Round 13: 浅原 晃(神奈川) vs. Gadiel Szleifer(アメリカ)

Posted in Event Coverage on December 1, 2005

By Daisuke Kawasaki

'God of Deck'を携えたAA

三日間にわたって行なわれてきた世界選手権予選ラウンドもついに最終日である。最後を締めるフォーマットは「構築の華・デックデザイナーの舞踏会」エクステンデッド。毎シーズン、世界中のデックデザイナーがその実力をいかんなく発揮し、多くのジーニアスなデックとシリアスなメタゲームで我々マジックファンを楽しませてくれるフォーマットではあるが、それは今シーズンも例外ではなかった。

今年のエクステンデッドはまずラブニカの参入と、それに伴うエクステンデッドのローテーションという大規模な環境変化から始まった。

ローテーション直後のプレミアイベントであったプロツアーLA。環境の変化はデックデザイナーの栄養源。このプロツアーでも、BDWやDredge-a-Tog、Golgari Madness、Heartbeat Desire、No-stick etcと様々な珠玉のデックが披露された。

それら「デックデザイナーの舞踏会」をタキシードで着飾ったデック達は、当然直後に行なわれたGP北九州でのファッションシーンにも大きな影響を与えた。彼らの魅惑的なデザインをこぞって多くのプレイヤーたちが模倣し、持ち込んだのである。

当然、PTLA終了から5日後開催と言う時間的な事情を踏まえても、ここに新しいデックが登場するとはおもえず、ともすればGP北九州というイベントは「模倣されたタキシード」による退屈なファッションショーになってもおかしくはなかった。そして、そうなったとしても誰も責める事は無かっただろう。

「だが、断る」とでも言わんばかりに、デックデザイナーと言う人種達はGP北九州もエクステンデッドの名に恥じない、優れたタキシードを持ち込んできた。メインからの能動的な勝利と願いでの《ウルザの激怒/Urza's Rage》というギミックを搭載した鍛冶・森によるNo-stick、PTLAで提示された二種類のサイカデックを混合させたHybrid Psychatog、暦伝デックであるDelta-Express等といった斬新なデックが並ぶ中でも最もインパクトが強かったのが、三原 槙仁(大分)によるCAL-Confinement Assalt Life-だった。

CALが環境に与えたインパクトは凄まじく、PTLAで固まりかけていた環境をリセットしたとまで言われた。GP北九州以降に行なわれたほとんどのGPのトップ8に顔を出し、GP優勝を勝ち取っていった。Player of the Yearレースをギリギリまで盛り上げていったのも、Olivier RuelのチューニングによるDark CALであったのである。

さて、そのエクステンデッド環境も、本日の世界選手権最終日で、いくつかのPTQやGPを残すものの、とりあえずの終焉を迎える。今日という日は、世界選手権予選の最終日と言うだけでなく、エクステンデッドと言う舞踏会のファイナルセレモニーでもあるのだ。

そんな「デックデザイナーの舞踏会」エクステンデッドで、オープニングセレモニーであるPTLAからファイナルセレモニーである今日に至るまで、同じ意志を貫いてきた男がいる。

「マスター オブ タキシード」浅原 晃(神奈川)である。

デックはおなじみG.o.D.こと《平等化/Balancing Act》デックである。常に進化し続けることを義務付けられたG.o.D.ブランドであるこのデックはいったいどのような顔を見せるのか。

Game 1

ダイスロールにより先攻は浅原。《平等化/Balancing Act》デックのお約束通りタップインランドからのスタート。

一方の対戦相手のSzleiferは《大焼炉/Great Furnace》からの《電結の働き手/Arcbound Worker》をキャスト。《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》をだしつつ、タップインランドを更に重ねる浅原に対して、《真髄の針/Pithing Needle》キャストで選択を迫る。浅原はキャストにスタックして《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》によってカードをドロー、そして当然ながら《真髄の針/Pithing Needle》の宣言は《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》。《電結の働き手/Arcbound Worker》によってアタックした後、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》をキャストしてターンを返す。

Balancing Act

続いて3枚目のタップインランドをセット。相手のデックを赤黒メインの《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を使用するタイプの親和と判断した浅原は手札の《平等化/Balancing Act》をディスカードさせられても次のターンに6マナを生み出し《燃え立つ願い/Burning Wish》からの《平等化/Balancing Act》というプランを阻害されない為に、フラッシュバックの種となる《電結の働き手/Arcbound Worker》を《火+氷/Fire/Ice》で除去しようとしばし考えるが、結局マナを残したままターンを返す。

これだけのタップインランドを使用するデックが《平等化/Balancing Act》以外にあるわけも無く、Szleiferは、速攻で勝負を決める為に《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》と《マイアの処罰者/Myr Enforcer》をキャストすると、《電結の働き手/Arcbound Worker》《真髄の針/Pithing Needle》《大焼炉/Great Furnace》そして《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》自身とサクリファイスして5個のカウンターを《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》に載せてアタック。これを浅原は除去することなく5ダメージ。手札に《土を食うもの/Terravore》を持っていない浅原はドローを進める為、ターンエンドに《火+氷/Fire/Ice》で《マイアの処罰者/Myr Enforcer》をタップさせて自身のターン。

対戦相手の動きから、次のターンに《爆片破/Shrapnel Blast》で勝負が決まる(浅原のライフは14。相手の場には5/7になった《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》と4/4のエンフォーサーがいる)可能性を考慮して浅原は全ての土地をサクリファイスして《平等化/Balancing Act》。場はまっさらになり、手札はお互いに2枚に。セットランドから、あまったマナで《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》をキャストして即起動。そこには追加の土地と待望の《土を食うもの/Terravore》が。

一方で追加の土地を持っていなかったSzleiferは何も出来ずにターン終了。たとえ親和と言えども土地も0マナアーティファクトもなければ動く事は出来ない。

浅原はタップインランドをセットをした次のターンに《土を食うもの/Terravore》をキャスト。墓地の土地の枚数は8枚。自身の場の土地を2枚ともサクリファイスして10/10になった《土を食うもの/Terravore》が2回アタックする間にSzleinerは1枚のスペルもキャストすることが出来なかった。

浅原 1-0 Szleifer

Game 2

さて、あえてGame 1では紹介しなかったが、対戦相手のSzleifer使用するデックは親和である。

ローテーションが行なわれた直後には、環境で頭1つ抜けたデックパワーを持つデックと評されはしたものの、結局《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》を投入したBDWの蔓延によって環境に存在することを許されなくなってしまった不遇のデックである。

だが、メタゲームの変化によって、No-Stickをはじめとしたコントロールや、CALに代表されるコンボデックがメタの中心になり、BDWが駆逐されていったことで、最近になりまた息を吹き返してきた感じがある。

《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》《教議会の座席/Seat of the Synod》から《金属ガエル/Frogmite》と既にマリガンを2回していた浅原に対して好調な滑り出しをしたSzleiferは、2ターン目に浅原がランドをサクリファイスして出した2マナでキャストしたスペルを見て思わず目を丸くした。

それは憎きカタキ。《禍汰奇》。

《金属ガエル/Frogmite》を犠牲にしつつ、維持マナの必要ない《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》で黒マナの維持を可能にした(Szleiferのデックには《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》対策として《暗黒破/Darkblast》が入っている)ものの、やはり驚愕した表情は隠しきれない。

Tooth and Nail

浅原は更なる攻撃手段として《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》を追加し、全く動くことの出来ないSzleiferへの一方的なビートダウンを続ける。

そして、Szleiferのライフは2となる。次のターンに黙っていても殴り負けてしまうSzleiferはせめてもの抵抗を、と唯一自由に使える1マナで《電結の働き手/Arcbound Worker》をキャストし、そこからの親和で《金属ガエル/Frogmite》、1枚の除去にも耐えられるようにと追加で《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》をキャストした。この1ターンを耐え凌ぎ、《暗黒破/Darkblast》さえひけばSzleiferにも大逆転の可能性がでてくるのである。

しかし、そのかすかな希望は、G.o.D.がG.o.D.たる所以である1枚のカードによって封殺される。

そのカードとは《歯と爪/Tooth and Nail》。

浅原がキャストした《歯と爪/Tooth and Nail》からは《メフィドロスの吸血鬼/Mephidross Vampire》と《トリスケリオン/Triskelion》が呼び出され、ウルザトロンでおなじみのこの2体のクリーチャーによってSzleiferのブロッカーは全て除去された。

サイドボードは「飾り」ではない。

浅原 2-0 Szleifer

さて、どちらにしろ勝っているデュエルであるので、どちらでもいいといえばいいのだが、浅原のプレイに奇妙なところがあった事にお気づきだろうか?

それは最終ターン。

Gadiel Szleiferに'G. o. D.'炸裂

すでにSzleiferのライフは2であり、《トリスケリオン/Triskelion》が出た時点でブロッカーを除去する必要は無く、本体に2点のダメージを与えておけばよかったのである。

だが、浅原はそれをしなかった。

わざわざ《メフィドロスの吸血鬼/Mephidross Vampire》とのコンボを使用しているのである。それはなぜか? 浅原に聞いてみた。

浅原 「ここまで頑張った《禍汰奇》を差し置いて、《トリスケリオン》が相手の首をとるなんてありえない!」

G.o.D.の秘密はまだ隠されている。更なる浅原の活躍に期待したい。

Gadiel Szleifer

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Akira Asahara

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