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Posted in Event Coverage on January 24, 2004

By 森 慶太

現在の構築フォーマットを考える上でもっとも重要なファクターといえるのがプレイテストチームの陣容であり、そしてデザインされたデッキである。ときとして呉越同舟ということもあるようだが、はたしてこのグランプリ岡山にむけてプレイヤーたちはどのようにして徒党を組んだのだろうか? そして、どのようなグループでデッキを選択してきたのだろうか。

(編註:各カテゴリーのデッキリストの詳細は日曜の朝に掲載させていただきます)

◇平林ブランド(Dancing Ghoul / Enchantress)

現在のPTQシーズンでもっとも話題を集めているデッキビルダーといえば平林和哉だ。平林は前々からコラムニストとして構築フォーマットについてウェブ上でさまざまな提言を行っていることで有名だったわけだが、今シーズンの彼はそれだけではない。平林自身や加藤一貴がプロツアーの権利をつかみとった最新バージョンのエンチャントレスデッキが非常に高く評価されており、今ではこのフォーマットの主要な仮想敵の一角に数えられているほどなのだ。彼自身の言葉で「自分は勝てないのに、作ったデッキだけは結果を出していくよ・・・」というものがあるのだが、今シーズンはプロデュースしたデッキだけでなく、彼自身も力強いパフォーマンスを見せ続けている。

グランプリ岡山がプロツアー・アムステルダムの翌週に行われているイベントであるというだけに、スケジューリング的にも十分な調整時間を裂けなかったプロプレイヤーたちは多かった。そして、あるものたちは平林の門を叩いたのだ。

Sideboard: かなりの数のプレイヤーが平林さんのデッキを使っているとか。はたして、今回の平林さんの新作のデッキはリアニメイトということですが、どういった皆さんが今回の平林デッキを使っていることになりますか?

平林: 僕、中島(主税)さん、三津家和彦、笹川友秀、加藤一貴、池田剛、岸下邦彦、ほか数名ですね。

Sideboard: なるほど大所帯ですね。ところで、(岡本)尋さんたちも平林さんのデッキだと小耳にはさんだのですが。

平林: ああ。尋さん、信下(淳)さん、小倉(陵)といったあたりも僕のエンチャントレスで出ていますね。こうしてみると結構いるなあ。

Sideboard: 今回のリアニメイトデッキにたどりついた経緯を教えてください。

Fling

平林:禁止カードの制定によって忘れられていたエンジンが《燃え立つ願い/Burning Wish》というカードによって再び安定した強さを見せるようになったということです。あと、メインボードの《投げ飛ばし/Fling》によって《退去の印章/Seal of Removal》なんかに耐性がついたことも重要かもしれない。《隠遁ドルイド/Hermit Druid》がいなくなったから文字通りのアングリー・ハーミットはもう組めない、ということであまりサイドからも対策をされないだろうし、大いに奇襲効果もあるんじゃないかと。

Sideboard: デッキ名「Dancing Ghoul」ということですが、実際にプレイテストして感触はいかがでしたか? 想定した仮想敵もお聞きしたいところです。

平林: 仮想敵はサイカ、マルカ(The Rock)、レッドデッキ(RDW)。それにまあ最近ステロイドとエンチャントレスが加わったっていうのがメタゲームの大雑把な流れ。で、今回のデッキはビートダウンにはかなり強いと思います。ステロとかレッドデッキみたいな。サイドで《スランの鋳造所/Thran Foundry》や《クローサ流再利用/Krosan Reclamation》がとられていないなら尚更。

Sideboard: 逆に、警戒しているデッキタイプだとかカードっていうのはありますか?

平林: サイカトグに若干厳しいかもしれないけど、サイドボードも含めれば五分にはもっていける。相手側の《狡猾な願い/Cunning Wish》に現時点でちゃんと《棺の追放/Coffin Purge》が入っているかどうかとかは大きな分かれ目だと思う。一概にはいえないけれど、サイカトグはバージョンによっては強敵になりえるかも。あとは手札破壊も。

Sideboard: すでにPTQも突破した平林さんとしては、今大会ではどのあたりに目標を設定しています?

平林: 決勝ラウンドに2人くらい進めたらいいですね(笑)

◇ローリー・デッキ(Goblins / Reanimate)

大阪の藤田剛史はつねに日本マジック界におけるキーパーソンであり続けている。昨年の夏にグランプリ・バンコックを席巻したゴブリン召集(スタンダード)での《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》、彼自身をプロツアー準優勝に導いた「The Rats」の《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》など、ともかくその独創的な着眼点に定評がある。もちろん、彼のグループがコンスタントに結果を出し続けている大きな理由はプレイテストの陣容の厚みによるところも大きい。藤田修、森田雅彦、東野将幸、中野圭貴、阿南剛といった面々をはじめとして、実に心強い仲間たちが彼をバックアップしているのだ。

Worldly Tutor

Sideboard: 今回、藤田さんは2つデッキを用意されたということですが、それぞれどのようなデッキなのでしょう?

藤田: ゴブリンとリアニ。ゴブリンはそのまんま。リアニメイトは緑黒です。

Sideboard: RDWをはじめ、赤いデッキというのはかなり警戒されているといわれていますが、その中をあえて赤単ゴブリンというわけですね。

藤田: ゴブリンが・・・好きやから(笑) なのかなあ。そうとしかいいようがないなあ。正直自信はなし(笑) まあ、どんなデッキでも勝手に勝つヒトは・・・なんでもいいでしょ(といって笑いながら藤田修を指差す)

Sideboard: たしかに藤修さんの最近の勝負強さはすごいですよね。ところで、具体的にチームのみなさんはどのように二つのデッキを取捨選択したのでしょう?

藤田: オレと森田、藤修がゴブリン。東野君、阿南君、スカージ(中野)がリアニメイトですね。なんとなく。

Sideboard: ここにきてリアニメイトという強豪は結構いるみたいですけど、2色目が緑であるバージョンの魅力は何でしょう?

藤田: まず、みどチュー(《俗世の教示者/Worldly Tutor》)。サイドの《呪文散らしのケンタウルス/Spellbane Centaur》もそうだし、あとは《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》とかも。

◇無限ライフ! (Loop Junction)

先週末に執り行われたPTQ東京3次予選で注目を集めた「おもしろいデッキ」があった。それこそが射場本正巳による無限ライフデッキであり、射場本はベスト4というところまで勝ち上がったのだが、そこで《破滅的な行為/Pernicious Deed》いり《サイカトグ/Psychatog》にやられてしまった。

Test of Endurance

射場本といえば日本マジック界としてはまだまだ黎明期ともいうべき時期から活躍していたプレイヤーで、はじめてロチェスターというフォーマットが採用されることになったプロツアー・マインツで18位入賞という(当時では考えられない)快挙を成し遂げていたりする人物だ。マインツの活躍があまりにも鮮烈だったために彼はリミテッダーとして印象付けられているかもしれないが、射場本は構築という面でもその独創性で知られた人物で・・・かつては日本三大地雷などとよばれたほどだった。

Sideboard: どのようなメタゲームからこのデッキにたどりついたのでしょう。

射場本: なんでって面白いからじゃん(笑) 

Sideboard: なるほど(笑) しゃばさんらしいですね。ところで、射場本さん以外にも今回はこのデッキにのっかったプレイヤーが数人いらっしゃるとかなんとか。

射場本: こないだのPTQ準決勝でイノケン(猪野健太郎)にやられたとき、試合を後ろでみてた有田(隆一)と今井(公雄)さんが使う~っていうから。

Sideboard: 浅原晃さんもたしかこのデッキタイプでしたよね?

射場本: ああ、佐野が一緒に焼肉についてきて「このデッキで出ます」みたいなことをいってたんだけど、会社関係でこれなくなっちゃって。3人かぁって思ってたら浅原君がやってるのを見つけて話を聞いてみたら「佐野さんの意思(遺志)をオレがつぎます」っていうから。ふぅんって(笑)

The Finalsチャンピオンにも輝いたばかりの浅原は、当代きってのデッキビルダーの一人といえる。そんな彼がデッキリストの「Deck Designer」という欄に自分以外の名前を書き込むということはめったに無いことで、この「Loop Junction」は浅原の琴線にふれる何かがあるようなデッキだということなのだろう。もっとも、先週末のプロツアー・アムステルダムに参戦していた浅原にはデッキを練り上げる時間はほとんどなかったといえるかもしれない。

Sideboard: 無限ライフですか。

浅原:ええ、まあ(笑) 佐野さんのぶんまでがんばるぞ、と。

Sideboard: やはりオリジナルデッキを調整する時間はたりなかったということでしょうか。

浅原: 日程は・・・きついですよねえ(笑)

◇イタリック・デッキ (Reanimate)

たとえば浅原晃は佐野経由で無限ライフデッキへとたどりつき、岡本尋の場合は平林和哉のエンチャントレスデッキをシェアしてもらうこととなった。やはり直前までアムスで戦っていたものたちは新しいエクステンデッドに時間を割く余裕があまりなかったようだ。石田格や真木孝一郎もごたぶんに漏れず、満足のいく調整は出来なかったという。

Sideboard: デッキセレクトの理由はずばり?

石田: 旅疲れ?(笑) 

Sideboard: というとこれはアレですか。帰国して大急ぎでデッキを作ってという。

石田: いや、一応前々から漠然とは考えていたんですけどね。(アムステルダムに)行くときにはすでに(デッキとして用意して)あったんですよ。でまあ、一番簡単だし。

Sideboard: フィールドにはどんなデッキがあると予想されていますか?

石田: サイカ、マルカ、RDW。あとは最近だとエンチャントレスとか。まあさすがに最近はメタられてねぇだろう!というか。

Sideboard: なるほど、デッキのウリは?

石田: ブンまわったら史上最強。1ターン目に《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》つれますからね。

Sideboard:《金属モックス/Chrome Mox》万歳ですか。

石田:うん。《金属モックス/Chrome Mox》万歳。

◇Rookies (Mind Desire)

Mind’s Desire

森勝洋と大礒正嗣。新旧新人王がそろってセレクトしているデッキが青白の《精神の願望/Mind’s Desire》デッキだ。森のデッキを大礒がシェアしてもらったというのが本当のところであるようで、やはりアムステルダム組ということで大礒は自分のデッキをくみ上げる余裕がなかったのかもしれない。

Sideboard: このデッキはどういった経緯で完成したのでしょう? デッキリストにあるとおり「モリカツデザイン」ということでしょうか。

: うん。そうかも。MOで外人に「なんかいいデッキない?」って聞いたら教えてくれて。それをだいぶ弄ってそうなりました。

Sideboard: なるほど。具体的にはどなたからデッキテクをシェアしてもらいました?

: Ruelの弟。アントワン(Antoine)。

Sideboard: このバージョンのデザイアデッキはどのくらいのターンで決まりますか?

: 多分5ターンくらいですね。

◇横須賀ブルー (Nether Go)

ここまでのインタビューどおり、多くのアムス組プロプレイヤーたちが旅疲れに悩まされており、デッキの調整もほとんどできていないという。しかし、そんな中で横須賀は今回も独自のデッキをデザインして岡山にやってきている。

Sideboard: 今回の横須賀ブルーのコンセプトはなんでしょう。

横須賀: まあ、使いたいカードをすなおに使おうと思いました。それが今回は《吸収/Absorb》だったので。あまり時間も無かったですしね

以上のように謙虚なコメントを残している横須賀。

しかし、彼がニューオリンズでベスト8に勝ち上がったときの横須賀ブルー(《サイカトグ/Psychatog》)もわずかな調整時間のなかで作り出されたマスタピースだったわけで、今大会どのようなパフォーマンスを残してくれるのか注目すべきといえるだろう。

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