Round 11: 角岡 利幸(東京) vs.
長岡 崇之(東京)

Posted in Event Coverage on June 24, 2012

By Wizards of the Coast

 昨年の今頃、プロツアー・名古屋2011において準優勝という好成績を収めてから、今や日本の顔として活躍を続けている角岡 利幸(東京)がフィーチャーエリアにやってきた。九州男児らしく、ヴァラクートやケッシグといった二の太刀いらずの一刀両断なアーキタイプを好む彼が、今回の相棒として選んだデッキは、調整仲間である遠藤 亮太(東京)謹製の赤緑白の《出産の殻》である。

出産の殻
鏡割りのキキジキ

 割りと認知されているアーキタイプではあるが、発想力溢れる遠藤らしさを感じる工夫が施されている。それが大量に採用されている《鏡割りのキキジキ》である。《修復の天使》と《鏡割りのキキジキ》のコンボは既知のものだが、そのコンボをメインストラテジーとして採用すると共に、《鏡割りのキキジキ》をコンボ用のカードではなくアドバンテージエンジンとして活用している点は、強欲だが既存のリストに目が慣れているプレイヤーたちにとっては盲点だろう。

 そして角岡と6人の仲間たちは、その大胆さに惚れ込んで今回のグランプリに挑み、7人中5人は二日目に進出しており、角岡を先頭に今大会の目玉となる一大勢力を作り上げている。

 現状1敗で先頭集団に食らいついている角岡をこのラウンドで迎え撃つのは、関西を代表する古豪の一人である長岡 崇之(東京)だ。今回は高速なゲーム展開が魅力な親和を使っている。

R11_kadooka_VS_nagaoka.jpg

 まだ二日目の序盤でありプレーオフまでは遠く険しい道のりが残されている。リードを守り切るのはどちらだ。

ゲーム1

 ダイスロールの結果は角岡の勝利。高速なゲーム展開を繰り広げる親和に対して、先手をとれたことは貴重な優位だ。角岡がゆっくりと開いた7枚は、《極楽鳥》《極楽鳥》《召喚の調べ》《召喚の調べ》《乾燥台地》《出産の殻》《台所の嫌がらせ屋》という何とも言えない内容だった。呪文は強力なラインナップで揃っているものの、土地がなければマリガンもむべなるかなといったところだ。せっかくの《極楽鳥》がもったいないが、悩んだ後に角岡はその7枚をライブラリに戻すことにした。

 引き直した6枚は再び土地が1枚だけであったものの、《極楽鳥》《極楽鳥》《根の壁》といったマナクリーチャーが含まれていたため、キープを宣言するとともに《燃え柳の木立ち》と《極楽鳥》を場に並べた。

 対する長岡は後手ながらも親和らしい展開を見せた。《大霊堂のスカージ》《メムナイト》、続くターンには《オパールのモックス》で加速して《ちらつき蛾の生息地》を設置しながら《頭蓋囲い》で巨大なクロックを作り上げる。

 角岡は一度は土地が止まってしまうものの、《根の壁》と《極楽鳥》を恩恵を受けてマナにはさほど困っていない。だが、如何せん目の前に繰り広げられている7点ものクロックを止める手段が見当たらない。1ターン遅れで1枚の土地を手に入れ、残された3枚の呪文で戦略を練り始めた。

 《修復の天使》は《鏡割りのキキジキ》を引き込めば一気にゲームを終わらせることができるうえに長岡の航空戦力を削減できるが、根本的な解決手段ではないため、《鏡割りのキキジキ》に辿りつけなかった際には単純にゲームを遅らせることしかできない。

 《出産の殻》は難しい選択肢だ。《根の壁》→《狡猾な火花魔道士》で長岡のタフネス1のクリーチャーを一掃するか、《極楽鳥》→《クァーサルの群れ魔道士》で《頭蓋囲い》を破壊するのかなどの複数の選択肢が存在している。

 《台所の嫌がらせ屋》はあまり考えられないだろう。長岡の航空戦力を止めることもできなければ、《頭蓋囲い》への対処さえもできない。ほんの少しばかりのライフは増えるが、二桁に届きそうなクロックを既に持っている長岡の戦力を見ればまさに焼け石に水といったところだろう。

角岡 利幸

 実質的に2つに絞られた選択肢で悩んだ結果、角岡は《出産の殻》をプレイし、《根の壁》を生け贄に捧げて《狡猾な火花魔道士》で長岡の戦力を封殺しにかかった。現状の長岡の戦力は《ちらつき蛾の生息地》《メムナイト》《大霊堂のスカージ》であるため、かなり有力な選択肢だろう。

 だが、長岡が握っていたのは《感電破》で、《狡猾な火花魔道士》は《メムナイト》を道連れに墓地に送られてしまう。《頭蓋囲い》による巨大なクロックは続行し、盤上には《メムナイト》と《信号の邪魔者》が追加される。まだ僅かに3ターンしか経過していないのだが、既に角岡のライフは3しか残されていない。

 活路を探すように角岡は《台所の嫌がらせ屋》でライフを戻しながら《出産の殻》を起動し、《残忍なレッドキャップ》で《大霊堂のスカージ》を撃ち落としてみる。

 だが、長岡は角岡がコントロールする飛行クリーチャーが《極楽鳥》1枚であることを確認すると、《ちらつき蛾の生息地》と《信号の邪魔者》をレッドゾーンに送り込んだ。《極楽鳥》の決死のブロックを掻い潜った《信号の邪魔者》がインスタントタイミングで移し替えられた《頭蓋囲い》を受け取ると、角岡のライフはあっけなく0を割った。

角岡 0-1 長岡

ゲーム2

長岡 崇之

 再び先手は角岡で、今度はまずまずの7枚に巡り会えたようだ。大して長岡はマリガンを宣言して次なる6枚に期待をかける。トップスピードでの勝利が期待できるメインのゲームとはやや趣を変えるサイドボード。

 再び先手を得たのは角岡で、十分な土地と《貴族の教主》《調和スリヴァー》《根の壁》《クァーサルの群れ魔道士》という7枚をキープした。

 長岡は1回のマリガンの後に色マナが出ないものの、《エーテリウムの達人》《メムナイト》《大祖始の遺産》土地2枚という6枚でゲームを開始することを告げた。

 角岡は《貴族の教主》からの《調和スリヴァー》で、長岡の《メムナイト》を破壊し、《根の壁》と《クァーサルの群れ魔道士》を並べていく。

 色マナに恵まれない長岡は《ちらつき蛾の生息地》で攻撃をすることしかできない。

 淡々とゲームを進める角岡は4ターン目のエンド時に《修復の天使》を唱えると、迎えた5ターン目に《召喚の調べ》をX=5でプレイして《鏡割りのキキジキ》を呼び寄せる。

 これで無数の《修復の天使》が長岡を襲うこととなり、手札にある《感電破》をプレイできない長岡はゲーム3に備えて気持ちを切り替えた。

角岡 1-1 長岡

ゲーム3

 お互いにマナトラブルで1つずつゲームを落とし合っての3本目、先手は最高速を駆る長岡に移る。注目の初手は《ちらつき蛾の生息地》《闇の腹心》《メムナイト》《電結の荒廃者》《空僻地》《大霊堂のスカージ》《鋼の監視者》と充実した顔ぶれが揃っている。

 角岡は1回のマリガンをした後にやや悩んだ顔で1枚減った手札を受け入れた。

 《大霊堂のスカージ》《メムナイト》から《闇の腹心》と畳み掛ける長岡を、角岡が《根の壁》で迎え撃つという序盤を迎えたが、長岡の《闇の腹心》が呼び寄せる後続が強力だ。

 《オパールのモックス》によってマナ加速をして3ターン目に4マナをひねり出すと、《倦怠の宝珠》と《鋼の監視者》を並べていく。その《鋼の監視者》はなんとか《クァーサルの群れ魔道士》で排除するものの、次なるターンに繰り出された《エーテリウムの達人》が長岡の攻めを途切れさせない。

 いつのまにか長岡の場には複数枚の《ちらつき蛾の生息地》が並んでおり、5体のクリーチャーが角岡を襲う。なけなしの《召喚の調べ》から打開策を探すも、《倦怠の宝珠》で誘発型能力が制限されたクリーチャーでは、長岡の怒涛の攻めを受けきることはできなかった。

角岡 1-2 長岡

 

By Jun'ya Takahashi

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