Day 1 Blog Archive

Posted in Event Coverage on May 6, 2006

By Wizards of the Coast

TABLE OF CONTENTS

  • Blog - 9:17 p.m.: Round 7 : 中村 修平(大阪) vs. Joseph Crosby(アメリカ)
    by Keita Mori
  • Blog - 6:22 p.m.: Round 5 : 大礒 正嗣(広島) vs. Bernardo Da Costa Cabral(ベルギー)
    by Keita Mori
  • Blog - 4:15 p.m.: Round 3 : Jon Finkel(アメリカ) vs. 志村 一郎(茨城)
    by Keita Mori
  • Blog - 1:47 p.m.: Draft Report : 第1ドラフト―浅原 晃
    by Keita Mori

BLOG

スーパースター・フィンケル(手前)の上家となった浅原 晃

中世薫る街へとやってきた猛者たちの数は414名。うち40名が日本勢ということになり、今大会もっとも注目すべきプレイヤーを擁するアメリカ合衆国(参加者90名)に次ぐ第二勢力となった。ホノルルでは逃してしまった決勝ラウンドへの切符を、今度こそ取り戻したいところだ。

第1ドラフトでご紹介する浅原 晃は神奈川県在住のプロプレイヤーで、「構築最強王者決定戦」The Finalsの二連覇、世界選手権横浜大会でのベスト4入賞、グランプリベスト8入賞7回(うち2回を優勝)といった素晴らしい戦績を誇っている。

浅原はコラムニストとしても日本のマジック=コミュニティを代表する一人で、そのマジック理論や独特のセンスが光る「浅原語録」にはファンも多い。このイベント取材を読んでくださっている方のほとんどが、おそらく浅原の記事の数々を目にしたことがあるだろう。

また、浅原はマジックというゲームの歴史と伝統を愛する人物としても知られており、昨年度の世界選手権の決勝ラウンドで見せたスーツ姿など、実はJon Finkel(ジョン・フィンケル/アメリカ)をオマージュしたものだったというエピソードもある。

そして、偶然にもこの第1ドラフトで浅原の下家(左隣)に座する人物こそ、「今大会もっとも注目すべきプレイヤー」Jon Finkel御大ということになったのだ。

浅原 「…もう、ただのファンですから。Finkelがプロツアーに帰ってきたっていうだけでも嬉しいですよ」

そんな第7番卓。実は「浅原&Finkel」だけでなく、昨年度日本代表チームの一員として団体戦世界一をつかみとった志村 一郎(茨城)、数々の「ヤソコン」を構築シーンに送りだしてきた八十岡 翔太(神奈川)といったプレイヤーも加わっているので要注目である。

ここでは浅原のドラフティングを追いながら(振り返りながら)、彼のドラフト観やディセンションの考察を聞かせてもらおう。

■1st Pack ラヴニカ:ギルドの都

・1st Pick:《ヴィーアシーノの牙尾/Viashino Fangtail

緊張の面持ちでパックを開封した浅原。そこには《噛みつきドレイク/Snapping Drake》、《穏やかな霞/Halcyon Glaze》、《暗黒破/Darkblast》、《圧倒/Overwhelm》、《ヴィーアシーノの牙尾/Viashino Fangtail》、《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》といったカードがラインナップされていた。

――RGD環境となって、特に狙いたいと思っているアーキタイプというのはありますか?

浅原 「そうですね。個人的には赤青緑とかが好きですね。赤青系であれば三色目は緑でなくても、という感じですかね」

※RGD…ラヴニカ(Ravnica)+ギルドパクト(Guildpact)+ディセンション(Dissension)の略語。便利な短縮表現なので頻出の予定。

――では、一番最初の《ヴィーアシーノの牙尾》ピックですが、これも青赤志向という意味ではまず文句ないスタートだったでしょうか?

浅原 「ええ。…ただ、青い優良カードを2枚も下に流してしまったという意味では、気になるといえば気になるところですかね。Finkelは絶対に青を好きなはずなので」

浅原の危惧通り、下家のFinkelは2手目に《穏やかな霞/Halcyon Glaze》をピックし、彼自身が望んでいたという青路線に突き進むことになる。

・2nd Pick:《ウルサパイン/Ursapine

Ursapine

――流れてきましたね。トップレアが。

浅原 「カードパワー的に文句の無いところですが、青いカードがまったく入っていなかったのが少し気にはなりました。でも、緑をやらせてくれるというサインとしては最上級ですね」

このとき、浅原が下のFinkelに流した主なカードは《遥か見/Farseek》、《照らす光/Bathe in Light》などがあった。Finkelは《照らす光》をここからノータイムでピック。

以下、浅原は次のようにドラフトを進めていく。

・3rd Pick:《浄化の光線/Cleansing Beam
・4th Pick:《手練れの戦術/Master Warcraft
・5th Pick:《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm
・6th Pick:《ボロスの怒りの盾/Boros Fury-Shield
・7th Pick:《金切り声のグリフィン/Screeching Griffin
・8th Pick:《夜番の巡回兵/Nightguard Patrol
・9th Pick:《エルフの空掃き/Elvish Skysweeper
・10th Pick:《尊い祖霊/Benevolent Ancestor
・11th Pick:《金切り声のグリフィン/Screeching Griffin》二枚目
・13th Pick:《急使の鷹/Courier Hawk

――ざっと、3手目以降のピックについてなんですが…

浅原 「《ウルサパイン/Ursapine》をもらったものの、緑のカードが全然流れて来なかったんですよね」

――そうですね。2枚の《金切り声のグリフィン/Screeching Griffin》を中心とした白いカードを多数という感じに進んで行きましたよね。

浅原 「最初に赤いカードをとるか青いカードを取るかの選択はしましたけど、それ以降はとにかく白以外のまともなカードがあまり流れてこなかったという印象。赤緑にはじまって白が多く流れてきたというラヴニカですね」

■2nd Pack ギルドパクト

浅原 晃

・1st Pick:《イゼットの時術師/Izzet Chronarch

ここまで白+赤+緑という3色を中心としたカードをラヴニカで獲得してきた浅原が開封したギルドパクトのブースターには、《通り砕きのワーム/Streetbreaker Wurm》、《ゴーア族の野人/Ghor-Clan Savage》、《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》、《イゼットの時術師/Izzet Chronarch》といったカードが入っていた。

――ギルドパクトの緑を代表する5マナ軍団をさておいて《イゼットの時術師/Izzet Chronarch》をとりましたね。

浅原 「ただのパワーカードピックですね。青赤がやりたかったというのも勿論ありますけれど。というか、赤緑白はあまりやりたくなかったんですよ」

※パワーカードピック…デッキのアーキタイプをイメージして必要なパーツを集めていくピックではなく、カード単体としての強さを評価してそれをドラフトすること。

――なぜでしょう?

浅原 「ディセンションのギルドがからまない色の組み合わせはちょっと敬遠ですね。ディセンションのカードは特に強力ですから。アゾリウス(青白)でもシミック(青緑)でもいいので、3番目のセットのマルチカラーを取れるようにしたかったんです」

・2nd Pick:《通り砕きのワーム/Streetbreaker Wurm
・3rd Pick:《通り砕きのワーム/Streetbreaker Wurm
・4th Pick:《オーガの学者/Ogre Savant
・5th Pick:《幽霊の管理人/Ghost Warden
・6th Pick:《連弾炎/Pyromatics
・7th Pick:《グルールの印鑑/Gruul Signet
・8th Pick:《炎樹族の血鱗/Burning-Tree Bloodscale
・9th Pick:《イゼットの印鑑/Izzet Signet
・10th Pick:《グルールの潰し屋/Gruul Scrapper
・11th Pick:《グルールのノドログ/Gruul Nodorog

――ラヴニカでは結果として白中心のカードが集まってしまいましたが、ギルドパクトでは初手の《イゼットの時術師/Izzet Chronarch》に続いて2手目と3手目で《通り砕きのワーム/Streetbreaker Wurm》という具合に、イゼットとグルールという青赤緑のギルドのカードを中心に集めていきましたね。

浅原 「そうですね。ただ、ワームを取るときに1枚《思考訓練/Train of Thought》を下に流してしまったんですが、青いカードはそれ以外ほとんど流れてきませんでしたね。逆に、グルールの、というか緑のカードはFinkelからガンガン流れてきましたね」

――この時点、ラヴニカとギルドパクトを終えた段階での展望としては、青緑白赤といったカードの4色のパワーカードが取れている感じですが、ディセンションを迎えるにあたってどのようなイメージを持っていましたか?

浅原 「シミック(青緑)が流れてくれば青緑赤に、アゾリウス(青白)が流れてくるなら青白赤あたりになるのかな、っていうところですね。両方取れるならそれはそれで」

■3rd Pack ディセンション

・1st Pick:《アゾリウスのギルド魔道士/Azorius Guildmage

「デッキの最終系はディセンション次第」という浅原が迎えた第17パック目。

ここで浅原は《アゾリウスのギルド魔道士/Azorius Guildmage》という、リミテッド環境では支配的な強さを誇る1枚にめぐり合った。下に流してしまったカードには「タッパー」の《妨害の公使/Minister of Impediments》などがあったが、明らかに《ギルド魔道士》が質的に勝っている。

Azorius Guildmage

・2nd Pick:《宮廷の軽騎兵/Court Hussar
・3rd Pick:《シミックの成長室/Simic Growth Chamber
・4th Pick:《玉突き衝突/Carom
・5th Pick:《眼球の輪/Ocular Halo
・6th Pick:《アウグスティン四世大判事/Grand Arbiter Augustin IV
・7th Pick:《極光の幻霊/Aurora Eidolon
・8th Pick:《絹羽の斥候/Silkwing Scout
・9th Pick:《自由風の乗馬兵/Freewind Equenaut
・10th Pick:《芽吹く草ハイドラ/Sprouting Phytohydra
・11th Pick:《遮蔽する粘体/Shielding Plax
・12th Pick:《暴動のとげ/Riot Spikes

――シミックのカードはほとんど見かけませんでしたね。

浅原 「そうですね。青白のカードしかギルドのカード(マルチカラー)はまわってこなかった感じですね」

――結果として青白赤というスタイルのデッキになりましたが、このアーキタイプについて教えてください。

浅原 「実際にドラフトして作ってみるつもりなら、とにかくフライヤー(=飛行クリーチャー)を出来る限りつめこむっていうところですかね。多ければ多いほどいいと思いますよ」

――ちなみに、周囲のデッキはどのような感じに仕上がったと予想していますか?

浅原 「Finkelは青白黒でしょうね。《破滅の印章/Seal of Doom》やら色々流しましたしね。Finkelが青いんだから、間違いなく強いです。無敵の強さに期待しています」

――ちなみに、浅原さんのデッキは仕上がりとしてはどうなんでしょう? 三連勝狙えそうですか?

浅原 「いやいや(苦笑) 無理ですね。《アゾリウスのギルド魔道士》でタップしまくって勝つというパターンはあると思いますけれど、全体的にこれだっていうヤツがいませんから。いいとこ2-1でしょうね」

――ディセンションのレアですが、《アウグスティン四世大判事/Grand Arbiter Augustin IV》を取りましたよね。これって、実際に使ったことはありますか?

浅原 「使うのは初めてですが、4ターン目に出されたらたまらないと思いますよ。…あと、強いとか弱いとかというより、これ好きなんです」

――好きならしょうがないですよね。

浅原 「そういうことです。ピックせざるをえなかったんです」

Akira Asahara

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Jon Finkel

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結果としては、「帰ってきたスーパースター」Finkelが2勝1敗、浅原が1勝2敗という結末となった。浅原は第1回戦と第3回戦とをマナトラブルで落としてしまっており、悔やまれるところ。

他方、2連勝を飾ったFinkelに第3回戦で土をつけることに成功したのが……昨年度日本代表の志村 一郎だった。志村の活躍ぶりはFeature Match(注目の対戦)のレポートでお伝えしよう。

Friday, May 5: 4:15 p.m. - Round 3 : Jon Finkel(アメリカ) vs. 志村 一郎(茨城)

by Keita Mori
『ジョニー・マジック』に挑戦する志村 一郎

第3回戦のFeature Match(注目の対戦)には、第1ドラフトでの全勝をかけた対決が招待された。新たな世代の挑戦者と伝説的なプレイヤーによる一戦だ。

チームS.A.I.としてプロツアー・シアトルでベスト4入賞を果たし、昨年末には日本代表を団体戦世界一へと導いた志村 一郎(茨城)。挑戦者と呼ぶには、彼のプロフィールは少々立派過ぎるきらいがあるかも知れない……が、何といっても相手が相手である。

志村の目の前にすわっている男は、2005年度にマジック殿堂入りを果たしたスーパースタープレイヤー、『ジョニー・マジック』ことJon Finkel(ジョン・フィンケル/アメリカ)なのだ。ざっと彼のプロフィールを挙げていくと…

・生涯獲得賞金3000万円強
・グランプリのベスト8入賞回数が9回(うち優勝3回)
・プロツアーのベスト8入賞回数が11回!(うち優勝2回)
・インビテーショナル優勝 →《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》の肖像
・2000年には全米王者、世界王者、世界選手権団体優勝の三冠

…という具合で、マジックというゲームが誇る二大巨頭に挙げられる人物だ。

間違いなく志村も世界レベルの強豪なのだが、さすがにここは「胸を借りる」とでも表現するほかなさそうである。

志村タッチ
Finkel

Game 1

先手をとった志村が《検分するスプライト/Surveilling Sprite》に《妨害の公使/Minister of Impediments》を続ける立ち上がりを見せると、後手Finkelも《アゾリウスの一番翼/Azorius First-Wing》から《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet》経由の《急使の鷹/Courier Hawk》と応じる。一方が1/1フライヤー&1/1タッパー、もう一方も1/2フライヤー&2/2フライヤーという応酬である。実は志村はメインカラーであるが出ないのだが、それを感じさせない展開だ。

志村はFinkelの2/2飛行《アゾリウスの一番翼》をタッパーの《公使》で封じこめながら《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》をセットしてマナを伸ばし、Finkelは地上に2/1先制攻撃の《夜番の巡回兵/Nightguard Patrol》を配備。1/2飛行の《急使の鷹》によってFinkelが小さくビートを刻む展開となった。

《ゴルガリの腐敗農場》がアンタップしたことによって待望のをとうとう手に入れた志村は、ディセンションのシミック=ギルドの注目のカードである3/3飛行《突撃ゼッペリド/Assault Zeppelid》を召喚。さらに、続くターンにも「ラヴニカ最強コモンクリーチャー」との呼び声もある《ヴィダルケンの放逐者/Vedalken Dismisser》を呼び出して敵陣の《鷹》をライブラリーの最上段へと追放し、反転攻勢の構えを作った。《セッペリド》でアタック3点。

《ヴィダルケンの放逐者》によってドローを淀まされてしまったFinkelは、地上の《巡回兵》をタップされながら1/2飛行《急使の鷹》を再召喚するだけというアクションにならざるをえない。

ここで得たテンポアドバンテージを活かして追撃したい志村は、キッチリと後続の――それも、おそらくこの局面では最高の一枚となるレア――《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》を召喚。4/1速攻、トランプル。まさに完璧。アタック10点。

この返しでFinkelはなんとか6マナ3/3飛行の《侵略グリフィン/Harrier Griffin》を呼び出して陣容をかためにかかるが、志村は犠牲を省みない果敢なアタックを実行して『ジョニー・マジック』の残りライフを1にまで削り落とし、2体目のタッパー――《妨害の公使/Minister of Impediments》――を陣容に加えた。

さすがに勝負あったか。

ジャッジもギャラリーたちもそんな顔でスコアボードの欄を見つめた。まもなく志村の側に「1」という数字のプレートがおかれるだろう、と。

……しかし、ここで魅せるのがスタープレイヤーだ。

キャントリップ呪文を使い捨てにでもするかのような何気ない仕草で、ジョニー・マジックはをひねりだし、一体の白いクリーチャーを召喚した。

Blazing Archon

《魅力的な執政官/Blazing Archon》――5/6飛行、クリーチャーはあなたへの攻撃に参加できなくなる――だ。

Jon Finkel健在なり。スタープレイヤーかくあるべし。

瀬戸際で踏みとどまったFinkelは続くターンにも《すがりつく闇/Clinging Darkness》を使用してタッパーの片割れを除去し、大型飛行軍団による反転攻勢を開始した。今度は志村のライフがみるみる危険水域へと近づいていくという、実にダイナミックなゲーム展開だ。

…しかし、ここで逆転に次ぐ逆転が実現した。

志村 一郎は8マナを使用しての《思考訓練/Train of Thought》によってカードを4枚ドロー。そこで得た《撤廃/Repeal》によって《魅力的な執政官》をバウンス(!?)することに成功し、見事にかつての最強王者に土をつけた。

志村 1-0 Finkel

Game 2

最初に登場したパーマネントがFinkelの3ターン目の「置きダーバニ」こと《破滅の印章/Seal of Doom》という緩やかな立ち上がりのゲーム展開の中で、《仮面の工作員/Agent of Masks》を呼び出して小刻みにライフアドバンテージを獲得しながら、《侵略グリフィン/Harrier Griffin》を展開するFinkel。

対する志村は4ターン目に《検分するスプライト/Surveilling Sprite》、5ターン目に《胞子背のトロール/Sporeback Troll》、6ターン目に《とぐろ巻きの巫女/Coiling Oracle》と召喚して頭数を揃えて対抗した。

続けて志村は7ターン目に《ヴィダルケンの放逐者/Vedalken Dismisser》を召喚して《グリフィン》をライブラリー最上段へと追い返し、Finkelは続くターンに《グリフィン》を再召喚。

ここで志村が全軍突撃を宣言。

明らかにコンバットトリックの臭いをただよわせての「思わせぶり」なアタックだが、Finkelはここで1/1《とぐろ巻きの巫女》を3/3《侵略グリフィン》によってブロック宣言。志村はコンバットトリック《野生の寸法/Wildsize》を使用しての相討ちに成功し、戦闘後には3/2飛行の《噛みつきドレイク/Snapping Drake》をプレイ。

もっとも、この《ドレイク》は続くFinkelの攻撃宣言によって2/3《工作員》との相討ちということになった。Finkelは戦闘後に《工作員》と《グリフィン》を《死の円舞曲/Macabre Waltz》によって回収し、手札からは《不和の化身/Avatar of Discord》を捨てた。捨てられたカードをじっくりと確認して、志村はまばたきする。

それにしても、志村は再利用されていく《仮面の工作員》と《侵略グリフィン》に対する根本的解決策となるカード――タッチした《大竜巻/Savage Twister》だとか、せめてタッパーの《妨害の公使》だとか――を引けない。せいぜい、3/3の《シミックのぼろ布蟲/Simic Ragworm》を地上に展開できたのみである。

先ほどの試合、土壇場での《魅力的な執政官/Blazing Archon》で魅せたFinkelは、ここぞと5マナ4/3飛行クリーチャーの《空の軽騎兵/Sky Hussar》を展開。

今度こそ、Finkelのクリーチャーが決定打となった。

Finkel 1-1 志村

『ジョニー・マジック(右)』 vs. 志村 一郎

Game 3

ふたたび先手を取り戻したのが志村。ここで2ターン目に《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》でのマナブーストを果たして、3ターン目にタッパーの《妨害の公使》召喚から「バウンスランド」《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》セットという完璧な動き。

さらに、4ターン目に《棘茨の精霊/Bramble Elemental》を展開した上で、5ターン目にこれに《鉄の樹の拳/Fists of Ironwood》をエンチャント。4/4トランプルクリーチャーの隣に4体の1/1トークンが出現するという王道コンボをしっかりと決める。ついでに志村は《とぐろ巻きの巫女/Coiling Oracle》でライブラリーをめくると、そこには悪魔のように微笑む《ヴィダルケンの放逐者/Vedalken Dismisser》の姿があった。筆者の語彙の乏しさが申し訳ない限りだが、とにかく正真正銘の完璧な動きである。

他方でFinkelの序盤の動きがどうだったかというと、2ターン目に召喚した《急使の鷹/Courier Hawk》に《プラーフの聖騎士/Paladin of Prahv》を「予見」させてアタック宣言といったあたりが関の山で、淡々とバウンスランド(=お帰りランド)を場に並べているだけという暖機運転の様相。

なんとかFinkelは《破滅の印章/Seal of Doom》で4/4《精霊》の除去には成功したが、そこへ「召集」エンジン全快での《種のばら撒き/Scatter the Seeds》を叩き込む志村。これで1/1トークンは……なんと7体!?

多勢に無勢。よくぞ言ったものである。

志村 2-1 Jon Finkel

閑話休題。

志村の快挙について、さらに付け加ええておきたいことがある。彼は第1ゲームに「見えない」好プレイをしていたのだ。

基本的に筆者はJon Finkelの手札が見える状態でこの試合を観戦していたのだが、筆者やFinkelは英語版取材記者の"BDM"Brian David-Marshall(ブライアン・ディヴィット=マーシャル)に指摘されるまで、志村の好プレイには気づかなかった。

むしろ、Finkel側(の目線)に最後まで気づかれなかったという点で、彼のプレイは成功したと言えるのかもしれない。

BDM 「第1ゲームの終盤、イチローのアタックによって残りライフがたった1点にまで削り落とされてしまったときのこと覚えている?」

筆者 「もちろん。Finkelの反転攻勢に耐えながら、なんとか《思考訓練/Train of Thought》で4枚のカードを引いて、そこで見つけた《撤廃/Repeal》を10マナでプレイしてバウンスして…っていうフィニッシュのとこでしょ?」

BDM 「そこ! そこだよ!」

筆者 「10マナで《撤廃/Repeal》なんてなかなか見れないものだし、素晴らしいプレイだったよね」

BDM 「いや。ポイントはそこじゃなくて、イチローは《思考訓練/Train of Thought》の前から《魅力的な執政官/Blazing Archon》を対処できるカードを持っていたんだけど、それを『隠し通した』ってのがナイスプレイだったんだよ」

筆者 「Finkel側で見てた私が最後まで気づかなかったわけだから、手札に何かをずっと我慢していたっていうことだよね?」

BDM 「そう。結局3ゲーム通してイチローはプレイする機会がなかったスペルなんだけどね」

筆者 「…ってことは、タッチ赤の…?」

BDM 「そう。《大竜巻/Savage Twister》を志村は何食わぬ顔で隠し通したんだよ。Finkelの攻勢を前に、あれはすごい判断だと思ったね」

かくして、伝家の宝刀を抜かずしてFinkelを倒した志村なのだった。

Ichiro Shimura

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Jon Finkel

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Friday, May 5: 6:22 p.m. - Round 5 : 大礒 正嗣(広島) vs. Bernardo Da Costa Cabral(ベルギー)

by Keita Mori
世界で有数のリミテッダーとして尊敬されている大礒 正嗣

第5回戦のFeature Match(注目の対戦)には、「プロツアー・サンデーを経験したことのないプレイヤーの中では世界最強候補」と呼ばれている次代の注目株――Bernardo Da Coasta Cabral(ベルナルド・ダ=コスタ=キャブラル/ベルギー)――が登場する。

ちなみに、Bernardoらとともにこのカテゴリーで候補に挙げられるプレイヤーが大阪の森田 雅彦だ。Bernardoにしても森田にしても、そろそろブレイクしてもおかしくない頃合なのかもしれない。

ここでBernardoが挑戦するのが、プロツアー・サンデーを5回経験しているという広島の若武者、大礒 正嗣だ。日本が誇る世界屈指の名手である。

大礒は 日本語公式サイト(タカラトミー)やGAME JAPAN誌(ホビージャパン)といった媒体へラヴニカ・ブロックのリミテッド攻略記事を寄稿しているプレイヤーでもあり、おそらくはこのプロツアーの経験を著作に活かすことになるだろう。

そんな大礒のラウンドごとの対戦メモを見てみると、試合展開によるライフトータルの推移だけでなく、プレイにおける彼の所感や雑感、マッチのキーとなったカードなどがあれこれメモされている。彼の精巧で緻密なプレイスキルは、こうした日々の研鑽によって磨かれているということだろう。是非とも見習ってみたい習慣だ。

大礒
Bernardo

Game 1

先手のBernardoは0/5壁こと《幻の漂い/Drift of Phantasms》を召喚して守りをかためながら大礒の最初のクリーチャーへと《撤廃/Repeal》。2/1飛行の《絹羽の斥候/Silkwing Scout》が大礒の手札へと戻り、大礒は4ターン目にこの《斥候》の再展開でなく《極光の幻霊/Aurora Eidolon》 召喚というプランを選択した。

ここでBernardoは3/3《蛮族の裂け目切り/Barbarian Riftcutter》を召喚し、大礒が《絹羽の斥候》と《幽霊の管理人/Ghost Warden》の2体を展開して対抗。6ターン目にBernardoは3/3《蛮族》で攻撃を行って大礒のライフを17点に削り落とし、この戦闘のみでターンを終了。

さて。

0/5の壁だけがアンタップしているBernardoの場をじっくりと眺めてから、大礒は「速攻」持ちの航空戦力である《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》を呼び出し、《管理人》をのぞく全軍でアタック宣言。3体のパワー2アタッカーを前に、Bernardoは淡々と《空騎士の軍団兵》を壁でブロック。ここで大礒は「ブロックされなかったほうをパンプアップ」と宣言して《極光の幻霊》 へと+1/+1の修整を《幽霊の管理人》によって与えた。

……ここへ、狙い済ましたコンバットトリックが炸裂! 

Carom

Bernardoの《玉突き衝突/Carom》によって《幻の漂い》へと与えられるはずのダメージのうち1点が2/1飛行の《絹羽の斥候》へ与えられることになり、さらにキャントリップのドローが1枚。

この、「らしくない」不用意な能力起動によって対戦相手にカードアドバンテージを掴む機会を与えてしまった大礒は苦い表情で、「なにやってんだ、オレ!」と自分を戒める。

鮮やかな《玉突き衝突》を決めた後、エンドステップにBernardoは2枚目の《撤廃》を《幽霊の管理人》へとプレイし、バウンス効果とともにさらなる1枚をキャントップ。とかく優良キャントリップ呪文の連発で印象的なのがBernardoのデッキである。

続く7ターン目。ここでBernardoがプレイした《ヴィダルケンの策謀者/Vedalken Plotter》がゲームに大きな影響を与えた。一般的には相手のキーとなるバウンスラウンドを奪い取ることによって相手のマナベースを攻撃しつつアドバンテージを取るという使い方をするクリーチャーだが……今回の《策謀者》は大礒の《平地/Plains》を奪うという役目を果たした。これによって大礒はマナソースを失ってしまい、これが随分と長い間回復できなかったのだ。

大礒は苦しみながら3/3《鉱岩流液獣/Petrahydrox》を展開して《蛮族の裂け目切り》への相討ちを企図するが、ここでもBernardoのコンバットトリック、《飛び火/Leap of Flame》がそれを阻む。

ことのほか大活躍を続ける3/3の《蛮族の裂け目切り》でアタックを継続するBernardo。大礒は2/2飛行の《空騎士の軍団兵》と2/2《極光の幻霊》によるダブルブロックを宣言。……すると、ここでもBernardoは2枚目となる《玉突き衝突/Carom》を詠唱して大礒のクリーチャー2体と《蛮族》を相討ちとし、キャントリップ。もちろん、戦闘ダメージをスタックにのせてから《蛮族》は土地破壊能力を起動し、大礒の《島/Island》を破壊した。

それにしても、(個人的な見解で恐縮だが)こんなにも《蛮族の裂け目切り/Barbarian Riftcutter》が強いクリーチャーに見えたのははじめてである。案外、やるときはやるものなのだろうか。あるいは、コンバットトリックさえあればクリーチャーなど何でもいいのだろうか。

ともあれ、さっそく戦闘後に次なる3/3、《ギルド渡りの急使/Transguild Courier》をプレイするBernardoであった。

さて、苦しい大礒も《テラリオン/Terrarion》からをなんとか捻出して《爆撃グリフィン/Divebomber Griffin》の召喚につなぐが、返すターンにBernardoは3/3《急使》と1/1《策謀者》での攻撃を通してから《スカルガンの火の鳥/Skarrgan Firebird》召喚! 「狂喜」を満たして舞い降りた不死鳥のサイズは6/6飛行。堂々のフィニッシャーサイズだ。

返すターンに大礒は3/3《オーガの門壊し/Ogre Gatecrasher》を配備し、次なるBernardoの攻撃に対して防備をはかる。6/6《スカルガンの火の鳥》を3/2《爆撃グリフィン》でのブロックからの「爆撃」能力起動で、3/3同士を素直に相討ちで仕留めて一安心。矢の雨のように降り続けたBernardoのコンバットトリックも、さすがに種切れということだろうか。

ちなみに、《スカルガンの火の鳥》を回収できるようになるには、まだまだがひとつ足りない状態なのだが、潤沢なを背景にBernardoは《オルドルーンの猛士/Ordruun Commando》をプレイ。

ここで大礒は2/1《野良剣歯猫/Sabertooth Alley Cat》と1/2飛行《ウトヴァラの頭剥ぎ/Utvara Scalper》という2体を召喚して対抗するも、Bernardoの4/1《オルドルーンの猛士》のアタックは通さざるをえない。この戦闘後にBernardoは《謎の幻霊/Enigma Eidolon》を呼び出してターンを渡し、大礒は回避能力もちのクリーチャーたち(猫はを払って能力起動)で攻撃を宣言。4点食らって3点返すというダメージレースだ。

大礒は殴り返した後に《ボロスのギルド魔道士/Boros Guildmage》を召喚し、さらに《幽霊の管理人》の追加を画策。しかし、ここでのタップアウトを狙ったBernardoの《驚愕ルーン/Runeboggle》が突き刺さり、大礒の《管理人》はカウンターされてしまう。またしてもBernardoは1枚のカードをキャントリップ。

《驚愕ルーン/Runeboggle》に限らず、やはり《魔力の乱れ/Force Spike》系のカウンターを綺麗に決めることが出来たプレイヤーは嬉しいものだ。ニヤリと笑いながらBernardoは4/1《猛士》と2/2《謎の幻霊》でのアタックを通して6点のダメージを与え、戦闘後に1/3飛行の《小柄な竜装者/Wee Dragonauts》を自陣に追加してターンを返した。

かくして残りライフ4点まで追い詰められてしまった大礒。意を決し、先ほどと同様のアタックを宣言することになったのだが、またしてもBernardoはここでインスタントを詠唱する。

今度は注目の分割カードである《確率+結末/Odds+Ends》によって2体の攻撃クリーチャーが除去されてしまい、さすがの大礒もこれにて投了を宣言することになった。

序盤から終盤まで、Bernardoがひたすらトリック呪文を決め続けた一戦だった。

Bernardo 1-0 大礒

Bernardo Da Costa Cabral

Game 2

第1ゲームを獲得したBernardoは絶好調の気配。対して大礒は先手マリガンからの重たいスタートとなってしまい、《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》が手札にありながらこれを3ターン目にプレイできないという不満の残るスタートを余儀なくされてしまう。

Bernardoはやはり《幻の漂い/Drift of Phantasms》を展開して序盤の守りを鉄壁とし、インスタント呪文を連発。真っ直ぐに《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》と《スカルガンの火の鳥/Skarrgan Firebird》の競演という圧倒的なフィニッシュへと真っ直ぐにアプローチしてみせたのだった。

あっけなく終幕。

大礒としては実に後味の悪い試合となってしまったことだろうが、世界最高峰のプレイヤーとしての巻き返しに期待したい。

Bernardo 2-0 大礒

Masashi Oiso

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Bernardo Da Costa Cabral

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Friday, May 5: 9:17 p.m. - Round 7 : 中村 修平(大阪) vs. Joseph Crosby(アメリカ)

by Keita Mori
レベル6魔法使い、中村 修平

2回のドラフティングを終え、ここまでを4勝2敗で切り抜けてきているプレイヤーたちが二日目進出を果たすことになった。上位140名が第3ドラフトに挑戦できることになり、ベストエイト入賞を目指してしのぎを削るのである。

イベントの運営スケジュールとしては……本日(金曜日)第3ドラフトを行い、そのドラフト卓の中での緒戦となる第7回戦の試合までで散会。プレイヤーたちはドラフトしたデッキを宿泊地に持ち帰り、翌朝9:00からスタートする第8回戦に備えるということになる。

もちろん、デッキ登録がなされているために「持ち込み」などの不正行為の心配はまったくない。……が、すべてのプレイヤーがこの第7回戦を終えてから翌朝までの間にサイドボーディングなどを検討するチャンスを与えられることになるということも、紛れもない事実である。

以上のような理由により、この第7回戦の試合レポートでは第3ドラフトのデッキリストを掲載できないということをお断りしておきたい。ネット上にデッキリストが公開されてしまうことにより、同じドラフト卓のライバルたちに手の内を完全に知られてしまうことになるからだ。

もっとも、試合の推移のレポートだけでも、彼らのデッキの「概要」がわかってしまうかもしれないが……それは言わぬが花である。

さて。

ここで登場するのは日本勢トップグループとなる5勝1敗ラインから中村 修平(大阪)だ。昨シーズンにプロツアー・コロンバス準優勝、世界選手権横浜大会でベストエイト入賞といった大活躍を果たしている人物で、プロプレイヤークラブにおける最高位「レベル6」へと到達している世界的強豪の一人だ。

中村は第1ドラフトでは白黒赤タッチ緑という「驚異のグチャグチャデッキ(本人談)」となってしまっているのだが、そこを「数々の奇跡の勝利(本人談)」によって2勝1敗と勝ち越している。中村の第2ドラフトでのデッキは白青タッチ《呪詛/Hex》で、これによって見事3連勝。通算5-1という堂々のポジションで第3ドラフトに挑み、今回は黒白赤のデッキを仕上げた。

中村いわく「ラヴニカでピックした緑色のカード各種が無駄になってしまったぶん、ピックで少し損をしているという仕上がり」だが、「《太陽打ちの槌/Sunforger》をはじめとしたパワーカードによるビートダウン」という明確な勝ちパターンも見せてくれる内容である。

Game 1

中村がここで戦うJoseph Crosbyはアトランタに住まうアメリカの古豪。いわゆるプロツアー・サンデー級の快挙こそ無いものの、長く活躍しているベテランということだそうである。

後手となったCrosbyが第2ターンに1/3の《ディミーアの浸透者/Dimir Infiltrator》を召喚するという立ち上がりを見せ、対して中村は3ターン目に《標の鷹/Beacon Hawk》を展開。Crosbyは《ラクドスの印鑑/Rakdos Signet》を置いてから《アゾリウスの大法官庁/Azorius Chancery》をセットという具合にマナ域の拡大につとめた。

Sunforger

ここで先手中村は第4ターン目に《太陽打ちの槌/Sunforger》をプレイして大きなインパクトを盤面にあたえる。が、対するCrosbyも地道にライフアドバンテージを稼ぎ出す《仮面の工作員/Agent of Masks》で応じた。ゲームの最終局面にいたるまで、4ターン目に登場した双方のパーマネントが大きな役割を果たすことになる。

ここで飛行クリーチャーである《鷹》が《太陽打ちの槌/Sunforger》を纏っての一撃を加え、中村 は戦闘後に《幽霊の管理人/Ghost Warden》を追加。対するCrosbyは《工作員》でライフアドバンテージを獲得しながら「アンブロッカブル」な《ディミーアの浸透者》で中村を攻撃。戦闘後に《哀悼のスラル/Mourning Thrull》と2体目の《ディミーアの浸透者》を場に加えた。

続く「太陽打ちの鷹」の6点のアタックによってCrosbyのライフを9点にまで削り落とし、場には1/4《魂誓いの陪審/Soulsworn Jury》を加えた中村。しかしながらCrosbyもエンドステップの《撤廃/Repeal》で《鷹》をバウンスし、時間を稼ぐ。

そう、時間さえあれば。そうなれば、時限爆弾のように機能する《仮面の工作員》によるライフアドバンテージと2体の《ディミーアの浸透者》の防御無効化機能が大きな意味をもつのだ。Crosbyは時計の針を少し進め、《強迫的な研究/Compulsive Research》をプレイして手札を拡充してターンを返す。

そして、中村が再召喚した《鷹》に《太陽打ちの槌》が装備されようというところへ、Crosbyが狙い済ませた《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》を叩き込む。お互いが軸をずらしてダメージを与えあうという「ライフレース」の様相となっているだけに、ここでクリーチャーを除去しながら2点のライフを獲得できるのは大きい。しかし、中村も盤面に2/2飛行《盲目の狩人/Blind Hunter》を呼び出して、場に出たときの「2点ドレイン」能力を誘発させて対抗する。

その返しのターンでCrosbyは《思考訓練/Train of Thought》で1枚のカードを引き、場には3体目の《ディミーアの浸透者/Dimir Infiltrator》を加えた。繰り返すが、3体目の《浸透者》である。

Crosbyは続く中村の「太陽打ち」アタックを《哀悼のスラル》のチャンプブロックでさばき、返しのターンに《屍術の渇き/Necromantic Thirst》を《浸透者》にまとわせてアタック。このエンチャントによってチャンプブロック要員の《哀悼のスラル》が墓地から拾い上げられ、ふたたび場に登場した。

チャンプブロックしながら1点のライフを獲得することができる《哀悼のスラル/Mourning Thrull》。これを墓地から循環させる装置が完成したということは、Crosbyのダメージクロックたちが本当に大きな意味を持つということになる。

そんなことは先刻承知の中村。《スラル》に《薄暗がりへの消失》を叩き込んでから6点のダメージを与え、戦闘後に「《太陽打ちの槌》をはずす」ことによってデッキから《屈辱/Mortify》をプレイし、《屍術の渇き》つき《ディミーアの浸透者》という凶悪なターゲットを破壊。最悪のチャンプブロック永久機関を破壊することに成功した。

ここまで、実に見ごたえある攻防の応酬だった。

しかしながら、ここからCrosbyは《思考訓練/Train of Thought》を巧みに使いこなして後続のチャンプブロック要員を確実に上空に展開。対して中村のドローがよどんでしまったという好対照もあり……《仮面の工作員/Agent of Masks》と《ディミーアの浸透者/Dimir Infiltrator》がダメージレースを制することになった。

Crosby 1-0 中村

アメリカのJoseph Crosby

Game 2

ふたたびの先手をとって心機一転のビートダウンを成し遂げたい中村だったが、ここにきて痛恨のダブルマリガンスタート。

対照的にCrosbyは順調にマナを伸ばしながら2枚、3枚と《思考訓練/Train of Thought》で潤沢なマナをハンドアドバンテージに還元するという青い王道パターンを実現した。

ダブルマリガンなりに奮闘したかもしれない中村ではあったが、6ターン目に登場した《秘密の王、ザデック/Szadek, Lord of Secrets》が対処不可能。これによってライブラリーを削りきられてしまう形で敗北してしまった。

Crosby 2-0 中村

金曜日のレポートの最後に、中村が見事な3連勝を飾っている第2ドラフトでのデッキをご紹介しておこう。

まだまだ未開拓な分野であるRGDドラフトアーキタイプを考える上でご参考いただければ幸いだ。

第3ドラフトでのデッキリストを掲載できないかわりの巻末付録だが、ご一読あれ。

Shuhei Nakamura

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