイドのカード達はある程度はアーキタイプとして環境になじんでいるのである。これが、一ヶ月という時間の力なのだ。

しかし、だからといって、これがモーニングタイドというエキスパンションのポテンシャルのすべてなのだろうか?そうだと言えるかもしれないし、言えないかもしれない。それは誰にもわからない。もしかしたら、次元の混乱での《永劫の年代史家》のように、さらなるパワーカードが眠っているかもしれないではないか。

また、「コントロールデック対決がハンドアドバンテージ勝負に帰する」と読んでの《思考の粉砕/Mind Shatter》投入...といったように、メタゲームの結果として改めてフィーチャーされるカードもあるかもしれない。

果たして、モーニングタイドは研究しつくされたのか、それともまだみぬ強力なカードが眠っているのか。

■三すくみ

伝統的に、正常なメタゲームというのは、いわゆるじゃんけん型の三角形、つまり三すくみの形となるとされている。

もっとも、わかりやすい例が、ビートダウンとボードコントロール、パーミッションの関係だろう。

場のパーマネントへの対処能力が少なく、序盤のテンポを稼ぎにくいパーミッションはビートダウンに負け、ビートダウンは、場の掌握に特化し強力なソーサリーを連打するボードコントロールに負け、ソーサリーゆえに動きが大振りになりやすいボードコントロールはパーミッションに負ける。

これが、一般的なメタゲームの形である。

現在のスタンダードにこれらのアーキタイプを当てはめると

・ビートダウン = 黒緑エルフ
・ボードコントロール = ヒバリデック
・パーミッション = 青黒フェアリー

となるのではないだろうか。これらのデックが、そのまま、メタゲームのトップ3なのだから、確かにメタゲーム自体は正常な形で機能しているといえるかもしれない。

さらにいえば、これらが、それぞれメタゲーム的に相関関係にあるため、選択肢としてこれら以外を選ぶ理由が少ないため、デック選択が、つまりメタゲームが固まっているとだっていえるのだ。

そう、相関関係にあるのならば、なのだ。

実際のところ、これらのデックタイプは完全な相関関係にあるとは言い難い。純粋な意味では、それぞれのデックが、例えばエルフはフェアリーに強く、ヒバリに弱いというように片方を得意とし、片方を苦手とするような関係にないのだ。

例えば、フェアリーとヒバリは、デック相性自体がフェアリーに有利であるとは言い難い。どちらかというと、フェアリーが2ターン目に《苦花/Bitterblossom》を出せるか出せないか...という所に勝負は結局収束してしまったりするのだ。エルフとヒバリでの《不敬の命令/Profane Command》にも似たような事が言えるかもしれない。

つまり、メタゲーム的に3つのデックが選び出されたというよりは、単純にこれら3つのデックのデックパワーが頭ひとつ抜けているというだけであり、だからこそ、それぞれをメタったデックにも存在価値が出てくるのである。

例えば、エルフにたいしては速度で上回れるキスキン、フェアリーにたいしては対空除去に優れる赤緑ビッグマナといったように、明確に「トップメタ以外」から対策デックを選択することが可能なのだ。

また、逆に言えば、それぞれがお互いのメタを厳密におこなっていない以上は、理論上これらのすべて、もしくは二つを明確にメタったデックを用意することが可能なのだ。そういう意味では、むしろ、「強いデックが共通認識されているだけ」という考えかたも可能なのではないだろうか。

果たして、これら3つのデックは環境を支配しているのか、それとも、新しい環境にむけての徒花となるのか。

■GPTでの衝撃

Bitterblossom
前項で調整期間の長さがメタゲームにあたえる影響について語ったと思う。

しかし、その一方で、直前の大会などで突然現れたデックが一気にメタゲームを塗り替えてしまうという出来事も往々にして発生する。いや、だからこそ発生するというべきか。なぜなら、それらのデックに対抗するための練習期間が必然的に他のデックよりも短くなってしまうからだ。

過去を例に挙げれば、荒堀 和明(東京)が優勝したGP仙台。このエクステンデッドシーズンで、GP仙台直前におこなわれたGPラスベガスにおいて、ミラクルグローとワイルドゾンビというまったく新しい強力なデックタイプが登場した。

そして、GP仙台では多くのデックがこれらのデックにたいして十分に対策を練る時間を用意できず、逆にこれら二つのデックを更に練り上げてきた、石田 格(東京)とMike Long(アメリカ)のふたりが、みごとトップ8入りをはたしている。

実際、このGP仙台にむけて浅原 晃(神奈川)たちと、オリジナルデックを長い時間書けて調整してきた荒堀自身が、「これら二つのデッキにたいしては、十分に対策する時間を用意できず、あたったらある程度仕方ないとまで割り切るしかなかった」と認めていることが、すべてを物語っているだろう。

最近でいえば、昨年のPT横浜で、直前におこなわれたMagic Onlineでのプレミアイベントでトップ8のすべてを白ウィニーが占めたことがメタゲームに少なくない影響を与えている。

そして、現在のスタンダードでも、また同じ現象が、しかも関東と関西の両方から発生しようとしているのだ。

まずは関東。

グランプリ直前におこなわれた千葉でのGPTを制したのは、「バーンの殿堂」板東 潤一郎(東京)が使用する赤単バーンであった。

大量の軽量火力による圧倒的な除去能力をもち、2種類のクリーチャー化する土地で足りないダメージ分を補完する構造となっているこのデックは、軽量クリーチャーが中心となるエルフとフェアリーにたいしては圧倒的に優位に戦え、また、火力を本体にむけていけば、ヒバリに対抗するに足るだけの早いダメージレースをも可能とする。

当然、ライフ回復手段をデックに積まれてしまえばそれまでと言う、対策に弱い一発芸的なデックタイプではあるものの、ライフ回復が軽視されているメタゲームの隙間をついたデックチョイスであった。

そして、このデックの存在が、スタンダードのメタゲームを混乱させる。

対策すれば勝てるデックというのは、裏返せば、対策しないと勝てないのだ。そして、赤バーンへの対策は、他のデックへの対策と基本的には併用できない。このことが、サイドボードの選択、そして、メインデックの構造へとあたえる影響は決して小さくないだろう。

そして、関西。

同じく直前に大阪でおこなわれたGPT。ここで、片岡 麻美(大阪)が使用し、おしくもBye獲得とはならなかったものの、準優勝したデックが、「殿堂」藤田 剛史(大阪)謹製の青緑クロックパーミッションであった。

フェアリーがパーミッションとして不足していたカウンター成分を《霊魂放逐/Remove Soul》で補充し、クリーチャーのほとんどを瞬速で固め、メインターンでの行動を極限まで少なくしたこのデックは、むしろ、現在のメタゲームで欠けていた「パーミッション」のスロットを埋める最後のパーツであるようにも見える。

《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》と《樹上の村/Treetop Village》という2大ミシュラランドでクロックを強化したこのデックこそ、これまでもっとも弱点の少なかったヒバリへの明確なソリューションであると言えるだろう。もちろん、カードパワーを考えれば、その他のアーキタイプへと対抗するだけのポテンシャルも当然あると言えるだろう。

事実上の3強時代へと、あらたなソリューションが名乗りをあげたことで、メタゲームにさらなる混乱がおこるであろうことは、必至だ。

新しいアーキタイプの登場が、メタゲームをどんどん新しいものへとしていく。

果たして、これらの新アーキタイプが環境を塗り替えるのか。それとも、まだ見ぬアーキタイプが登場してくるのか。

■直前GPT、そして本戦へ

様々な側面から現在のスタンダードを分析してきたが、最後の最後でちゃぶ台をひっくり返すような事を言わせていただけば、やはり結果は本戦が始まってみなければわからない。

だが、本戦の始まる前に、本戦の姿を、未来予知のように、部分的にのぞき見ることは、可能だ。それが、直前トライアル、いわゆるLast Chance Trialである。

昨日、会場でおこなわれたこのLCTでは、18人のプレイヤーがByeを獲得し、18個のデックリストが勝利デックとしてリストアップされた。

そして、このリストアップされたデックリストをみると...なんと多種多様なのだろう。やはり、この環境には、多くのデックが存在するだけの余剰は確実に存在しているのだ。

はたして、静岡の地での5回目のグランプリはどのように語り継がれることになるのだろうか。

少数のデックに支配されたグランプリとして?

多種多様なデックが存在したグランプリとして?

さぁ、その答えをその目で確かめよう。

Blog 12:34 - Quick Questions #1

By Event Coverage Staff

Q1. 現在のスタンダードで一番強いデッキはなんだと思いますか?

渡辺 雄也(東京): 八十岡 翔太(神奈川): Olivier Ruel(フランス):
赤単です。他のデッキがアドバンテージを稼いでいる中、軸が違うんで。 エレメンタルですね。(「…それはどういう?」) そりゃエレメンタルっていったら《目覚ましヒバリ/Reveillark》にきまってるでしょ。 スタンダードほとんど練習してないけど…フェアリーだったらいいなと、思ってるよ。なぜかって?Wafo-tapaにもらったこのデッキがフェアリーだからだよ!

Blog 13:47 - 来場アーティスト―アレクシー・ブリクロット(フランス)

By Keita Mori

会場直後から決して途切れることのない長蛇の列。

ローウィンで登場した5体のプレインズウォーカーをはじめとした数々の人気カードを手がけるアーティスト、アレクシー・ブリクロット(Aleksi Briclot)にサインを求めるためだ。

百聞は一見にしかず。この《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を見よ!

ちなみに、先ほどの《野生語りのガラク》の「目から怪光線」エフェクトは、フォイル(箔押し)カードの表層部を丁寧にカッターナイフで削って紋様をつけるという匠の業だ。

とにかく仕事が丁寧なアレクシー。

はっとするような端正な顔立ちで、ドレッド気味のブロンドヘアが印象的なアレクシー。彼は数々の作品にビジュアルを提供している29歳のアーティストで、パリ在住。

これは列が渋滞しがちな理由にもなってしまっているのだが、とにかく彼はひとりひとりのファンにとて丁寧な応対をしてくれており、ちょっと無理そうなリクエストにも笑顔で答えてくれてる。

アレクシー 「海のむこうに私のアートを愛してくれているファンがこれだけいてくれるなんて、感無量です!」

日本を、いや、世界を代表するトッププロである津村 健志(広島)も三時間かけてサイン会に並んでいる。カードにサインをもらうためだけに来場された方も多いようだ。

津村 「いやもうマジ感動っす。めちゃめちゃ丁寧にサインしていただけて...」

ちなみに、冒頭の《野生語りのガラク》は津村がサインしてもらった一枚だ。

カードを忘れてしまった方、ほしいけどまだ持っていないという方もご安心あれ。ウィザーズ社公認の原画プリントやカードプルーフ(写真)のようなグッズも販売されている。

明日、日曜日もアレクシーはサイン会を継続予定! 東海地方の皆さん、せっかくの機会ですから、一枚いかがでしょうか?

Round 3 : 中野 圭貴(大阪) vs. 山岡 直記(愛知)

By Naoaki Umesaki

山岡 直記さて、いよいよ始まった『グランプリ静岡』。この第3ラウンドからフィーチャーマッチの試合の様子を記事でお届けしていきます。

・中野 圭貴(大阪)

『世界選手権2007』にて、6位入賞という好成績を残している中野。 その時のスタンダードラウンドでは、大阪のコミュニティ全体で調整したという『緑黒エルフ』を使用して5戦全勝とスタンダード戦における強さを見せつけた。 もちろん、スタンダード戦で争われる本大会でも活躍が予想され、注目を集めている。

「デッキの詳しい内容はまだ秘密ですけど、『世界選手権』の時とはチューンが違うタイプのエルフデッキです」と中野。 先ほどマジック殿堂入りを果たした藤田剛史がデザインしたデッキとのことで、一体どんなチューンのデッキとなっているのかその正体に興味が膨らむ。

・山岡 直記(愛知

愛知県豊田に住んでいる山岡。住んでいる地域にはカードショップが無い為、積極的に名古屋まで遠征してフライデーナイトマジックなどを中心にマジックを楽しんでいる。

使用デッキは『青黒フェアリー』。各地方で行われた『グランプリトライアル大会』の結果を参考に、『青黒フェアリー』には軽くてテンポを稼げるスペルが必要と分析し、《送還/Unsummon》をメインから搭載したチューンにしたという。奮闘を期待したい。

Game 1

ダイスロールの結果、中野が先攻。お互いにノータイムで初手キープを宣言して、ゲームが始まった。

先攻の中野、《遺産のドルイド/Heritage Druid》《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》とマナクリーチャーを展開する流れから3ターン目に《茨森の模範/Bramblewood Paragon》を場に追加して、《遺産のドルイド》によるマナ能力から《エルフのチャンピオン/Elvish Champion》をプレイとテンポよく展開する立ち上がり。

中野 圭貴対する山岡も2ターン目は《苦花/Bitterblossom》、3ターン目には《やっかい児/Pestermite》で中野の動きを妨害したりと悪くない動きないのだが...。

次のターンに中野がプレイしたのは《三人組の狩り/Hunting Triad》。呪文が解決され、場に出てくる3体の【1/1】エルフ・戦士トークン。何も無ければただの【1/1】クリーチャーのはずなのだが...。 場には《茨森の模範》が出ているので+1/+1カウンターが乗って出てきて、《エルフのチャンピオン》が場に出ているので+1/+1修正がかかっていて...。
次のターン、中野は更に《傲慢な完全者/Imperious Perfect》を場に追加してのフルアタック!

山岡はブロック宣言前に《ウーナの末裔/Scion of Oona》を出してブロックを試みるも、脅威のプラス修正を受けたエルフの軍勢によりライフは一気に3まで削られ、戦線も壊滅。山岡は投了を宣言するしかなかった。

中野 1-0 山岡

Game 2

中野はこのゲームも先ほど同じように《ボリアルのドルイド》《遺産のドルイド》といったマナクリーチャーを並べる立ち上がり。続いてプレイした《茨森の模範》は《瞬間凍結/Flashfreeze》によってカウンターされるが、《遺産のドルイド/Heritage Druid》×2と後続を展開。しかし、先ほどのゲームのように自軍のエルフにプラス修正を加えるロードクリーチャーが続かない。

迫力を感じない中野の【1/1】クリーチャー達でのアタックに対して、山岡は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》《やっかい児/Pestermite》《ウーナのうろつく者/Oona's Prowler》と飛行戦線を展開してノーパンチでの殴り合いを要求。

有効なカードを戦線に追加できない中野を尻目に、先ほどのお返しとばかりに山岡はフェアリーのロードクリーチャーである《ウーナの末裔/Scion of Oona》を戦線に追加。一気に中野のライフを削りきり、ダメージレースを制してみせた。

中野 1-1 岡

Game 3

Heritage Druid
迎えた3本目のゲーム、《茨森の模範》→マナクーチャーという悪くない立ち上がりの中野だが、先ほどと同じようにロードクリーチャーを引けないという状況に陥る。

《三人組の狩り/Hunting Triad》が《瞬間凍結/Flashfreeze》され、《やっかい児/Pestermite》に殴られ始めて一見芳しくない状況に見える中野だが、そんな中野を救ったのは場に並ぶ《樹上の村/Treetop Village》×2・《変わり谷/Mutavault》×2という4枚の土地カード。
《遺産のドルイド》の能力によりマナを供給して、殴り始める中野の土地カード達。

山岡も手札の状況が良くないようで、中野の土地カードによるビートダウンを止めることができない。ようやく《苦花/Bitterblossom》を引き込んできた時には時すでに遅し。《樹上の村》のトランプル能力の前に、山岡のライフは削りきられてしまうのだった。

中野 2-1 山岡

Blog 15:29 - Quick Questions #2

By Event Coverage Staff

Q2. モーニングタイドのカードで環境にもっとも影響を与えているのはなんでしょう?

三田村 和哉(千葉): 黒田 正城(大阪): Olivier Ruel(フランス):
《変わり谷/Mutavault 《目覚ましヒバリ/Reveillark》か《変わり谷/Mutavault》といいたいところだけど…キャラ的には《欠片の飛来/Shard Volley》かな。 《苦花/Bitterblossom》だね。《変わり谷/Mutavault》? たしかに強いよ。でも、このデッキで一番強いのは《苦花/Bitterblossom》だね。《変わり谷/Mutavault》は…そこそこだよ。

Round 4: ヒバリを巡る戦い

By Daisuke Kawasaki

小堺 透雄850人を超える大人数でおこなわれるGP静岡も、ついにBye持ちプレイヤーがすべて登場するRound 4となった。

ここでは、多くのプロプレイヤーがクイックインタビューで環境最強デックとしてその名をあげた《目覚ましヒバリ/Reveillark》デックをフィーチャーしよう。

■小堺 透雄(神奈川)vs.三田村 和哉(千葉)

まずは、ヒバリミラーマッチ。

ここで、登場するのは、PT横浜準優勝をはじめとして、昨シーズンで本格的にブレイクしたプレイヤーとしてすでにおなじみであろう三田村 和哉(千葉)。

対するは小堺 透雄(神奈川)。小堺と三田村と言えば、三田村のブレイクのファーストステップであったPT横浜の決勝ラウンドで、小堺が他のライターを押しのけて準々決勝・準決勝と三田村の観戦記事を書いたほど、友好的な関係であることで有名だ。

だが、昨年でライター活動を休止し、トーナメントプレイヤーとして本格復帰した小堺にとっては、目の前の三田村は観戦対象ではなく、対戦相手なのである。

ヒバリミラーマッチとはいえ、母体とする調整チームが異なるふたりは微妙に違うチェーンナップのデックを持ち込んでいる。果たして、この差がどのようにでるのだろうか。

Game 1

先攻は小堺。

2ターン目に《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》を待機する小堺にたいして、三田村は同じく《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を待機しつつ、続くターンに《熟考漂い》を想起という流れ。そして、小堺の待機があける《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》で手札に戻そうとするのだが...これには小堺が先手を打った《造物の学者、ヴェンセール》。

三田村は、自身の《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》の待機があけるに際して少考し、小堺の《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》をバウンス。そして、小堺の土地を戻しつつ《造物の学者、ヴェンセール》を対消滅させる。

小堺はまたも《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》をキャストし、土地を戻すという鏡うちの展開。この状況を打破するべく、三田村は《誘惑蒔き》で小堺の《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を奪うのだが...ここにも更に小堺は《誘惑蒔き》と、鏡打ちを重ね、《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を奪い返す。

三田村は、《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》と《誘惑蒔き》をレッドゾーンに送り込むと、ここで、《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》同士が相打ちをする。

さらなる《造物の学者、ヴェンセール》の鏡打ちによる対消滅を経て、ついに三田村が大きく動く。数少ない三田村側の優位なパーマネントのひとつである《変わり谷》と《誘惑蒔き》でアタックし、さらに《誘惑蒔き》を《一瞬の瞬き/Momentary Blink》で再利用して、小堺の《誘惑蒔き》を奪う。

だが、一方の小堺は、《変わり谷》をセットし、一方的なクロックを防ぐと共に、三田村の土地をさらに《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》でバウンスする。この時点で、マナソースの枚数は、小堺が7枚にたいして、三田村が4枚と大きく水をあけられている。

三田村 和弥しかし、一方の三田村の手札はあふれんばかりにあり、小堺は0枚とわかりやすい対比状態となった。果たして、どちらが自分のアドバンテージを活かせるのか。

まず、マナを5マナにのばした三田村は《目覚ましヒバリ》をキャスト、そして、続くターンには《目覚ましヒバリ》を想起でプレイしたのだった。

このプレイでアドバンテージ差を拡大しつつ、一度は押され気味だった場のクロックを立て直すことに成功した三田村。

なんとか、ライブラリートップからのカード達でしのいでいこうと四苦八苦する小堺だったが、こう、強めのクロックがかかった状態になってしまうと、手札の枚数、つまり選択肢の数が大きく勝負を分けることとなってしまう。

この《目覚ましヒバリ》というカードの生みだすアドバンテージのなんと大きいことか。

だが、しかし、最後の最後に《目覚ましヒバリ》がほほえんだのは小堺だった。

起死回生の《目覚ましヒバリ》想起にたいして、三田村の手札にはカウンターが残っていなかったのだった。

三田村は一気に場で逆転され、それを取り返せない事を悟ると、土地を片付けるのだった。

小堺 1-0 三田村

このように、ヒバリデック同士のミラーマッチは、お互いが同じ動きを繰り返す非常に冗長なゲーム展開となりやすい。三田村の言葉を借りれば「序盤バウンス中盤枚数」というアドバンテージゲームをいかに制するか、鏡打ちに見えて小さなアドバンテージの奪い合いの続く非常にタイトなゲームとなるのだ。

Game 2

先手の三田村は2ターン目に《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》でマナをのばし、小堺の3ターン目のアップキープに《造物の学者、ヴェンセール》をキャストする。これは《霊魂放逐/Remove Soul》でカウンターされるが、この隙に三田村は《熟考漂い》想起でアドバンテージを稼ごうとする。

一方の小堺は、逆に《造物の学者、ヴェンセール》をキャストし、三田村のテンポを奪いにかかる。

《熟考漂い》の枚数で三田村はアドバンテージでの優位を確保しているのだが、今度は《誘惑蒔き》と《一瞬の瞬き》の枚数の差で、小堺がわずかに場で有利である。だが、ここで、三田村も《誘惑蒔き》を場に追加することで、一度は場を均衡に戻す。

小堺は、《目覚ましヒバリ》を想起でキャストし、Game 1よろしく逆転を狙うが、しかし、三田村は《否定の契約》でこれをカウンター。小堺は少考の後に、おとなしくカウンターされる事を選択する。

そして、続くターンに2枚目の《目覚ましヒバリ》を想起で。これに対して、三田村は《誘惑蒔き》に《一瞬の瞬き》を使用し、「想起で場を離れる前に」コントロールを奪おうと画策する。当然、小堺はこれを《否定の契約》、だが、三田村も鏡打ちのように《否定の契約》。

小堺は渋い顔。ここで、三田村の場に《熟考漂い》が2体登場し、一気に小堺は追い詰められてしまう。墓地のブリンクで《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を使い回すことで延命を図る小堺だが...頼みの《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》はマナのない隙に《誘惑蒔き》にフラフラと誘惑されていってしまったのだった。

小堺 1-1 三田村

なんとか星を取り返した三田村だったが、三田村の目はすでに別のものをとらえていた。

三田村 「あー、自分のプレイングが少し遅すぎたかもしれないですね...」

ここで残り時間が5分を切る。

Game 3

Bonded Fetch
お互いが2ターン目に《冷鉄の心臓》をキャストし、マナ加速する展開。そして、三田村が《入念な考慮/Careful Consideration》、小堺が《結ばれた奪い取り/Bonded Fetch》をキャストし、手札の整理をスタートする。

だが、すでに残り時間が3分を切っている今となっては、手札の内容ではなく、場のクロックがどうしても欲しい。

先に場にクロックを展開したのは三田村。《熟考漂い》を場に送り出す。この《熟考漂い》こそ、小堺の《変わり谷》と相打ちさせたものの、《影武者/Body Double》で墓地の《熟考漂い》をコピー。だが、小堺はここで本日何回目かの鏡打ち。《影武者》で三田村の墓地の《熟考漂い》をコピーする。

この均衡を崩したのは、やはり《目覚ましヒバリ》だった。

三田村が《目覚ましヒバリ》をキャスト。この状況だと《目覚ましヒバリ》はその能力よりも、4/3というサイズが頼もしくなる。

一方の小堺も《熟考漂い》をキャストし、なんとか場の立て直しを図る。だが...手札の中には《目覚ましヒバリ》がない。圧倒的に押せ押せムードの三田村は、一気にクリーチャーをレッドゾーンへ。ふたりともものすごいスピードでゲームを展開させる。この序盤の引き分けはどちらにとってもまったく得にならないのだから。

と、急に三田村が何かに気がついたように、穏やかな顔になる。

三田村 「もう、ゆっくりでいいですよ。」

みると、会場の時計はすでに最後の5秒をカウントしている。

ここからが、延長ターン。

小堺は、ブロックできるだけして、6点ダメージで残りのライフは12。場には6点分以上のクロックがあるため、小堺は、何かしらの方法でそのクロックを阻害しなければならない。

まずは延長1ターン目に、小堺は《誘惑蒔き》をキャスト...これには三田村は《否定の契約》を。

続いて、延長3ターン目に、小堺は《目覚ましヒバリ》を想起でキャスト...これには三田村は《造物の学者、ヴェンセール》を。

そして、小堺に延長5ターン目は訪れなかったのだった。

小堺 1-2 三田村

小堺 「Byeのない僕と、3Byeのみたむー(三田村)の差が出た対戦でしたね。」

Byeがないため、多くのアーキタイプへの対応を求められてしまいバウンス中心の構築となった小堺にたいして、三田村は、Bye後に多いであろうヒバリミラーマッチを想定し《入念な考慮》をはじめアドバンテージゲームを意識した構築となっている。

現に、Game 1はバウンス戦略がはまりアドバンテージゲームになる前に逃げ切れたものの、残りのゲームはアドバンテージ差がダイレクトに勝敗につながる形となっている。

間違いなく環境最強デックのひとつであり、会場に数多存在するだろうデックであるからこそ、その調整には細心の注意が必要となるのである。

さて、三田村といえば、秋山 貴志(千葉)、というわけで、三田村は長期戦終了後に観戦していた秋山に結果を確認する。

秋山 「いや、全然駄目でした。もう、圧倒的に相性悪いですよ。」

なんと、環境最強の一画であるヒバリデックに圧倒的に相性がいいアーキタイプがあるという。

偶然にも、隣のテーブルでフィーチャリングマッチをおこなっていたので、ここで、簡単にマッチの様子をお伝えしよう。

■秋山 貴志(千葉)vs.岡本 尋(愛知)

岡本 尋昨年度日本代表である秋山の対戦相手は、「ラストエンペラー」の二つ名で知られる岡本 尋(愛知)。すでに引退を表明し、多忙な日々を送っている岡本だが、今回、地元に近い静岡でのプレミアイベントということで、久々に会場に姿を現した。

そして、使用しているデックが、ヒバリデックにたいして無類の相性の良さを発揮するデックとの事なのだが...

Game 1

着々と土地をならべ、秋山の《熟考漂い》や《目覚ましヒバリ》を《ルーンのほつれ/Rune Snag》や《霊魂放逐》で次々とカウンターし、《祖先の幻視/Ancestral Vision》で手札を補充する岡本。

秋山の《誘惑蒔き》に奪われた《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》を《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》でバウンスし、相打ちした時点で、秋山の手札が1枚にたいして、岡本の手札は5。その内容は、3枚の《謎めいた命令/Cryptic Command》に《霊魂放逐》と《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》。

この手札から、次々と《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を引き込み場に送り出していく岡本にたいして、秋山は対処する手段があるはずもなかった。

岡本 1-0 秋山

Game 2

1ターン目《祖先の幻視》、2ターン目《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》待機と絶好の滑り出しをした岡本。更に2枚目の《祖先の幻視》を待機すると、岡本はカウンターを手札に握り、ゆっくりとクロックを増やすだけで十分だった。

岡本 2-0 秋山

岡本 「このデッキ?ぶっちゃけデックウィンだよ。」

略してBDW。ボロスデックウィンではなく、ぶっちゃけデックウィン。

いわゆるボードコントロールに分類され、基本的にソーサリータイミングの大振りな動きが中心となるヒバリデックへの、回答のひとつ。それは、フルに近いパーミッションであった。

「殿堂」藤田 剛史(大阪)がデザインし、片岡 麻美(大阪)が直前の大阪GPTで準優勝したことで、その存在が知られることとなったこのアーキタイプ。

このデックについては、デックリストの掲載できるようになる明日に、改めて詳しい解説をお送りする予定なので、ご期待いただきたい。

Blog 17:11 - Quick Questions #3

By Event Coverage Staff

Q3. 今大会は誰が優勝すると思いますか?

斎藤 友晴(東京): 津村 健志(広島): Olivier Ruel(フランス):
オレかナベ(渡辺)ですね。内容はまだ内緒なんですけど、僕たちのデッキが一番強いと思うので。 中野(圭貴)さんですね。 Jun Nobushita! Everytime good player. Japanese Raphael Levy!

Round 5 : 津村 健志(広島) vs. 清水 直樹(東京)

By Naoaki Umesaki

津村 健志「サイン貰っちゃった。」

サイン入りカードを片手に笑顔で現れたのは、今や国際的な人気を誇るスタープレイヤーとなったLv8プロプレイヤーの津村 健志(広島)。

毎回、グランプリには魅力的なマジック絵を描いているイラストレーターがサイン会のために来日してくれるが、今回の『グランプリ静岡』に来てくれたのは《野生語りのガラク》《思考囲い》といった人気カードを多数手がけているアレクシー・ブリクロット氏!

もちろん、いつにも増してサイン会は盛り上がっており、今も凄い行列が出来ている。そして、津村も3回戦の不戦勝(Bye)を活かしてその長い行列に並んだ一人だ。グランプリには、トーナメント以外にもこういった魅力あるコンテンツが様々用意されている。 今までトーナメントに行ったことが無い方も、機会があれば是非遠足気分でグランプリ会場に足を運んでみて欲しい。

「マジックは、ビジネスですから。」

そう言い放ちながら、スーツ姿で登場したのは"シミチン"こと清水直樹(東京)。
おそらくだが、マーク・ジャスティスやジョン・フィンケルといったスタープレイヤーの先人達が、プロツアーなどの大舞台において「見られる」ことを強く意識してスーツでキメて、プロフェッショナルとして意識のあり方を示したことに影響を受けたものだと思われる。

『日本選手権2006』では自身がデッキを創り上げ、その予選シーズンで大流行した『太陽拳』を使用して6位入賞。昨年の『グランプリ京都』でもオリジナルデッキ『青緑ウルザトロン"セル"』を使用して5位入賞を果たしており、関東圏のトーナメントシーンにおいては独創的なオリジナルデッキで勝つ強豪プレイヤーとして人気も出てきた清水。 だが、Top8進出は果たしているものの、勝ちきれていないのも事実。本大会で優勝を飾り、かつてジョン・フィンケルが辿ったようなスターロードを駆け上がれるのか!?

清水:緑黒タッチ青ビックマナ
津村:青白ヒバリブリンク

Game 1

振り駒の結果、清水の先攻。

清水が《北方行/Into the North》《護民官の道探し/Civic Wayfinder》と順調にマナベースを整える立ち上がりに対して、津村は2ターン連続で《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》を待機。清水の動きを崩しにかかる。

状況的に動かざるをえない状況となり、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を場に繰り出して攻めに出る清水だが、待っていたのは津村の《神の怒り/Wrath of God》。

清水が失ったアドバンテージを取り返すために《熟考漂い/Mulldrifter》でドローを進めると、津村も《熟考漂い》。 待機が明けてプレイされる《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》によって《樹上の村》をバウンスされ、テンポを崩されながらも清水は《叫び大口/Shriekmaw》によって《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を除去しながら再び攻勢をかける。

清水の《叫び大口》が毎ターン3点のダメージを重ねてゆく中、津村は《影武者/Body Double》、清水は《その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin》で《熟考漂い》を指定してお互いにドローを進める。

そして、十二分な手札を手に入れた津村は《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》などのプレイにより時間を稼ぎ、ついに動く。満を持しての《目覚ましヒバリ/Reveillark》投入である。

《目覚ましヒバリ/Reveillark》の降臨により、盤面ではほぼ勝てる見込みがなくなった清水。もし勝てるとするならば、畏怖能力を持つ《叫び大口》でのアタックで津村のライフを削りきるパターンであろう。猶予が無い清水は《その場しのぎの人形》で墓地から《叫び大口》2号をリアニメイトしようとするが、津村はこれにレスポンスして《目覚ましヒバリ》に対して《一瞬の瞬き》。

《目覚ましヒバリ》の能力によって墓地から《造物の学者、ヴェンセール》がリアニメイトされ、《造物の学者、ヴェンセール》の能力により清水の《その場しのぎの人形》は差し戻し。

津村は、次のターンには更なる《目覚ましヒバリ/Reveillark》を想起でプレイ。
能力により《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》2枚をリアニメイト。清水の《樹上の村/Treetop Village》2枚をバウンスして、反撃の目を完全に紡ぎ勝利を確定させた!。

津村 1-0 清水

Game 2

先攻の清水、2ターン目と4ターン目に《苦花/Bitterblossom》を繰り出し、猛烈に津村を攻め立てる。
津村も《入念な考慮/Careful Consideration》で解決案を探しに行くが、返しのターンに清水は《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss》で津村の《島》を破壊。マナとライフを同時に攻められ、津村は厳しい状況へと追い詰められた。

さて、先ほど津村がプレイした《入念な考慮》でのディスカードの中に《鏡の精体/Mirror Entity》があることを確認されている。 よって、津村のデッキが《影武者》+《鏡の精体》+《造物の学者、ヴェンセール》or《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》による"無限バウンスコンボ"を搭載しているバージョンのデッキであることが判明したわけだが、これを受けて清水が小考に入る。

清水は考えた。《苦花》2枚によって毎ターン生まれるトークンによって津村のライフを追い詰めている今、津村がもし勝てるとしたら"無限バウンスコンボ"によるものであり、津村もそれを目指してくるであろうと。 そして、もし津村の手札にもし"無限バウンスコンボ"のパーツがあるのならば、先ほど《入念な考慮》でのディスカードの際に《鏡の精体》と一緒に捨てたはずだが、捨てたのはコンボパーツのカードでは無かった。よって、津村の手札にコンボパーツは無いと!

清水は意を決し、《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》をプレイして、津村を対象に「1枚ディスカード」の能力を起動する。津村の手札を攻めて、"無限バウンスコンボ"以外の反撃の目を摘みに行ったつもりだったが...

なんと、津村の手札から墓地に捨てられたのは、"無限バウンスコンボ"のパーツである《目覚ましヒバリ/Reveillark》!
予想外の出来事に、清水は驚きのリアクションを隠しきれない。

そして、続く津村のターンに《目覚ましヒバリ》のコピーとして場に登場する《影武者/Body Double》。
清水からすれば予想外の展開となっているが、"無限バウンスコンボ"の完成にはまだ《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》か《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》を場に出した上で《目覚ましヒバリ》が場を離れてその能力を誘発させる必要がある。

清水 『(でも、このまま行けば《苦花》トークンで殴りきれる!)』

Liliana Vess
完成が近づいている津村のコンボを妨害すべく、《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》でカードをサーチしてライブラリートップに積み込んで備える清水だったが...

その瞬間、津村の手札からプレイされる《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》!

清水 「もしかして、ブリンクも持っていますか?」

「もちろん」と、津村の手札から公開される《一瞬の瞬き/Momentary Blink》。

清水に、ライブラリートップにある《根絶/Extirpate》を引く猶予は残されていなかった。

津村 2-0 清水

何故か照れ笑いのような笑みを浮かべる津村に、清水が問いかける。

清水 「何で、《入念な考慮》でのディスカードで"無限バウンスコンボ"のパーツとなる《ヒバリ》を捨てて墓地に送りこまなかったの? 俺が《リリアナ》出してディスカード能力を使ってなかったら、《ヒバリ》を墓地に送れてないからコンボが決まらずに俺の《苦花》トークンに殴りきられて負けてない?」

津村 「いや、《入念な考慮》のディスカードでコンボパーツである《ヒバリ》をディスカードして墓地に送り込まなかったのはただのプレイミス。シミチンの言う通り、コンボを決めるためには、あそこで落としておく必要があった。ただ、気がついた時にはすでに遅し。そんなことを考えていたら、 次のターンにシミチンが《リリアナ》出してディスカード能力を起動してきたから、噛み合ったみたいな?(笑)」

清水 「え、なにそれ。友情プレイ?」

そしてお約束。

清水 「ちくしょー、なんでだー!!」

Round 6 :  ダイジェスト

By Daisuke Kawasaki

有田 vs. 高橋さて、この静岡では、すでに紹介した岡本 尋(愛知)や、その盟友である信下 淳(岐阜)をはじめ、久しぶりにトーナメント会場で顔を見るようなメンバーが、数多く集まっているというのがトピックのひとつとしてあげられるだろう。

その一方で、森田 雅彦(大阪)や中島 主税(神奈川)といった、国内のグランプリにほぼ皆勤ではないかと思われるようなプレイヤーが会場に姿をあらわしていない。

生活環境の変化により、今回のグランプリへの参戦を見送らざるをえなくなってしまったのだ。確かに3月は生活環境が変化する季節でもある。

有田 「なかちかさん(中島)もついにマジック続けられなくなったかぁ...俺も、仕事の都合ででられなかったグランプリとかあるもんなぁ...」

と語るのは、中島とPTチャールストンで共にトップ4入りをした、国内有数のプロツアーサンデー経験者の有田 隆一(千葉)。

有田ほどの実力者であっても、やはり、仕事とマジックの両立は難しいという。そんな有田が今大会で使用しているのは、最強デックと名高いヒバリデック。Round 4で紹介した三田村・秋山との共同チューンナップタイプだ。

■有田 隆一(千葉) vs. 高橋 優太(東京)

有田と対戦するのは「負けず嫌いの無頼漢」高橋 優太(東京)。PTサンディエゴ準優勝・日本選手権トップ8と昨シーズンブレイクしたプレイヤーの中でもトップレベルの成績を残しているひとりだ。

無類の青黒好きで知られる高橋が使用するのは、もちろん、トップ3の一画である青黒フェアリー。2ターン目の《苦花/Bitterblossom》のキャストの有無が劇的に相性差を入れ替えると言われるこのマッチアップだが...はたして。

Game 1

先攻の高橋がマリガン。有田もつきあうようにマリガン。

高橋は2ターン目に《苦花》をキャスト。有田は《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》でマナベースを安定させる。

高橋は有田のアップキープに《やっかい児/Pestermite》をキャストするが、これは《ルーンのほつれ/Rune Snag》。しかし、続くターンのアップキープにも、今度は《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》。これは《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》で手札に戻される。

高橋は、あきらめずに《霧縛りの徒党》をキャストするが、今度は《造物の学者、ヴェンセール》が《一瞬の瞬き/Momentary Blink》して、やはり手札に。そして、2枚目の《一瞬の瞬き》。

お互いに完全に膠着しているように見えるが...《苦花》が着実にお互いのライフをむしばんでいく。

この膠着を破ったのは有田の《誘惑蒔き/Sower of Temptation》。まずはフェアリートークンを奪ったこのクリーチャー。続くターンに、ついに場に登場した《霧縛りの徒党》を《一瞬の瞬き》で奪う。

場で完全に優位を確立した有田は、だめ押しとばかりに《入念な考慮/Careful Consideration》でアドバンテージを広げ盤面を固めにかかる。

こうなってくると、《苦花》はどちらの味方なのか。そこが勝負の分かれ目になる。

手札が土地ばかりで、逆転の手にかける高橋は、《苦花》でのチャンプブロックをせめて生かすべく、《変わり谷/Mutavault》も含めて、一気にダメージレースに持ち込もうと画策する。少なくとも、有田の手札になにもなければ勝てるようにと。

だが、有田は無情にも《目覚ましヒバリ/Reveillark》《熟考漂い/Mulldrifter》と場に送り出していくのだった。

しかし、高橋はあきらめない。《苦花》でのチャンプブロックでライフを守りながら、《やっかい児》で着々とライフを削っていく。

有田が勝負を決めに来たフルアタックに対しても、《謎めいた命令/Cryptic Command》と《ウーナの末裔/Scion of Oona》という回答を用意していたのだが...しかし、有田もきっちりと《造物の学者、ヴェンセール》と《否定の契約/Pact of Negation》という回答を持っていたのであった。

有田 1-0 高橋

Game 2

高橋 雄太先攻の高橋はまたもマリガン。

だが、その高橋のファーストアクションである《思考囲い/Thoughtseize》にたいして有田は一言「きちー」。高橋は有田の手札から、唯一のドローソースであり、クロックである《熟考漂い》をディスカードさせる。

《精神石/Mind Stone》をキャストすると、手札が《ルーンのほつれ》と《否定の契約》だけになってしまう有田。大きなアクションをおこせないまま、高橋の《変わり谷》にビートされてしまう。一方の高橋は、《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機する。

この《祖先の幻視》を《ルーンのほつれ》し、《熟考漂い》を場に送り出したあたりで、だんだんとゲームは有田のペースへ。

高橋がキャストした《ウーナの末裔》へは《誘惑蒔き》。これをカウンターした《謎めいた命令》は《ルーンのほつれ》と、完全にゲームは有田のペース。

高橋は、《変わり谷》を覇権しながらの《霧縛りの徒党》で有田のクロックに対抗。これに有田は《誘惑蒔き》を《一瞬の瞬き》することで対抗しようと試みるのだが...なんと、《誘惑蒔き》が場を離れると《ウーナの末裔》のコントロールが高橋に戻ってしまい、《霧縛りの徒党》を奪えない事に気がつく。

しかたなく、《熟考漂い》を《一瞬の瞬き》して、手札を充実させ、《神の怒り/Wrath of God》。これは《使い魔の策略/Familiar's Ruse》でカウンターされてしまうものの、続いて場に出した《誘惑蒔き》は、対抗手段である2枚目の《ウーナの末裔》が《否定の契約》されてしまったことで、その能力を存分に発揮することとなる。

そして、有田のビートダウンによるカウントダウンが始まる。

高橋は最後の希望として《霧縛りの徒党》をキャストするのだが、そんな高橋の希望を打ち砕いたのは...2枚目の《誘惑蒔き》だった。

有田 2-0 高橋

惜しくも有田に敗北してしまった高橋。聞けば、高橋もまた、これまでのようにトーナメントマジックとつきあっていけなくなっていくという。

高橋 「PTハリウッドは確定でいけませんね...なんとか、せめてグレービー(レベル4以上)はキープしたいんですけど...」

と、今シーズン以降、多忙を理由に十分にプレミアイベントに参加できなくなることを憂う高橋。だが、負けず嫌いの高橋ならば、きっと、多忙の中でも、戦績を積み上げてくれることだろう。

■樽 元気(神奈川) vs. 長島 誠(山梨)

樽 vs. 長島さて、隣のテーブルでは社会人プレイヤーでありながら、昨シーズンに日本選手権・The Finalsと続けてトップ8入賞と好成績を残してきた長島 誠(山梨)が、同じく昨シーズンにカルト的なブレイクを果たした樽 元気(神奈川)と対戦している。

クイックインタビューで、斎藤 友晴(東京)は、環境最強のデックとして「僕たちのデックが一番強いです」と答えた。これだけならば、むしろ斎藤のいつものいわゆる「宣言」のように思いがちだ。

しかし、よくよく話を聞いてみると、斎藤の言う「僕たち」とは、斎藤、「ルーキー」渡辺 雄也(東京)、そして長島の3人の共同開発のデックだと言うではないか。

斎藤 「なんか、ものすごい強いデッキができた!っていうわくわく感は全くないんですけど、調整をすると、確かに強いデッキなんですよ、これ。」

というわけで、斎藤・渡辺・長島のシークレットデックの正体に肉薄するためにも、このマッチについても簡単に追いかけてみたいと思う。

ちなみに、樽の使用するデックは、直前で板東 潤一郎(茨城)がセンセーショナルにGPTを勝ち上がった事で一躍有名デックとなった赤単バーン。

長島たちの調整チームにとっても当然仮想的のひとつとされていたであろうこのデックとのマッチアップは、はたしてどのような戦いになるのだろうか。

Game 1

先手の長島がキャストした《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》を、樽が《モグの狂信者/Mogg Fanatic》で除去するスタート。

続いて2体目の《モグの狂信者》を場に送り出す樽にたいして、長島は手札に《レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher》を温存しての《ガイアの頌歌/Gaea's Anthem》キャスト。

長島 「赤相手には、《ガイアの頌歌》を出せるかどうかのゲームになるんですよ。」

そして、長島は温存した2体の《レンの地の克服者》を場に「4/4として」送り出す。3点火力が中心となる樽のデックにとって、このサイズはちょっとどころじゃない障害だ。

樽は、本体に《ショック/Shock》を打ち込み、なんとか長島のライフを削りきるプランを模索するが、やはり、クロックを除去しきれない以上、赤が緑にダメージレースで勝てるプランはなかった。

長島 1-0 樽

Game 2

Darkheart Sliver
先手の樽は、《モグの狂信者》《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》と順調な滑り出しを見せる。

しかし、ここで、直前で話題にあがってしまった赤単というデックを選択したデメリットをわかりやすい形で樽は被ることとなってしまう。端的に言えば、サイドカードが劇的に相性を変えてしまった。

長島は、2ターン目に《暗心スリヴァー/Darkheart Sliver》、3ターン目に《スパイクの飼育係/Spike Feeder》とライフゲイン能力を内蔵したクリーチャーを場に展開していく。

これらのブロッカーを排除しながらなんとかダメージをあたえ続ける樽だったのだが...ゲインしたライフは、長島に戦線を構築するには十分すぎるほどの時間を与えたのだった。

長島 2-0 樽

長島 「シナジーよりも、単体のカードのカードパワーを上げる方向で調整したんですよ。ちなみに、メインは赤に相性いいとは言えませんが、サイドボードからはライフゲインカードが8枚入ってくるので、負けはしないと思いますよ。」

ヒバリデックによって、アドバンテージが中心のゲームとなっていた環境の隙間をぬうかたちで劇的なデビューを果たした赤単バーンだったが、戦略が明快なだけに、知られてしまうと対策されやすい。

そう、まさに樽自身がグランプリ開催直前に語っていたセリフがすべてを物語っているのだ。

 「僕も僕で赤単は暖めていたんですけど...バンジュン(板東)にやられましたよ...グランプリがあと一週間早ければ...」

Round 7 : 板東 潤一郎(茨城) vs. 平島 祐太朗(福岡)

By Daisuke Kawasaki

平島 祐太朗そこで、ここでは、昨日、みごと3 Byeを獲得したプレイヤーの対戦をフィーチャリングしよう。すべての勝負事には、「勢い」という漠然とした要素が存在する。過去、日本選手権で前日予選からみごと準優勝に輝いた津村 健志(広島)の例を持ち出すまでもなく、それが、大きなきっかけとなることだって少なくないのだ。

そういう意味では、ここで紹介するプレイヤーは、今回のグランプリにむけて「勢い」に恵まれたプレイヤーであると言えるだろう。

さて、読者の皆様は、平島 祐太朗(福岡)の名前に聞き覚えがあるだろうか? 昨年末におこなわれた限定戦最強決定戦The Limits'07において、スイスラウンドを圧倒的な勢いで駆け上がり、惜しくも準決勝で優勝者である持木 和人(埼玉)に敗れたものの、リミテッド強者として鮮烈な印象を残してくれたプレイヤーだ。

その平島が、今大会でも、3Byeを獲得し、限定戦のみならず、構築戦にも殴り込みをかけてきたのだから、筆者も思わずうれしくて飛び出してきてしまったという次第だ。

対戦するのは、今大会のメタゲームについて語られる際に、たびたび名前の挙がってきた板東 潤一郎(茨城)。

赤単バーンというアーキタイプがセンセーショナルなデビューを果たした背景に、生粋の青白コントロール好きとして知られる板東が使用していたという要素が皆無であったとは言えないだろう。

そう、それは、たとえば世界的な青系デザイナーとして知られるGuillaum Wafo-tapa(フランス)が昨年の世界選手権で、レガシーに赤単ドラゴンストンピーを持ち込んできた時のようなインパクトが、少なくとも関東圏のプレイヤーにとってはあったのだ。

しかし、Round 6での樽の例をあげるまでもなく、そのセンセーショナルさゆえに、赤単バーンは親の敵のように対策されてしまうこととなった。

はたして、「元祖バーンの伝道」である坂東は、いかなる対策をこうじてきたのだろうか。

Game 1

板東 潤一郎先攻は板東。

板東のセットした土地は...なんと《冠雪の島/Snow-Covered Island》。

そう、板東は、ここで自身の真骨頂「人類の英知」こと氷雪青白コントロールを持ち込んできたのである。

坂東 「メインから《物語の円/Story Circle》まで入れてるので、赤単にだけは負けません」

むしろ、赤単バーンは坂東による情報操作だったのだ。

一方で、平島は、《高地の森林/Highland Weald》《占術の岩床/Scrying Sheets》とセットしてから《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》でマナをのばし、続くターンには《樹上の村/Treetop Village》をセットしつつ《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と、確実に場にクロックを展開していく。

一方の板東も、《冷鉄の心臓》をキャストした後に、《占術の岩床》を起動し続け、アドバンテージを確保する。

一気に勝負を決めたい平島は、追加の《樹上の村》をセットしつつ、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》をキャストする。この《野生語りのガラク》は1体のビーストトークンを場に追加した所で《真髄の針/Pithing Needle》で封じ込められてしまう。

平島は、2体の緑クリーチャーでなんとか殴り切ろうとするのだが...それすら封じ込める《テフェリーの濠/Teferi's Moat》。

まさに、板東の氷の世界。

さらなる《テフェリーの濠》《真髄の針》で行動を制限され、《原初の命令/Primal Command》などのカードをピンポイントでカウンターされじわじわと凍りづけにされていく平島。

最後の希望であった2枚目の《原初の命令》を、2枚の《ルーンのほつれ/Rune Snag》でさばかれると、平島は寒さから逃げ出すように土地を片付けた。

板東 1-0 平島

Game 2

2ターン目に《冷鉄の心臓》をキャストし、マナを加速しつつ、3ターン目には《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss》で板東のマナベースを攻撃する平島。

続いて、《なだれ乗り/Avalanche Riders》キャストと、攻撃の手をゆるめない。

打ち消し呪文に恵まれない板東は、ここで《失敗の宣告/Declaration of Naught》で《調和/Harmonize》を宣言するが...このすきに平島は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を場に送り込む。

まだ、3マナしかない板東にとって、このクリーチャーは脅威という2文字以外のなんでもない。2枚目の《失敗の宣告》で《野生語りのガラク》を宣言するものの、根本的な解決にはなっていない。

ここで、平島は、《包囲攻撃の司令官》でアタック。ここで、板東は《糾弾/Condemn》を《包囲攻撃の司令官》に。平島は、対応して《包囲攻撃の司令官》を板東自身へと投げつけ、マナのない隙に、《野生語りのガラク》を場に送り込む。

場に出したターンに+1能力を起動し忠誠度をため、続くターンに、一気にいわゆる《踏み荒らし/Overrun》能力で板東のライフを1まで削りきる。

板東には《占術の岩床》でライブラリーのトップを確認することしかできなかった。

板東 1-1 平島

Game 3

Tarmogoyf
平島の4ターン目の《野生語りのガラク》を板東が《謎めいた命令/Cryptic Command》で打ち消すという非常にスローなスタート。

《失敗の宣告》では《調和》を宣言され、《ムウォンヴーリーの酸苔》は《ルーンのほつれ》と、またもや氷の板東世界ペース。

だが平島が《タルモゴイフ》をおそるおそるキャストしてみると...なんと板東からはカウンターが飛んでこない。さらに、続くターンにも除去されない。

ここで、時間切れとなってしまったのだが...6/7となった《タルモゴイフ》にとっては3ターンは十分すぎる時間であった。

板東 1-2 平島

Round 9 : 今川 浩正(大阪) vs. 有田 隆一(千葉)

By Daisuke Kawasaki

今川 浩正時計の針は21時を大きくまわって、ついに最終戦であるRound 9をむかえた。

初日最終戦は、例に漏れず無敗対決の3組がフィーチャリングテーブルで対戦することとなる。

ここでは、本日3回目の登場となる国内屈指のプロツアーサンデー経験者である有田 隆一(千葉)と、GP北九州に続く2大会連続初日全勝がかかった「うみんちゅう」こと今川 浩正(大阪)の対戦をフィーチャーしよう。

今や、三田村・秋山と共に、千葉勢の中心人物として知られる有田ではあるが、もともとはTeam宗男四天王のひとりであったことはよく知られるプロフィールであり、元々は大阪のプレイヤーである。

と言うことは、大阪のプレイヤーである今川との面識は...

有田 「実はないんだよね。ちょうど俺が関東に出てきた時と入れ替わりぐらいでマジックはじめたんじゃない?」
今川 「たぶんそうですね...」

というわけで、筆者の好奇心を満たすためだけの質問を終え、最後の戦いが始められる。

Game 1

先手は今川。

1ターン目に《ギトゥの宿営地/Ghitu Encampment》セットから、2ターン目に《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》キャスト。そして、3ターン目にはクリーチャー化して2体でアタックと流れるように有田のライフを削っていく。

一方の有田も、2ターン目に《精神石/Mind Stone》キャストでマナ加速した上で、3ターン目には《入念な考慮/Careful Consideration》と、こちらもまた、順調な滑り出し。

4ターン目。土地の止まった今川は、少考の後に《モグの狂信者/Mogg Fanatic》《ケルドの匪賊》とキャスト。たいして有田は、セットランドでマナ域を5マナにのばし、《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》で《ギトゥの宿営地》を手札に戻す。

今川は、この《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》に《つっかかり/Lash Out》を打ちこむ。激突では敗北したものの、《ケルドの匪賊》《モグの狂信者》をレッドゾーンに送り込み、有田のライフは残り8。

有田 「さすがにメインはきついなー」

《変わり谷/Mutavault》でクリーチャーによるアタックは抑制できたものの、待機された《裂け目の稲妻/Rift Bolt》からの、《火葬/Incinerate》《欠片の飛来/Shard Volley》×2枚と打ち込まれては、《ルーンのほつれ/Rune Snag》《否定の契約/Pact of Negation》とあっても防衛線は十分ではなかった。

今川 1-0 有田

Game 2

有田 隆一マリガン後に、土地が《ギトゥの宿営地》2枚のみという手札を悩んだ末にキープする今川。

有田が《変わり谷》《冠雪の島/Snow-Covered Island》とセットする中、まったくアクションを起こすことができない。そして、ファーストアクションである3ターン目の《ケルドの匪賊》も、《ルーンのほつれ》ではじかれてしまう。

一方の有田は、メインターンで《入念な考慮》をキャストし、中盤戦に備える。この序盤のうちになんとか大きなアクションを起こしたい今川だが、しかし、土地が2枚で止まってしまっているために、《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》《裂け目の稲妻》と待機するのみと、かなり不満な展開。

挙げ句の果てには、《ケルドの匪賊》を戻した《造物の学者、ヴェンセール》と《変わり谷》で先にビートダウンをはじめられてしまう始末だ。

結局3枚目の土地を引けなかった今川は「次行きましょう」と有田に静かに提案した。

今川 1-1 有田

Game 3

またも土地が《ギトゥの宿営地》と《山/Mountain》の2枚のみという手札に頭を抱える今川。長考の末にキープ。

2ターン目に《モグの狂信者》という遅いアクションの今川にたいして、有田は《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》でマナ加速し、3ターン目に《入念な考慮》という、もはやおなじみのパターンで手札を整理する。

一方の今川は、3ターン目に土地が引けずに1ターンマナが伸び悩むものの、気合いを入れて引き込んだカードが、待望の3枚目の土地である《地平線の梢/Horizon Canopy》。

さっそく、《氷結地獄/Cryoclasm》で有田の《冠雪の島》を破壊。苦しい有田は、《熟考漂い》を想起でドローを進める。

続いて《変わり谷》をドローし、マナベースの問題が解決した今川。《ギトゥの宿営地》をクリーチャー化し、ビートダウンを決行する。土地の枚数自体の問題はクリアしたものの、赤マナが不足している今川。

だが、一方の有田も、再び《熟考漂い》を想起でキャストしつつ一言「きっついなぁ...」。《変わり谷》と《アダーカー荒原》をアンタップ状態で今川にターンを返し、地上に備える。

だが、今川は果敢にアタック。ここで、今川が十分な火力を持っていた場合に、さばききるだけのマナを残さなければならない有田は、これをブロックできない。有田のライフはまたも8。場には《モグの狂信者》がいるため、実質的には7か。

有田はドローして、手札を見ると、深いため息をつく。そして、土地を置いてターンエンド。

今川は、またも《モグの狂信者》と《変わり谷》でアタック。今度は十分なマナがある有田は、《変わり谷》で《変わり谷》をブロックする。

ダメージスタック後に、今川は《欠片の飛来》、有田は《一瞬の瞬き/Momentary Blink》で《変わり谷》を無駄なく活用する。

今川のターンエンド。有田は、《入念な考慮》をキャスト。青マナの不足に悩まされている有田は、ダメージランドを使用して、残りライフが3となる。

そして、《欠片の飛来》が、今川を2大会連続の初日全勝へと導いた。

今川 2-1 有田

みごと初日全勝を果たした今川に、明日への抱負を聞いてみた。

今川 「北九州の二の舞だけは避けたいです!」

Round 9 : 藤本 太一(東京) vs. 金澤 浩靖(東京)

By Naoaki Umesaki

金澤 浩靖(東京)第9ラウンドのフィーチャーマッチは、関東圏で開催される大会でよく見る顔同士の対決となった。

・金澤 浩靖(東京)

環境初期から《目覚ましヒバリ》を中心としたデッキを一貫して調整してきた金澤。 最終的には、同じ関東圏の『グランプリトライアル』で好成績を残していた彌永淳也(東京)の『青白ヒバリブリンク』と同じような軽いスペルとカウンターが多いチューンのデッキとなったと語る。

金澤 「エルフにしか効かない《神の怒り/Wrath of God》は環境的に微妙ということでメインから抜けてるんですけど、1日の最後にエルフ踏んじゃいましたね。《思考囲い》1発打たれるだけで結構ダメージでかいくらいなんで、相性は悪いですね。」

藤本もこのマッチアップにおけるデッキ相性については金澤と同じ見解で、どうやら藤本側が主導権を握っていくマッチアップとなるようだ。

金澤 「とりあえずは、最低限の目標だった2日目に行けたので満足はしてます。普段から一緒に遊んでる戸塚くんの実家に友人達で押しかけてるんですけど、その友人の中からも結構な数が2日目に残ってるみたいなので、一緒に頑張りたいと思います。」
(編注:戸塚くん=戸塚公太=2007年度の東京都チャンピョン)

池袋は、時にはフライデーナイトマジックに40人以上ものプレイヤーが集まることもあるという。金澤はもちろん、『スタンダード王国』とも言える池袋地区を拠点に活動する彼の仲間達の活躍・台頭にも期待したい。

・藤本 太一(東京)

ここまで8連勝と連勝街道を突き進んできている藤本。関東圏で開催されている大会でよく見る顔である。 スタンダードには自信があると思いきや、大会直前になってそれまで調整してきた《苦花/Bitterblossom》入りタイプの『緑黒エルフ』を噛み合いの違和感から見切りをつけ、ノーマルなタイプの『緑黒エルフ』にバージョンを戻して出場することになったりと勝つ自信はなく「正直、運が良かった」と謙虚に語る。初日全勝をかけて本日最後となる第9回戦目に挑む。

調整コミュニティは違うものの、日本有数のスタンダード王国である池袋を活動拠点とする2人。熱戦を期待したい。

Game 1

ダブルマリガンと苦しいスタートとなる金澤を尻目に、ノーマリガンで手札をキープした藤本は《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher》とテンポよく展開する立ち上がりをみせ、更には容赦ない《思考囲い/Thoughtseize》を金澤に突き刺す。

そして公開された金澤の手札は、《目覚ましヒバリ/Reveillark》《誘惑蒔き/Sower of Temptation》《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》《ルーンのほつれ/Rune Snag》《精神石/Mind Stone》。
藤本はこの中から、《精神石/Mind Stone》をディスカード。

《精神石/Mind Stone》をハンデスされ、土地もストップしてしまった金澤。
藤本が《レンの地の克服者/Wren's Run Vanquisher》《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》と後続をしっかり展開するのを確認すると、見切りよく2ゲーム目へと標準を移した。

藤本 1-0 金澤

Game 2

藤本 太一(東京)藤本は《ラノワールのエルフ》スタートから、2ターン目に《思考囲い》で金澤の手札を確認する。

金澤:《瞬間凍結/Flashfreeze》《ルーンのほつれ》《誘惑蒔き》《精神石》《造物の学者、ヴェンセール》《冠雪の平地》

藤本はこの中から《瞬間凍結/Flashfreeze》をディスカード。 そして、次のターンにも《思考囲い》で《ルーンのほつれ》をディスカードさせ、完全をある程度確認した上で《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を場に送り込んでトークン製造をスタート。《狼骨のシャーマン/Wolf-Skull Shaman》も戦線に追加して順調な展開をみせる。

対する金澤、《造物の学者、ヴェンセール》のバウンス能力や《変わり谷/Mutavault》とのダブルブロックなどで必死に耐えてライフを守る展開となるが、藤本が《ガラク》の最後のカウンターを使用してトークンを場に出し、更なる《ガラク》を場に送り込んだところで反撃の狼煙となる《瞬間凍結/Flashfreeze》を場に叩きつけて決戦開始!

金澤が《誘惑蒔き》を出せば、すぐさま藤本は《叫び大口/Shriekmaw》でそれを除去。
「まだまだ」と金澤が《誘惑蒔き》2号機を出せば、読んでましたと藤本も2号機となる《叫び大口》で即刻除去。

お互いに感情が高ぶってきたのか、両者ともに気合が入ってきた様子で小気味良くカードがテーブルに叩きつけられる音が響き、盤面では押し切ったように見える藤本は「どうだ?」と金澤の様子を窺うが、金澤のリアクションは想定される中で最悪のパターンとなる《目覚ましヒバリ/Reveillark》想起。

金澤の墓地から降臨する2体の《誘惑蒔き/Sower of Temptation》。

盤面は一気に逆転となり、《一瞬の瞬き/Momentary Blink》の保険付きで金澤が勝利を収めた。

藤本 1-1 金澤

Game 3

服の色も、スリーブの色も、デッキの色も、緑で統一している藤本。初手を見るや否や、威勢よくキープを宣言。
一方の金澤、またもマリガンハンドにみまわれ厳しいスタート。

そして、手札のキープを宣言する勢いそのままに、試合の内容も一方的なものだった。

藤本、《樹上の村/Treetop Village》セットから《レンの地の克服者》《護民官の道探し》《タルモゴイフ》と勢い展開よく展開してフルアタック!

金澤も《変わり谷》《一瞬の瞬き》によるブロックや、《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》と必死に耐え、2ゲーム目のような逆転劇を目指すも、藤本の手札が完璧であった。

金澤の残りマナが3マナしかないのを確認して墓地にある《一瞬の瞬き》がフラッシュバックできないのを確認すると、《ハリケーン/Hurricane》X=5で邪魔者である《エイヴンの裂け目追い》を退かしながら本体にもダメージ、そしてフルアタック。

必死の抵抗を見せ、なんとか1のライフを残した金澤であったが、次のターンには藤本の手札から2枚目の《ハリケーン/Hurricane》が。

金澤 「最初に相性が悪いと言ったとおり、まぁこういうゲームになるんですよ。」

藤本 2-1 金澤

藤本、関東勢同士の対決を制し、初日を全勝で駆け抜けた!

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