Grand Prix–Okayama Day 2 Coverage

Posted in Event Coverage on November 21, 2008

By Wizards of the Coast

EVENT COVERAGE

  • Round 14: 三原 槙仁(千葉)vs.久保 龍太郎(兵庫)
    by Daisuke Kawasaki
  • Round 11: 窪内 直樹(千葉) vs. Guillaume Wafo-tapa(フランス)
    by Daisuke Kawasaki
  • 2nd Draft Report: 構築屋たちのリミテッド
    by Daisuke Kawasaki
  • Round 11: 石井 隼人(東京) vs. Olivier Ruel(フランス)
    by Naoaki Umesaki
  • 14:04: ドラゴンマスター
    by Keita Mori
  • Round 10: 池田 剛(福岡) vs. 村松 大輔(静岡)
    by Daisuke Kawasaki
  • 13:25: Ask Wizards – 2009年のグランプリ・ポリシー
    by Keita Mori
  • Round 9: ドラフトトップ卓より二組
    by Daisuke Kawasaki
  • 12:25: Draft Strategy - 「アラーラの断片」ドラフト徒然
    by Daisuke Kawasaki
  • 11:56: Draft Report – 何とる? inグランプリ岡山
    by Naoaki Umesaki
  • 09:25: Ask the Pros – 初日全勝おめでとうございます。アラーラのドラフトではどの「断片」(シャード)をドラフトしたいですか? また、そのデッキを作るためにピックしたい、重要なコモンカードを教えてください。
    by Keita Mori
  • Info: Day 2 Player List
    by Event Coverage Staff
  • Day 1 Blog Archive
    by Event Coverage Staff
  • Info: Fact Sheet
    by Event Coverage Staff

09:25: Ask the Pros – 初日全勝おめでとうございます。アラーラのドラフトではどの「断片」(シャード)をドラフトしたいですか? また、そのデッキを作るためにピックしたい、重要なコモンカードを教えてください。

by Keita Mori

池田 剛 – シャードというよりは、二色を基本と考えています。自分としては青白をやりたいですね。気持ち的にはやや決め打ち。「賛美」よりに進むのか、エスパー(青白黒)方面に進むのかは、流れを見て決めます。コモンっていうと、《忘却の輪/ Oblivion Ring 》はやっぱり欲しいですね。

窪内 直樹 – 2色ベース、青白をやりたいと思っています。流れによってタッチ緑でバント、タッチ黒でエスパー。希望としては、アーティファクトの流れが良ければ、それをシグナルと受け止めてエスパーに進みたいですね。コモンでピックする順番なら、たとえば《忘却の輪/ Oblivion Ring 》、次に《聖域のガーゴイル/ Sanctum Gargoyle 》、そして《急使の薬包/ Courier’s Capsule 》みたいな順番かな。(*ちなみに、アーティファクトに進めるシグナルは?)たとえば《機械医師/ Metallurgeon 》あたり。流れてきてほしいですね。

村松 大輔 – シャードで言うならジャンド(赤黒緑)をやりたいですが、赤黒という2色が基本形ですね。別にシャードにこだわらずにタッチ白になったことだってあります。ジャンドの場合、コモンは《ヴィティアのとげ刺し/ Vithian Stinger 》、《枝分かれの稲妻/ Branching Bolt 》、《骨の粉砕/ Bone Splinters 》という順番かな。除去です、除去。

三原 槙仁 – 聞いてくださいよ! アジア圏のプレミアイベントでは三大会連続で初日全勝なんですよ。ふふふ。...え、本題? まあ、ナヤ(赤緑白)かジャンド(赤緑黒)を希望しますけど、流れてくる色なら何でもやる主義なので。希望通り進めると仮定して、コモンなら《ヴィティアのとげ刺し/ Vithian Stinger 》、《枝分かれの稲妻/ Branching Bolt 》あたりから取りますね。あと、意外と世間は違うみたいですけど、自分は《ガルガンチュアンの贈り物/ Gift of the Gargantuan 》支持派です。さりげなくピックしておきたい。

山本 明聖 – バント(青白緑)と決めています。あまりドラフトは練習できていないので、経験豊富な友人が進めてくれたから、それを信じようかなと。《忘却の輪/ Oblivion Ring 》は除去ですから優先してピックしたいと思います。

11:56: Draft Report – 何とる? inグランプリ岡山

by Naoaki Umesaki

多色環境である『アラーラの断片』のドラフト戦では、普段にも増して様々なピック戦略の可能性があると言われています。 パックを開封してみたら選択が難しく、「この中から何を取ればいいんだ?」という状況になることって皆さんもありませんか?

そんな悩みはみんなで共有!
今回は、1日目のシールド戦を全勝で駆け抜けた山本 明聖のドラフトピックから、『何とる』オンラインカバレージ版をお届けしたいと思います。

コメンテーターとして、実際にドラフトピックをした山本と、残念ながら初日落ちして観戦モードとなっていた”2008日本選手権準優勝”高桑 祥広(神奈川)、”2006最優秀選手賞”八十岡 翔太(神奈川)、”2007最優秀新人賞”渡辺 雄也(神奈川)をお迎えしました。

皆さんも是非一緒に考えてみましょう!

■事前に山本が考えていたドラフト戦略

ナヤ(赤緑白)はクリーチャーも強く除去も豊富で強い色なのですが、人気が高くて競合してしまうことが多いことを予想すると微妙だと考え、あまり人気が無く競合しないであろうバント(青白緑)に行こうかなと考えていました。 決め打ちや深追いはせず、流れの良い色を取っていくという方針ですかね。

なるほど。 それでは、ドラフトスタート!

■1パック目 1手目

・山本の実際のピック:
《マグマのしぶき/ Magma Spray

コメント:
強力カードである《バントの魔除け/ Bant Charm 》も選択肢としてあると思うのですが、初手で3色確定のカードは取りたくないですよね。パックの流れが噛み合わないと無駄ピックになりますし、そういうことが実際に多いんです。
受け広く、単色で強いカードである《マグマのしぶき/ Magma Spray 》で。

・高桑 渡辺 八十岡の意見:
《マグマのしぶき/ Magma Spray

コメント:
山本と同じく、初手で無駄ピックになりやすい3色のカードは取りたくないと3人の意見は一致。初手で取るならなるべく単色のカードが好ましいということで、あえて迷う候補を選ぶなら《エルフの幻想家/ Elvish Visionary 》とのこと。

1手目のパックは比較的意見が割れないパックとなったが、2手目のパックから段々と個人ごとに方向性の違いからピックが異なってくる。

■1パック目 2手目

・山本の実際のピック:
《マグマのしぶき/ Magma Spray

コメント:
《ロウクスの突撃者》などと悩みましたが、環境的に軽い除去が非常に重要だと考えており、除去カードは序盤でしか絶対に回ってこないでしょうし、優先順位的にこちらを選択しました。《ロウクスの突撃者》は非常に強いカードなので、ここは好みの問題なのかもしれません。

・高桑 八十岡の意見:
《藻のガリアル/ Algae Gharial

コメント:
ジャンドに行きたいから、このカードだね。カードパワーは《ロウクスの突撃者》《マグマのしぶき》のほうが高いけど、ジャンドを組んだ時にこの中で一番強いカードは《藻のガリアル》だと思う。中・長期戦になるから大活躍さ。

・渡辺の意見:
《ロウクスの突撃者/ Rhox Charger

コメント:
カードパワーが一番高いし、試合を決められるカードだからね。除去カードの《マグマのしぶき》と迷うけど、カードパワーでこっちかな。あと、さっき《バントの魔除け》を流したからこのカードを流したくないよ。バントデッキのこのカードはめっさ強いから使われたくない。

■1パック目 3手目

・山本の実際のピック:
《野生のナカティル/ Wild Nacatl

コメント:
他のカードとカードパワーが違いますからね。一択でしょう。
ここらへんでナヤに行こうかなと思い始めました。赤緑がメインカラーとなりそうですが、赤緑メインのジャンドは弱いと事前情報で聞いていたので微妙だったから、ナヤに行こうかなと。赤黒メインのジャンドは強いんですけどね。

・高桑の意見:
《屑肉の地のゾンビ/ Dregscape Zombie

コメント:
2手目で《藻のガリアル》をピックしてるのが、裏目ったパターンだね。《ロウクスの突撃者》をピックしてたら《野生のナカティル》をとるんだけど、ジャンドを目指したんだから《屑肉の地のゾンビ》だね。ジャンドの強みとして、蘇生とかでアドバンテージが取りやすい点があるよね。

・渡辺の意見:
《野生のナカティル/ Wild Nacatl

コメント:
カードパワー的にも流れ的にも《野生のナカティル》一択ですね。2手目で《ロウクスの突撃者》をピックしたのが噛み合った感じですね。

・八十岡の意見:
《グリクシスの全景/ Grixis Panorama

コメント:
さっきのピックが裏目に出たね。これは《野生のナカティル》とれない。開き直るわけじゃないけど、多色を目指して多色土地をピックだね。

この後、実際の山本のピックは《ヴァレロンに仕える者》《アニマのドルイド》《洞窟のソクター》《領土を滅ぼすもの》といったカードを1パック目でピックして、ナヤ(赤緑白)のデッキを組むこととなる。上席の窪内がエスパー、上々席の森田がジャンドと、そこそこにドラフトの棲み分け(協調)も出来ていたようで、本人曰く「中々のデッキ」が完成した。

今回、山本のピックはナヤへと向かったが、三人のコメンテーターが示したように他にも様々な選択肢・可能性があった。 一見、一択に見えるようなパック内容でも実は様々な可能性があるものなのだ。

今回の『何とる?』では他にも様々な人に意見を聞いたのだが、例えば序盤のピックは同じカードをピックしたとしても戦略的に目指す方向が違い、後々のピックが全然違ってきて完成するデッキは全然違うものになったりと、”多色”がエキスパンションのテーマである『アラーラの断片』のドラフト戦は今までのエキスパンションにも増して自由度が高く面白いものとなっているようだ。

『アラーラの断片』のドラフト戦をまだプレイしたことのない人は、是非友達を誘って1度ドラフトをして楽しんでみて欲しい。

また、悩ましいパックがあったら友達と「あーでもない・こーでもない」と意見を出しあってみるのも面白いかもしれない。


12:25: Draft Strategy - 「アラーラの断片」ドラフト徒然

by Daisuke Kawasaki

グランプリ・岡山2008二日目は、当然「アラーラの断片」ドラフト。

さて「アラーラの断片」は、シールドも難しいと言われているが、なかなかどうしてドラフトも一筋縄ではいかないほど難しい。

「アラーラの断片」のドラフトを難しいものとしているのは、ズバリ『断片』という概念だ。

『断片』は、それぞれ友好3色の組み合わせ...なのだが、これが単純に3色の組み合わせというのならば、話は早い。というのも『断片』はそれぞれごとに個性的な戦術が組み込まれているのだ。

「色の組み合わせ」と「戦術の組み合わせ」に頭を悩ませる事になるのがアラーラという世界。

この悩ましくも楽しいドラフトのプレインを、各プレイヤーはどのように渡っていくのだろうか。

まず、ここでは各プレイヤーへのインタビューを織り交ぜながら、どのような戦略が存在するのかを紹介していきたい。

■基本編:各断片別戦略

まずは、基本となる各断片の戦術を紹介していこう。

●ナヤ(赤緑白)

昨日のシールド戦初日全勝デックを見ていただいた方には明らかな事であると思われるが、このアラーラの世界では、「緑」という色のクリーチャーの持つ力がひとつの支配力を持っている。

この芳醇なクリーチャーパワーを潤沢に使用できるのがナヤの特徴である。

とくに、断片の戦術としてプッシュされている「パワー5以上」を対象とする効果たちは、ただでさえサイズの大きさが重要なドラフトでの優位を増長させる形となるため、単純な攻撃力では最大級の力をもっていると言えるだろう。

有効カードが多く、卓内での許容人数が多いのもあり、安定、もしくは手なりのドラフトとして人気を集めているアーキタイプである。

●エスパー(青白黒)

Courier's Capsule

多くのプレイヤーを許容できる包容力を持つナヤと対照的に、タイトなドラフトを求められる断片として知られているのが、エスパーである。

エスパーは《聖域のガーゴイル/ Sanctum Gargoyle 》と《急使の薬包/ Courier’s Capsule 》のコンボに代表されるアーティファクト同士のシナジーによるアドバンテージがメインの戦術となるため、多くのアーティファクトを集めれば集めるほどデッキのパワーが上がっていく。

しかし、逆に言うと、十分なアーティファクトを確保できずシナジーを期待できなかったときに厳しくなってしまう為、できるだけ卓内には同じデックを狙うプレイヤーが少ない方がいいアーキタイプである。

また、いわゆる除去色(除去が多い色)なので、多くの除去を集めやすい反面、除去だけまわりにつまみ食いされやすいので、パーツが集まりきるかどうかと言う懸念もある断片である。

●ジャンド(赤黒緑)

クリーチャーのサイズで押すのがナヤであるとすれば、物量と特攻で攻めるのがこのジャンドという断片の特徴である。

《ドラゴンの餌/ Dragon Fodder 》《芽吹くトリナクス/ Sprouting Thrinax 》といったトークンを生み出す能力を、《風切るイグアナール/ Hissing Iguanar 》のようなクリーチャーが墓地に落ちたときの能力や、《崖崩れの精霊/ Rockslide Elemental 》の様なクリーチャーが死ぬたびに強化されるクリーチャーと組み合わせる事で戦線を構築する事になる。

断片のキーワード能力である貪食は、コモンにカードが存在しないために狙いにくい側面もあるが、物量を一気にサイズに転化できる上に、レアはすべて強力である。

一見、頼りないクリーチャーの集まりに見えるが、エスパー同様、シナジーが成立したときの爆発力は大きい。

ただし、シナジーに頼っている以上は、やはり卓内での許容人数という不安は常に抱えてしまうものである。

●グリクシス(赤黒青)

ジャンドと赤黒を共有している為、戦術的にかぶりやすく、またキーワード能力である蘇生も貪食とのシナジーがあると、共通する部分の多い断片ではある。

この断片特有の戦術といえば、《ケデレクトの忍び寄るもの/ Kederekt Creeper 》《潮の虚ろの大梟/ Tidehollow Strix 》による「接死」を中心とした防御戦の構築であろう。

特に、ここまで述べてきたように、サイズをメインの戦術として組み込んでいるナヤが最大戦術であり、また、ジャンドも最終的には貪食や《崖崩れの精霊》などのサイズで攻めてくる事を考えると、サイズに関係なく除去が出来る「接死」能力は、非常に有効な戦術となる。

とくに《ケデレクトの忍び寄るもの》は攻めてよし、守ってよしの万能カードなので、この断片を狙う場合には必須カードと言っていいだろう。

エスパー同様《苦悶のねじれ/ Agony Warp 》に代表される青黒系の除去に加え豊富な火力も採用できるため、除去をかき集めやすい事も念頭に置いていいだろう。

●バント(青白緑)

Akrasan Squire

さて、最後に紹介するバントだが、この戦略のメインとなるのは、なんといっても賛美によるビートダウンだろう。

1マナの《アクラサの従者/ Akrasan Squire 》から始まるこの断片特有のビートダウンは、うまくはまればまったくとめる事の出来ない大きさとなってしまう。

特に、被覆なうえに、直接戦闘も先制攻撃で回避する《器用な決闘者/ Deft Duelist 》はエスパーやグリクシスの様な除去系のデッキにとって天敵となりうるカードである。

このアーキタイプを狙う場合、賛美を持ったカードを優先的にかき集める事になるのだが、《アクラサの従者/ Akrasan Squire 》をはじめとしてタフネスの低いクリーチャーも増えてしまうので、《ヴィティアのとげ刺し/ Vithian Stinger 》や《血の信者/ Blood Cultist 》のようないわゆるティムに弱くなってしまうのが弱点と言えば弱点である。

また、賛美は攻めているときのみに有効な能力である為、守りに回されるととたんに厳しくなってしまう事もある。

とはいえ、これらの弱点も圧倒的な爆発力と、白と青による高い利便性の前にはそんなに大きいものではなく、ナヤに次ぐ人気アーキタイプとなっている。

以上の5つの断片の戦術が基本的な戦い方となる。

これらの断片において、たとえば、「サイズの」ナヤと「接死の」グリクシスのように、ある程度の相性とも言える関係があることを念頭に入れていただけると、この先のマッチカバレッジを理解する助けになるのではないかと思う。

■2色タッチ1色(安定的ドラフト派)

ドラフト巧者の森田 雅彦も安定的ドラフトを好む

さて、ではそれを踏まえた上で、各プレイヤーへのインタビューを交えつつ、実際のドラフトでの戦略について見ていこう。

三原 「《枝分かれの稲妻/ Branching Bolt 》と《雲荒れの原のドレイク/ Cloudheath Drake 》が流れてきたら、『上はティム(《ヴィティアのとげ刺し》)かぁ』って頭を抱えてください。もしくは《忘却の輪》ですね」

と、ソートについての情報を教えてくれたのは、初日全勝ポールポジションで二日目を折り返した三原 槙仁(千葉)である。

この環境はソートあんまり関係ないから、といいながらもソート表をチェックする姿に非常に三原らしさをかんじてやまない。

そんな三原のメインの戦略だが「赤緑にタッチで白か黒がいいですね」と明言している。

さて、この三原の提言する「2色を固めて、タッチでどちらかに寄せる」という戦略だが、実はプロプレイヤーの中ではマジョリティといっていいほどに支持を受けている戦略である。

たとえば、同じく初日を全勝している池田 剛(福岡)は、青白メインと求める色は違えども、2色を基準にしたいと言っているし、森田 雅彦(大阪)も

森田 「赤緑のただビートか、青白の賛美ビートがやりたいですね」

と言っている。

この戦略が支持を受けている一番の理由は、やはり、安定したカードをピック出来るという事だろう。3色を固めてしまうと、中盤あたりで流れてきた色の合わない強力カードを泣く泣くスルーする事になってしまったり、全色モロかぶりしてしまったときに、カードが足りずに結局4色に...といったリスクを軽減できるからであろう。

ちょうど、通常の2色ドラフトで、メインカラーを固めた後にサブカラーを選択できる余地をつくり、ピックの手を広げるのと感覚的には近いのかもしれない。この3色の世界ではメインカラーが「2色」というひとつの色なのだ。

そうすると、前述の各断片の戦術も、2色にある程度割り振られているのがわかってくる。

赤緑:ビートダウン
青黒:接死・除去
青白:賛美

特に、これらの3つの組み合わせが、明確なコンセプトを狙えるために、人気があるようだ。

■土地はいつピックする?(2色急進派)

このような多色環境であるだけに、色マナベースの安定は重要な事項である。

多くのプレイヤーが、かなり早い順目での土地ピックを推奨しているし、池田などは冗談交じりながらも「初手でもとりたい」と言うほどだ。

しかし、こんな風潮に待ったをかける男がいた。

三田村 和弥(千葉)である。

三田村 「だって、土地じゃ勝てないじゃないですか」

という、三田村は、この3色がテーマの環境で、土地で安定感を出すくらいなら最初から2色のデックを組めばいいじゃないかと提言する。そう、多くのプレイヤーが土地を確保しているピック順目で土地を必要としないのは大きなアドバンテージではないかと言うのだ。

三田村 「まぁ、なんだかんだで3色になっちゃたりしますけどね、まわりの流れ次第では。でも、3色カードはかなり優先度落としてピックしてますよ」

多くのプレイヤーが、デックの安定感をあげる為に土地が必要だと言っている中で、逆転の発想として三田村が提言する2色ドラフトであるが、果たして、効果のほどはあるのか。本日の結果で見ていきたい要素のひとつである。

■5色ドラフト(マナベース原理主義派)

Cruel Ultimatum

さて、そんな三田村と反するように、とにかく序盤は土地を取りまくり、2パック目以降で色が合わずに流されるパワーカードをかき集めるドラフトを目指すプレイヤーも多い。

たとえば、高橋 優太(東京)が一時期熱中し、タカラトミーの公式サイトの自身の記事でも紹介した「5色サイクリング」などは典型的な例であろう。

高橋 「ただ、安定しないんで、今回は狙いませんけどね」

そんな高橋にかわり、伊藤 敦(東京)のように、2手目から4手目は土地を集め、その後《浄火の大天使/ Empyrial Archangel 》や《残酷な根本原理/ Cruel Ultimatum 》といったマナ拘束の高いカードを集めるドラフトを実践するプレイヤーも数名いる。

特に、どんな環境でも5色パワーカードドラフトをおこない、まわりのピックをカオスに陥れ、「浅原さんじゃなかったらほされてますよ」とまでいわれる「卓内の火薬庫」こと浅原 晃(神奈川)は、かなり早い時期から5色サイクリングを試し続けていただけに、5色ドラフトに関する知識では他の追従を許さない。

浅原 「5色サイクリングはすでにメジャーになってしまいましたし、もう今更、って感じはありますよね。それより今はやっているのは、5色クソサイクリングですね」

と、どうにも理解しがたい事を言ってくる浅原。とはいえ、せっかくなのでもう少し聞いてみよう。

浅原 「《凶暴な飢え/ Savage Hunger 》や《火山流埋め/ Volcanic Submersion 》のような、ほとんど見向きもされないサイクリングカードでデッキの水増しをして、パワーカードへのアクセスする確率を高める手法ですね。いわゆるゼロックス的な戦略です。タイトなマナで動く事が多い環境だけに《呪文摘み/ Spell Snip 》はかなり有効なカードですし、《鋤引きの耕し獣/ Yoked Plowbeast 》や《峠のラネット/ Ridge Rannet 》は《ジャングルの織り手/ Jungle Weaver 》に比べて比較的安く流れてくるのでオススメですね」

テンポを重視した早いデッキはもろいと考えている浅原だけに、パワーカードを重視し、それへのアクセスを重視するという戦略には一応の理がある。

浅原 「ちなみにパワーカードというのはほとんどレアですね。《覇者シャルム/ Sharuum the Hegemon 》や《カルデラの乱暴者/ Caldera Hellion 》《若き群れのドラゴン/ Broodmate Dragon 》のような1枚で勝てるカードにアクセスできるようにするってことです。ちなみに5色クソサイクリングのサイクリング部分が全部パワーカードになり、アクセスの心配がいらないアーキタイプもあります。ギャラクシーっていうんですけど。まぁ、狙ってできるものではありませんね」

ちなみに、本日の浅原のファーストドラフトは、結果的にギャラクシーとなったそうだ。

ぜひともギャラクシーマスターを目指してもらいたい。

■エスパー?バント?(シグナル重視派)

「僕はエスパー狂ですから」とナカシュー

さて、ここまでいわゆる断片以外の要素を重視するプレイヤーの意見ばかりが並んだが、もちろん、断片という要素を重視するプレイヤーもいる。

現在PoYレース独走中の中村 修平(大阪)がそうだ。

中村 「僕はエスパー狂ですからね。もう、行けそうなら必ずエスパー行きますよ」

という。ちなみに、中村が考えるエスパーに行けるかの基準だが、まずは初手で

コモン:《忘却の輪/ Oblivion Ring
アンコモン:《命運縫い/ Fatestitcher
レア:《覇者シャルム/ Sharuum the Hegemon 》《遍歴の騎士、エルズペス/ Elspeth, Knight-Errant

あたりがピック出来れば、エスパーを念頭に置きつつ、一応バントを視野に入れるという。

中村 「とにかく《急使の薬包/ Courier’s Capsule 》と《聖域のガーゴイル/ Sanctum Gargoyle 》のアドバンテージエンジンが好き」

というように、3手目あたりで《聖域のガーゴイル/ Sanctum Gargoyle 》がとれれば、ほぼ迷わずエスパーを目指すという。

このあたりについて、昨も中村と意見交換をしていた窪内 直樹(千葉)はさらにかみ砕いた説明をしてくれた。

窪内 「みんな多色だから、色によるシグナルっていうのが当てにならないです。だから、たとえばエスパーのアーティファクトやバントの賛美っていう戦術としての要素っていうのがシグナルとして機能していると思うんですよね」

なるほど。過去のドラフト環境であれば、各色の強力カードがシグナル(自分の下家に、自分がやっていない色を伝え棲み分ける手段)として活用されていたが、各人が3色以上をピックする為、色による棲み分けが大きく意味をなさないアラーラの世界では、戦術をシグナルの手段として活用するべきであると言うのである。

戦術をシグナルとして活用し、断片としてまとまったデックを作るというテクニックは、実際にドラフトをやっているときに、活用しやすい視点だと思うので、是非とも実践してみてもらいたい。

さて、以上、かなり駆け足、かつ雑多に様々な戦略を紹介してきた。この雑多さが、この環境での戦略の幅広さであると思っていただけると、ありがたい。


Round 9:ドラフトトップ卓より二組

by Daisuke Kawasaki

様々な策謀うずまくファーストドラフトも終了し、第9ラウンドが開始された。

ここでは、全勝者5名を含む1st Podから、二組をフィーチャリングしよう。

■森田 雅彦(大阪)vs.高橋 優太(東京)

高橋 優太

まずは、1敗ラインからこの「新旧グランプリマスター」の対戦を。

絶賛国内グランプリ2連覇中であり、3連覇を目指す「不屈のストイシズム」高橋 優太(東京)。

日本人として最高のグランプリトップ8回数を誇り、プロツアートップ8を経験していないプレイヤーの中でもっとも生涯獲得プロポイントの多い「グランプリマスター」森田 雅彦(大阪)。

森田は、今年から社会人になり、過去のような積極的にプレミアイベントには参加できないが、連休が絡んだりと出来る範囲であれば、今後も出来るだけプレミアイベントには参加していきたいと語る。

森田 「仕事中だって、マジックのこと考えてますよ。どんなインヴィテーショナルカード作ろうか、とか」

と、練習になっているのかいないのかよくわからない事をいう森田だが、プロツアー・ベルリン、そしてこのグランプリ・岡山と安定した成績を残しているあたりにやはり地力の高さを感じさせられる。

森田のデックは《ジャンドの魔除け/ Jund Charm 》が3枚入った強力なジャンド(赤緑黒)のデック。

森田のピックを追いかけていた英語版記者のBrian David Marshalによれば「レアパワーで押してくるナヤ(赤緑白)でもなければまず負けないだろう」とのこと。

しかし、対戦相手の高橋こそ、《卓越の印章/ Sigil of Distinction 》《炎破のドラゴン/ Flameblast Dragon 》といった強力レアを持ったナヤなのであるが...はたしてどうなるか。

Game 1

先手の森田が2ターン目に《シーリアのエルフ/ Cylian Elf 》をキャストすると、高橋は《アニマのドルイド/ Druid of the Anima 》で返答する。

3ターン目、森田は3色の土地を揃えて、そのままターンを終了する。一方の高橋は、土地が止まってしまうが、メインターンに《鋤引きの耕し獣/ Yoked Plowbeast 》をサイクリングし、なんとか《平地》をひきこむ。

しかし、そこから高橋は土地を順調に引き続け、4ターン目には《血焚きの精霊/ Bloodpyre Elemental 》、そして5ターン目に《炎破のドラゴン》を場に降臨させる。

森田は手札に《ジャンドの魔除け》を握り、機をうかがう。

高橋は《炎破のドラゴン》で攻撃し、その能力で《シーリアのエルフ》を除去する。この機に森田は《ジャンドの魔除け》を使用し、高橋の《アニマのドルイド》と《血焚きの精霊》を一掃する。

攻撃の手をゆるめない高橋は《天空の先達/ Welkin Guide 》で《炎破のドラゴン/ Flameblast Dragon 》を強化し、ついには森田のライフを7にまで追い詰める。

だが、森田の手には2枚目の《ジャンドの魔除け/ Jund Charm 》。これと《血焚きの精霊/ Bloodpyre Elemental 》の合わせ技によって、盤面を完全にクリアにすることに成功した森田。《腐肉団/ Carrion Thrash 》《ドラゴンの伝令/ Dragon’s Herald 》を場に追加する。

《ジャンドの魔除け》の力で高橋の強力レア《炎破のドラゴン》をしのぎきった森田。

しかし、高橋のデックの脅威はこれだけではない。

《血焚きの精霊》をキャストした次のターンに、7マナすべてを使用した《卓越の印章》を装備する。

これには森田もご満悦。

高橋 1-0 森田

Game 2

森田 雅彦

後手の高橋がマリガン。

森田が3ターン目に《ジャンドのオベリスク/ Obelisk of Jund 》を設置し、高橋が《宮廷の射手/ Court Archers 》でかえすというゆっくりした立ち上がり。

だが、高橋が《アクラサの従者/ Akrasan Squire 》《モストドン/ Mosstodon 》と展開し、森田も《骸骨のカターリ/ Skeletal Kathari 》《臓物を引きずる者/ Viscera Dragger 》と展開したことで、ゲームは急速に動き出す。

森田の《荒廃稲妻/ Blightning 》に対して、赤マナが事故気味の高橋は《炎破のドラゴン》をディスカードせざるを得ない。《天空の先達/ Welkin Guide 》を戦線に追加し、《ナヤの戦闘魔道士/ Naya Battlemage 》で防御線を確立させる。

《天空の先達》で攻撃し、賛美×2で4/4。

《骸骨のカターリ/ Skeletal Kathari 》でブロックする森田に対して、《ナヤの戦闘魔道士》で強化し《モストドン》でトランプルをつけて対処しようとする。

森田は《骸骨のカターリ》を《ジャンドの魔除け》で強化し、対処を試みる。

しかし、再生するたびにリソースを消費する《骸骨のカターリ》は防御的に使用するには厳しすぎるクリーチャーであった。

高橋 2-0 森田

■池田 剛(福岡) vs. 窪内 直樹(千葉)

池田 剛のビートダウン

一方、こちらは初日全勝同士の対決。

特に、池田 剛(福岡)は、グランプリ・神戸に続いての初日全勝である。秘訣を聞いてみた。

池田 「うーん、肩の力が抜けてるからかな...まぁ、初日負けて帰るくらいでいいやって気持ちでやってるのがいいのかもしれないね。...なんて言って調子に乗っていると、次のグランプリはボロボロになりそうだけど」

そんな池田のデックは、昨日のシールドの赤緑2色デックを思わせる、赤緑に大きく寄せられたナヤ。2枚の《古霊の踏み行く処/ Where Ancients Tread 》が象徴的だ。

対して、窪内 直樹(千葉)はドラフト前に宣言していたように、エスパーを決め打ち気味に作成している。

窪内 「あー、緑やっておけばよかったー」

Game 1

お互いがマリガンし、窪内が《アクラサの従者/ Akrasan Squire 》、池田が《切り裂き隊の壊し屋/ Rip-Clan Crasher 》とクロックを並べる展開。

池田は《ガルガンチュアンの贈り物/ Gift of the Gargantuan 》でマリガン分のディスアドバンテージを取り戻す。

しかし、そのアドバンテージを活かすか活かさないかの前に、窪内は土地が止まってしまい、池田の猛攻を対処するだけのマナを用意できなかったのだった。

池田 1-0 窪内

Game 2

続いてマリガンでスタートする窪内。

池田が《野生のナカティル/ Wild Nacatl 》で序盤からクロックを仕掛けてくるのにを《機械医師/ Metallurgeon 》で押しとどめる。

しかし、池田はさらに《切り裂き隊の壊し屋/ Rip-Clan Crasher 》《ロウクスの突撃者/ Rhox Charger 》と攻め手をゆるめない。

窪内も、絆魂持ちの《風生みの魔道士/ Windwright Mage 》と《機械医師/ Metallurgeon 》を組み合わせ、戦線を維持しようとするのだが、ここで池田がキャストしたのが《古霊の踏み行く処/ Where Ancients Tread 》。

これをどうにも出来ないのが窪内のデック。

地上を固めつつ、《カターリの金切り声上げ/ Kathari Screecher 》や《聖域のガーゴイル/ Sanctum Gargoyle 》といった航空戦線でクロックを刻もうとする窪内だが、《ガルガンチュアンの贈り物》で後続を供給していく池田に対しては、《ジャングルの織り手/ Jungle Weaver 》に《聖域のガーゴイル》で攻撃するくらいしか出来ないのであった。

池田 2-0 窪内


13:25: Ask Wizards – 2009年のグランプリ・ポリシー

by Keita Mori
Wizards Play NetworkをアピールするRon Foster氏

多くの参加者がつめかけたグランプリ岡山2009。二日目に生き残ったプレイヤーは635名のうちわずか64名。大雑把ながら、全参加者のうち上位10%に勝ち残らなければならないという、過酷な競走だった。具体的な戦績で言うなら、安全圏は8回戦を6勝1敗1分以上。なんと、56名存在した6勝2敗ラインのプレイヤーから、54名が脱落してしまうという有様だった。

こちらのページをご確認下さい。」

と、笑顔で切り出すのがWizards of the Coast社組織化プレイ部のRon Foster氏。

上記のURLは英語版のページだが、記載されてある内容を確認すると、グランプリの2009年度の予定スケジュールといくつかの変更点について言及されているようだ。変更点、およびスケジュール部分を和訳してみよう。

■来年のグランプリスケジュール

4月18~19日 グランプリ神戸 (エクステンデッド)
8月29~30日 グランプリ新潟 (シールド/ブースタードラフト)
10月3~4日 グランプリ北九州 (シールド/ブースタードラフト)

■変更点

・グランプリの参加者が799名以下(800未満)である場合、2敗ラインの全員か64名の、いずれかの「多い方の数」の人数のプレイヤーが二日目に進出する。

・グランプリの参加者が800名以上である場合、2敗ラインの全員か128名の、いずれかの「多い方の数」の人数のプレイヤーが二日目に進出する。

Ron Foster 「来年から、グランプリではより多くのプレイヤーが二日目に勝ち残れるチャンスがあります。今回のグランプリ岡山が仮に2009年度の運営ポリシーに基づいて運営されていたなら、64名でなく118名もの方がブースタードラフトに生き残っていたという計算になります。より多くのチャンス、様々な嗜好をお持ちの皆様に楽しんでいただけるイベント、今大会からはじまったラウンド中のサプライズプレゼントなど、グランプリはさらにマジックの祭典としてパワーアップします。是非、ご来場下さい!」


Round 10: 池田 剛(福岡) vs. 村松 大輔(静岡)

by Daisuke Kawasaki

Round 9の記事でも書いたように、グランプリ・神戸に続き、このグランプリ・岡山でも連勝中と絶好調の池田 剛(福岡)。

ひたすら勝ち続ける静岡の村松 大輔

しかし、この岡山の地でもっとも好調なのはもしかしたら、この男かもしれない。

直前グランプリトライアルでバイ3を獲得し、そのまま連勝記録を伸ばしているのが村松 大輔(静岡)である。

村松 「ライアンチャンス目指しますよ」

と、浅原 晃(神奈川)のように、全勝記録更新への意気込みを語る。

なお、村松の所属都道府県が静岡となっているが、現在は仕事の関係で名古屋で主にマジックをプレイしているという。

村松 「名古屋に来てから、いままでの3倍くらい練習するようになったので、その成果が出たのかもしれませんね」

3倍の練習の成果が3バイか...と少し思ったが、それは置いておいて、村松の使用するデックは、グリクシス(赤黒青)に白をタッチした4色デック。

ナヤを使用する池田にとって、接死の多いグリクシスは天敵である。

さぁ、果たして、次のラウンドでラストスタンドワンをかけて戦う権利を手に入れるのはどちらか。

Game 1

後手の池田がマリガン。

村松の《ケデレクトの忍び寄るもの/ Kederekt Creeper 》がファーストアクション。

サイズで攻めたいナヤにとって天敵となるこのクリーチャー。これを除去する為に、池田は《ナヤのオベリスク/ Obelisk of Naya 》でまずはマナを加速し、《古霊の踏み行く処/ Where Ancients Tread 》を設置する。

しかし、ここで突き刺さる村松の《荒廃稲妻/ Blightning 》。どちらにしろ手札にパワー5以上はいなかったものの、アドバンテージを奪われる事になってしまう。

その間にも《ケデレクトの忍び寄るもの》に攻められ続ける池田。《猛きセロドン/ Bull Cerodon 》を引き込み、キャストするも、それに対応する形で《グリクシスの魔除け/ Grixis Charm 》によって《古霊の踏み行く処》を手札に戻されてしまい、《ケデレクトの忍び寄るもの》を除去する事はかなわない。

《猛きセロドン》は《潮の虚ろの大梟/ Tidehollow Strix 》と相打ちというあまり得ではない交換をさせられるが、なんとか《峠のラネット/ Ridge Rannet 》をキャストし、懸念材料であった《ケデレクトの忍び寄るもの》を除去する。

《峠のラネット》は《死の男爵/ Death Baron 》によって接死をもった《アンデッドのレオトー/ Undead Leotau 》と相打ち、その《死の男爵》は《切り裂き隊の壊し屋》と相打ち...と相打ちが続く場となるが、そうなると《荒廃稲妻》と蘇生でのアドバンテージがある村松に分があるのであった。

村松 1-0 池田

Game 2

Corpse Connoisseur

池田の2ターン目の《切り裂き隊の壊し屋》を《マグマのしぶき/ Magma Spray 》で村松が除去する応酬ののち、池田が2体目の《切り裂き隊の壊し屋》をキャストし、コレがこのゲームでの初ダメージを稼ぐ。

しかし、土地が4枚で止まり、サイクリングでも土地を引き込めない池田は《ナヤのオベリスク》に1ターンを費やす事になる。

その間に村松は《火炎地のオーガ/ Fire-Field Ogre 》《死体の鑑定人/ Corpse Connoisseur 》と戦線を構築していく。

こうして、防御側に回される事になった池田ではあったが、しかし、何かしらのアクションによって攻めに転じなければならない為、まずは《古霊の踏み行く処》をキャストする。

続いてキャストした《モストドン/ Mosstodon 》に対しては、Game 1と同じように、今度は《圧倒する波/ Resounding Wave 》というバウンスがとんでくる。

結局、手札の軍勢を生かしきるだけのマナに恵まれないまま、池田は、土地を片付けた。

村松 2-0 池田

こうして、村松はライアンチャンスの権利を保持する事に成功したのだった。


14:04 – ドラゴンマスター

by Keita Mori
ドラゴンマスター、中島 主税

5体の4/4ドラゴンを大空に放つ。

「アラーラの断片」を代表するプレインズウォーカー《サルカン・ヴォル/ Sarkhan Vol 》のテキスト欄に記載されている三番目の能力は、まさに夢あふれる、そして力強いものだ。事実、この週末にも、5体のドラゴンが何人ものプレインズウォーカーに勝利をもたらしている。

しかし、せっかくドラゴン軍団を呼び出しても、召喚酔いがさめるまでの1ターンの猶予を対戦相手に与えてしまうことも事実であり、時として、相手が強力な除去呪文にアクセスできてしまって台無しということも(特に構築戦では)ないではない。

しかし、「ドラゴンマスター」は、中島 主税は一味ちがう。

中島は、
「一人目の」《サルカン・ヴォル》によって大空に5体のドラゴンを召喚し!
「二人目の」《サルカン・ヴォル》で全軍に速攻(Haste)と+1/+1修整をあたえ!
そのターンのうちに圧倒的なビートダウンを見せつけたのだ。

中島 「二枚の《サルカン・ヴォル/ Sarkhan Vol 》でファーストドラフトを全勝できました! 昨日のシールドでも《サルカン・ヴォル/ Sarkhan Vol 》のおかげで二日目に勝ち残れましたし、ホントにサルカン様々、ドラゴン様々です!」

はたして中島のセカンドドラフトもドラゴンデッキとなるのかどうか、要注目だ。


Round 11: 石井 隼人(東京) vs. Olivier Ruel(フランス)

by Naoaki Umesaki

東京から遠征してきた石井 隼人ここまでの成績を8勝1敗1分としている石井 隼人(東京)とOlivier Ruel(フランス)の試合をお届けする。

第1ドラフトの試合をここまで2連勝している両者だが、ドラフト時の席順がOlivierの下席に石井が座る形となっていたそうで、色を棲み分けて強調しあった結果、お互いのデッキは完成度の高いものに仕上がっているという。

石井 「Top8進出を目指して3-0を狙いたかったから、上手く組めた時に凄く強くなるカラーコンビネーションであるエスパーをドラフトしたかったけど、流れに従った結果、そこそこ強いナヤが組めました」

Olivier 「俺のデッキは《戦誉の天使/ Battlegrace Angel 》と《冷静な天使/ Stoic Angel 》がキュートなバントデッキで、超強いぜ! でも、《圧倒する静寂》や《圧倒する雷》とかを流してるし、相手のデッキも超強いだろうなー。」

強く組めたデッキ同士、見ごたえのある勝負となりそうだ。

Game 1

ダイスロールに勝ち先攻を選択した石井、《森》《山》《ナヤの全景/ Naya Panorama 》《不治のオーガ/ Incurable Ogre 》《槍折りのビヒモス/ Spearbreaker Behemoth 》《グリクシスのオベリスク/ Obelisk of Grixis 》《鼓声狩人/ Drumhunter 》という内容の初手をキープする。

4ターン目に《不治のオーガ》を展開する石井に対し、Olivierは3ターン目に《アクラサの守護者》をプレイするも、続く4ターン目は4マナを立たせてターン終了を宣言。
明らかに《圧倒する静寂/ Resounding Silence 》を打つ構えのように見えるが、ブラフのようにも思える。

石井は小考するのだが、ドラフトで自身がOlivierに《圧倒する静寂》を流していることもあり、このターンはアタックをせず《鼓声狩人/ Drumhunter 》をプレイしてその能力でドローを進める。

次のターン、石井は《不治のオーガ》でアタックを仕掛けるのだが、Olivierの手札から《圧倒する静寂》は飛んでこず。 Olivierは《天使歌/ Angelsong 》をサイクリングするのみでアクションをおこさない。

そして、石井が追加で《槍折りのビヒモス/ Spearbreaker Behemoth 》を出した返しのターン。 Olivierはようやく《アミーシャの口づけ/ Kiss of the Amesha 》とアクションを起こすのだが。

石井は《魂の火/ Soul’s Fire 》で《アクラサの守護者》を除去してのフルアタックで一気に大ダメージを叩き込み、更に《圧倒する雷/ Resounding Thunder 》をも叩きこんでOlivierを圧倒。

石井 1-0 Olivier

 フランスから遠征してきたオリヴィエ・ルーエルGame 2

Olivierは2ターン目に《バントの全景/ Bant Panorama 》で色マナを整え、3ターン目に《ロウクスの戦修道士/ Rhox War Monk 》、4ターン目に《アクラサの守護者/ Guardians of Akrasa 》と良い展開。

石井のファーストアクションは3ターン目の《トーパの苦行者/ Topan Ascetic 》で、Olivierが場に《ヴァレロンに仕える者/ Steward of Valeron 》を追加してきたのに対して《ロウクスの戦修道士》を《破門/ Excommunicate 》するのだが、Olivierは次のターンに《ロウクスの戦修道士》を再展開するのに加えて《天望の騎士/ Knight of the Skyward Eye 》も戦線に追加。

土地ばかりを引いていて手札が良くない石井は、《アニマのドルイド/ Druid of the Anima 》《天空の先達/ Welkin Guide 》と展開するクリーチャーのパンチ力がOlivierに比べて足りない。

そして、戦闘によりOlivierの《天望の騎士》と石井の《トーパの苦行者》が相打ちになり、いよいよ《ロウクスの戦修道士/ Rhox War Monk 》がアタックし始めるのかという状況になるのだが、Olivierは《ロウクスの戦修道士》でアタックをせず、《ヴァレロンに仕える者》のみでアタック。

Olivierと石井。両者とも、先ほどのゲームから相当に《圧倒する静寂/ Resounding Silence 》を警戒した動きである。石井の場には青マナが出る《オベリスク》があるので、両者ともに8マナのサイクリングプレイが可能な状況であり、お互いに動きにくい場となっていたが、ついにOlivierがサイクリングプレイでの《圧倒する静寂》で石井の《天空の先達》を除去。

いよいよゲームが動き出し、石井が《エルフの幻想家》から《鋤引きの耕し獣/ Yoked Plowbeast 》と展開して、次のターンには《鼓声狩人》ドローを進めはじめる。 Olivierも《アミーシャの口づけ/ Kiss of the Amesha 》を2連打して手札を補充すると共に、ライフを36と凄い数字にしながら《ケデレクトのリバイアサン/ Kederekt Leviathan 》で一旦場をリセット。

Olivierがこのまま勝ちに行くかと思われたのだが、またも《圧倒する静寂》を警戒してかアタックせず、《ロウクスの戦修道士》を再展開してターンエンド。
石井が4マナしかないタイミングでOlivierは《ケデレクトのリバイアサン》と《ロウクスの戦修道士》でアタックするのだが、石井からは通常プレイでの《圧倒する静寂》。

Olivierは《岩投げの小隊/ Rockcaster Platoon 》《戦誉の天使/ Battlegrace Angel 》、石井は《槍折りのビヒモス/ Spearbreaker Behemoth 》《鼓声狩人/ Drumhunter 》と展開を続ける。

《槍折りのビヒモス》で地上のクリーチャーは止まってはいるが、《戦誉の天使》がどうにもならないように見えた石井だったが、《鼓声狩人》の能力でのドローによって手札を補充していていた成果か、《枝分かれの稲妻》《圧倒する雷》《カルデラの乱暴者》の合わせ技で、Olivierの《岩投げの小隊》と《戦誉の天使》を除去。

Olivierは《シーリアのエルフ/ Cylian Elf 》《ヴァレロンに仕える者/ Steward of Valeron 》《ジャングルの織り手/ Jungle Weaver 》と戦線を再構築するも、石井は《不治のオーガ/ Incurable Ogre 》《鋤引きの耕し獣/ Yoked Plowbeast 》《熊手爪のガルガンチュアン/ Rakeclaw Gargantuan 》と重量級のカードを投下。

長期戦もようやく終わりが見えてきた感じだろうか?
石井が《不治のオーガ》《鋤引きの耕し獣》で殴り始まる。Olivierは片方を《ジャングルの織り手》ブロックするが、ライフが39から5点ずつ減ってゆく。

そして、このまま石井が押し切るのかと思われたのだが、Olivierは石井のライブラリー枚数をカウント(7枚)して、《冷静な天使/ Stoic Angel 》をプレイ!

石井は思うようなアタックを許されず、《冷静な天使》によってライフは7→4と着実に減ってゆく。
極めて厳しい状況となった石井は、残り時間12分であることを確認すると、次のゲームを行うために投了を選択した。

石井 1-1 Olivier

Game 3

ゲーム開始時で、残りの試合時間は9分。
お互いにキビキビとした動きで、マッチの勝敗を決する第3ゲームが開始された。

石井が《エルフの幻想家》→《トーパの苦行者》と展開し、Olivierが《天望の騎士》《バントのオベリスク》《ヴァレロンに仕える者》と展開する。

お互いに序盤の展開を終えたところで石井は《カルデラの乱暴者》をプレイするのだが、Olivierはこれを《取り消し/ Cancel 》でカウンター。

 

Kederekt Leviathan

石井の脅威を一旦凌いだOlivierは、先ほどのゲームを思い出させる《アミーシャの口づけ》2連打。
石井も《不治のオーガ》を戦線に追加するのだが、Olivierのライフは34と程遠く、お互い時間に追われる勝負となる。

戦闘によって《トーパの苦行者》と《天望の騎士》が相打ちになり、Olivierは《天空の先達/ Welkin Guide 》をプレイして《ヴァレロンに仕える者/ Steward of Valeron 》を強化してのアタックで石井のライフを12へと追い込む。 Olivierは続くターンにも《岩投げの小隊/ Rockcaster Platoon 》を戦線に追加して攻勢に出る。

石井は《鼓声狩人/ Drumhunter 》プレイして能力でドロー。 Olivierは《岩投げの小隊》でアタック。普段だったらコンバットトリックなどを意識して悩むところだろうが、時間が無いので勝ちに行くためにノータイムで《アニマのドルイド》《エルフの幻想家》《不治のオーガ》でブロックに行き、お互いに何も無く戦闘は相打ちとなる。

また均衡状況となるのかと思われたのだが、ここでOlivierは《バントのオベリスク》2個から2マナをうかせて、《ケデレクトのリバイアサン》をプレイというビックアクション。
そして、浮いたマナで《ヴァレロンに仕える者》を。

ついに、長かった試合もラストターン。
Olivierが《天空の先達/ Welkin Guide 》をプレイして、プラス能力の対象《ケデレクトのリバイアサン/ Kederekt Leviathan 》を指定すると石井は投了した。

石井 1-2 Olivier

石井 「2ゲーム目は、パワー5軍団が並んだ時にもう1体多く殴ってもよかったかもしれないね。相手がバウンスや除去を持ってる可能性をケアしたんだけど、相手のライフも多かったからヒヨりすぎたかもしれない。」

ドラフト時の席が隣通しだったことから、お互いに相手のデッキの中身をある程度想像できるがゆえに、探りあいが多い緊迫感ある勝負をOlivierが制した。

Result: Olivier Ruel Win!


2nd Draft Report: 構築屋たちのリミテッド

by Daisuke Kawasaki

実はリミテッダーという浅原 晃一般的にはデックビルダーとしての認知度が高い浅原 晃(神奈川)。

しかし、グランプリ・岡山の数日前に、こんな驚きの台詞を筆者に語った。

浅原 「最近気がついたんですけど、実はリミテッドの方が得意ですわ」

たしかに聞いた瞬間には驚いたものの、よくよく考えれば、浅原の初タイトルはグランプリ・松島であり、レギュレーションは神河物語リミテッドであった。

と、考えてふと気がついた。

そういえば、「世界最強の構築屋」として知られるGuillaume Wafo-tapaも、実は今シーズンの頭におこなわれたローウィンブロックリミテッドのプロツアー・クアラルンプールでトップ8に入っているではないかと。

デック構築能力の高いプレイヤーは、リミテッドでのデック構築でのバランスをとるのがうまいのか。はたまた、マジックの基礎体力とでも呼ぶべき能力が高いプレイヤーがデッキビルダーとして名をはせているため、クリーチャー戦に代表される基礎的な能力を問われるリミテッドでも強いのか。

浅原とWafo-tapaが上下で並ぶ卓があるというので、そんな問題定義など無かったかのように、ピックの様子をお届けしよう。

■Pack 1

浅原が開封したパックでのレアは《覇者シャルム/ Sharuum the Hegemon 》。

別項のドラフト戦術の記事でも触れたように、浅原は強力レアが大好きであるため、コレをピック。

一方のWafo-tapaは、初手こそ手の広い《マグマのしぶき/ Magma Spray 》であったものの、浅原から流れてきた《ジャンドの魔除け/ Jund Charm 》を見て、それをピックする。

ここからWafo-tapaは《ゴミあさりのドレイク/ Scavenger Drake 》《野蛮な地/ Savage Lands 》《芽吹くトリナクス/ Sprouting Thrinax 》《エルフの幻想家/ Elvish Visionary 》とジャンドの重要パーツを集めていき、デッキ全体の根幹を作り上げる。

さて、浅原だが、いわゆる「5色クソドラフト」、パワーカードと弱めのサイクリングカードを中心としたピックテクニックの実例を見れるかと思いきや、3手目で《グリクシスの魔除け/ Grixis Charm 》をカードパワーを優先してピックした事をのぞくと、全体として驚くほど普通にエスパーをピックしている。

7手目8手目という遅めの順目でこそ、《アンクスの大悪魔/ Archdemon of Unx 》《無知の処罰/ Punish Ignorance 》といったレアをピックしているものの、《エスパーの戦闘魔道士/ Esper Battlemage 》《エスパーの魔除け/ Esper Charm 》とピックしている。

浅原と言えば、とにかくパワーカードをピックするドラフト荒しとしても有名であり、1st Draftで浅原の下であった田中 久也(東京)など「浅原さんと協調したつもりだったのに、なにも流してくれなかった...」と語るくらいである。

そんな浅原にしては、エスパーとジャンドで棲み分けているのは、ある意味珍しい光景であるといえるだろう。

ドラフトとしては非常に普通の事ではあるが。

実はリミテッダーという浅原 晃■Pack2

Wafo-tapaは、《ジャンドの魔除け》《屍からの発生/ Necrogenesis 》とメインとなるパーツを厚くすることに成功する。

しかし、《ジャンドの魔除け》が流れてきた2手目に《ゴミあさりのドレイク》《藻のガリアル/ Algae Gharial 》《ドラゴンの餌/ Dragon Fodder 》といった必要そうなパーツをピック出来ず、また、実はWafo-tapaの下がジャンドをピックしていた為、それ以外にパーツを回収できなかったのが厳しい。

ただし、これはアラーラのドラフトではよくある事であり、逆に、3Pack目では、浅原はもちろん、その上の窪内もバントをピックしているため、十分にパーツを確保できる事が期待できる。

逆に言えば、ここで、4人下まで緑系をピックしているにもかかわらず、パックの影響で特にパーツを集められなかった浅原が厳しい。

しかたなく《グリクシスの全景/ Grixis Panorama 》《秘儀の聖域/ Arcane Sanctum 》《グリクシスのオベリスク/ Obelisk of Grixis 》と全体的にマナベースを充実させつつ、色を広げる事を検討しはじめる。

パック自体からもエスパーパーツがでなかった事を踏まえて、《機械医師/ Metallurgeon 》《潮の虚ろの大梟/ Tidehollow Strix 》《急使の薬包/ Courier’s Capsule 》あたりの追加にとどまる。

■Pack 3

2手目《潮の虚ろの大梟》、4手目《処刑人の薬包/ Executioner’s Capsule 》とピック出来た浅原。

そして、5手目ではエスパーのメインパーツのひとつである《聖域のガーゴイル/ Sanctum Gargoyle 》をピックする。

《処刑人の薬包》《急使の薬包》とピックしているだけにこれはうれしいところだ。

しかし、浅原は不満げなコメントを残す。

浅原 「実は、3パック目では《猛きセロドン/ Bull Cerodon 》をとれないかと期待してたんですよね。2パック目で赤をタッチしやすいピックが出来たので。やっと《猛きセロドン》が来たと思ったら《聖域のガーゴイル》と一緒だったんですよね」

エスパーに《猛きセロドン》をタッチする為に赤いカードを...というのは、やはり常に広い視点でピックをおこなっている浅原ならではの視点だっただろう。

しかし、結果的に卓内でエスパーひとりという結果にもかかわらず、浅原は満足のいくデックが作れなかった。

浅原 「うーん...60点くらいですね、デッキ。《猛きセロドン》とれれば、100点だったんですけど」

一方のWafo-tapa。

2手目で《圧倒する雷/ Resounding Thunder 》、3手目で《枝分かれの稲妻/ Branching Bolt 》をピックし、除去が充実する。

しかし、ここでひとつ不思議なピックがある。

 

Gift of the Gargantuan

5手目で《風切るイグアナール/ Hissing Iguanar 》よりも《ガルガンチュアンの贈り物/ Gift of the Gargantuan 》を優先してピックしたのである。

《風切るイグアナール》といえば、ジャンドの必須パーツ。一方の《ガルガンチュアンの贈り物》はアドバンテージは取れるものの、3マナが多くなりがちなジャンドのドラフトでは敬遠されがちなパーツでもある。

Wafo 「除去は多いけど、クリーチャーが並ぶようなデッキに出来なかったから、《風切るイグアナール》はとれなかったね。それよりも《ガルガンチュアンの贈り物》で大型クリーチャーを探しに行くようにした方がデッキが強いと思ったんだ」

なるほど。たしかに、中盤以降のピックをみかえしてみると、《腐肉団/ Carrion Thrash 》や《アンデッドのレオトー/ Undead Leotau 》といった大型のクリーチャーをある程度優先してピックしているのがわかる。

浅原にしろ、Wafo-tapaにしろ、共通して感じられたのは、ピックするときに、カードのパワーをきちんと評価しつつも、デック全体の構成とシステムを強く意識していたという事だ。

やはり、デックビルダーの能力がもっとも発揮されるのは、リミテッド...なのかもしれない。


Round 12: 窪内 直樹(千葉) vs. Guillaume Wafo-tapa(フランス)

by Daisuke Kawasaki

窪内 直樹はプロツアー京都参加権のためにも勝ち上がりたいトップ8への最後の鍵を握る2回目のドラフトも終了し、あとは、自分でピックしたデックを信じて3回戦を戦い抜くのみとなったグランプリ・岡山。

ここでフィーチャーするのは、先ほどデックピックもお伝えしたフランスからの刺客Guillaume Wafo-tapa(フランス)。

世界中をサーキットする津村 健志(広島)や中村 修平(大阪)・齋藤 友晴(東京)たちが、世界中で友人をつくりまくっている。これもまた「Play the Game,See the World」というプロツアーの概念のひとつの体現であり、マジックがもつ魅力のひとつである。

そして、これは日本人に限った事ではない。

親日家としてしられるOlivier Ruel(フランス)が、黒田 正城(大阪)夫妻と家族ぐるみで交流をもっていることはよく知られているが、今回Wafo-tapaも、中村の家への訪問と観光をかねて日本にやってきたという。

対するは初日全勝から本日のフィーチャリングテーブル常連となった感のある窪内 直樹(千葉)。

ジャンドのWafo-tapaとバントの窪内。

ドラフト荒しとして知られる浅原 晃(神奈川)の上下だったこのふたりのマッチアップ。

はたして、トップ8への道を切り開けるのはどちらか。

Game 1

後手の窪内は、マリガンながら、2ターン連続で《平地》をセットし、《印章持ちの聖騎士/ Sigiled Paladin 》からのスタートという立ち上がり。

対して、先手のWafo-tapaは、3ターン目に《ガルガンチュアンの贈り物/ Gift of the Gargantuan 》で《腐肉団/ Carrion Thrash 》と土地を手札に入れるものの、4ターン目もマナを残してターン終了する。

この隙に、窪内は、さらなる賛美勢として《アクラサの守護者/ Guardians of Akrasa 》を追加しWafo-tapaのライフを削りにかかる。

Wafo-tapaは5ターン目には《腐肉団》をキャストするものの、4/4の《腐肉団》では先制攻撃をもつ《印章持ちの聖騎士》による攻勢をしのげない。

《ガルガンチュアンの贈り物》を連打し、アドバンテージを獲得しつつ回答を探すWafo-tapaだが、窪内が《腐肉団》に《破門/ Excommunicate 》をうちこみ、《ジャンドの魔除け/ Jund Charm 》による除去を《圧倒する咆哮/ Resounding Roar 》によって交わされてしまい、虎の子である《枝分かれの稲妻/ Branching Bolt 》を使わされてしまう。

窪内は《目明き階級の魔術師/ Sighted-Caste Sorcerer 》を新たな攻め手として用意すると、Wafo-tapaが再召喚した《腐肉団》を《バントの魔除け/ Bant Charm 》でライブラリーの下に送り込む。一方のWafo-tapaの場には《ゴミあさりのドレイク/ Scavenger Drake 》のみ。

そして《忘却の輪/ Oblivion Ring 》を抱え込んだまま、ターンを終了する。

この《忘却の輪》で《モストドン/ Mosstodon 》を対処する窪内だったが、《屍からの発生/ Necrogenesis 》によるトークンがライフが2のWafo-tapaに貴重な時間を与える。

こうなってしまうと《ゴミあさりのドレイク》が強い。

Wafo-tapaは、《峠のラネット/ Ridge Rannet 》《モストドン》を追加していく。窪内は、痛恨にも、ここで土地しかひかない。

結果、Wafo-tapaは、窪内の猛攻をしのぎきった。

Wafo-tapa 1-0 窪内

ギョーム・ワフォ=タパは見事に盤面をコントロールしていくGame 2

マリガン後の窪内の6枚の手札に土地は無し。

窪内 「厳しいね」

と、さらにマリガンすると、今度は4枚の土地に《帰化/ Naturalize 》という非常にかみ合わない手札。

Wafo-tapaもマリガンをするものの、2ターン目《エルフの幻想家/ Elvish Visionary 》から3ターン目に《芽吹くトリナクス/ Sprouting Thrinax 》という非常に恵まれたスタートを切る。

これらに対処するべく窪内は祈るようにドロー。そのドローが《天望の騎士》だったものの、まだマナがないうちに《マグマのしぶき/ Magma Spray 》で除去されてしまう。

《モストドン》《腐肉団》×2と展開し、プレッシャーをかけてくるWafo-tapaだったが、しかし、窪内も《残忍なハイドラ/ Feral Hydra 》《ナヤの戦闘魔道士/ Naya Battlemage 》と耐えうるだけのカードを引き続ける。

さらに防御線として《機械医師/ Metallurgeon 》を追加し、《モストドン》は《バントの魔除け》で退ける窪内。Wafo-tapaも、《峠のラネット》を追加し、虎の子である《屍からの発生/ Necrogenesis 》を展開する。

だが、ここで、窪内の初手から輝く《帰化》。

これで窪内はしのぎきる事に成功した...かにみえたが。

Wafo-tapaが《ガルガンチュアンの贈り物》から手札に加えたのが《死体の鑑定人/ Corpse Connoisseur 》!

これによって墓地に送り込まれた《アンデッドのレオトー/ Undead Leotau 》が続くターンに蘇生したときにしのぎきれない事を察した窪内は、力強く手を差し出した。

Wafo-tapa 2-0 窪内


Round 14: 三原 槙仁(千葉)vs.久保 龍太郎(兵庫)

by Daisuke Kawasaki

久保 龍太郎はベストエイト入賞をかけて元世界王者に挑戦するプレミアイベントの最終イベントである程度以上の点数を獲得しているプレイヤーの気にする事は、果たしてID(合意の上での引き分け)が出来る対戦相手と当たれるかどうか、である。

34点がラインとなった今回の岡山。33点のプレイヤーが3人であり、ひとりが下と当たる事となってしまった。

そして、その「トップ8にむけてのガチ勝負」をおこなう事になったのが、「魔王」三原 槙仁(千葉)である。

対するのは、久保 龍太郎(兵庫)。

こちらは31点のプレイヤーであり、ここでの勝利によってトップ8の発表を期待して待つという権利を手に入れる事が出来る。

ちなみに余談ではあるが、久保が1st Draftで構築したデックは、《潮の虚ろの大梟/ Tidehollow Strix 》《聖域のガーゴイル/ Sanctum Gargoyle 》といったメインパーツが3枚ずつに、《苦悶のねじれ/ Agony Warp 》《処刑人の薬包/ Executioner’s Capsule 》といった除去が2枚ずつ、そして、《覇者シャルム/ Sharuum the Hegemon 》まで完備と、真木 孝一郎曰く「次の構築済デッキです」というほどの完成度の高いエスパーであった。

当然結果は3-0だったそうだ。

Game 1

後手の久保の《ドラゴンの餌/ Dragon Fodder 》に対して、三原は《ナヤのオベリスク/ Obelisk of Naya 》で淡々とマナをのばす。

この《ナヤのオベリスク》のマナから《崖崩れの精霊/ Rockslide Elemental 》を除去し、一見うまく回ったように見える三原だったが、しかし、4ターン目に土地が止まってしまう。

しかし、この4マナでキャストしたのが《鼓声狩人/ Drumhunter 》。

1体目の《モストドン/ Mosstodon 》は《圧倒する雷/ Resounding Thunder 》で除去し、2体目も《枝分かれの稲妻/ Branching Bolt 》で除去した久保だったが、黒マナに不足し、続く《不治のオーガ/ Incurable Ogre 》を対処できず、三原はドローモードに突入してしまう。

《災いの悪魔/ Scourge Devil 》《風切るイグアナール/ Hissing Iguanar 》と展開し、三原のライフにプレッシャーをかけ続ける久保だったが、三原は《鼓声狩人》でついに2枚目の白マナとなる《平地》を引き当て、《タイタンの根本原理/ Titanic Ultimatum 》をキャスト。

久保は、自分のライブラリートップが《沼》であることを確認すると、大きくため息をついた。

三原 1-0 久保

三原 槙仁も決勝ラウンド進出を賭けて最後の戦いに臨むGame 2

久保は、またも2ターン目に《ドラゴンの餌》。

そして、三原がキャストした《トーパの苦行者/ Topan Ascetic 》を《枝分かれの稲妻》で除去しつつ、果敢にアタックを続ける。

三原は4ターン目に《鼓声狩人》をキャスト。そして、続くターンには《ナヤのオベリスク/ Obelisk of Naya 》を経由して《長毛のソクター/ Woolly Thoctar 》を場に送り出す。

この《長毛のソクター》は《骨の粉砕/ Bone Splinters 》で除去するものの、三原は《モストドン》を追加する。

そして、三原は2体目の《鼓声狩人》をキャストする。このとき、久保は手札に《モストドン》を除去できる《圧倒する雷》を持っているのだが、三原のライフが11である事を考え、サイクリングで6点を本体に与えるプランを選択する。

そう、仮にここで《モストドン》を除去しても、三原の11点のライフを削れきれるとは考えられないのだ。

デッキにあと2枚残っている《圧倒する雷》を念じてライブラリーに手をかけ続ける久保。

そんな久保の希望を打ち砕く、《タイタンの根本原理》。

三原 2-0 久保

三原 「グランプリ・マニラでも10位だったから、今回も恐かったんですけど、なんとかトップ8決められてよかったですよ」

世界選手権をはじめ、プロツアーレベルのイベントでは、また、日本選手権やThe Finalsではそうそうたる成績を残し続けている三原だが、実はグランプリでのトップ8はまだ2回目だという。

はたして、三原はその自身の華々しい経歴に、今回新たな一行を加える事が出来るのだろうか。

Latest Event Coverage Articles

December 4, 2021

Innistrad Championship Top 8 Decklists by, Adam Styborski

The Innistrad Championship has its Top 8 players! Congratulations to Christian Hauck, Toru Saito, Yuuki Ichikawa, Zachary Kiihne, Simon Görtzen, Yuta Takahashi, Riku Kumagai, and Yo Akaik...

Learn More

November 29, 2021

Historic at the Innistrad Championship by, Mani Davoudi

Throughout the last competitive season, we watched as Standard and Historic took the spotlight, being featured throughout the League Weekends and Championships. The formats evolved with e...

Learn More

Articles

Articles

Event Coverage Archive

Consult the archives for more articles!

See All