Day 1 Blog Archive

Posted in Event Coverage on July 9, 2005

By Keita Mori

EVENT COVERAGE

主要な施設、交通機関は封鎖され、街のあちこちを重装備の警官たちがかためた。

数年ぶりにマジック:ザ・ギャザリングのプロツアーをホストすることになったロンドンの街は、混乱の真っ只中にある。

ニューヨーク、モスクワ、パリといった名だたる大都市をライバルとしていた2012年のオリンピック招致活動にロンドン市が勝利をおさめ、水曜の街中は祝祭ムード一色となっていた。そこかしこで新聞の号外が配られ、街灯には"2012 Olympia London"というフラグがなびき、酒場では早い時間から祝杯の声があがっていたものだ。

しかし、一夜明けた木曜日のロンドンは、悲しみと恐怖に支配された街に豹変してしまう。地下鉄とバスを狙ったテロが発生し、その大爆発によって40人近い人々が命を失うという奇禍が起こって(起こされて)しまったのだ。首相声明によって厳戒態勢が敷かれ、交通機関や公共施設は閉じられ、街角には重装備の兵士や警官たちが立っている。サイレンの音もひっきりなしで、止むことは無い。テレビのチャンネルは一日中ニュース特番だ。

実のところ、プロツアー・ロンドンの会場となるアールズ・コート展示場の正面玄関にもセキュリティが封鎖しており、木曜日の段階では会場設営にかかわるスタッフの入場も制限されていたほど。なんとか今日(金曜日)のイベントの開催にはこぎつけたわけだが、状況の推移によっては予断を許さないだろうということだ。

交通機関がほとんど麻痺してしまっていることもあり、『時価』のタクシーが横行していたり、(昨晩の段階では)飛行機に関しても着陸は許されているものの、出発便はすべて欠航しているという。たとえば、学業の都合で遅めの飛行機を使うことになった大礒正嗣などは、テロの起こった直後にヒースロー空港に降り立つはめになり、時価80ポンド(およそ16000円)のタクシーでなんとかホテルまで辿り着いたとか。ちなみに、テロの前にタクシーを利用した私が支払ったのはその半額ほどの金額だった。


Friday, July 8: 9:40 am - 2006年シーズンのプロツアー開催日程

by Keita Mori
リゾートでプロツアー!

Wizards of the Coast社のスタッフにより、来期のプロツアー日程に関する大きな変更点が発表された。大きなニュースであるため、ここでその内容をお伝えしておこう。

  • プロツアー・ホノルル/Pro Tour Honolulu
  • 開催日:2006年3月3日~5日
    フォーマット:スタンダード
    予選開催時期:エクステンデッド、2005年10~12月
  • ヨーロッパを予定
  • 開催日:2006年4~5月
    フォーマット:ラヴニカとギルドパクトによるブースタードラフト
    予選開催時期:シールドによる予選ラウンドとドラフトによる決勝ラウンド、2006年1~3月
  • 日本もしくはアメリカを予定
  • 開催日:2006年6~7月
    フォーマット:ラヴニカ=ブロック構築によるチーム戦
    予選開催時期:スタンダードによるチーム戦、2006年3~5月
  • 日本もしくはアメリカを予定
  • 開催日:2006年10月
    フォーマット:ブースタードラフトを予定
    予選開催時期:シールドによる予選ラウンドとドラフトによる決勝ラウンド、2006年6~8月
  • 世界選手権パリ大会
  • 開催日:2006年11月29日~12月3日
    フォーマット:スタンダード、エクステンデッド、ドラフト
    ※ルーヴル美術館にて開催
  • プロツアーは5大会でなく、4大会となる。しかし、支払い賞金総額が減るということはなく、ツアー4大会と世界選手権における各大会へ配分される。
  • プロツアーの優勝賞金は40000ドルとなり、賞金が支払われる順位が75位までに拡大される。
  • 世界選手権の優勝賞金は50000ドルとなる。
  • 北米、南米、日本を含むアジア地区のプロツアー予選通過者の副賞は賞金ではなくなり、実際の航空券として手渡されるようになる。
  • プロツアーの大会の数が減ったことにより、プロプレイヤークラブにおける『レベルアップ』のために要求されるプロポイントのスレッショルド基準を引き下げる。以下を参照。
  2005年度PoYレース 2006年度PoYレース
レベル1 1pts 1pts
レベル2 10pts 10pts
レベル3 20pts 20pts
レベル4 35pts 30pts
レベル5 50pts 40pts
レベル6 65pts 50pts
  ※PoY=Player of the Year  

 これらの変更について、Randy Buehler が詳細をこの記事で説明している。(日本語版は日本時間土曜の早朝に掲載される予定)


Friday, July 8: 10:56 am - Round 1:鍛冶 友浩 vs. Anton Jonsson

by Keita Mori
鍛冶 友浩

無冠ながらも世界最高峰のリミテッドプレイヤーとして真っ先に挙げられるスウェーデンのAnton Jonsson(アントン・ヨンスン)と日本の鍛冶 友浩が第一回戦のフューチャーマッチ(注目の試合)席へと招待された。

Antonは生涯で通算5回ものプロツアー決勝ラウンド進出を果たしているというトップ中のトップであり、この入賞回数は全世界で5位タイという素晴らしいものだ。まさしく赤コーナーのAnton御大に挑むチャレンジャー鍛冶という構図になるが、鍛冶も今季のチームプロツアーでベスト4に入賞した注目の新鋭。意地を見たい。

Game 1

「ダイスロールで勝って、後手をとりたいです」

戦前の鍛冶 友浩に自身のデッキを出来を聞いたとき、彼はこう答えてくれた。

「下家に2色かぶられてしまって緑赤タッチ黒という3色のデッキになってしまったからというのと、《悪忌の手下/Akki Underling》と《霜剣山の背教者/Sokenzan Renegade》を活かしたいからです。3色という段階で後手を選ばざるを得ないくらいでしょう」

鍛冶 友浩はコインフリップで見事に勝利をおさめ、後手を取ることを宣言した。はたして青黒のテンポ系ビートダウンであるAntonにとって、これは思わぬ幸運となるのだろうか?

先手のAntonが開幕ターンに《涙の神/Teardrop Kami》でゲームをスタートし、後手の鍛冶が《霊光の養育者/Ghost-Lit Nourisher》を3ターン目にプレイ。ここへAntonが4ターン目に《秘守り/Secretkeeper》を召喚したところで、鍛冶は《養育者》を突撃させ、Antonは《秘守り》との相討ちを受け容れた。しかし、鍛冶が戦闘後に4マナ4/4アタッカーである《手入れされた庭の神/Kami of the Tended Garden》を呼び出すと、Antonは口をへの字に曲げた。

5ターン目のAntonのアクションは《無神経な詐欺師/Callous Deceiver》の召喚。鍛冶はをアップキープに支払いながら《手入れされた庭の神》で攻撃し、盤面には《燃える眼のずべら/Burning-Eye Zubera》を追加した。

6ターン目になってもサイズ面でインパクトのある後続を引けないAntonは、《詐欺師》に空を飛ばせてアタックを宣言したのみでターンを終了。残した4マナで、鍛冶の後続である《聖鐘の僧団/Order of the Sacred Bell》を《霊光の護法者/Ghost-Lit Warder》の『魂力』によって打ち消すことに成功するが、7点のアタックを素通しすることになってしまう。

Antonは7ターン目に引き当てた《秘教の抑制/Mystic Restraints》によって3/3赤《ずべら》の攻撃力を奪うことには成功するが、鍛冶は4/4《神》での攻撃を継続しながら、後続として3/3武士道の《霜剣山の背教者/Sokenzan Renegade》を展開。波状攻撃が続く。

最後の望みをかけてAntonはドローをするのだが、これが《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》。実に微妙だ。Antonは2回ドロー能力を起動して《幻影の翼/Phantom Wings》を引き当て、これを鍛冶の《手入れされた庭の神/Kami of the Tended Garden》へと貼り付けた。ターンエンド。

ターンを渡された鍛冶はアップキープに《神》の維持コストを支払わず、これを墓地へと送り込み、その『転生』能力によって《霊光の養育者/Ghost-Lit Nourisher》を回収した。そして、鍛冶 友浩は潤沢な手札の中の一枚を公開し、Anton Jossonは投了を宣言した。

《螺旋形の燃えさし/Spiraling Embers》だ。

鍛冶 友浩 1-0 Anton Jonsson

Game 2

厳しいシチュエーションに挑む Anton Jonsson

黙々とデッキをシャッフルするだけのAntonとは対照的に、鍛冶はサイドボーディングで一枚のカードを交換した。それはのソーサリーで、6点のライフと1枚のカードとをもたらしてくれるという、どちらかというと凡庸な部類に入る一枚だ。しかし、地上のファッティと航空部隊とによる「軸のずれた」殴り合いを見越して、鍛冶 友浩は《道三の最古の詠唱/Dosan's Oldest Chant》を投入したのだ。

そしてAntonが先攻を取り、鍛冶は期せずして2連続の後手スタート。しかしながら、Antonのその後8回のドローのうち6枚が土地であったために、《道三の最古の詠唱/Dosan's Oldest Chant》の活躍も待たずして鍛冶 友浩が快勝することになった。

何はともあれ、鍛冶はアントン討伐という大金星を緒戦にて果たしたのである。

鍛冶 友浩 2-0 Anton Jonsson


Friday, July 8: 1:22 pm - Round 2 Feature Match Actions

by Keita Mori

複数の日本勢がフューチャーマッチへと招待されたため、その概要をダイジェストでお伝えしていこう。

◆斉藤 友晴 vs. Richard Hoaen

カナダのRichard Hoaen

ベスト8入賞回数こそ1度だけだが、Richard Hoaen(リチャード・ホーエン)は非常に安定したドラフト戦での戦績で一目置かれているカナダの強豪である。彼はビートダウンを突き詰めていくスタイルで知られているプレイヤーであり、たとえば、ミラディン×3パック時代などは《屍賊/Nim》シリーズとアーティファクトランドをかき集める『Turbo Nim』戦略をいち早く打ち出したことで有名になった。

そのHoaenは実に強力な黒白のデッキを第1ドラフトで作り上げており、青黒デッキの斉藤 友晴との対戦がここで注目の試合に指定された。

斉藤 友晴は先ほどの試合レポートで登場した鍛冶 友浩とコンビを組んで活躍しているプレイヤーで、チーム『One Spin』としてプロツアーの決勝ラウンドも経験している。

Game 1

やはり、と言おうか。Hoaenは実にアグレッシブな立ち上がりで、2ターン目の《荒れ狂う鬼の奴隷/Raving Oni-Slave》から3ターン目の《荒場の蛾乗り/Araba Mothrider》へと繋ぎ、斉藤の《肉体の奪取/Rend Flesh》によって《奴隷》を失ってしまうものの、さらに《呪われた浪人/Cursed Ronin》を追加。攻めに攻めた。

一方、猛攻を前に防御線をなんとか構築しなければならない斉藤は、4ターン目に《空民の精神浚い/Soratami Mindsweeper》、5ターン目に《朧宮の微風呼び/Oboro Breezecaller》と《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》を呼び出した。

潤沢な黒マナを武器に、Hoaenは《呪われた浪人/Cursed Ronin》で2~3点のアタックを繰り返しつつ、戦闘後に後続として《竹沼の嫌われ者/Takenuma Bleeder》を召喚。順調に斉藤のライフを削り始めた。

しかし、7ターン目に斉藤 友晴が《鼠の守護神/Patron of the Nezumi》を『献身』能力によって(今回は《殺し屋》が生贄となった)インスタントタイミングでプレイし、不意をつくブロックによって《呪われた浪人/Cursed Ronin》の除去に成功。ただ、Hoaenは落ち着いて《影麻呂の手中/Kagemaro's Clutch》を戦闘後に使用し、《鼠の守護神》を除去。天秤が一気に傾いたりはしないのだった。

ここでHoaenは《裂け尾の巫女/Split-Tail Miko》を、斉藤は《ねじれた鏡映の神/Kami of Twisted Reflection》を盤上に追加し、続くHoaenの《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》を斉藤が見事に《邪魔/Hinder》で打ち消した。

斉藤 友晴

《石臼/Millstone》能力を持った《空民の精神浚い/Soratami Mindsweeper》をコントロールする斉藤だけに、この《邪魔》で《黒瘴》をライブラリーの上に戻すべきか下に置くべきかでかなり考え込むが、墓地再利用を警戒してか、底に送り込むことにしたわけだった。ちなみに、次の《石臼》効果によってHoaenのライブラリーから墓地に送られたカードの中には《狐の守護神/Patron of the Kitsune》の姿が…。

ともあれ、ここから状況はにわかに膠着し、一進一退でお互いのライフレースは1桁に突入していく。しかし、Hoaenは十分な《平地/Plains》をそろえた上で《荒場越えの突撃/Charge Across the Araba》をプレイして試合を終えたのだった。

Richard Hoaen 1-0 斉藤 友晴

そして、《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》、《狐の守護神/Patron of the Kitsune》、《荒場越えの突撃/Charge Across the Araba》といった各エキスパンションのトップ級カードたちをズラリと揃えたRichard Hoaenは2戦連取を果たし、このフューチャーマッチを白星で飾った。

Richard Hoaen 2-0 斉藤 友晴

いかにHoaenのデッキが強力であったかをお知らせするために、英語版記事からデッキリストを拝借してこよう。

Draft One DecklistRichard Hoaen

Download Arena Decklist

◆石田 格 vs. Chad Ellis

斉藤 友晴が苦戦している頃、チーム戦における司令塔としての実績で知られる石田 格がYour Moves GamesのChad Ellisとの試合で1本先取したところだった。

Ellisは緑白にタッチ赤い火力といった感じのデッキで、種族としてスピリットを強く意識した構成。対する石田のデッキは青黒の『忍者』メカニックを中核においたものだ。

Game 2

先手のEllisがマリガンスタートとなってしまった中で、石田が3ターン目に《霧刃の忍び/Mistblade Shinobi》を召喚。Ellisもなんとか《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》を4ターン目に召喚して《手甲/Shuko》を装着。石田が《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》を召喚したところで、5ターン目に《おとり》の能力を起動し、《忍び》の除去に成功した。

しかし、石田も返すターンに《ずべら》のアタックからの『忍術』起動で《霧刃の忍び/Mistblade Shinobi》の2体目を場に展開し、《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》をバウンス。戦闘後に《月弓の幻術師/Moonbow Illusionist》をプレイした。

ここでChad Ellisは《武道家の学徒/Budoka Pupil》を召喚してターンを終え、石田は飛行クリーチャーである《幻術師》による2点のダメージを与えてから、地上に《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》を再び配備した。Ellisが《狩猟の神/Kami of the Hunt》を、石田は《朧宮の微風呼び/Oboro Breezecaller》をそれぞれ追加する中、空飛ぶ《幻術師》が時を刻み続ける。

そして、Ellisは続くターンにもスピリットである《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》を召喚し、3/3となった《狩猟の神/Kami of the Hunt》で攻撃を行い、ターン終了時には《武道家の学徒/Budoka Pupil》を反転させることに成功する。しかし、石田は《未達の目/Eye of Nowhere》に《精神のくぐつ/Psychic Puppetry》を連携させて《学徒》をバウンスしつつ、《思念》をタップ。そう、《忍び》を通すためのギミックを炸裂させ、全軍突撃となった。

石田 格 vs. Chad Ellis

もちろん、Ellisとしてはここで《霧刃の忍び/Mistblade Shinobi》を通してクリーチャーをバウンスされてしまうわけにはいかず、虎の子の《山伏の炎/Yamabushi's Flame》を《忍び》へとプレイ。それによって被害を3点のダメージだけにとどめることになったが、飛行クリーチャーを焼き殺せないことが後々まで響くことになる。

石田 格は、Ellisの希望の星であった《兜蛾/Kabuto Moth》をきっちりと《汚れ/Befoul》で破壊した上での空中殺法を継続し、『忍術』からの《喉笛切り/Throat Slitter》展開によって《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》の除去にも成功。淡々と空から時を刻んでいく。

結局、地上にファッティらしいファッティを展開できなかった緑白のChad Ellisのデッキを相手に、きっちりと航空戦でケリをつけたのだった。

石田 格 2-0 Chad Ellis


Friday, July 8: 2:16 pm - Photo Gallery

by Keita Mori
朝食も英国式に。クロワッサンやダニッシュがプロプレイヤー・ラウンジで供された今回のプロプレイヤー・ラウンジでは本場のサッカー盤が。これもプレミアリーグを誇る英国式、ということだろうか観光地でおなじみ49.99$で販売されていたフィギュアのひとつ、《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》のフィギュア《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》のフィギュア《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》のフィギュア

Friday, July 8: 3:03 pm - Round 4:藤田 剛史 vs. Eugene Harvey

by Keita Mori

『Resident Genius』として、デッキ構築能力を評価されてMagic Invitationals 2005へと招待され、見事にベスト8へと輝いた藤田 剛史。対するは、アメリカのチームTOGIT=CMU連合が誇るリミテッダー『Eu-Genius』ことEugene Harvey(ユージーン・ハーヴェイ)。ちなみに、青白デッキの藤田は昨年度の日本チャンピオンであり、赤緑のHarveyも元アメリカ王者であったりするマッチアップだ。

藤田 剛史 vs. Eugene Harvey

先手マリガンのHarveyを尻目に、一戦目では藤田が《月翼の蛾/Moonwing Moth》、《ゆらめく玻璃凧/Shimmering Glasskite》と航空戦力を連打し、地上戦線を《光の心/Heart of Light》でシャットダウンするという作戦に成功。最後を《霊都の驀進/Plow Through Reito》による加速で綺麗に押し切った。

しかしながら、Harveyは二戦目に『歴伝』呪文である《不死の炎/Undying Flames》だけで藤田のライフを削りきってしまうという豪腕ぶりを見せつけ、ここからギアを全開。

三戦目のHarveyは、2ターン目に《悪忌の撃ち手、イシイシ/Ishi-Ishi, Akki Crackshot》、3ターン目に《節くれ塊/Gnarled Mass》、4ターン目に《残忍な詐欺師/Feral Deceiver》、5ターン目に《山伏の長、熊野/Kumano, Master Yamabushi》という完璧なマナカーブを描く。藤田は《兜蛾/Kabuto Moth》に《現実からの遊離/Freed from the Real》をプレイして+1/+2マシーンを生み出して抵抗しようとするのだが、《光の心/Heart of Light》を《残忍な詐欺師/Feral Deceiver》に使ってしまったというタイミングの悪さもあり、このレジェンドに土をつけられることになってしまった。

Eugene Harvey 2-1 藤田 剛史


Friday, July 8: 4:42 pm - Round 5:大礒 正嗣 vs. 石田 格

by Keita Mori

広島の大学生である大礒 正嗣は、『日本の』という冠をつけて紹介する必要の無い日本人の筆頭である。彼は個人戦プロツアーで4度も決勝ラウンドへと進出したというエリート中のエリートで、この点ではMike Long(マイク・ロング/アメリカ)、Mark Justice(マーク・ジャスティス/アメリカ)、Nicolai Herzog(ニコライ・ハースォグ/ノルウェー)、Bob Maher(ボブ・マーハー/アメリカ)といったスタープレイヤーたちと比肩する存在というわけだ。

一方、石田 格も十年をこえるキャリアを誇る日本のトップ。グランプリのベスト8入賞回数が14回と、Kai Budde(カイ・ブッディ/ドイツ)と同率で2位につけているという鉄人だ。また、チーム戦での名伯楽ぶりでも知られており、数々のチームを率いて結果を残してきている。神河ブロックへの造詣の深さも間違いないもので、先日のプロツアー・フィラデルフィアにおける準優勝デッキ『Kobito Deck Wins』のデザイナーでもある。

大礒 正嗣(左) vs. 石田 格

そんな二人は当たり前のように第1ドラフトを全勝で折り返し、第2ドラフトの緒戦もきっちりと白星で飾ってきた。大礒が赤緑、石田が青緑タッチ赤である。

Game 1

2ターン目に《刃鬣の獏/Blademane Baku》、3ターン目にその《獏》へカウンターを置きながら《節くれ塊/Gnarled Mass》、という素晴らしいマナカーブからビートダウンへの意欲を見せるのが後手の大礒。対する先手の石田は、2ターン目に《夢捉え/Dreamcatcher》、4ターン目に《空麻呂の末裔/Descendant of Soramaro》を置くという立ち上がりだ。

そこへ大礒は2体のクリーチャーで攻撃を宣言し、石田が1/1《夢捉え》で1/1《刃鬣の獏》をブロック。大礒は手札から《蛇の皮/Serpent Skin》をプレイして戦闘における一方的な勝利を飾り、3点のダメージを通した。

石田は続くターンに2/4の《桜族の春呼び/Sakura-Tribe Springcaller》を召喚してターンを終え、ここで大礒は2体のクリーチャーによる攻撃を再度選択した。石田は2/4《春呼び》で3/3《節くれ塊》をブロックしつつ2点をスルーすることになり、この戦闘後に大礒は5マナの3/3スピリットである《蕨の神/Fiddlehead Kami》を召喚し、《刃鬣の獏》にさらなるカウンターを。

石田 格は思い切って《素拳の岩守/Iwamori of the Open Fist》を召喚すると、ここで大礒の手札から後続が表れることは無かった。しかし、大礒は《すさまじい吹雪/Unearthly Blizzard》を詠唱して、《刃鬣の獏》にさらなるカウンターを加えつつ全軍で突撃。

石田「ぅーん。オレ、死ぬよね?」
大礒「このターンには無理ですけど、格さんのハンドにカウンターがなければ多分」
石田「…ないなぁ(笑)」
大礒「じゃあ、(と、手札にあった《山伏の炎/Yamabushi's Flame》を公開)」

大礒 正嗣 1-0 石田 格

緒戦を制した大礒の快進撃は2戦目でも続き、石田は爆弾カードである《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》を召喚する機会の訪れる前に敗れ去ってしまうのだった。

大礒 正嗣 2-0 石田 格


Friday, July 8: 5:56 pm - News & Notes volume 1

by Keita Mori
リミテッドプロツアーを連覇したことでも知られるHerzogが、《世界の源獣/Genju of the Realm》デッキに挑戦した
  • 世界最高峰のリミテッダーと畏れられるAnton Jonsson(アントン・ヨンソン/スウェーデン)が4回戦を終えた段階で初日落ちしてしまうという波乱。

  • 数年間リミテッドは初日落ちという憂き目にあっていた藤田 剛史が、第5回戦を終えた段階での4勝1敗で初日突破を確定。本人いわく「マスクス・ブロックでレベルデッキとかをドラフトしていた頃以来…」

  • グランプリ・アイントホーヘン王者でもあるSebastian Roux(セバスチャン・ロウクス/フランス)に失格裁定。ドラフト中に隣人の手札を覗き見したため。

  • Anton Jonsson、Michael Turian(マイケル・チューリアン/アメリカ)とともに『世界三大リミテッダー』と称されたNicolai Herzog(ニコライ・ハースォグ/ノルウェー)が10ヶ月ぶりにプロ・マジックの世界へ復帰し、第1ドラフトを3連勝。そして、第2ドラフトで彼が挑戦したのは…5cGの《世界の源獣/Genju of the Realm》デッキだ。

  • 今大会の最大勢力はアメリカ勢で、参加者は62名。そして、イギリスで開催のプロツアーであるにも関わらず、第2勢力はなんと日本勢。実に35人もの日本人プレイヤーがここロンドンで戦っている。

Friday, July 8: 8:15 pm - From Round 6 Standings

by Keita Mori
Rank Player Points Op.Win%
3 Oiso, Masashi [JPN] 18 63.88%
9 Fujita, Tsuyoshi [JPN] 15 67.59%
13 Morita, Masahiko [JPN] 15 64.81%
16 Kurihara, Shingou [JPN] 15 59.44%
20 Okamoto, Jin [JPN] 15 58.33%
30 Ogura, Ryou [JPN] 15 50.92%
33 Ishii, Taisuke [JPN] 14 48.51%
39 Oosawa, Takuya [JPN] 12 66.66%
48 Fujita, Osamu [JPN] 12 62.03%
57 Kaji, Tomohiro [JPN] 12 59.25%
65 Ishida, Itaru [JPN] 12 58.33%
78 Nishiwaki, Kazuhisa [JPN] 12 53.88%
85 Oomori, Tomoaki [JPN] 12 52.03%
90 Nakamura, Shuhei [JPN] 12 50.00%
94 Ikeda, Tsuyoshi [JPN] 12 48.33%
105 Komuro, Shuu [JPN] 12 41.33%

初日突破を果たした日本勢は、35名のうち16名。全勝は大礒 正嗣(広島)のみだ。


Friday, July 8: 9:36 pm - Round 7:大礒 正嗣 vs. Geoffrey Siron

by Keita Mori
大礒 正嗣 vs. Geoffrey Siron

第2ドラフトまでを6戦全勝で駆け抜けた大礒 正嗣が、初日全勝をかけて第7回戦にベルギーのGeoffrey Siron(ジェフリー・シラン)と戦うことになった。彼らはともにプロツアーコロンバスでベスト8に勝ち上がっているタレントで、直接対決もそれ以来だという。Sironはそのときの試合のことを実に良く覚えていて、「X=4の《精神の願望/Mind's Desire》で2枚の《精神の願望/Mind's Desire》がめくれるっていうトップデックでやられたんだよね!」と当時を回想した。

そんな、リベンジに燃えるSironの第3ドラフトでのデッキは白黒の優良ビートダウンで、《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》が率いる侍部隊が印象的だ。対する大礒は青赤で、豊富な火力呪文と忍者システムとがミックスされており、《手裏剣/Shuriken》と《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》が入っているデッキである。隠し味が『歴伝』の火力呪文、《不死の炎/Undying Flames》だ。

そして…期せずして、このゲームの行方を決するシーンを演出するのが《不死の炎/Undying Flames》ということになった。

Blessing of Leeches

消耗戦の末にほとんどのクリーチャーが墓地へ送り込まれ、大礒の側にはパーマネントらしいパーマネントはなく、残響し続ける《不死の炎/Undying Flames》だけが頼りという展開となった。そして、一方のGeoffrey Sironの側には《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》だけが生き残っているのだ。

大礒としては、《長雄》もこの『歴伝』魔法によってなんとか除去し、最終的にはSironの残りライフを燃やし尽くしてやるしかない。何せ、『歴伝』魔法に手を出してしまった以上、ほかの呪文を使うことは出来ないのだ。

そんなわけで、大礒は《不死の炎/Undying Flames》の対象に《長雄》を指定し、カードをめくるべくライブラリーに手をかけた。すると、

レスポンス。

…Geoffrey Sironはガッツポーズを作りながら、1枚の呪文をプレイした。

《ヒルの祝福/Blessing of Leeches》!

Geoffrey Siron 2-1 大礒 正嗣

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