Feature: 現在のスタンダード・フォーマットについて

Posted in Event Coverage on September 2, 2005

By Yukio Kozakai

■第9版直後の世界

第9版がスタンダードで解禁になって2週目を迎えた。その間にカナダ選手権を始め「お披露目」が世界各地で行われていたわけだが、その中である程度メタゲームは固まりつつある印象を受ける。

具体的には「青トロン」「ヴィリジアンラッツ」「RDW」の3勢力が頭一つ抜け出し、「青コン」「緑トロン」「白ウィニー」などが追随する形だ。

しかし、ただレシピの通り組み上げるのではなく、独創的なチューニングを施して選手権に臨んでいるプレイヤーも少なくない。そこで各デッキについて成績、コミュニティなどを交えてお届けしていこう。

■青トロン

選手権予選の段階からメタゲームの一角に食い込み、8版落ちに伴って《すき込み/Plow Under》の撤退などで、その評価は一気に頂点をうかがう勢いとなった。

もともとは、神奈川県在住の高校生プレイヤーが考案したデッキという話だが、それが瞬く間に関東中へ広がり、日本中、そして世界へと発信されたという。

つまり、久々の「日本製スタンダードデッキ」なのだから、この日本選手権で名実共に「日本一」を証明して欲しいところである。また、各プレイヤーともほぼデッキ内容は似通っているのだが、各々のこだわりがあって面白い。以下の2人は、真逆をいく意見を持ちつつ、初日スタンダードで全勝を収めている。興味深い。

大礒 正嗣(広島)(初日スタンダード3-0)

「《変容する境界/Shifting Borders》は取ってないです。交換するよりも《接収/Acquire》や《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》、カウンターでデッキを強化した方がいいと考えてます」

相沢 恵司(東京)(初日スタンダード3-0)

「もともと、日本製と言われるトロンは《威圧の杖/Staff of Domination》と《電結の回収者/Arcbound Reclaimer》を使った無限《精神隷属器/Mindslaver》で投了に追い込む形でしたが、引き分け率が高くて日本選手権向きでは無いので、勝ちに行くデッキにする為にアメリカ型に調整しています。向こうでは《併合/Annex》が流行っていますが、やっぱり《変容する境界/Shifting Borders》が強いですね」

“NEWS” by Masashi Oiso

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Shifting Borders

使用している主なプレイヤー:大礒 正嗣・池田 剛・小室 修・森 勝洋・信下 淳・中村 修平・岡本 尋・八十岡 翔太・相沢 恵司 etc.

■RDW(レッド・デック・ウィン)

赤いデッキを総称して、RDWと呼ばせて頂くとして。バーン・土地破壊・ビートダウンと色々なタイプのデッキがあるが、台頭しているのはクリーチャー+火力のオーソドックスなタイプだ。

もともと環境のソリューションとして注目されていたデッキタイプではあったが、本戦の前日に行われたオープン予選では「青トロン」と並んで2大勢力として暴れ回り、塩津 龍馬(愛知)チューンのデッキでGP横浜チャンプの加藤 一貴(愛知)が直前予選を通過。一気にその存在が広まった瞬間でもあった、というエピソードも届いている。

また、各自のチューンにより「コントロールデッキに対する追加ダメージ」または「クリーチャーデッキに対する盤面コントロール」といった意味合いで、《凶運の首輪/Jinxed Choker》《花崗岩の破片/Granite Shard》《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》《ヴァルショクの魔術師/Vulshok Sorcerer》といった継続的なダメージ源が用意されており、第一波が弾かれたら沈黙。と、いう今までの赤単とは一味も二味も違うようだ。

鍛冶 友浩(埼玉)(初日スタンダード3-0)

「サイドボードに《花崗岩の破片/Granite Shard》マジ最強ですよ! 1点、いって~ん!!」

彌永 淳也(東京)(初日スタンダード3-0)

「ネズミが思ったより青トロンに対して良くないので、やっぱり赤ですね」

“Rage against the Machine” by Tomohiro Kaji

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Granite Shard

使用している主なプレイヤー:藤田 修・石田 格・加藤 一貴・小倉 陵・大澤 拓也・塩津 龍馬・斉藤 友晴・志村 一郎・彌永 淳也 etc.

■ヴィリジアン=ラッツ

カナダ選手権のベスト8を埋め切ったネズミ軍団。9月1日の発表で《霊気の薬瓶/AEther Vial》がエクステンデッドで禁止カードに指定され、かつての親和で「1ターン目に出ると勝率が50%違う」とまで称されたパワーカードを、今のスタンダードでは使える状況なのである。

そして、帰ってきた《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》を楽しめるという点においても、ベテランプレイヤーから好まれるデッキに仕上がっている。

その恩恵を現環境で最大に受けているのが、《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》にサポートされたネズミデッキである。原型はインビテーショナルのスタンダード(当時)で3-0成績を残したTim Atenのラッツ。彼自身も、救済後の世界で進化を遂げるであろう自らのデッキを題材にして記事を発表していたわけで、それが数ヶ月経った現在、見事に花開いているのだから、これはとても素晴らしい事実だ。

コントロール系デッキに強さを誇り、赤に対しても元来の方程式である「ネズミ出る=1:2交換」で着実にアドバンテージを得ていく戦いが見込めるが、前出の2つのデッキに対して純粋なカードパワーの面で不利は否めない。形は違えど、「ウィニーJUNK」の継承であるが故のやむを得ない点でもある。

有田 隆一(千葉)(初日スタンダード2-1)

「青トロンにあんま相性良くないのはわかってたけど、相手が事故ってくれたしなぁ」

浅原 晃(神奈川)(初日スタンダード2-1)

「現状のスタンに飽き飽きしてたんで、面白いデッキ無いかなと思ってたんですが。コピーもつまらないので《粗石の魔道士/Trinket Mage》や《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》積みました。《レオニンのボーラ/Leonin Bola》強いですよ」

“G. O. D.” by Akira Asahara

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Hypnotic Specter

使用している主なプレイヤー:浅原 晃・有田 隆一・安藤 玲二・藤田 憲一・黒田 正城 etc.

■青コントロール

青トロンの台頭で、その存在が危ぶまれた青コントロール。《卑下/Condescend》《マナ漏出/Mana Leak》といった非確定カウンターが使い辛くなり、次々とビッグスペルを通さざるを得ない状況。純正緑トロンに対しては《双つ術/Twincast》という回答にたどり着いてはいるが、緑トロンが青トロンにどんどんスイッチしている今の環境を考えると、やはり厳しいのだろうか。

だが、その中でもしっかり生き残って戦績を残しているプレイヤーもいるわけで、まだまだ改良の余地が残されていたという事だろう。

坂東 潤一郎(茨城)(初日スタンダード2-0-1)
「《最後の言葉/Last Word》があれば、かなり有利に戦えますね。あと、《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》と《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》のシナジーもハマるとヤバいです」

“Eichi 2005” by Bando Junichiro

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Last Word

使用している主なプレイヤー:藤田 剛史・津村 健志・坂東 潤一郎・亀井 俊祐・森田 雅彦 etc.

■緑トロン

予選段階では最大勢力だった緑トロンも、現在では4~5番手に甘んじている。しかし、第9版で復活したペインランドのおかげで純正緑のトロンから進化を遂げ、+αでタッチカラーをする事が今まで以上に容易になった点で、ますますチューンのし甲斐があるデッキになった印象だ。

青トロンに鞍替えする前に、やり残した事はないか?

平林 和哉(滋賀)(初日スタンダード2-1)

「デッキは自分が九州に行った時に、三原 槙仁(大分)や志岐 和政(長崎)と作って。このあたり(滋賀・九州勢)はみんなこのデッキ。青トロンと違って《落葉の道三/Dosan the Falling Leaf》積めるから。これあると、やっぱ勝率違うからね」

“Razor-Tron” by Hirabayashi Kazuya

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Dosan the Falling Leaf

使用している主なプレイヤー:平林 和哉・射場本 正巳・三原 槙仁・三津家 和彦・志岐 和政 etc.

■白ウィニー

「業界最速の"クリーチャーデッキ"」は、赤の隆盛によって《オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion》が多く見受けられるようになり、オンスロートブロック構築のゴブリン VS 《銀騎士/Silver Knight》の図式をちょっと思い出したりする。

やる事は単純だ。出す・殴る、これだけ。

その中にいくつかの妨害手段を仕込むのだが、メインに装備品はみかけなくなり、代わりにトロンに対して劇的に効く《減衰のマトリックス/Damping Matrix》がメインから4枚という構成が一般的だ。《塵を飲み込むもの、放粉痢/Hokori, Dust Drinker》は、複数マナを調達出来るトロンに対して決定的に有利な存在ではない以上、ミラディンがスタンダード落ちするまでの間は対戦相手を抑制するカードとして大いに働いてもらう事にしよう。

もちろん、同系に当たったらサイドボードアウトするカードを全く悩まなくていい。

真木 孝一郎(東京)(初日スタンダード2-1)

「やる事がわかりきってるからね!」

“No-Hokori” by Maki Kouichiro

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使用している主なプレイヤー:真木 孝一郎・中野 圭貴 etc.

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