そのGateway。いまや3ラウンドのシールド戦を終え、プレイヤーの数は32名へと絞られた。そして、ここからがドラフトによる3回戦が争われることになる。ちなみに、現段階での日本勢の生存者はPanzer Hunterの石田格とHato Beam檜垣貴生の二人だけだ。奇遇にも、双方ともチーム戦ではワントップの司令塔をつとめているプレイヤーであるという共通項がある。
■石田のデッキ
《部族/Tribal》としては《ビースト/Beast》をコンセプトとした赤緑+白のビートダウンデッキ。
投入された15体のクリーチャーのうちの8体までが《ビースト/Beast》で、それを背景にした《争乱の崖地/Contested Cliffs》によるパフォーマンスが期待できる内容だ。タッチされた白は《平和な心/Pacifism》のためのもので、マナベースは2枚の《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》がサポートしている。
また、《ドラゴンの休息地/Dragon Roost》が決まればそれだけでゲームを制圧することも可能だろう。
石田は
「まぁまぁ悪くないんじゃないかと。あと、ドラフトじゃなくてシールドを勝ち上がってきた面々でのドラフトだってところに活路が見出せそうな。なんていうか、おいしそうな対戦相手もちらほら卓にいたので」
と、心強いコメント。
是非ともMastersまで駆け上がってほしいものである。
Game 1
《嘲るエルフ/Taunting Elf》や《争乱の崖地/Contested Cliffs》とのシナジーが期待したい《疑い深い濃霧獣/Leery Fogbeast》が石田の側に2体展開され・・・Mattiasはそのうちの1匹を《うつろう爆発/Erratic Explosion》で除去できたものの・・・のこる一体を対処できなかったのである。
ランドばかり引いてしまってさぞかし無念だろうなぁ・・・と思いつつMattiasのハンドを確認すると・・・そこには《活力の魔除け/Vitality Charm》が!
あれ?
石田 wins 1-0
Game 2
Mattiasの疑惑のPlayに、ギャラリーは驚きを隠せない。しかし、Mattias自身はどうやら気がついていないっぽい雰囲気のまま二戦目へ。さてさて、こうなると石田のワンサイドゲームかな?
しかしながら、筆者の個人的な予想に反して先手Mattiasが好調・・そうなスタートを切る。
《変異/Morph》クリーチャー、《火炎杖の急使/Flamestick Courier》とアタッカーを連続召喚し、ダメージレースで先行。さらに、《変異/Morph》の方に《憤怒の冠/Crown of Fury》をエンチャントしてみせたのだ。
一方の石田はじっくりとハンドの内容を確認し、冷静に《根囲いの壁/Wall of Mulch》を展開してダメージを最小限に食い止める努力をすることにした。ハンドにはすでに《争乱の崖地/Contested Cliffs》と《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》が控えており、序盤のライフレースでの失点を最小限におさえれば、ゲーム後半はカードアドバンテージ面で対戦相手を圧倒できそうだったからだ。
・・・そして、ここで石田に追い風が吹く。そう、2ターンの間、Mattiasの土地が3枚のままでストップした。。
返すターンに石田は《プラズマの連鎖/Chain of Plasma》でその《変異/Morph》クリーチャーを除去し、それが《樹を跳ねるロリアン/Treespring Lorian》だったことを確認する。せっかくの《プラズマの連鎖/Chain of Plasma》も、もちろんコピーすることによって除去したい対象が存在しないため、Mattiaは黙ってこのスペルを見送るしかない。・・・そして、その上で石田は《疑い深い濃霧獣/Leery Fogbeast》を展開してみせた。
この4/2《ビースト/Beast》によって緒戦を落としていているだけに、Mattiasは即座に《うつろう爆発/Erratic Explosion》でこれを除去。しかし、彼の側に続くアタッカーを展開することがなかなかできなかった。
そうこうするうちに、石田は《争乱の崖地/Contested Cliffs》をセットし、《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》を召喚した。これで完全に攻守関係は逆転である。マナの絶対量で差がついてしまっているだけに、《大牙獣》への対抗手段にMattiasはなかなかアクセスできず、ライフレースはあっという間に石田の大量リードへと転じてしまった。
結局、ラストチャンスとばかりにMattiasが展開した《解体するオーグ/Butcher Orgg》もあっさりと《無頓着の波/Wave of Indifference》によってかわし、石田はミラーマッチを制した。
プレイ、デッキパワー、そして運の面でも石田がMattiasを圧倒した一戦だったと言えるだろう。さあ、岡本尋の待つMastersまであと二つだ。
Final Result:石田格 wins 2-0