Round 12: 森 勝洋(東京) vs. Frank Karsten(オランダ)

Posted in Event Coverage on December 1, 2005

By Yusuke Osaka

森はドラフト6連勝に挑む

小室 修が優勝したPT名古屋でベスト8に入賞したFrank Karsten

森 勝洋は2000年度ルーキーオブザイヤーに選ばれ、世界に期待された新人としてデビューした。デビュー当時の彼のプレイスタイルは、とにかく早く、考えないスタイルで、見るものを圧倒する勢いと運があった。

しかし、ルーキーに選ばれて以降は、ちょっとした差でスポットライトを浴びる事ができないシーズンが続く。PT10位、世界選手権9位、PT9位と列挙すればキリが無い程にベスト8に入れない時期があった。適当な人間に見られがちのモリカツも実はかなりの練習を積んで勝つタイプの人間で、マジックにかける努力は惜しまずにやっていたのだが、実力とも運とも違う何かの力で彼が目立つ機会は無かった。

マスターズという名の世界で一番格式の高い大会をやっていた時期もあり、その大会のチーム戦部門(パートナーは黒田 正城と森田 雅彦)で森 勝洋は優勝した事がある。PT優勝と同じ名声を得られる大会だったのだが、2年間くらいしか開催されなかったのと、優勝したフォーマットがチーム戦だったという事で森 勝洋の活躍は人々の記憶には残らなかった。

そんな森 勝洋は2年前に、「考えないでマジックが勝てるわけがない」という事に気付き、周囲から大絶賛されていた、早いプレイスタイルを変え、じっくりと考え、謙虚な姿勢でマジックに取り組む事を決めた。

勿論、スタイルを変えてすぐに結果がついてくるわけではなく、本人も勢いが無くなった事に悩み、苦しんでいたが、自分を信じ続け、周囲の風当たりが冷たくなってもくじける事無く、深く考えるマジックをし続けた。

そんな森 勝洋の流れが変わったのは今年に入ってから。

GP大阪ではチーム戦ながらも優勝する事ができ、個人戦のGP新潟も優勝する事ができた。例によってPTでベスト8のスポットを浴びる機会には恵まれていないが、目立たない勝ち方をし続け、今期のプロポイントは現時点で40点第16位という位置につけている。森 勝洋の上位15人はすべてPTでベスト8に入った事のある人だ。PTで勝つというのがプロポイントを稼ぐ一番の方法なわけで、森 勝洋の40点という点数は彼がどれだけ地道に勝ち続けているのかを証明する数字である。

そして森は夢にまで見た世界選手権という一番の大舞台で3分の2が終わろうとしている今、スタンディングの最上位にいるわけである。個人的な思い入れが強い筆者にとって感動的なものである。

とにかく、森 勝洋はスタンダード5勝1敗、ブースタードラフト5勝0敗という成績でここまで来た。

このラウンドに勝利すればリミテッドラウンド全勝という栄光を手にできるだけに、是非とも勝っておきたい一戦である。

森はKarstenに向かって「構築とリミテッドどっち好き?」との質問を投げかけ、Karstenは「構築」と答えたが、Karstenは世間的には完璧なリミテッダーとして通っていて、相手を油断させる為にKarstenが嘘の返答をしたと筆者は信じている。

Karstenのデッキは青黒タッチ赤で、森勝洋のデッキは青黒タッチ緑だ。

Game 1

モリカツ先攻。

互いに土地を置き合い、森が3ターン目に《サディストの穴開け魔道士/Sadistic Augermage》をキャスト。森はKarstenに対して「こいつはとても強い」という事を言うと、Karstenは即座に《すがりつく闇/Clinging Darkness》を。

モリカツは独特の口調や行動で、相手を自分の世界に取り込み、「モリカツワールド」という世界に引き込み、森勝洋の手のひらの上でプレイさせられるという状態があるのだが、Karstenは既に「モリカツワールド」に取りこまれているようにも感じられる。

Induce Paranoia

《妄想の誘導/Induce Paranoia》を持つ森は一瞬考えた上で、《ヴィダルケンの幻惑者/Vedalken Entrancer》をキャスト。Karstenは《天上の案内者/Ethereal Usher》を変成し、《紺碧のスフィンクス/Cerulean Sphinx》を手札に入れる。

森は《ゴルガリの印鑑/Golgari Signet》を出した上で《ヴィダルケンの幻惑者》に《不死の断片/Strands of Undeath》をエンチャントし、Karstenが2枚ディスカード。Karstenは《霊廟の牢番/Mausoleum Turnkey》をキャストし、変成で墓地に落ちた《天上の案内者》を手札に戻す。

森も《天上の案内者》を変成し、《紺碧のスフィンクス》を持ってくる。青黒という色も入っているカードの内容も似ているようだ。Karstenは6枚目の土地が引けずに《潮水の下僕/Tidewater Minion》をキャストした。

森は手札に《紺碧のスフィンクス》があるのに、6マナを立たせたままターン終了を宣言し、Karstenは明らかに何かある森のプレイにうなり声をあげながら悩む。6マナは出るが、警戒してKarstenは《屋根伝いのワイト/Roofstalker Wight》を出すのみ。エンドステップに森が《ヴィダルケンの幻惑者》の能力でKarstenのライブラリーを2枚削る。

森はKarstenにカウンターの気配を察知されながらも、ノーアクションでターンを渡す。Karstenは一枚しか無い《山/Mountain》を《潮水の下僕》の能力でアンタップし、《ヴィーアシーノの牙尾/Viashino Fangtail》をキャスト。森は《妄想の誘導》でこれに応じるが、Karstenは《差し戻し/Remand》。これによって《ヴィーアシーノの牙尾》が場に出て《妄想の誘導》が森の手札に戻り、Karstenがカードを一枚引いた。

耐え切れなくなった森は、カウンターを2枚持ちつつも青マナを残して《紺碧のスフィンクス》をキャスト。Karstenは《霊廟の牢番/Mausoleum Turnkey》で攻撃を加えた後に深く考えこむが、森が急かした為に、急いで《天上の案内者》を。

森は土地を出すのみで、エンドにKarstenは《ヴィーアシーノの牙尾》と《潮水の下僕》を使い森に2点のダメージを与える。Karstenは更に《潮水の下僕》を駆使しながら《屋根伝いのワイト》と《霊廟の牢番》にブロックされない効果を付けてアタックし、森のライフは10。

森は相手のライブラリーを数え、《ヴィダルケンの幻惑者》の起動マナだけを残し、X=6で《精神の吸収/Psychic Drain》をKarstenに打ち込む。エンドに《ヴィーアシーノの牙尾》で森を狙撃し、メインで前のターンと同様に5点のダメージを与える。森のライフは9に落ち込む。

森のメインステップでKarstenのライブラリーは3枚。森は《ヴィダルケンの幻惑者》でKarstenのライブラリーを残り1枚にした状態で、墓地に落ちたすべてのカードをメモした後で、《喚起/Recollect》で《精神の吸収/Psychic Drain》を拾い、Karstenのライブラリーを0枚とし、Karstenは投了。

森 1-0 Karsten

勢いよくプレイする森ではあるのだが、最近はどんな努力をしてでも勝ちたいという気持ちがあるらしく、相手が使ったカードはすべてメモを取るようにしているらしい。実際にそうする事でミスは格段に減るだろう。

森のサイドボーディング:

-1《サディストの穴開け魔道士/Sadistic Augermage
-1《妄想の誘導/Induce Paranoia
+1《悪夢の虚空/Nightmare Void
+1《当惑/Perplex

Karstenはジャッジを呼んで大量の基本地形を入手。試合前に森がライブラリーを数えてみると54枚のライブラリーだった。ライブラリーアウトデッキに対してサイドボード後にデッキを増やすというのはプロプレイヤーの間では当たり前の戦略である。

Game 2

先攻はKarsten。

Karstenは《屋根伝いのワイト/Roofstalker Wight》を2体、森は《ゴルガリの印鑑/Golgari Signet》から《ヴィダルケンの幻惑者/Vedalken Entrancer》をキャスト。

Karstenは《屍賢者の助言/Consult the Necrosages》で手札を補充。森は《テラリオン/Terrarion》を出して《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》。

Karstenは《潮水の下僕/Tidewater Minion》で色々なシナジーを発揮しようとするが、エンドに森の《化膿/Putrefy》によって破壊された。森は《テラリオン》から《悪夢の虚空/Nightmare Void》をキャスト。Karstenの手札は《虚無石のガーゴイル/Nullstone Gargoyle》、《霊廟の牢番/Mausoleum Turnkey》、《屍賢者の助言》、《交錯の混乱》で、森はその中から《霊廟の牢番》を選び、墓地に送った。

Karstenはライブラリーの上から引いた《空想の飛行/Flight of Fancy》を《屋根伝いのワイト》にエンチャントしようとするが、森の《最後の喘ぎ/Last Gasp》によって妨害される。森は《天上の案内者/Ethereal Usher》を変成して《紺碧のスフィンクス/Cerulean Sphinx》を手札に入れた。

Karstenは《屍賢者の助言》をキャストし2枚ドローし、《屋根伝いのワイト》でアタック。森は《紺碧のスフィンクス》をキャストしてKarstenにターンを渡す。

5/5飛行に対しての直接的な対処手段を持たないKarstenは今後に備え、《潮水の下僕》を配備し、エンドに《ヴィダルケンの幻惑者/Vedalken Entrancer》によってKarstenのライブラリーを削る。森は《紺碧のスフィンクス》で攻撃を加えるのみ。

Karstenは《幻の漂い/Drift of Phantasms》を変成し、《強迫的な研究/Compulsive Research》を持ってきて、《潮水の下僕》の能力で土地を起こし、即キャスト。

森は《悪夢の虚空》を発掘して、4マナを残したままキャスト。《ヴィーアシーノの牙尾/Viashino Fangtail》、《虚無石のガーゴイル/Nullstone Gargoyle》、《屍肉吠え/Carrion Howler》、《停滞の監房/Stasis Cell》、《交錯の混乱/Muddle the Mixture》、《島/Island》といった選択肢から《交錯の混乱/Muddle the Mixture》を捨てさせる。

Karstenは《停滞の監房》を《紺碧のスフィンクス》にエンチャントしようと試みるが、森の《妄想の誘導/Induce Paranoia》によって阻まれる。

森は《悪夢の虚空》を発掘し、《虚無石のガーゴイル》を捨てさせ、飛行生物でのアタックでKarstenの残りライフを5とした。

Karstenは《ヴィーアシーノの牙尾》をキャストし、《屋根伝いのワイト》で攻撃。

森は《当惑/Perplex》を変成し、《喚起/Recollect》で《最後の喘ぎ》を手札に加え、《紺碧のスフィンクス》で攻撃した後にKarstenが《潮水の下僕》によって《屋根伝いのワイト》をアンタップして飛行を与えてみるが、見えている《最後の喘ぎ》を森がキャストしてKarstenは森に右手を差し出した。

森 勝洋 2-0 Frank Karsten

森は前からプレイが上手なプレイヤーとして知られているが、この対戦をずっと見ていて、コントロールデッキ対決において、相手の手札を読みながらコントロールに向かう時と、展開して攻める時のバランス感覚が天才的だと感じた。

筆者は良い試合や良いプレイを見ると感動して鳥肌が立つ事があるのだが、森のプレイを改めてじっくり見て、強い感動を覚えた。形式的なものではなく、本能に従ったままの行動として握手を求めてしまったくらいだ。

Katsuhiro Mori

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Frank Karsten

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