Draft Report: 日本代表 vs. 中国代表と、チームロチェスターの基本概念

Posted in Event Coverage on December 3, 2005

By Koichiro Maki

今年度世界選手権最初のチームドラフトということで、簡単にルールを説明しておこう。

本日土曜日のレギュレーションは、代表チーム三人一組編成によるラヴニカブロックを使用したチームロチェスターだ。卓における席は以下のようになる。

(※プレイヤーAが2位、Bがナショナルチャンピオン、Cが3位)

ダイス等で選択権(イニシアチブ)を持つ国を決定し、その国は「自分のチームから始める」か「相手のチームから始める」かを選択する。選ばれた国の真ん中に位置するプレイヤーのパックからロチェスタードラフトを開始するわけだ。

ドラフト中は一切の喋りを禁止される。味方同士で何か意思を疎通させたい場合は、身振り手振りや、カードを見せ合ったりすることになる。この方法はそれぞれのチームで個別に発展させており、それを見るのもチームロチェスターの大きな醍醐味となっている。

ドラフトが終了したら、自分がピックしたカードだけでデッキを作成する。デッキ作成中はチーム内での会話が許されるので、互いの記憶を脳みその皺からえぐり出すように抽出した、必死のデッキ作成となる。喜ばしいことに、この時に色々な嘘や誤情報が飛び交い揉めたりもする。

それぞれのプレイヤーが対戦するのは、自分の対角線上に座る相手国のプレイヤーただ一人だ。そのプレイヤーにだけ勝てばいいので、通常のドラフトに比べるとメタっぷりが酷い。土地歩き能力や色を特定した能力をふんだんに取り入れるのは勿論、相手のデッキに飛行が多ければアンチ飛行カードをてんこ盛りに投入する大人げない戦いだ。
 
どちらかの国のプレイヤーが2勝すれば、その国の勝利となる。勝利した国には非常に大雑把に9点が加算される。

Rank Player Points Op.Win%
1 United States10457.5179%
2 Portugal10252.7711%
3 Singapore10054.0750%
4 Norway9753.2782%
5 Netherlands9551.7411%
6 China9356.1375%
7 Slovak Republic9353.9544%
8 Malaysia9352.9243%
9 Japan9256.3859%
10 Austria8950.9877%

本日は4回戦行うので、全敗すれば0点、全勝すれば36点が加算されることになる。金曜日終了時点のランキングは上記の通り。一位のアメリカが104点。一試合の得点は9点なので、ここから9点単位でゾーンが形成される。95~104点まではアメリカが一敗すればひっくり返る範囲。日本は、その下の85~94点ゾーンにいるので、アメリカに逆転するには、アメリカよりも二つ多く勝たなければならない。

ただし、明日の国別決勝戦に出場できるチームは二カ国。つまり、一位通過である必要はなく、二位に食い込めばいいという話もある。そして正解だ。となると、基準はポルトガルだ。93~102 が一勝ゾーン、83~92までが二勝ゾーン。むむ、日本は92点。やはり二つ多く勝たなければならないようだ。

ご存じの通り、ラヴニカは4つのギルドを中心に構築された世界だ。これは、各プレイヤーのデッキビルドにも当然強い影響を与える。予想される基本的なデッキパターンは以下のようになる。

ディミーア(青黒) / ボロス(赤白) / 緑X

マナサポートカードが多い環境で、右端が緑Xになるのは基本パターン。何故かというと、3パックのうち、2パックは時計回りだからだ。右端のプレイヤーは、相手にカードが戻る場合の壁際になる回数が多いので、邪魔なカードを止める重要な役目を持つ。そこで、単に止めるだけじゃなく、マナサポートカードを増やすことで、そのカードを使えるようにしてしまえ、という思想だ。ただし、今回はゴルガリ自体に強力なカードが多いので、そこまで無理に多色に延ばさずとも、ゴルガリだけで完結するパターンもある。

真ん中にボロスが来ることが多いのは、両サイドとの色の兼ね合いだ。ボロスには他のデッキでは使用しにくい専用強力カードが多い。それを左右とぶつかり合わない真ん中に配置することで、きっちり確保しつつ、味方の邪魔を避けるためである。

左のプレイヤーは残されたディミーアだ。日本勢で唯一二日目のリミテッドで全勝した森勝洋(東京)が使用したのもこのデッキタイプ。4つのギルドの中で、唯一ライブラリ破壊能力を持つ色で、他のデッキでは使用しにくいアーキタイプのカードが多い。

以上が、今回のチームロチェスターの基本ピックパターンとなる。だが、あくまで基本であり、チームによってはセレズニアを基本構成に組み入れるところもあるだろうし、多色セットだけにギルド色に拘らない自由な配置をするチームもあるはずだ。

さて、お待たせしました。日本チームのドラフトっぷりを紹介しよう。別記事にて第一チームドラフトでのピックをまとめたものが掲載されるので、それと併せてご覧を。席順は以下のようになっている。

中国代表:Hua Chao Song 、Hui Zhang 、Zhou Long
日本代表:大礒、諸藤、志村

2005年度日本代表、(左から)志村、諸藤、大礒

■Pack 1 ラヴニカ:ギルドの都

この対決の口火を切ったのは、諸藤のピックした《稲妻のらせん/Lightning Helix》だ。基本通り、中央にボロスを配置し、続く大礒は《妄想の誘導/Induce Paranoia》でディミーアへ。

これを受けた相手のピックだが、Aに座るHua が《根の血族の同盟者/Root-Kin Ally》で緑系、Bに座る Hui は《古参兵の武具師/Veteran Armorer》でやはりボロス系に。ただし、Cに座る Zhou はディミーア系カードではなく《遥か見/Farseek》を。もしかすると、中国はCにディミーアではなく、他のアーキタイプをもってくるつもりなのだろうか? それとも続く志村への牽制なのか。この時点では判断しにくい。

また、このパック中では、非常に不思議な光景が確認された。日本チームが身振り手振りで会話するその反対側では、中国チームは、普通に口を使って異論反論オブジェクション。うわ、ガチで喋ってる。何故かどこからも注意が入らないので、ジャッジに制止を要求する。

■Pack 2 ラヴニカ:ギルドの都

出てきた《炎まといの天使/Firemane Angel》を見てちょっと考えながらも、日本勢は意思を統一した後に大礒に素直な《腹わた抜き/Disembowel》を。確かに、残ったカードを考えると、ここで無理にカットしたとしても、帰ってくるカードが嬉しくない。

《包囲ワーム/Siege Wurm》、《炎まといの天使/Firemane Angel》と、ここまでは普通だが、CのZhou は先ほどの《遥か見/Farseek》に続いて《貪る光/Devouring Light》を。セレズニア疑惑が浮上する。

■Pack 3 ラヴニカ:ギルドの都

開封が相手チームに移る。Aが《暗黒破/Darkblast》、Bが《夜番の巡回兵/Nightguard Patrol》Cが《包囲ワーム/Siege Wurm》。これでネタが割れた。どうやら、相手はCにセレズニア系を持ってきたようだ。もしCが黒系であれば、Aに《包囲ワーム/Siege Wurm》を渡し、Cが《暗黒破/Darkblast》をピックするはずだ。Aはゴルガリ対決、Bはボロス対決、Cはセレズニアvsディミーアの異色対決となった。

日本チームが使用する合図は、カードの裏面にあるシンボルを利用した色の把握と、カードを指し示しての指示という基本的なもの。ここ数ヶ月はチームイベントが無かったので練習する機会はなかったと思うが、過去のプレミアイベントでかなり経験を積んでいる大礒と志村は、それなりの手腕をみせている。

それに比べると、諸藤と中国チームの動きは多少ぎこちない。特に中国側は最終カード辺りのピックが遅く、時間が切れてからようやくピックするシーンが何度か見えた。

ここで、諸藤から「あれはいいんですか?」という確認がジャッジに。
ジャッジからも注意が与えられるが、それを見ていた「やる気のイデア」はびしっと一言。

「自分のことだけに集中してください。」

そう。最大の敵は、相手ではなく自分なのだ。

ここから先は特に大きな動き無くドラフトが進んだ。それぞれの右サイドのプレイヤーは沼渡りを取り合い、中央では山渡りが睨み合い、左側では飛行と飛行を落とすものが牽制しあう。だが、少しずつ差は開いていった。それでは、簡単にポイントをまとめておこう。

志村 vs. Hua

《叫び回るバンシー/Keening Banshee》や《ウルサパイン/Ursapine》、に《トルシミール・ウルフブラッド/Tolsimir Wolfblood》といった強力クリーチャーが志村側にずらりと並ぶ。ただし、Hua の側にも《下水溜まり/Sewerdreg》に《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》という必殺パターンが。デッキ全体のポテンシャルでは志村が有利だ。

諸藤 vs. Hui

2005年度中国代表

ほぼ似たようなカードプールで構成される。違いは呪文だ。諸藤のデッキは除去能力に優れ、対する Hui は《ボロスの怒りの盾/Boros Fury-Shield》2枚や《航海者の杖/Voyager Staff》のようにテクニカルなカードが多い。共に低マナ域のカードが充実しているだけに、展開のタイトな好ゲームが期待される。ほぼ五分五分か。

大礒 vs. Zhou

完全にセレズニアかと思われた Zhou だが、中盤以降で青いカードをカットするうちに枚数が貯まり、気がつけば白緑青という完全三色デッキに。カードプールだけを見ると贅沢な内容に仕上がっているが、その代償としてマナ基盤の安定性に欠けるデッキになってしまっている。逆に、大礒のデッキは何度廻しても安定した展開を保証してくれる完全2色のお手本のようなデッキ。

Zhou が必要な時に必要な土地を引けるかどうか。全てはそこにかかっている。

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