Deck Tech:十文字 諒のグリセルシュート

Posted in Event Coverage on June 22, 2012

By Wizards of the Coast

 1523人のプレイヤーがいれば、1523通りのデッキ選択がある。

 昨年の世界選手権でトップ50に入賞した十文字は、この混沌としたモダン環境で、『アヴァシンの帰還』のカードを搭載した新しいコンセプトを見事にデッキという形にしてみせた。

グリセルブランド
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 グリセルシュート。

 『アヴァシンの帰還』の発売以来、「どこぞのコミュニティが開発中なのでは」などとまことしやかに噂されていた注目のデッキが、ついにそのヴェールを脱ぐ。

 それでは早速、使用者兼製作者の十文字氏に、このデッキについてインタビューしてみようと思う。

――このデッキを選択された理由は何ですか。

十文字 「2〜3週間ほど調整して、十分使用するに足る安定した形が組めたのが決め手でしたね。他の使用候補としてNo-Cawとストームもあったんですが、前者はどちらかというと受け身の構造で、有象無象の攻勢の強いデッキに星を落としやすいのが怖くて、後者はサイド後の絶望感に比して、メインも従来のストームほど圧勝ではないというのも、このデッキの選択を後押ししました。」

引き裂かれし永劫、エムラクール
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――《引き裂かれし永劫、エムラクール》《裂け目の突破》コンボも4枚ずつ入った構成ですが、この形に至ったのは何故でしょう。

十文字 「単純に簡単な2枚コンボを揃えやすくしたかったのもありますが、《大祖始の遺産》などで対処されやすい《御霊の復讐》に対して《裂け目の突破》コンボは墓地に依存しておらず、また《引き裂かれし永劫、エムラクール》は《グリセルブランド》と違って除去耐性があるので、不自由な2択を迫ることができて、相手からしてみればすごくサイドボードしづらいんですよね。《倦怠の宝珠》のような単一のサイドカードで封殺されないという点で、《欠片の双子》コンボとはまた違った強みが出せたと思います。」

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――十文字さんのリストは《大群の怒り》や《魂の撃ち込み》といった、ともすれば1ターンキルも可能となるようなカードを採用していない点も特徴的ですが、このあたりはどういった判断でしょう。

十文字 「もちろんひととおり試しましたが、これらのカードは初手にあると何がしたいのかわからないし、単体で機能しないカードなので、結局デッキの安定性を損ねるパーツなんですよね。それに『《グリセルブランド》を戦場に出すこと』に特化してしまうと、《グリセルブランド》を引かなければいけなくなってしまいその点でも安定しなくなりますし、《流刑への道》といった除去への耐性も低くなってしまうので、1キルは確かに魅力ですが、このデッキには不要だなと感じました。」

思考囲い
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――《思考囲い》《稲妻の斧》については、このあたりのセレクトはどういった基準なんでしょうか。

十文字 「どちらも最小限の手数で相手を妨害できるのが魅力です。このデッキは決して環境最速というわけではない(どちらかといえば遅い)ですし、モダン環境では相手の妨害はやはり嗜みとして必要ですから。また、このデッキだと擬似的なコンボパーツとして機能するという面もあります。《思考囲い》は自分に対して撃って《グリセルブランド》を落とせますし、《稲妻の斧》は言うに及ばずですね。」

女王への懇願
緊急時

――《緊急時》はこのデッキだと割とよく目にすると思いますが、《女王への懇願》まで採用している形は初めて見ました。

十文字 「とにかく安定性を重視しています。2マナ変成(《引き裂かれた記憶》)を使う形もありますが、《女王への懇願》だと、捨てるカードが足りなければ《信仰無き物あさり》、マナが足りなければ《煮えたぎる歌》と、《御霊の復讐》以外にも状況に応じて必要なパーツをどれでも探せるのが、コンボの確実性を上げてくれるので良いですね。」

詐欺師の総督
ヴェンディリオン三人衆

――主要なメタデッキとの相性はどんな感じでしょう。

十文字 「とにかくビート全般に強く、ジャンドにも6:4あります。コンボ系にもこちらはメインからハンデスを採っていて、スピードもそれなりに速いので有利がつきますね。ただ双子デッキ相手は、苦労して戦場に出した《グリセルブランド》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》が《詐欺師の総督》《やっかい児》で無力化されてしまうのできついです。あと青白No-Cawも、カウンターを構えられながら《ヴェンディリオン三人衆》でクロックをかけてくるので厳しいマッチアップですね。そのあたりはサイドボードで対応する形になります。」

――ありがとうございました。

 このデッキのように、モダン環境には新たなテクニックが眠っているかもしれない。皆さんも探してみてはいかがだろうか。

※デッキリストは二日目の掲載となります。

 

By Atsushi Ito

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