Round 11: 藤田 修(京都) vs. Antonino De Rosa(アメリカ)

Posted in Event Coverage on December 1, 2005

By Yusuke Yoshikawa

藤田とDe Rosaが対決

このラウンドでは躍進著しい日本勢の中にあって、今やベテランとなった感のある藤田 修(京都)の戦いに注目しよう。

昨日はマジック黎明期から活躍してきた殿堂入りプレイヤーの表彰が行われたが、藤田も1999年のアジア太平洋選手権準優勝から着実に結果を残してきたプレイヤーであり、昨年のPTアムステルダム準優勝や今期のGP台北優勝は記憶に新しい。

対するはアメリカよりAntonino De Rosa。大きな身なりにひょうきんなキャラクター、対戦時の振る舞いも心地よく、日本勢にも愛されるキャラクターである。

両者ともにこのドラフトは負けスタートだが、どちらもデッキポテンシャルは十分。プレイングマナーも素晴らしい二人の熱戦を期待しよう。

さあ、始まりには「Good Luck!」と挨拶を!

Game 1

ダイスロールで先攻の藤田は、《雷楽のラッパ吹き/Thundersong Trumpeter》と《売剣の粗暴者/Sell-Sword Brute》の両方を持ったところから《売剣の粗暴者》。これにDe Rosaは《セレズニアの福音者/Selesnya Evangel》で応える。

攻撃して藤田《夜番の巡回兵/Nightguard Patrol》だが、De Rosaは《番狼/Watchwolf》。
手を止めてしまうわけにはいかないと《雷楽のラッパ吹き》を出すが、De Rosaは《番狼》2体目!

これではすっかり攻守が逆転。藤田は《オルドルーンの猛士/Ordruun Commando》を出すが、De Rosaはそ知らぬ顔で攻撃を続行。白マナが都合4つオープンの《オルドルーンの猛士》がいるのに、仕掛けてくる《番狼》。藤田もこれには匂いを感じて《オルドルーンの猛士》《売剣の粗暴者》でこれをブロックするが、その回答は最悪の《ゴルゴンの凝視/Gaze of the Gorgon》。そしてその傍ら、もりもりとトークンを生産していくDe Rosa。

攻められ通しながらも、ようやく《ウォジェクの燃えさし魔道士/Wojek Embermage》を引いてきた藤田は、《売剣の粗暴者》2枚目とともにこれを場に。

やっとこさ、これでトークンには苦しめられずに済む、と思った矢先にDe Rosaが見せたのは。

Overwhelm

《圧倒/Overwhelm

まさに圧倒。

藤田 –0 De Rosa –1

「Good Deckやん!」と、何で負けたの?とばかりに聞く藤田。

「フィアー(=畏怖)にボコられて、あとはダブルマリガン」と返すDe Rosa。

さあ、これは厳しい戦いだ。

Game 2

《平地/Plains》《平地》で何も出せない藤田に対し、第2ターン《番狼/Watchwolf》スタートのDe Rosa。

ようやく《山/Mountain》を引いた藤田の手にはサイドインした《黄昏の群れ操り/Twilight Drover》があるが、まずは《戦松明のゴブリン/War-Torch Goblin》から。トークンを出させてからでないと意味がない。

そう思っているところに出てきたのはまさに《セレズニアの福音者/Selesnya Evangel》。藤田は《ごみ引きずり/Junktroller》で守りを固めていく。先ほどとは違い、あらかじめ受けに構えて跳ね返して勝つプランだ。

しかしDe Rosaが続いて出してきたのは《砂蒔き/Sandsower》。ちょっと苦しい藤田。

一度は《大いなる溶鉄の精/Greater Forgeling》を優先し、《ごみ引きずり》をタップされての攻撃を甘んじて受ける。De Rosaは《尊い祖霊/Benevolent Ancestor》を追加。

藤田は続くターンに《信仰の足枷/Faith's Fetters》を《砂蒔き》に。De Rosaは対応でトークンを出し《大いなる溶鉄の精》をタップ。自らのターンに《番狼》攻撃、プレイ《古参兵の武具師/Veteran Armorer》という流れになった。

そしてここで満を持して《黄昏の群れ操り》。手札には《浄化の光線/Cleansing Beam》がある。《砂蒔き/Sandsower》が止まったDe Rosaも無理には攻撃しないでトークンを作りにいくから、あとは機を待つ。

続く藤田のドローは《貪る光/Devouring Light》、まだ溜める。De Rosaはプレイ《金切り声のグリフィン/Screeching Griffin》。

そして藤田の終了フェイズ。De Rosaが4体目のトークンを出してフルタップになったところで、藤田はトークンに狙いすました《浄化の光線》!

De Rosaは少し考えるが、仕方がないといった表情でこれを受け入れ、ついに《黄昏の群れ操り/Twilight Drover》に4つのカウンターが載る。

Twilight Drover

とりあえず、という感じでDe Rosaは《金切り声のグリフィン》で攻撃、そして2体目の《セレズニアの福音者》。

6枚の土地がアンタップして、トークンの用意ができた藤田に、再び《金切り声のグリフィン》が突っ込んでくる。藤田は2個のカウンターを4体の1/1飛行トークンに変換し、《古参兵の武具師》の効果で2/3となっている《金切り声のグリフィン》をダブルブロック。

これに対してDe Rosaは《かき集める勇気/Gather Courage》をプレイして《金切り声のグリフィン》を救おうとするが、ここに藤田の《貪る光》が刺さる。

藤田は続くターン、飛行クリーチャーでの攻撃に移りながら、《ウォジェクの燃えさし魔道士/Wojek Embermage》と《雷楽のラッパ吹き/Thundersong Trumpeter》を配備する。だがこれらも、《古参兵の武具師/Veteran Armorer》が邪魔で今はうまく機能しない。それでも、続くターンには飛行クリーチャーを8体に増やし、次のターンには勝てる場面を作り上げた。

一方De Rosa側でも、毎ターン2体の生産によりトークンが再び配備されていき、トークンはいつの間にやら8体に。そして彼が放ったのは、

《手練れの戦術/Master Warcraft》!

《雷楽のラッパ吹き》の分を差し引いても、De Rosaのダメージソースは15点。そして藤田のライフもきっちり15点。

最後の手札は、《オルドルーンの猛士》。
「うーん、何かないかな…」と藤田が声に出して探す。
…もちろん、なかった。

藤田 –0 De Rosa -2

De Rosaが観戦していた友人に

"How lucky!"

と祝福されている。それを聞きとめて藤田、

"You topdecked?" (《手練れの戦術/Master Warcraft》を)

と聞いてみた。もちろん、

"Yes!"
の答えに藤田がっくり。

Final Result: Antonino De Rosa Win

終了後、「ミスったかなー」と藤田。第2ゲームの分岐点となりえたポイントを3点、彼とともに振り返ってみた。

ひとつは4体のトークンを葬るために《浄化の光線/Cleansing Beam》を使ったシーン。相手の場は《番狼/Watchwolf》《尊い祖霊/Benevolent Ancestor》《砂蒔き/Sandsower》に《古参兵の武具師/Veteran Armorer》といった軍勢だったので、もう少し引き付ける手はあったかもしれない。

しかし、そのせいで《力の種/Seeds of Strength》などでかわされたり、第1ゲームのように《圧倒/Overwhelm》も考えられる以上、マナを残したならそこでプレイするしかなかったか。

次に、《金切り声のグリフィン/Screeching Griffin》を1/1飛行4体でブロック、《かき集める勇気/Gather Courage》に対し《貪る光/Devouring Light》で対処したシーン。もちろん、カードを使うタイミングだけを見れば悪くないのだが、《黄昏の群れ操り/Twilight Drover》がいる関係で、静観してトークンが墓地に行ってもすぐに復旧できるのだから、ここは使わなくても良かったのではないか。

もちろん、《金切り声のグリフィン/Screeching Griffin》が残ってしまうし、これは次の項とも関係するが、あとで回復するとはいえトークンが失われることはテンポの損失にもなることもある。

最後に、《黄昏の群れ操り/Twilight Drover》のカウンターが2個残っている、つまり5~8体目の飛行クリーチャーが出せる状況で、《ウォジェクの燃えさし魔道士/Wojek Embermage》をプレイしたことがどうだったか。

確かに、トークンデッキに《ウォジェクの燃えさし魔道士/Wojek Embermage》は必ず出したい1枚だ。しかし、このターンに飛行クリーチャーを出して8体としていたなら、与えるダメージは4点増えていたことを考えれば、ミスだったとも考えられる。

だが、同時に藤田が言っていたこと、つまり彼がゲームの中で考えていたのは、《正義の再興/Rally the Righteous》あるいは《太陽打ちの槌/Sunforger》を引くことができれば、《ウォジェクの燃えさし魔道士/Wojek Embermage》で相手の戦線を壊滅させることができる、ということである。それもうなずける考えであり、実際に《手練れの戦術/Master Warcraft》での突然死がなければ、どちらもありだったのかもしれない。

僅差になったマジックのゲームでは、その場その場で判断していくしかないが、実際の流れの中でそこを起こりうる結果を予見して評価していくのは難しいところだ。その目を養うことが、つまり、強くなるということなのだろう。

Osamu Fujita

Download Arena Decklist

Antonino De Rosa

Download Arena Decklist

Latest Event Coverage Articles

December 4, 2021

Innistrad Championship Top 8 Decklists by, Adam Styborski

The Innistrad Championship has its Top 8 players! Congratulations to Christian Hauck, Toru Saito, Yuuki Ichikawa, Zachary Kiihne, Simon Görtzen, Yuta Takahashi, Riku Kumagai, and Yo Akaik...

Learn More

November 29, 2021

Historic at the Innistrad Championship by, Mani Davoudi

Throughout the last competitive season, we watched as Standard and Historic took the spotlight, being featured throughout the League Weekends and Championships. The formats evolved with e...

Learn More

Articles

Articles

Event Coverage Archive

Consult the archives for more articles!

See All