Round 1: Olle Rade(スウェーデン) vs. Antonino De Rosa(アメリカ)

Posted in Event Coverage on November 30, 2005

By Daisuke Kawasaki

殿堂入りを果たした英雄たち

開会式において、殿堂入りプレイヤーの表彰が行なわれた。

これが、長い歴史を持つマジック:ザ・ギャザリングというゲームが、競技としての歴史を評価する始まりであり、殿堂入りした5人のプレイヤーは、いずれもこの最初の「伝説」を担うに遜色ない功績をもったプレイヤーたちだ。彼らには生涯レベル3プレイヤーとして、生涯を通じてのプロツアーへの招待が与えられる。

非常に個人的な感情の話になってしまうが、過去のスタープレイヤーたちが舞台上に揃った姿にはある種の感銘を受けた。

話はかわるが、この世界選手権は、当然ながらプロツアーの歴史上最も長い'05シーズンの最終決戦である。

3人のプレイヤーが僅差で並ぶという過去に類をみないほどのデッドヒートとなっているPlayer of the Year(以下POY)レース。3人が今まさに乗りに乗っているプレイヤーである事は先週末行なわれたGP北京の結果を見ていただいても明らかであり、世界選手権でも彼らのうち何人かは結果を残してくれるだろうと思われる。この世界選手権でもっとも優秀な結果を出したプレイヤーが今シーズンの最優秀プレイヤーとして表彰されることになるのだ。

 Oliver Ruel(フランス)
 津村 健志(広島)
 大礒 正嗣(広島)

いずれも、負けす劣らず確かな実力と華をもったプレイヤーであり、この中の誰がPOYを受賞しても、誰も文句を言わないだろう。

彼らが新しい「伝説」を担っていくプレイヤー達である事に議論の余地は無い。

ところで、世界で最初にPOYを受賞したプレイヤーは誰だろう?

冒頭で紹介した殿堂入りプレイヤーのうちの一人であるOlle Rade(スウェーデン)である。

というわけで、POYが白熱している今シーズンの第一戦として、「伝説」のPOYであるOlle Radeのデュエルをお伝えしたいと思う。

さて、殿堂入りが示すように、古くからのプレイヤーにとっては非常に馴染み深いプレイヤーであるOlle Radeであるが、最近このゲームをはじめたプレイヤーにとっては聞きなれない名前なのでは無いかと思われる。

それもそのはずで、彼は現在トーナメントプレイヤーキャリアからは完全に遠ざかっている。
そんな彼が今回の世界選手権に参加する事を決意したのは、殿堂入りという栄誉への彼なりの返答に他ならない。

一方の対戦相手であるAntonino De Rosa(アメリカ)はまさに現役バリバリの一線級のプレイヤーである。なんといっても今年のアメリカ王者なのだから。

そんな彼らの使用デックはRadeはスタンダード版BDW、De Rosaが青黒パーミッションである。

「伝説」が「現実」によみがえる。

Game 1

先手はDe Rosa。一回のマリガンの後にセット《湿った墓/Watery Grave》からゲームがスタート。

対するRadeはセット《平地/Plains》からの《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》という最高といっていいスタート。続いて《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》をキャストするが、それは《差し戻し/Remand》。 貴重な1ターンを稼いで確定カウンターのマナ域である3マナに到達する。

それはRadeも熟知していて、手札に帰った《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》をこのターンはキャストせずに《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》でアタックして終了。ターン終了時に《死の掌握/Deathgrip》によって《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》を除去したDe Rosaだったが、続くターンに土地をセットすることが出来ない。

マナが伸びない、これは、コントロール対ビートダウンのマッチアップにおいて致命傷になりうる。

Keiga, the Tide Star

だが、一方のRadeも《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》などに阻害され、後続のクリーチャーを出せないままついに手札のクリーチャーを切らしてしまう。

継続してプレッシャーを与えられない、これもまた、コントロール対ビートダウンのマッチアップにおいては致命傷になりうる。

まるでパーミッション同士のデュエルを思わせるドローゴーを繰り返した二人だったが、先に動いたのは土地をひきはじめたDe Rosa。

1マナあまらせた状態での《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》キャスト。このメロクはRadeの《黒焦げ/Char》によって文字通り黒焦げになり、燃えカスとして1体のトークンを生み出す。Radeは《灯籠の神/Lantern Kami》をキャストして終了。1/1飛行同士がにらみ合う。

だが、De Rosaの攻勢はとまらない。メロクに続いて今度はタップアウトで《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》キャスト。

ここで《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》をドローしてきたRadeは少し長考する。殿堂入りプレイヤーのプレイングを見る機会なんてそうそうあるものでもないので、せっかくなので状況を詳しく整理してみよう。

De Rosa側

手札:3枚
土地:6枚
場:イリュージョントークン1体 《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》

Rade側

手札:《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》《火山の鎚/Volcanic Hammer》《稲妻のらせん/Lightning Helix
土地:7枚
場:《灯籠の神/Lantern Kami

当然ながら《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》を除去する方法は豊富に用意されている。自分ならどの方法で《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》を除去するか考えてみてRadeのプレイと比較してみるのも面白いだろう。

ちなみに、Radeによる回答編はこうだ。

まず、《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》をキャスト。《灯籠の神/Lantern Kami》に装備させてアタック。《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》がブロックした後にカウンターを1つ消費して《火山の鎚/Volcanic Hammer》。

攻撃手段は失うものの、もっとも十手のカウンターと火力を効率よく温存できる手段を選んだ形になる。《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》の上にカウンターが残っていることにより、場の状況はほぼ均衡が保たれていると言えるだろう。

De Rosaは二度あることは三度あるとばかりに土地をセットして2マナを残して《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》キャスト。

この出題にRadeはどう答えるか。ヒントはドロー《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》。

《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》キャストから即装備でアタック。新しく2体のトークンを生み出したDe Rosaはトークン2体と《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》で《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》をブロック。

Radeは一体のトークンに《稲妻のらせん/Lightning Helix》をキャストすると《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》を《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》の効果で+2/+2させて《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》を打ち倒す。

派手な攻防が終わったあとの場を見ると…

De Rosa側

手札:4枚(うち2枚が確定で土地)
土地:5枚
場:2体のイリュージョントークン。

Rade側

手札:なし
土地:7枚
場:《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》(カウンター2個)装備の《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire

となった。場に出たカードの純粋なカードパワーではDe Rosaに分があったが最終的な場はRadeが僅かに有利となった。

2ターンのチャンプブロックによって時間を稼いだものの、有効な回答を用意できないRadeは、6個のカウンターを消費して14/14になった《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》にアタックされ、ライフが6になったところで投了を宣言した。

Rade 1-0 De Rosa

Game 2

またもマリガンからスタートのDe Rosa。お互いギルドランドをタップインでセットという静かなスタート。

2ターン目の《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter》が《死の掌握/Deathgrip》で対処されてしまったRadeは、《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》をキャストに成功するものの、手札は火力ばかりでクリーチャーをひけない。

1本目と同じようにドローゴーが続いた後、先に動いたのはやはり1本目と同じく De Rosa。タップアウトで《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》をキャスト。

5マナで手札は《黒焦げ/Char》と2マナ火力3枚に《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》という手札のRadeは、《火山の鎚/Volcanic Hammer》《稲妻のらせん/Lightning Helix》のあわせ技で《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》を対処して、《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》キャスト。

続くターンに《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》への《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》装備に対応して《死の掌握/Deathgrip》で除去されるとやはり後続をひけないRade。

まるで、1本目を繰り返すかのように続いて2マナ残して《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》をキャストしたDe Rosa。こちらも一本目を繰り返すかのようにRadeは《黒焦げ/Char》をキャスト。

ただ1つ1本目と違ったのは

伝説よ再び

De Rosaの手札には《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》が握られていた事だった。

Rade 1-1 De Rosa

Game 3

好勝負の続いたこのマッチだが3本目はあっけなく勝負がついた。

2ターン目に《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》を《流砂/Quicksand》でうまく対処したDe Rosaだったが、そのまま1枚の《島/Island》を除いて土地をひくことが出来なかったのだ。

Rade 2-1 De Rosa

なんと、記念参加のつもりであったOlle Radeが現役アメリカチャンピオンを打ち破ってしまったのである。

Radeのプレイングは長らくトーナメントシーンから遠ざかっていたとは思えないほど生き生きとしていたし、なによりも、ゲームをプレイするRade自身が生き生きとしていた。

「伝説」はただ朽ち果てていくだけのものではない。

Blue Black Control

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Boros Deck Wins a.k.a. PT JUNK again

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