Day 2 Blog

Posted in Event Coverage on March 9, 2008

By Wizards of the Coast

EVENT COVERAGE

  • Blog 22:30: Decktech: 親和(エルフ)
    By Daisuke Kawasaki
  • Round 15:  長岡 崇之(大阪) vs. 植田 勝也(愛知)
    By Daisuke Kawasaki
  • Round 14: 富井 翼(東京) vs. 三田村 和弥(千葉)
    By Naoaki Umesaki
  • Round 13: 浜田 亮(大阪) vs. 石村 信太朗(埼玉)
    By Daisuke Kawasaki
  • Round 12: 彌永 淳也(東京) vs. 岡本 尋(愛知)
    By Naoaki Umesaki
  • Round 11: 浅原 晃(神奈川) vs. 真貝 さら(神奈川)
    By Daisuke Kawasaki
  • Round 10: 今川 浩匡(大阪) vs. 津村 健志(広島)
    By Daisuke Kawasaki
  • Round 10: 高橋 優太(東京) vs. 三田村 和弥(千葉)
    By Daisuke Kawasaki
  • Blog 10:55: Day 2 Metagame Breakdown
    By Naoaki Umesaki
  • Blog 10:45: ヘッドジャッジ談話―宮坂 健(神奈川)
    By Keita Mori
  • Blog 9:30: Day 1 Undefeated Standard Decklists
    By Keita Mori
  • Blog 8:58: Quick Questions #4
    By Event Coverage Staff
  • Day 1 Blog: Read all the day 1 coverage here!
    by Event Coverage Staff
  • Info: Last Chance Grand Prix Trial Winning Decklists
    by Event Coverage Staff
  • Info: Fact Sheet
    by Event Coverage Staff

BLOG

Blog 8:58 - Quick Questions #4

By Event Coverage Staff

Q4. 初日全勝おめでとうございます。ご使用のデッキと勝因を教えてください。

藤本 太一(東京): 津村 健志(広島): 今川 浩匡(大阪):
エルフです。勝因は《不敬の命令/Profane Command》を綺麗にゲーム後半に引けたことですね! ヒバリです。勝因は…苦手なミラーマッチが少なかったからですかね(笑) ラッキー! 赤単です。ローリー(藤田 剛史)さん、いつもありがとうございます!

Blog 9:30 - Day 1 Undefeated Standard Decklists

By Keita Mori

Hiromasa Imagawa

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Taichi Fujimoto

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Kenji Tsumura

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Blog 10:45 - ヘッドジャッジ談話―宮坂 健(神奈川)

By Keita Mori

グランプリ静岡を支えるジャッジスタッフたち

800名を超える参加者を集めてグランプリ静岡。春休みに開催されるスタンダードの祭典と言うことで、イベント運営をささえるジャッジも重厚な布陣となっている。全国から集まった数多くのジャッジを代表して、今大会ヘッドジャッジの宮坂 健(神奈川)氏にイベントにまつわる様々な話を聞いてみよう。

――まだまだイベントも折り返したところですが、ここまでのグランプリ静岡を振り返っていただけますか?

宮坂 「おかげさまで、いまのところ成功していると言えるだろうと思います。春休みに行われるスタンダードのイベントということで、数多くの来場者、イベント初参加という方も相当いらっしゃるだろうと事前から我々は予測しておりました。皆さんに心からイベントを楽しんでいただくために、31名というかなり大所帯でジャッジ編成をさせていただきました」

――ずっとイベント取材させていただいていますが、たしかに今回はスタッフのゼブラシャツがいつも以上に目立つ気がします。

宮坂 「一年前にグランプリ京都でもヘッドジャッジをつとめさせていただきましたが、やはりスタンダードということで多数の来場者にめぐまれたイベントでした。あの時は25名でチーム編成していたのですが、今回はそれ以上のサービスをご提供したいという思いでメンバーを多めに募りました」

――今回、来場者からはどのようなルール質問が多かったのでしょう?

宮坂 「そうですね。やはり《目覚ましヒバリ/Reveillark》はよく使われているカードなのですが、いわゆる無限(※厳密にはマジックに無限はないが、論理上ほとんどそれに等しい動きを見せる)コンボを決めようとして、その手順を間違えてしまう方というのは多かったですね。なんとなくわかっている、というのでも普段遊んでもらう分にはかまわないのですが、こういった公式戦の舞台では、その仕組みを対戦相手にきちんとロジカルに説明できるようになっているのが望ましいです」

ヘッドジャッジ宮坂 健(DCI認定レベル3ジャッジ)――今大会、しきりとシャッフルの仕方について啓蒙されているのも印象的です。

宮坂 「はい。実は、国際的に指摘されることが多い問題として、日本人はデッキのシャッフルが甘いと言う一般的な傾向があります。デッキはランダムにシャッフルされた状態でなければ適正ではない、という、グローバルスタンダードを皆さんにちゃんと知っていただきたいという思いがあります。ちょっと難しいことを言うと、懲罰方針という世界的な規定で、この項目がより厳しくチェックされるようになったという背景もあります」

――なるほど。ところで、先ほどの話に出た、イベント初参加という方は多かったのですか?

宮坂 「ありがたいことに、グランプリの中でも多いほうだなと感じています。実際、トーナメントに関する基本的なご質問を、事前にも、イベント運営中にも、たくさんいただいています。イベント初参加の方にお伝えしたいメッセージは、とにかく何でも遠慮せずに聞いてみてほしいということです。たとえば、試合中にわからないことがあったら、まず対戦相手に聞いてみてください。試合の相手ではありますが、目の前の対戦相手は敵ではなく、同じマジックを愛する仲間です。対戦相手に聞いてみてもわからなかったら、気軽にジャッジを呼んでください。みなさんにお支払いいただいているエントリー料金のうちに、我々のサービスも含まれていますからね」

――マジックのトーナメントに詳しくない方のために、ジャッジってどんな人たちなのか、教えてください。

宮坂 「裏方ですね。イベント運営、トラブルシューティングを引き受ける役割です。普通に買い物にいったときに店員さんを呼ぶような気軽な感覚で、なんでも聞いていただきたいです。マジックのトーナメントを楽しんでいただくためのスタッフが私達ですね。逆に言うと、公平に、安心していただけるのがマジックのトーナメントですので、未体験のみなさんも是非挑戦してください!」

Blog 10:55 - Day 2 Metagame Breakdown

By Naoaki Umesaki

21 UW《目覚ましヒバリ/Reveillark
20 UBフェアリー
18 GBエルフ
15 GRビックマナ
11 Mono Red Burn
3 タルモバーン
6 RBゴブリン
5 4色《目覚ましヒバリ/Reveillark
5 GBWドランビート
4 緑単エルフ
2 GBグッドスタッフビート
2 UBメイクシフト
2 GWUヒバリ
2 UBWヒバリ

1 Buならず者
1 GWUグッドスタッフビート
1 Mono B コントロール
1 Wgキスキンビート
1 WUマーフォーク
1 GBビックマナ
1 GBuビックマナ
1 UGビックマナ
1 GWビックマナ
1 UBパーミッション
1 ドラゴンストーム
1 GRW巨人

Round 10: 高橋 優太(東京) vs. 三田村 和弥(千葉)

By Daisuke Kawasaki

高橋 優太昨シーズン、日本勢は惜しくもプロツアーチャンピオンを輩出することはできなかったが、しかし、多くの新しい才能たちがプロツアーサンデーに進出し、その能力を世界にアピールした。

個人的な話で申し訳ないのだが、その中から、特に際だった才能を挙げろと言われれば、栗原 伸豪(東京)や「神」金子 真実(埼玉)といったプレイヤーも捨てがたいのだが、やはりこのふたりの名前を挙げたいと思う。

PT神戸ファイナリスト 三田村 和弥(千葉)

PTサンディエゴファイナリスト 高橋 優太(東京)

それぞれ、特性は違えども、輝かしい才能を持ち、PTファイナリストのみならず、共に日本選手権でもトップ8に入賞している。

そんな彼らが、二日目初戦で1敗のラインで対戦するというのだから、これをフィーチャーしないわけにはいかないではないか。

高橋と言えば、「負けず嫌い」である。その穏やかな風貌からは想像もできないほどの闘志をこの若者は胸に秘めている。高橋をここまでのプレイヤーに押し上げた原動力は間違いなくこの「負けず嫌い」という性格であろう。

高橋が、初日終了後に発言していた時の悔しそうな表情が忘れられない。

高橋 「1敗でした。負けたのは有田さんだけですよ...」

ヒバリデックと青黒フェアリーの相性はわずかにフェアリーが有利。特にプレイングに自身を持っている高橋だけに、そのわずかな差であっても、相性を覆しての敗北は、悔やんでも悔やみきれない経験であったことだろう。

ここで対戦する三田村のデックは、その有田と共に調整されたチューンタイプ。

負けを負けとして放置できない高橋にとって、この戦いは、リベンジマッチなのである。

Game 1

2ターン目に《苦花/Bitterblossom》をキャストしたものの、後続を続けられない高橋だったが、三田村のファーストアクションも、マナ加速から4ターン目の《目覚ましヒバリ/Reveillark》という遅いゲーム展開。

墓地にクリーチャーさえいなければ、《目覚ましヒバリ》もただの5マナ4/3とばかりに《名も無き転置/Nameless Inversion》を打ち込み、ビートダウンを決行する。

三田村は《神の怒り/Wrath of God》で一度場を平らにし、《誘惑蒔き/Sower of Temptation》を場に追加。高橋が三田村のアップキープにキャストした《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》も、マナを残した《一瞬の瞬き/Momentary Blink》で《誘惑蒔き》を再利用し、対処する。

そして、今度は「墓地にクリーチャーがいる状態で」《目覚ましヒバリ》が登場。一気に場を掌握する。

掌握する、したのだが...高橋はターンエンドに《ウーナの末裔/Scion of Oona》を一気に場に2体追加する。

こうして一気にふくれあがったクロックを、慎重に把握し、クリーチャーをレッドゾーンに送り込む高橋。

三田村はライブラリーのトップを確認すると、次のゲームを開始する準備を始めた。

高橋 1-0 三田村

プレイヤーとしての三田村を評価する時、多くのプレイヤーは、おそらく「うまい」ではなく「強い」という表現を使用するだろう。

三田村のプレイングには迷いがない。

それはもちろん、「うまさ」のあらわれであり、圧倒的な練習量の証明である。だが、それ以上に、三田村のプレイは、対戦相手を引き込み、自分のペースを作り出す。

例えば、昨日のRound 4。三田村は、残り時間の少ないGame 3で対戦相手の小堺を完全に飲み込み、残り時間と追加ターンをきっちり使い切って、マッチに勝利した。

三田村の目の前のプレイマットは、三田村のためだけのプレイマットになる。

Game 2

三田村 和弥高橋は《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機させるものの、《思考囲い/Thoughtseize》《苦花》と続けて《ルーンのほつれ》で打ち消される。

そして、三田村は《目覚ましヒバリ》をキャスト。更に《冷鉄の心臓》をキャストする。が、これを高橋は《謎めいた命令/Cryptic Command》でカウンター、さらに《目覚ましヒバリ》を手札に戻し、場の構築を許さない。

高橋が《祖先の幻視》で手札を補充し、いよいよ攻勢にまわるかというその瞬間、三田村がキャストしたクリーチャーは《隆盛なる勇士クロウヴァクス/Crovax, Ascendant Hero》。

高橋は、このクリーチャーの「白ではないクリーチャーは-1/-1」能力によって、実質的にデックのほとんどのカードを封じられる事となってしまう。三田村は更に場に《目覚ましヒバリ》を追加し、クロックをふくらませる。

ほぼ、逆転の芽がないものの、せめて時間を稼ぐべく、高橋は《目覚ましヒバリ》を除去するために《名も無き転置》を《目覚ましヒバリ》に...

三田村 「いいの?」

《隆盛なる勇士クロウヴァクス》にはもうひとつ能力があった。

白のクリーチャーは+1/+1される。

高橋 1-1 三田村

三田村 「今のはサイド後の練習不足だね」

三田村の言葉に、高橋は反応を帰さない。

だが、それこそが、すでに三田村の世界。

Game 3

Crovax, Ascendant Hero
先手の高橋がマリガン。

だが、高橋は1ターン目に力強く《思考囲い》。

そして、《隆盛なる勇士クロウヴァクス》《熟考漂い》《冷鉄の心臓》と土地4枚という手札から、唯一のマナ加速である《冷鉄の心臓》をディスカードさせる。

そして、2ターン目には《苦花》、3ターン目には《変わり谷/Mutavault》でアタックとアグレッシブなゲームプランを見せる。

過去にはソーラーフレア天国とまで言われた、いわゆる「千葉」のヒバリは、やはりマナ基盤を安定させて終盤の大型スペルでゲームを決める形になっているのだ。だから、高橋は、迅速なゲームプランを展開させることを選択した。

そして、三田村は、《変わり谷》で《変わり谷》をブロック。高橋は目論見通りに三田村の展開を遅らせることに成功する。《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》をセット。

果敢にビートダウンを繰り広げてくる高橋に対する三田村の手札は《隆盛なる勇士クロウヴァクス》が2枚という非常に重たいもの。

ターンエンドに呼び出された《ウーナの末裔》は《ルーンのほつれ》したものの、次々と《苦花》から生みだされるフェアリーたちには対処しきれない。三田村は、高橋のターンエンドに《入念な考慮/Careful Consideration》。手札を重たくしている《隆盛なる勇士クロウヴァクス》を墓地へと。

そして、ついに三田村のマナが《隆盛なる勇士クロウヴァクス》の6マナへ届く6ターン目。ここで高橋は長考する。

三田村のライフは、8。高橋の場にいるフェアリートークンは5体。場には更に《フェアリーの集会場》がいるものの、次のターンに三田村のライフを削り切るには1点足りない。

高橋の手札は、《謎めいた命令》と...《やっかい児/Pestermite》。

この1ターンの攻防が、そのままゲームの勝敗につながる。高橋は、はやる三田村を制し長考に長考を重ねる。三田村は、余裕の表情で高橋の対応を待つ。

カウンターを構えて待つべきか。《やっかい児》でマナを縛るべきか。

三田村を前に高橋は答えを出せない。結果、高橋は《やっかい児》を場に。

三田村は静かに土地をセットすると、5マナを出す。

《影武者/Body Double》。宣言は、墓地の《隆盛なる勇士クロウヴァクス》。

高橋 1-2 三田村

三田村に対し、高橋はロジックを積み上げて、最良のゲームプランを選択した。

高橋 「でも、最後にミスしちゃったら、全部意味ないですよね」

最後のミスは、高橋らしくないミスであったと思う。だが、それすらも三田村の力量のうちであったといっても過言ではないだろう。

三田村 「結局、相手をのんじゃえば勝てるんですよ」

Round 10 : 今川 浩匡(大阪) vs. 津村 健志(広島)

By Daisuke Kawasaki

浩匡(大阪)GP静岡も二日目に突入。昨日は9回戦という長丁場を戦い抜いたプレイヤーたちだが、今日もまだ、7回という長期決戦が待っている。

長い長い道のりの第一歩。ここでは、全勝対決となった今川 浩匡(大阪)と津村 健志(広島)の対戦をフィーチャリングしよう。

奇しくもGP北九州でも全勝だったというこのふたりの対戦。特に今川は、GP北九州では初日全勝ながらもトップ8を逃してしまっただけに、今大会で期するものは多いだろう。

朝早くに集合し、眠気もまだ残るこの時間、目の覚めるような熱い戦いに期待しよう。

Game 1

先手は今川。昨日のRound9では初手には恵まれなかった今川だが、今回は力強く「大丈夫!」と一言。

1ターン目の《山/Mountain》セットからの《モグの狂信者/Mogg Fanatic》、そして2ターン目には《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》という順当な立ち上がり。

だが、津村も2ターン目《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》から、3ターン目《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》という対赤としては申し分ないスタート。今川は《エイヴンの裂け目追い》をみて、深く息を吐く。

とりあえず今川は、先制攻撃を持つ《ギトゥの宿営地/Ghitu Encampment》でアタック。これは、当然スルーする津村。そして、津村は、待機のあけた《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》で《エイヴンの裂け目追い》を指定し、さらなるライフゲインを目指す。これは看過できない今川は《欠片の飛来/Shard Volley》を《エイヴンの裂け目追い》に。

津村は、更に《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》で応じるが、ここに突き刺さるのが《硫黄破/Sulfurous Blast》。

一気に優位を確立したかに見えた今川だったが、しかし、手札は土地ばかり。

だが、これが、ただの土地ではない。

そんなうちに、津村は《影武者/Body Double》で墓地の《エイヴンの裂け目追い》をコピーし、ライフを安全圏まで引き上げる。続いて、想起での《目覚ましヒバリ/Reveillark》で墓地の《エイヴンの裂け目追い》と《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を場に戻し、《影武者》を手に戻す。

この《影武者》が《目覚ましヒバリ》として再召喚されてしまうと、今川の逆転の芽は完全に摘みきられてしまった。

津村 1-0 今川

Game 2

津村 健志(広島)先手の今川は、土地が多めのハンドをマリガン。

2ターン目に《ケルドの匪賊》から、3ターン目には必殺の《田舎の破壊者/Countryside Crusher》!手の中の《硫黄破》のマナ域にはもはや届かなくなったが、しかし、このクリーチャーの破壊力はさすがに半端ではない。

だが、一方の津村も、2ターン目に《精神石/Mind Stone》から3ターン目《熟考漂い/Mulldrifter》想起と悪くない立ち上がり。そして、4ターン目にはまたも《エイヴンの裂け目追い》。

ここで、覚悟を決めた今川は、エンドに《火葬/Incinerate》。これは《ルーンのほつれ/Rune Snag》。続くアップキープのライブラリートップは《欠片の飛来》。なかなか《田舎の破壊者》が成長しない。

そして、津村は《目覚ましヒバリ》を想起でキャストし、《熟考漂い》とチャンプブロックをした《エイヴンの裂け目追い》を場に戻す。

《氷結地獄/Cryoclasm》でじわじわとライフは削るものの、やっと育ちはじめた《田舎の破壊者》も《造物の学者、ヴェンセール》で手札に戻され、完全にコントロールを掌握されてしまう。

昨日のRound 9での有田と今川の会話が思い出される。

有田 「メインから《エイヴンの裂け目追い》つんだヒバリはつらいやろ」
今川 「まだ、あたってないですね。」

津村 2-0 今川

隣のテーブルでおこなわれていた藤本と岩崎のマッチアップで、岩崎が勝利したことで、この時点で津村は唯一の全勝者となった。

Round 11: 浅原 晃(神奈川) vs. 真貝 さら(神奈川)

By Daisuke Kawasaki

真貝さらさて、今回のグランプリでは二日目に女性プレイヤーがふたりも進出している。しかも、そのうちのひとりがいまだ2敗ラインで奮闘しているという。

真貝 さら(神奈川)は、昨年度Rookie of the Yearである渡辺 雄也(神奈川)を輩出したことでも有名なPWCという神奈川草の根イベントを中心に活動するプレイヤーであり、2005年には日本選手権出場の実績もあるプレイヤーである。

対するは「歴史と伝統の男」浅原 晃(神奈川)。毎度特徴的ないわゆる「ローグデック」を使用することで有名だが、そんな浅原の今回のデックチョイスは、なんと会場最大勢力である青白ヒバリデック。

一方の真貝のデックチョイスは、ローグデックの中では最大勢力という、赤黒《墓穴までの契約/Grave Pact》ゴブリン。

除去能力に優れたデックではあるが、一方で浅原のデックは墓地再利用に優れたデック。果たして、どちらの戦略が勝るのか。

Game 1

先手は真貝。

2ターン目に《精神石/Mind Stone》でマナ加速をする浅原にたいして、真貝のファーストアクションは《泥デコの松明走り/Mudbutton Torchrunner》。

この《泥デコの松明走り》は《誘惑蒔き/Sower of Temptation》にさらわれてしまうが、このタップアウトの隙を狙って、真貝はキーカードである《墓穴までの契約/Grave Pact》をキャストする。

浅原は2マナを残しつつ《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》を場に追加。そして、返しの真貝の《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を《ルーンのほつれ/Rune Snag》で打ち消す。そして、猛烈な攻勢。

真貝は《カー砦/Kher Keep》をセットし、《墓穴までの契約》とのコンボで持ちこたえようとするが...浅原はターン終了時に《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》。

浅原が更に《鏡の精体/Mirror Entity》を場に追加すると、真貝は土地を片付けた。

浅原 1-0 真貝

Game 2

後手の浅原がマリガン。そして、マリガン後の手札には土地が一枚。

少考の末に、これをキープ。だが、浅原は2枚目の土地を引けない。

2ターン目に《苦花/Bitterblossom》をキャストした真貝が、《氷結地獄/Cryoclasm》をキャストすると、浅原はGame 3にむけて気持ちを切り替えた。

浅原 1-1 真貝

Game 3

浅原 晃お互いにマリガン無しのゲームは、真貝の《思考囲い/Thoughtseize》からスタートする。

2枚あった《エイヴンの裂け目追い》の片方をディスカードさせた真貝は、《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》から《氷結地獄》へとつなぐ。

だが、浅原も果敢にダメージレースを展開。こうなってくると、序盤の赤マナをダメージランドに頼ってきた真貝にはちょっとつらい展開。浅原は2体目の《エイヴンの裂け目追い》を場に追加する。

盤面の不利を挽回するべく《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》を場に追加する真貝だが、浅原は場に《目覚ましヒバリ》を追加。墓地には2枚の《エイヴンの裂け目追い》。

ここで真貝は伝家の宝刀《墓穴までの契約》。そして、《大いなるガルガドン》を待機。

次々にゴブリントークンを墓地に送り込み、《目覚ましヒバリ》の能力で戻ってきた分も含めて、一気に浅原の盤面を一掃する。浅原のライフも30を超えるが、しかし手札も1枚という厳しい状態へと追い込まれてしまう。

真貝は、場に《苦花》を追加し、《大いなるガルガドン》をさらに待機。《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》も併用して浅原のライフを一気に削りにかかる。だが、浅原も、場にさらに《エイヴンの裂け目追い》を追加しライフゲインし粘って時間を稼ぐ。

真貝のライフは《苦花》によって失われ続けて、ついには一桁となってしまっているのだ。なんとか短期決戦に持ち込みたい真貝は、時間カウンターが残りひとつの《大いなるガルガドン》を、フェアリートークンを生け贄に場に追加する。

この《大いなるガルガドン》へは《造物の学者、ヴェンセール》。そして、浅原は《影武者/Body Double》で《目覚ましヒバリ》をコピーし、防衛線を確保した上で、《造物の学者、ヴェンセール》でのアタックを決行する。

こうなってしまうと、《影武者》が《影武者》を呼び続ける形。《墓穴までの契約》もむしろ浅原のパーマネントとライフを増やすためのエンジンの一部となってしまった。

浅原 1-2 真貝

真貝 「相手が無限コンボ型のヒバリだってわかってれば《墓穴までの契約/Grave Pact》をぬいたんですけど...」

Game 1をビートダウンで勝利し、Game 2を早々に投了した浅原の情報戦略の勝利、と言うべきか。

Round 12: 彌永 淳也(東京) vs. 岡本 尋(愛知)

By Naoaki Umesaki

岡本 尋・岡本 尋(愛知)

数年前にプロマジックの世界から引退を表明している岡本。 現在はカードショップ『ファイアーボール名古屋店』の店長さんとして頑張る毎日で、調整を積み重ねてイントに挑んでいたプロ時代とは違い、今回の事前練習はほぼなしだという。

最初は出る予定では無かったが、旧くからの友達が心よくデッキを貸してくれたり、近い場所でのイベントだからということで、同窓会のような感じでこのグランプリにマジックを楽しみにきた。

「カジュアルに、時々やるマジックも楽しいですね」と気負いなく自然体で挑む岡本、ここまで9勝2敗と好調である。 使用デッキは藤田 剛史(大阪)製作の『青緑BDW(ぶっちゃけデックウィン)』。

岡本 「対赤バーン戦がキツいですけど、環境的に有利なマッチアップが多い強いデッキだと思います」

・彌永 淳也(東京)

「今回、全然フィーチャー席に呼ばれなかった。久しぶりのフィーチャー席だよ。」と登場したのは、昨年11月に行われた『グランプリ北九州』で念願の初優勝を果たした彌永 淳也。使用デッキは『青白ヒバリ』。関東圏の『グランプリトライアル大会』においても同じデッキで優勝しており、好調を維持してきている。 ここまでの成績は、岡本と同じく9勝2敗。

Game 1

彌永が《精神石/Mind Stone》をプレイするのに対応して、岡本が《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》を通す立ち上がり。

《ヴェンディリオン三人衆》によって公開された彌永の手札は、《一瞬の瞬き/Momentary Blink》2枚・《熟考漂い》《ルーンのほつれ》《フェアリーの集会場》。岡本は、この中から《熟考漂い/Mulldrifter》をライブラリーボトムに送ることを選択する。

《ヴェンディリオン三人衆》が3点ダメージを刻み始める中、彌永は《熟考漂い/Mulldrifter》想起でドローを進め、岡本は《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》待機と次への布石を用意。

彌永は3回ほど殴られた後に《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》をクリーチャー化して、《ヴェンディリオン三人衆》を相打ちに討ち取るが、岡本の場に再びプレイされる《ヴェンディリオン三人衆》。

岡本は《ヴェンディリオン三人衆》の能力で彌永の手札を見て、《誘惑蒔き/Sower of Temptation》が増えていることを確認するが、ライブラリーボトムに送ったのは《誘惑蒔き》ではなく《ルーンのほつれ》。

何故、盤面的に邪魔となるであろう《誘惑蒔き/Sower of Temptation》ではなくカウンター呪文を抜いたのか? 
それは、岡本が何とかなる手段を持っているから他ならない。

彌永 0-1 岡本

Game 2

彌永 淳也1ゲーム目を取られた彌永、手札にある《ルーンのほつれ》を構えるかどうか迷うようなモーションを一瞬見せるも、2ターン目《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》待機、3ターン目に《変異》と積極的に動く。

対する岡本、2ターン目《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》待機までは良かったのだが、土地が止まってしまい3ターン目のアクションは《祖先の幻視/Ancestral Vision》を待機するのみとなってしまう。

岡本の土地が2枚で止まっている状況のまま、彌永の《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》が待機から明けてプレイされる。 《霊魂放逐/Remove Soul》しようとする岡本だが、彌永は《ルーンのほつれ》で応戦。
場にプレイされる《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》は、《一瞬の瞬き》によって岡本の土地を全て吹き飛ばした。

彌永 1-1 岡本

Game 3

お互い《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》を2ターン目に待機して、それをお互い《霊魂放逐/Remove Soul》で打ち消す立ち上がり。

岡本は《ヴェンディリオン三人衆》《タルモゴイフ》を展開してビートダウンを開始するが、彌永は《誘惑蒔き》で《ヴェンディリオン三人衆》を奪いこれを阻止。そして、逆に飛行戦力で殴り始める

彌永は有利をより大きくするために《熟考漂い/Mulldrifter》をプレイ。岡本は《神秘の蛇/Mystic Snake》でこれをカウンターしようとするも、待っていたのは《ルーンのほつれ/Rune Snag》。

次のターンには彌永の場に更なる《誘惑蒔き/Sower of Temptation》が現れ、《タルモゴイフ》が寝返ってしまい岡本の戦線が彌永に全て寝返ってしまう悪夢の展開。

なかば苦笑いしながら《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を出す岡本だが、待っていたのはオーヴァーキル感漂う《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》。
無人の荒野となってしまった岡本の場を、彌永の軍勢が駆け抜けた。

彌永 2-1 岡本

Round 13: 浜田 亮(大阪) vs. 石村 信太朗(埼玉)

By Daisuke Kawasaki

石村 信太朗(埼玉)やはり、下馬評に揺らぎはなく、会場ではどこを見てもヒバリデックの対戦がおこなわれている。実際に、これまでのフィーチャーマッチもそのほとんどの対戦でヒバリデックが登場している。

と言うわけで、ここでは、上位でのヒバリデック以外の対戦をフィーチャーしてみよう。

「ライザ」こと石村 信太朗(埼玉)は、その通称がメインボードに《波停機/Stabilizer》(※スタビ「ライザ」ー)を採用していた事からきているように、独自の視点を持ったデックビルダーとして関東ではちょっと知られた存在であり、今回も《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》を軸にしたデックを持ち込んでいる。

一方の浜田 亮(大阪)。普段は友人の家などに集まってマジックをプレイしているという。使用するデックは、アドバンテージエンジンとして《苦花/Bitterblossom》をメインボードから採用した赤黒ゴブリンである。

《目覚ましヒバリ/Reveillark》旋風が巻き起こる中、スタンダード環境の目を覚まさせるのはどちらのデックか。

Game 1

後手の浜田がダブルマリガン。

石村が《極楽鳥/Birds of Paradise》でのマナ加速から2ターン目に《包囲の搭、ドラン》という超高速展開。

対する浜田は、《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》待機からの《苦花》、そして2枚目の《大いなるガルガドン》という、盤面に影響を与えにくい展開。

石村は《思考囲い/Thoughtseize》で浜田の手札がすべて土地であることを確認した上で、《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》をキャストし、忠誠カウンターを上に載せる。続くターンの《踏み荒らし/Overrun》能力起動で浜田のライフは削りきられてしまう。

浜田は、続くターンにドローした《不敬の命令/Profane Command》のルーズライフでは《野生語りのガラク》の忠誠カウンターを取り除けないことを石原に確認した。

石村 1-0 浜田

Game 2

浜田 亮(埼玉)浜田は、土地の枚数と黒マナの供給に不安のあるハンドをキープ。一方で石村はマリガンを選択する。

浜田は懸念材料であった黒マナを《婆のあばら家/Auntie's Hovel》のドローで解決させ、《苦花》を場に送り出す。一方の石村も鏡打ちのように《苦花》キャスト。

浜田は、《思考囲い》で《忘却の輪/Oblivion Ring》をディスカードさせながら《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》を場に追加。この攻勢を押しとどめるべく石村は《包囲の搭、ドラン》を場に送り出すのだが、これは《死の印/Deathmark》できっちり対処されてしまう。

だが、石村も容易に場を掌握させない。浜田の《苦花》を《薄れ馬/Wispmare》で破壊し、後続の《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》も《叫び大口/Shriekmaw》で対処する。

だが、浜田が《湿地の飛び回り/Marsh Flitter》をキャストすることで、お互いに大量のトークンがにらみ合う膠着状態となってしまう。そうすると、今度は《苦花》首を絞める展開となってしまうため、石村は積極的に攻めるしかない。

X=3の《不敬の命令》で《湿地の飛び回り》を除去しつつ《包囲の搭、ドラン》を墓地から釣り上げるのだが、すでにライフは7。

浜田が場に追加した《包囲攻撃の司令官》への回答を《地平線の梢/Horizon Canopy》を生け贄に求めるが、その願いは叶わなかった。

石村 1-1 浜田

Game 3

後手の浜田は初手を見て、少考の後にキープ。1ターン目に《大いなるガルガドン》待機、2ターン目に《苦花》という、Game 1と同じ展開。

一方の石村は、2ターン目3ターン目と連続して《苦花》をキャストするという、ちょっと、いやかなりスーサイドなゲームプランを選択する。

石村は倍の速度でフェアリートークンが増えるのだが、しかし、浜田は場に《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》をセットしたことで、容易には攻められなくなってしまう。石村は長考する。

と、ここでギャラリーからジャッジにアピールがあり、前のターンに浜田が《大いなるガルガドン》の時間カウンターを減らしていない事が指摘される。

これに対して、ジャッジからお互いに警告があたえられる。

気を取り直してゲームが再開。石村は《野生語りのガラク》をキャストし、ビーストトークンを場に追加する。

浜田も、場を維持するべく《湿地の飛び回り》をキャスト。なにしろ、浜田は守っているだけで、勝手に勝利できるのだ。石村が追加した《包囲の搭、ドラン》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》も2枚の《死の印》で対処する。

この《包囲の搭、ドラン》は、またも《湿地の飛び回り》を除去しながらの《不敬の命令》で場に戻される。そして、この《不敬の命令》へのマナを捻出する過程で《野生語りのガラク》の忠誠カウンターはついに4つに。

石村は《思考囲い》で浜田の手の中に対抗手段がないことを確認した。

石村 2-1 浜田

Round 14 : 富井 翼(東京) vs. 三田村 和弥(千葉)

By Naoaki Umesaki

富井 翼(東京)大会開始前、「誰が優勝しそう?」というクイックインタビューに対して『グランプリ京都』優勝の渡辺 雄也(神奈川)はこう答えた。

「願望としては僕か、同じデッキを使うトモハル君・長島君ですけど、ここ最近のグランプリは僕・彌永といった関東第3世代のやり込み系が優勝してきているので、そういう流れで関東第3世代のやり込み系の誰かが台頭してくるかもくるかもしれませんね」

その予想を聞いて筆者が真っ先に思いついたのが、本ラウンドのフィーチャーマッチに呼ばれた富井 翼(東京)。 火曜日は秋葉原ホビーステーションのアリーナリーグ、金曜日は池袋オーガのフライデーナイトマジック、土日は草の根大会を回るという"超"やり込み系マジックライフを送る富井。 関東圏の『グランプリトライアル大会』でも安定して良い成績を残してきているし、ここまで11勝2敗と好成績。 『GP京都』での4位入賞に続いて、本大会でも活躍してブレイクを果たすことが出来るか!?

そんな富井に、『プロツアー横浜』準優勝の三田村が笑顔で語りかける。

「いや、さっきの試合でミスっちゃってさ。危なかった。でも、ラッキーで勝てた。」
富井はむっつりなので、全スルーで試合が始まった。

Game 1

富井、1マリガン後の手札を渋い表情でキープ宣言してゲームスタート。
そして、苦い表情でのキープハンドらしく土地が《森/Forest》1枚でストップしたまま《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》3枚・《タルモゴイフ/Tarmogoyf》という何とも厳しい展開の富井。

しかし、三田村にはもっと厳しい展開が待っていた。

引けども引けども、《熟考漂い/Mulldrifter》想起でドローを進めても4枚目の土地が引けない。

富井は土地が1枚で止まっているながら、《ラノワールのエルフ》から《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を展開し、トークンを製造してダメージを稼ぎ始める。

三田村 「(笑顔で)事故ったー、土地をくれー」

「ミスったら勝てない」と三田村はよく言っているが、ミスったのに勝ってしまった先ほどのラウンドのツケがここになって来ているのだろうかと邪推してしまうくらいに、4枚目の土地を引けない三田村。

ようやく4枚目の土地を引いて《神の怒り/Wrath of God》で場を一掃するも、再び《野生語りのガラク》でトークンを製造されながら《変わり谷/Mutavault》に殴りきられる展開であったのでした。

三田村 「(終始笑顔で)ついてねぇ、手札で《神の怒り》が泣いてたよ」

富井 1-0 三田村

Game 2

終始笑顔でディスカードする三田村富井が《思考囲い/Thoughtseize》で三田村の手札を確認。

三田村:《熟考漂い/Mulldrifter》《冠雪の島/Snow-Covered Island》《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》《精神石/Mind Stone》《糾弾/Condemn》《ルーンのほつれ/Rune Snag
富井は、この中から《熟考漂い/Mulldrifter》のディスカードを選択。

土地が微妙に止まり気味となっている富井は、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を展開して、次ターンも他に出来るアクション無く《ラノワールのエルフ》でアタックに行く。

それを待っていたのは三田村の《糾弾/Condemn》。
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》が居なくなり、土地が止まっていてただでさえキツい富井のマナ事情がさらにキツくなる。

富井は仕方がなく《変わり谷/Mutavault》でアタックを仕掛けるも、三田村は《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》で富井の《森》をバウンスしながら《変わり谷》を相打ちに討ち取る。

こうなってしまうと、ゲームは完全に三田村の流れ。《目覚ましヒバリ/Reveillark》想起プレイで《熟考漂い》《造物の学者、ヴェンセール》をリアニメイト。《熟考漂い》でドローしながら、《造物の学者、ヴェンセール》で《熟考漂い》をバウンスして更にドローを進めに行く。
あとは、三田村のやりたい放題だった。

富井 1-1 三田村

Game 3

富井、1マリガン後に土地2枚のハンドをキープするが、そのまま土地が2枚で止まってしまうという厳しい展開。

対する三田村は、《入念な考慮/Careful Consideration》のディスカードで《神の怒り》を捨てる余裕を見せつける。

富井は仕方なく出した《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を、三田村は《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で美味しく頂く。 さらに、三田村の場には《目覚ましヒバリ/Reveillark》登場。

富井は続くクリーチャーを展開するも、三田村は返しのターンでフルアタック。ダメージ解決後、《誘惑蒔き》でコントロールを奪った《タルモゴイフ》に《糾弾/Condemn》を打ち、そして何も奪ってない状態となった《誘惑蒔き》に対して《一瞬の瞬き/Momentary Blink》。富井が先ほど場に追加したクリーチャーを奪い去った。

富井 1-2 三田村

三田村 「全てのゲーム、どっちかが事故る面白くない展開だったけどさ。2ゲーム目で富井の《ラノワールのエルフ》が《糾弾》で死んだでしょ? あそこは大きなミスだったね。土地が止まってるんだから。《糾弾》されるのにアタック行っちゃ駄目だよ。ラッキーだった。」

このラウンドと同じように、三田村は次のラウンドの相手にも「さっきのラッキーだった」と語りかけるのだろうか?

Round 15 : 長岡 崇之(大阪) vs. 植田 勝也(愛知)

By Daisuke Kawasaki

植田 勝也(愛知)850人越えという大人数の参加者に恵まれることとなったグランプリ静岡だが、過去の日本のグランプリでは1000人を超える超大規模イベントも存在した。

それが、石田 格(東京)が初戴冠を果たしたGP神戸である。

インヴェイジョンブロック限定構築でおこなわれたこの大会、いまだ語り継がれる要素の多い伝説のイベントのひとつではあるが、そのなかでも、石田の準決勝は、折に触れて石田も思い出話としてあげるほどの伝説のエピソードである。

その対戦相手が、大阪では「教祖」とよばれる長岡 崇之(大阪)である。

今回、長岡は、その石田の構築したスペシャルデックを持ち込み、現在、まだまだトップ8の芽の残るラインで奮戦しているというので、筆者もうれしくて飛び出してきてしまったという次第である。

ちなみに、多少の差違はあるものの、ほとんど同じデックを使用している石田は「このデックのデザイナーは長岡」と言っているのだが、ここでは、現場にいる長岡の意見を尊重し、石田デザインのデックとしたい。

長岡 「このデックで一番弱いカードは《鏡の精体/Mirror Entity》」

さて、そんな《鏡の精体》、最近では無限コンボ型のヒバリデックの構成パーツとして構築でもよく姿を見るのだが、なんといってもリミテッドでの強さで知られている。

例えば、昨年末におこなわれたThe Limitsを制したのも、《鏡の精体》を中心とした「巨人」デックであった。

そのThe Limits。昨日もトップ4の平島の戦いをお届けしたが、同じくトップ8の植田 勝也(愛知)もまた、現時点でぎりぎりでトップ8の芽の残るラインで戦っている。

ここでは、そんな長岡と植田の戦いをお届けしよう。

ちなみに、植田の使用するデックは、青黒フェアリーである。長岡のデックはまだわからんが、個人的にはThe Limitsつながりのデックだと運命的なものを感じられてうれしく思う。

Game 1

先手の長岡は1ターン目《極楽鳥/Birds of Paradise》から2ターン目《黒曜石の戦斧/Obsidian Battle-Axe》という、一見では戦士デックと思われる動き。

一方の植田は順々に土地をセットしていく。

ここで長岡がセットした土地が《群がりの庭/Swarmyard》。マナ加速による序盤を経て、クリーンナップ1番手としてキャストされたのは《豪腕のブライオン/Brion Stoutarm》。

これは《ルーンのほつれ/Rune Snag》でカウンターした植田だったが、《群がりの庭》のテキストを改めて確認する。

続くターンに《鏡の精体》がキャストされ、多相デックと判断、長岡のドローにあわせて《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をキャスト。これにレスポンスで長岡は手札の《火葬/Incinerate》で《ヴェンディリオン三人衆》を除去し、《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》に《黒曜石の戦斧》を装備させてアタックする。

植田は続くターンにも2体目の《ヴェンディリオン三人衆》をキャスト。すると、このターンに長岡が引いていたのが、またも《火葬》。同じように《ヴェンディリオン三人衆》が除去され、長岡の場には2枚目の《黒曜石の戦斧》が追加される。

長岡が《変わり谷》と《ラノワールのエルフ》にそれぞれ《黒曜石の戦斧》を装備させてアタック宣言をした所で、植田は《やっかい児/Pestermite》をキャスト。《変わり谷》をタップさせ、エルフを相打ちにとる。

続いて《叫び大口/Shriekmaw》で《極楽鳥》を除去しながらクロックを用意。さらに、長岡にたいして、3枚目の《ヴェンディリオン三人衆》。

すると、ここで公開された手札2枚が《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》と《暁の君主/Sunrise Sovereign》であり、長岡のデックの全貌が判明する。

そう、長岡のデックは部族は部族でも「巨人」デックだったのだ。

The Limitsでは苦渋をなめた植田だが、ここでまたしても巨人の壁が立ちはだかる。

長岡の場に土地が5枚しかないことを踏まえて、植田は《雲山羊のレインジャー》を選択。ここでのドローが土地であったため、長岡の場には不動の四番《暁の君主》が降臨。2枚の《黒曜石の戦斧》を装備した超高校級のアタックを仕掛ける。

《暁の君主》の能力は自身に適用されないため、これをチャンプブロックでしのいだ植田は、《変わり谷》も含めたアタックで長岡のライフを削りにかかる。

続くターンの長岡のドローは期待の新人《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》。これならトランプルもつくため、植田は対応を求められる。

結果、植田のリリーフエース《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》によって《カメレオンの巨像》がおさえられ、後続を引かなかった長岡は土地を片付けた。

植田 1-0 長岡

Game 2

長岡 崇之(大阪)先手は長岡。《樹上の村/Treetop Village》《変わり谷》とクリーチャー化する土地をならべ、《雄牛のやっかいもの/Taurean Mauler》をバッターボックスに送り出す。

一方の植田は2ターン目に《苦花/Bitterblossom》キャストというフェアリーの理想パターンであったにも関わらず、この《雄牛のやっかいもの》に頭を悩ませる。長岡は更に追加の《雄牛のやっかいもの》。

植田は長岡のターンエンドに《ヴェンディリオン三人衆》をキャストし、《荊景学院の戦闘魔道士/Thornscape Battlemage》《豪腕のブライオン》という手札から《豪腕のブライオン》を選択する。

しかし、ここで植田の土地がストップ。仕方なく、《雄牛のやっかいもの》の一方を想起の《叫び大口/Shriekmaw》で除去する。

長岡は、この隙に、土地を2種類ともクリーチャー化し、3体でのアタックをしかける。植田は《極楽鳥》を《死の印/Deathmark》で除去しつつ、《苦花》のトークンで時間を稼ぎながらの《ヴェンディリオン三人衆》アタックし、なんとかダメージレースに持ち込もうとする。

しかし、結局4枚目の土地を手に入れられなかった植田は、長岡の打線を止めることはできなかった。

植田 1-1 長岡

Game 3

お互いにマリガンしつつ、1ターン目はミシュラランドという序盤戦。

長岡は2ターン目に《極楽鳥》をキャストから、3ターン目には早速《豪腕のブライオン》。これに対する植田のアクションがターンエンドに《ウーナの末裔》キャストから、《叫び大口》想起で《豪腕のブライオン》を除去。

しかし、巨人打線は止まらない。

《雲山羊のレインジャー》を出塁させ、植田が《ヴェンディリオン三人衆》で手札を確認すれば、ベンチで出番を待つ控えの《雲山羊のレインジャー》が。

《ウーナの末裔》は《火葬》され、場にはバット改め《黒曜石の戦斧》が追加。これには植田も苦い顔。

なんとか4マナ域にたどり着いた植田としては、手札の《謎めいた命令/Cryptic Command》で戦闘前に《黒曜石の戦斧》装備目的でキャストされたクリーチャーを打ち消しつつ《雲山羊のレインジャー》をバウンスもしくはタップで対処したい所なのだが、長岡はこれを読み切って《雲山羊のレインジャー》だけでアタック。

しかたなく、植田は《謎めいた命令》でバウンスしつつドローをすすめ、長岡は《雲山羊のレインジャー》を再召喚する。

この《雲山羊のレインジャー》は《叫び大口》で除去し、《ヴェンディリオン三人衆》でアタック、なんとかダメージレースに持ち込みたい植田なのだが、長岡の場には6体のキスキントークン満塁状態。

さらに《カメレオンの巨像》が場に追加される。長岡のフルアタックを《カメレオンの巨像》だけチャンプブロックでしのぎ、植田のライフは2。

1ターンは《謎めいた命令》でしのいだものの、長岡の打線を止めるリリーフには巡りあえなかった。

植田 1-2 長岡

Decktech: 親和(エルフ)

By Daisuke Kawasaki

藤田 剛史さて、すでに二日目進出デックのDeck Breakdownも公開され、現在のスタンダード環境がだんだんと明らかになってきた。

青白ヒバリを筆頭に、黒緑エルフと青黒フェアリーが続くという、上位3デックについては予想通りであり、その後が、赤単と赤緑ビッグマナというのも大方の予想の通りであっただろう。

そういう意味では、今回のスタンダード環境は、ほぼ固まってきてしまっていると言えるのかもしれない。

しかし、そんな中、独創的なアーキタイプを2つも開発し、2日目に送り出しているデックビルダーがいる。

「殿堂」藤田 剛史(大阪)だ。

緑単エルフと、青緑クロックパーミッション。この二つのアーキタイプはすでにフィーチャーされ、観戦記事に幾度か登場していると思う。

ここでは、藤田本人にそれぞれのデックの開発秘話をインタビューしてみたいと思う。

■青緑クロックパーミッション

岡本にシェアされ、秋山の操る青白ヒバリを完封したBDW(ぶっちゃけデックウィン)。

グランプリ直前におこなわれた大阪のGPTで片岡 麻美(大阪)が使用し準優勝したことで、世間にその存在が知られることになった...というストーリーについては、今回の観戦記事の中でも何度か語ってきたことと思う。

比較的大振りなヒバリデックが苦手とするパーミッションが明確な形では環境にしないという盲点、この盲点を突いたメタ的なデック構築、かと思われたのだが...

Osamu Fujita

Download Arena Decklist

藤田 「いや、そんなメタゲーム的な構築、ってわけではないんだよね。きっと、まったく勝てないデッキとかもあるんじゃないかな」

インタビューのはじめから、こんな驚きのセリフが藤田から飛び出した。

藤田 「麻美(片岡)が、時のらせん構築の青緑が気に入ってて、ああいうデッキでスタンダードもやりたい、っていうんで...」

金子 真実(埼玉)がGPフィレンツェで電撃的に優勝したこの青緑というアーキタイプ。藤田は、片岡からの要請を受けて、このアーキタイプのスタンダード版の開発に着手したという。

藤田 「あの青緑って、殴るカードがちょっと足りないじゃない。で、モーニングタイドのカードリストを眺めていたら、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》を発見して、これだ!と」

《苦花/Bitterblossom》と並び、青黒フェアリーをトップメタへと押し上げた《ヴェンディリオン三人衆》。「このカードなかったらきっと構築しとらんかったと思う」というほどに、このカードによって、デック全体がひきしまったという。

藤田 「あぁ、あと《霊魂放逐/Remove Soul》と《謎めいた命令/Cryptic Command》が環境的にものすごい強いじゃない。これを両方使ったデッキを組みたいっていう思いはずっとあったね」

メタゲームに依ってないとはいっても、環境を踏まえた理論構築を下敷きにしているのはさすがの一言。

理論構築、といえば、このアーキタイプについて藤田はこんな事も言っている。

藤田 「あとね、このデッキ相手が序盤少しでももたついた動きすると、そのまま勝てちゃうでしょ」

藤田と言えば、BDW(ボロスデックウィン)に代表される赤系のビートダウンを愛用し構築することでも知られている。

その論拠は、当然「マジックは事故る」だ。だから、事故りにくいデックを構築する。相手が事故をおろそかにしていれば、それにつけ込めるデックを構築する。

そういえば、多色系の《神秘の指導/Mystical Teachings》コントロールが国内のプロプレイヤーの間で流行していた時にも、藤田は「マジックは事故るってことをみんなわすれがちやね」と言い、単色デックを持ち込んでいた。

この60枚のデックのリストからは、そんな藤田の思想が強く込められているのだ。

■緑単エルフ

藤田 「アフィニティ(エルフ)みたいなもんやね」

藤田自身が使用し、Round 3で世界選手権トップ8の中野 圭貴(大阪)が使用しているとして紹介したこの緑単エルフ。

例えば、4ターンで、しかもたった1回のアタックで勝利してしまうという。実際にこのデックを使用する藤田 修(京都)の例を紹介しよう。

まずは、1ターン目に《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》。そして、2ターン目には《傲慢な完全者/Imperious Perfect》。ここまでの動きは、普通の緑単戦士やエルフと代わらない。

しかし、3ターン目からの展開が圧倒的だ。

まずは、キーカードである《遺産のドルイド/Heritage Druid》をキャスト。そして、《傲慢な完全者/Imperious Perfect》からトークンを生みだす。

この時点で、《遺産のドルイド》《ラノワールのエルフ》エルフトークンと、3体のエルフがいるのでこれらをタップしてを生みだす。

そして、残った土地もタップして、4マナから《三人組の狩り/Hunting Triad》をキャスト。このエルフトークンからもを生みだして、《エルフのチャンピオン/Elvish Champion》をキャスト。

4ターン目に《ガイアの頌歌/Gaea's Anthem》をキャストすると...4/4のエルフがなんと8体!フルアタックで32点という次第である。

藤田 「最初、モーニングタイドのカードリスト見ていたら、《茨森の模範/Bramblewood Paragon》を発見して。これと、《エルフのチャンピオン》と《傲慢な完全者》と《ガイアの頌歌》でお互いを強化しあったらおもしろいやんって」

どんな所にデックのインスピレーションが転がっているかわからない。藤田にとってそれは「並んで大きくなったらおもしろいやん」というおもしろさにあったという。

藤田 「で、さらにリストみてて...《遺産のドルイド》...おーえぇやん...《三人組の狩り》...おーえぇやん、ってできあがったデッキやね」

デックリストの見てみると、確かに多くのカードが、しかもデックの中核をなすカードのほとんどがモーニングタイドのカードである事がわかる。

藤田 「ただね、これ思いついたの先週なんだよね。正直調整足りないと思う。例えばサイドには《レンの地の群れ使い/Wren's Run Packmaster》はいれておくべきやったね」

実質一週間で、前述の青緑とこの緑単エルフを調整していたため、やはりさすがに時間が足りなかったという。

青緑でいえば、岩崎 裕輔(大阪)の調整してきたバージョンの方が完成度は高いだろうと藤田は言う。

Jin Okamoto

Download Arena Decklist

ちなみに、デックの選択理由を聞いてみた。

藤田 「そりゃ、おもしろいからやね。プロツアーだったらわからんけど、グランプリだったらおもしろいデッキ使いたい」

テストプレイ中、ヒバリデックは「一度回すだけでも強いのはわかった」が、しかし眠くなるほどつまらなかったという藤田。

藤田 「もちろん勝ちたい。でも、楽しくて、それで強いのがベスト。おもしろいデッキで勝ちたい」

「マジックは楽しくなければ」をモットーとして掲げる藤田。

そんな藤田が、このデックを見て、ちょっとでもおもしろいと思ってくれた人へ、メッセージを。

藤田 「もし、このデッキをみておもしろいと思った人がいたら、ぜひ使ってください。そして、それを調整して強くなった姿を僕に見せてください」

まだまだこのデックにはのびしろがあるという藤田。

読者のみなさんも是非挑戦してみてほしい。

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