Masters ラウンド 1: 藤田剛史 vs. David Jafari

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By 森慶太

 PT 東京準優勝以降、世界のトップ中のトップしか権利を得ることのできない Masters シリーズに継続参戦を果たしている藤田剛史。Gary Wise などは Wise Word で森勝洋のことを強くプッシュしていたが、やはり国際的な観点から「日本の第一人者」を選出するならこの藤田剛史をおいて他ないだろう。ただ、せっかくの「獲得賞金Double Up Game」であるMasters シリーズで今ひとつ勝ちきれていない藤田であるだけに、そろそろ次なるビッグウェーブの到来に期待を賭けたいものである。
 
...本来、Masters 参戦枠を獲得すること自体が大多数のプレイヤーの目的となるものなのだが、それも藤田クラスの強豪ともなれば周囲も本人もより高いところに目がいってしまうものである。何より、そろそろ藤田も Masters Train の特等席を維持するための「燃料」の PTP が欲しくなってきたという微妙な時期であるだけに、藤田の気迫は凄まじかった。

当たり前の話なのだが、過去の貯金を食いつぶしてしまう前に次の勝利を挙げなければならないのが勝負事の世界なのである。

今回のデッキは「青黒Upheaval」一本に絞って調整してきた藤田。しかしながら、調整相手である森田雅彦が Gateway で轟沈していったのを見届けた藤田は、直前まで悩みに悩んでいた。...悩みぬいた結果として赤緑ステロイドを今回のパートナーと決めたのだが、まさしくそれは開始 15 分前になってからのことであった。

そう、さながら《激動/Upheaval》の海に《ヤヴィマヤの蛮族/Yavimaya Barbarian》入りステロイド「般若の面」で突っ込んでいった Finals 2001 での石田格のようであった。

Game 1

 Jafari テイクマリガン。先攻は藤田。
 ハンドには 3 マナと《ヤヴィマヤの蛮族/Yavimaya Barbarian》、《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》がある。...そう、ベストハンドだった。
 気になるのは対戦相手のデッキ。

 ...《島/Island》をセットしてくれ!
 日本勢ギャラリーは祈るような気持ちで Jafari のファーストアクションを待った。

 そして。
 Jafari、セット《島/Island》!

 《島/Island》をセットしてしまった Jafari を前に、藤田が怒涛の大攻勢に出た。
 そう、石田格が「般若の面」と名づけたデッキに酷似したそれは、強烈な青メタデッキなのだ。

Turn 2《ヤヴィマヤの蛮族/Yavimaya Barbarian》。
Turn 3《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》。
Turn 4《ヤヴィマヤの蛮族/Yavimaya Barbarian》。

 ...試合開始 20 秒くらいだっただろうか?
David Jafari は乱暴にデッキを片付けだしたのだった...。

 間違いなくMasters 史上最速の Duel であった。

藤田剛史 leads 1-0

Game 2

 最高の形で緒戦を飾ることに成功し、息あがる藤田剛史。
そして、またしても素晴らしいオープニングハンドであり、潤沢なマナと《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》、先手後手のマナ差をひっくり返しつつそれを 2 ターン目に召喚するための《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》までもがそこに控えていたのだ!

当然、後手藤田はセット《森/Forest》から《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》。そして、2ターン目に 《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》を召喚して即アタック。Jafari も《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》で応戦したものの、これは即座にウルザの激怒/Urza's Rage》。藤田が続けて《たい肥/Compost》をキャストしたところで《冬眠/Hibernation》。
...場がリセットされた。
 
 藤田の戦線再構築は、《たい肥/Compost》、《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》の順だった。この《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》は《排撃/Repulse》され、Jafari はサモン《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》。

 藤田は《ウルザの激怒/Urza's Rage》で《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》をタップアウト(再生)させて《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》でアタック。ダメージを先攻させることをとにかく優先したのだ。そして、セット《ケルドの死滅都市/Keldon Necropolis》!! から、サモン《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》。ライフ差は藤田:17 vs.Jafari: 5。藤田:8 マナ(エルフ含む) vs.Jafari:4 マナ。

 しかし、Jafari はここでセットランドから待望の《サイカトグ/Psychatog》を召喚。防御網の構築に取り掛かったのだった。どうやら逆転の手ごたえを感じたらしく、ここで彼は小さくガッツポースのようなものを作ったのも印象的だ。確かに、《サイカトグ/Psychatog》と《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》が立っている限り《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》と《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》はアタックしてくるわけが無いのだ。
 
そして、Jafari が調子付いてきただけに正念場となりそうな藤田のターン。しかし、ここでちょっとしたトラブルがおこってしまう。

まず、藤田が《野生の雑種犬/Wild Mongrel》を召喚し、ハンド 3 枚の状態から藤田の召喚してきた《野生の雑種犬/Wild Mongrel》を《記憶の欠落/Memory Lapse》する Jafari。そして、Jafari はさらに藤田がハンドから召喚した《野生の雑種犬/Wild Mongrel》 2 体目に「スタックして」《殺戮/Slay》を《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》に打ってしまう。どうやら、ここで藤田の残り 1 枚しかないハンドを脅威ではないと感じたのか、本来エンドステップまで待たなければならない《殺戮/Slay》を反射的に打ってしまったようだった。藤田は《たい肥/Compost》によって、Jafari はキャントリップによって、それぞれカードを 1枚ドローしたところで、藤田はハンドに眠っていた《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》を召喚する。ここで Jafari が「おいおい、もうオレのターンになるんだろ...!」と騒ぎ立てた。

そう、Jafariはここでフルタップ状態でメインステップが継続していることを認めてしまったら、ハンドの《対抗呪文/Counterspell》を使えないノーガードの状態で藤田に行動の権利を与えることになってしまうのである。しかも、この《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》は貴重な(というより生命線でもある)リジェネレイト付きブロッカーでもある《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》を除去した上に 4/2 アタッカーとして藤田の布陣に加わろうとしているのだ!

基本的には Jafari のプレイはエンドステップにこそ行うべき行為だし、それは常識的に考えれば納得のいく主張であろう。ただ、藤田は実際に "Done(ターン終了の意)"とは言っていないし、ジェスチャーでもそれは伝えていなかった。しかも、テーブルジャッジはいなかったとはいえ、衆人環視でのプレイなのである。実際に観戦していた私も明らかに「藤田のメインステップ中」と認識していた。

当然、藤田の主張は「メインステップ中に《殺戮/Slay》が解決した後で《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》をプレイしたのだ」という内容。一方の Jafari は「エンドステップだと思ったからこそ《殺戮/Slay》するつもりだったから、もうエンドステップに突入しているはずだ」というものだった。
 
結局、「プレイを《野生の雑種犬/Wild Mongrel》の召喚がスタックに乗った段階まで巻き戻す」というヘッドジャッジ裁定が下り、藤田が《野生の雑種犬/Wild Mongrel》解決後に続けて召喚した《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》を Jafari が《対抗呪文/Counterspell》するという展開となった。...当然、藤田は憤懣やる方なしといった表情である。

 そして、Jafari は続く自ターンに《選択/Opt》をプレイし、それから今度こそ「自ターンのメインステップ」に《殺戮/Slay》を《Raging Kavu / 怒り狂うカヴー》へとプレイしたのだった。

しかし、藤田は怒りを執念へと昇華させることに成功した。
そう、ここで 2 体目の《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》2号機をトップデッキしてみせたのだ!

今度こそ《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》は Jafari の《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》をなぎ払い、David Jafari をガックリとうなだれさせた。
そう、ついに藤田剛史は悲願の Masters 初勝利を飾ってみせたのだ!!

Final Result:藤田剛史 2-0 David Jafari

Tsuyoshi Fujita

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David Jafari

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