Latin America Flexes Its Muscles

Posted in Event Coverage on August 17, 2002

By Josh Bennett<break />Translated by Keita Mori

アルゼンチン代表チームシドニーでの世界選手権は、南米勢にとって実に素晴らしい週末となったと言えるだろう。彼らはとうとう ベスト 8 にプレイヤーを送り込むことに成功し、しかもそれが二人同時という快挙なのである。今や、アルゼンチン代表チームは個人戦終了時点で首位までわずかに 1 ポイント差というところまで上り詰めているのだ。チームタイトルを狙ううえで、これ以上にない好位置につけていると言えるだろう。

それにしても、南米という地域は長い間プロフェッショナル・マジックの世界のレーダーにはまったくあらわれない地域だった。何よりも、南米の経済状況がマジックという非常に高価なゲームの普及には向かなかったからだろう。さらに、プロツアーでスキルを磨こうにも、いかんせん高すぎる旅費が最大の障害となってきたのだ。そんな中で今年から南米選手権(Latin American Championship)が廃止されたことは、南米在住のプロプレイヤーたちのコミュニティーにとっては、まさしく壊滅的な打撃だった。また、かろうじてタイトルだけは地元勢が死守してきたわけだが、南米で開催されるグランプリは北米のプロプレイヤーたちの狩場となってしまうことがほとんどだった。そして、藤田剛史がプロツアー東京で準優勝を果たしてしまった今となっては、南米という地域だけがプロツアー決勝ラウンドに足跡を残せていないコミュニティーということになっていた。

'The Brazilian Huey' Carlos Romaoしかし、ブラジルの Carlos Romao とアルゼンチン王者である Diego Ostrovich の成功によって、黎明の時代は昨日までのこととなった。Ostrovich は南米のグランプリではトップ 8 の常連であり、最後の南米選手権の王冠を後一歩のところで掴みそこなった人物でもある。Ostrovich が決勝の席で対峙した人物、Scott Richard が王冠と Magic Invitational の参加権とを勝ち取ったのだった。一方、"Brazlian Huey"(ブラジル版 William Jensen)とあだ名される Romao Ostrovichのプロフィールは、2001 年のグランプリリオの優勝以来更新されていない。それこそ、からっきしだった。

たとえ南米から世界王者が生まれる可能性があまり高いものではないとしても、国別対抗戦の順位表ではアルゼンチン代表が Kai Budde 率いるドイツにわずか 1 ポイント差というところにまで迫ってきている。彼らのテクニックのレパートリーにロチェスターがあるのなら、Ostrovich にはそれこそ二つの決勝戦を闘うチャンスさえ残されているわけだ。

Diego Ostrovichそれにしても、今回の大躍進の背景には何があるのだろうか? Romao と Ostrovich と話をしてみたのだが、両者とも要因としてあげたものは同じだった。十分な準備だ。それまでの南米の国々はそれこそ孤立状態であり、プレイヤー層がさほど厚くないこともあって、プロツアーに参戦するプレイヤーが十分な練習をつむことは非常に難しかった。しかし、今大会に備えるためにチリ、ブラジル、アルゼンチンのプレイヤーがリソースを共有することとなったのである。彼らはメーリングリストを作成し、それぞれのプレイテストの結論、シークレットテクなどを共有した。そして、彼らの休みないプレイテストが今回の快挙を演出することとなったのだ。Ostrovich に言わせれば、インターネットによるネットワークは不可欠なものということになる。先立ってグランプリサンパウロで Gabriel Caligaris が優勝しているが、それも Ostrovich らとともにプレイテストを重ねてきたからこその勝利であり、それはメンバー全員にとっての勝利そのものだった。そういう意味では、Ostrovich の成功も仲間達あってのものである。

Romao もまた今回の成功は個人のレヴェルではなしえないものだったと回想する。ともあれ、今や彼と Ostrovich がマジックシーンに南米勢ありということを知らしめたのである。いきなりシーンにおける主要な存在となることは難しいかもしれないが、それでも 18 ラウンドもの長丁場を戦いぬいたうえでのトップ 8 入賞は特筆すべき快挙である。"Brazilian Huey"は今回の成功をまた一つのステップとして南米のプロプレイヤーたちの実力を底上げし、最高レベルのトーナメント・マジックに少しでも近づいていきたいと望んでいる。プロツアーにおける成功、それは Romao の長年の悲願だった。そして、夢はかなえられるものであるということを、彼は自分自身の成功を通じて仲間たちにも伝えたいのだ。

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