不死鳥に死を
マスターズ・ヴェニス、それは世界最高峰の8つのチームだけが出場することをゆるされたプレミア・トーナメントである。そして、そのマスターズ準々決勝(緒戦)の中でもっとも注目を集めたカードが、前回のマスターズで決勝を争った二つのチームが再会したマッチアップだった。ずなわち、Kai BuddeひきいるPhoenix Foundationに日本のPanzer Hunterが再挑戦する構図である。
プロツアーニューヨーク、マスターズ大阪、プロツアーボストン。チーム結成以来のタイトルをまさしく総なめにしてきた不死鳥財団。ここヴェニスでも彼らは王者の貫禄すらただようドラフトを披露し、多くのギャラリーはここでの「順当な」幕切れを予感したようだった。事実、肩をいからせながら彼独特の笑いをうかべるBuddeと青ざめた石田といった風に、ドラフト終了直後の舵取り役二人の表情があまりにも対照的であった。
しかし。
百瀬和之がDirk Baberowskiを圧殺し、石田格はそれしかないという完璧なタイミングで《残酷な蘇生/Cruel Revival》をトップデッキした。...かくて、誰もがなしえなかった巨人殺しを、三人の日本人が実現させてしまったのだ!
そして、準決勝へと駒を進めたPanzer Hunterを迎え撃つのは...P.S.2である。