Round 15: 森 勝洋(東京) vs. Frank Karsten(オランダ)

Posted in Event Coverage on December 2, 2005

By Daisuke Kawasaki

森 勝洋

もはやフィーチャリング席の常連となった感のある森であり、椅子の上でのデュエルの回数を畳の上でのデュエルが追い越してしまってもおかしくない勢いだ。現時点で昨日のドラフト6連勝を含む8試合連続で負けなしと絶好調である。

昨日の逢坂の記事にあるように、この組み合わせは昨日最終戦のフィーチャリングマッチとして行なわれており、この時のFrank Karstenは「モリカツ、ドラフトで全勝」という物語の最後の締めとなってしまった。

だが、KarstenもリミテッドPTであるPT横浜でトップ8を取ったプレイヤーであり、自分の得意分野として認知されているはずのリミテッドにおいて「脇役」となったまま黙っているようなプレイヤーではないだろう。突如用意されたリベンジの為の舞台。このマッチでの雪辱にかける思いは相当なもののようで、席でシャッフルする姿は心なしか大きく見える。

はたしてKarstenは自身のリベンジ達成という物語の主役になることができるのか。それとも「モリカツ、トップ8最速で確定」という物語をまたも締める役回りを演じる事になるのか。

デックの選択は、森がおなじみNo-Stickことセプターチャント。KarstenがGP北京でRuelが使用した《闇の腹心/Dark Confidant》入りのCALである。

ところで、No-StickとCALによる対決と言えば、いやでもGP北九州における「150分マッチ」こと準決勝での鍛冶・三原戦が思い出される。

初日から多くのプレイヤーたちの注目を集め、鳴り物入りでデビュー。日本選手権・Final'sでは実績のあるもののGPでは今一つ成績が振るわなかった三原を初トップ8に導いたCAL。その後のCALのエクステンデッドシーンにおける大活躍は周知の通りであり、この時も未知のポテンシャルをもつこのデックがそのまま優勝という奇跡を演出してしまうのではないか、筆者はそう思っていたものだ。
実際、過去になかった「Rogueデック」で環境を席巻し、そのまま優勝というパターンはデックビルダーにとって最も名誉であり、それは例えば浅原 晃がデザインしたゾンビプリズンと言うRogueデックがGP仙台で荒堀 和明を優勝に導いた事によって華々しくデビューした事を思い返してもらえればそのインパクトは想像できると思う。

三原の場合、自身の「チューン」によるRazor Tronが今年の日本選手権で諸藤琢磨を日本チャンピオンに導いた他、常に独自の「チューン」によって国内イベントで勝利をあげていると言う実績はあったものの、ビルダーに憧れる三原としては「ビルド」したデックでの勝利への渇望は大きかったのではないか。確かにトップ8に入った事でCALというインパクトのお披露目自体は終了した。だが、やはり、ほしいものは「優勝」なのである。

そんな三原の願いを文字通り「打ち落とした」のが最終的にGP北九州で優勝する事になる鍛冶 友浩があやつるNo-Stickだったのだ。

この対戦はCALによるNo-stickへのリベンジの物語でもある。

Game 1

先攻はKarsten。

《森/Forest》をセットからの《極楽鳥/Birds of Paradise》キャストでゲームをスタートしたKarstenだったが、2ターン目に《島/Island》を立たせた状態の森に対して、土地をセットせずに《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》。幸いキャストには成功するものの、普通なら《魔力の乱れ/Force Spike》を警戒してキャスト前に土地をセットする場面ではある。不思議に思っていると、Karstenはそのまま土地をセットしないでターンエンド。つまりは手札に土地がないということか。

と、思いきや、森のターンエンドに《沼/Swamp》をサーチしてきたKarstenはその黒マナで《やせた原野/Barren Moor》をサイクリング。実は手札に土地を持っていたが、セットランドでマナを伸ばす事よりもサイクリングによって墓地に落とす事を優先したわけである。とすれば、当然ながらここでキャストされるべきスペルは、そうデック名にも冠されている《壌土からの生命/Life from the Loam》である。CALのLだ。

CALに限らず、《壌土からの生命》をアドバンテージエンジンとして活用するデックの場合、最も重要なことは《壌土からの生命》を墓地に落とすという事である。墓地に落ちた《壌土からの生命》は、その発掘によって墓地にカードを3枚落とす効果とその能力が単体で完結したデックへのシナジーとして機能し莫大なアドバンテージを得る事になる。しかし、そのエンジンを始動するにはまずは《壌土からの生命》を墓地へと落とさなければいけないのである。《サイカトグ/Psychatog》や《けちな贈り物/Gifts Ungiven》のように墓地にカードを送り込む手段を持ったデックであればともかく、CALの場合墓地に送る為の方法は基本的にキャストする事しかない。そして、多くの場合1発目の《壌土からの生命》は墓地の土地を回収できない。いわゆる「空撃ち」として将来のアドバンテージの為にアドバンテージを失う事を要求するのである。

だが、基本、パーミッションとして動くNo-Stickとの対戦においてこの序盤のディスアドバンテージが大きく影響するであろう事を考慮したKarstenは、序盤のマナアドバンテージと序盤のハンドアドバンテージを天秤にかけ後者を選んだのである。

結果、この《壌土からの生命》は森に《対抗呪文/Counterspell》される事になるが、これはこれでアドバンテージを失わずに《壌土からの生命》を墓地に送る事に成功したわけでオーライである。よって、次のターンからは《壌土からの生命》とサイクリングランドが墓地と手札を往来するアドバンテージエンジンが始動する。

最初の発掘のコストによって、幸運な事に更に2枚のサイクリングランドを墓地に落とす事に成功したKarstenは猛烈な勢いでドローを進める。序盤ならいざ知らず、毎ターンにわたって何回も回収され続ける《壌土からの生命》をいちいちカウンターするわけにもいかないのでキーカードに絞ってカウンターするしかない。そんな森を《壌土からの生命》でアドバンテージ差を広げたKarstenが容赦なく手札破壊で攻め立てるのである。

まずは4ターン目。土地が3枚の森にたいして《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を打ち込む。対応して森は《知識の渇望/Thirst for Knowledge》で3枚ドローしてから《等時の王笏/Isochron Scepter》ディスカード。実はこの時森の手札には《吸収/Absorb》があり、キャストする為のマナもあったのだが、こういう時の森の判断力の正確さには感服する。案の定Karstenは宣言に大いに迷い、結果として《知識の渇望》を宣言。森の手札には更に1枚の《知識の渇望》があったためディスカード。そして《極楽鳥》をコストにしての《陰謀団式療法》フラッシュバックで《嘘か真か/Fact or Fiction》を捨てさせたKarstenは《壌土からの生命》で墓地から2枚のサイクリングランドを回収し更にアドバンテージの格差を広げる。

アドバンテージの差をできるだけ広げさせないために《火+氷/Fire/Ice》を《等時の王笏》に刻印し、ドローエンジンを作り出した森に次なる手札破壊の波状攻撃が。まずは軽いジャブで《強迫/Duress》をキャスト。場の赤マナを数え、このターンに《突撃の地鳴り/Seismic Assault》をキャストできないことを確認した森は《吸収/Absorb》。このターンに《山/Mountain》をおいて次ターンには十分な赤マナが確保できる態勢が整ったKarstenは、《永遠の証人/Eternal Witness》で《強迫》回収し即キャスト。これはカウンターすることが出来た森だったが、《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》から3つめの赤マナを供給する《山》がフェッチされ、満を持して登場する《突撃の地鳴り》。

残り時間を考慮して森は投了を宣言。

Karsten 1-0 森

Game 2

Hull Breach

さて、ゲーム1からも明らかなように、このマッチアップでキーとなるのは何といってもエクステンデッドの黒を代表する2枚の1マナ手札破壊である。メタの中心であるCALとの戦略のポイントである手札破壊をめぐる攻防に対して森が何の対策も講じていないわけが無く、当然のように必殺カードが炸裂する。

3ターン目の《金属モックス/Chrome Mox》からの《象牙の仮面/Ivory Mask》。

手札破壊と、CALの勝利手段である《突撃の地鳴り》への強力な対策カードである。

しかし次のターンに森は目を疑った。追加の手札破壊などの「より直接的な対抗手段」を入れるためのサイドスペースとして本来交換されているはずの、少なくとも森はそう予想していた《燃え立つ願い/Burning Wish》がキャストされたのである。もう見なくても持ってこられるカードは森には予想がついていた。森はおもわず声をあげる。

森 「かー、ちくしょー!」

フランク・カーステン

そして予想通りの《外殻貫通/Hull Breach》によって《象牙の仮面》と《金属モックス》が破壊される。刻印したカードも含めて3:1交換だ。まだドローエンジンも獲得していない森にとってこれは手痛いダメージだ。そして、手札が2枚となった森に追い討ちをかけるように、Karstenの手札破壊が突き刺さる。1枚目の《陰謀団式療法/Cabal Therapy》(宣言《嘘か真か/Fact or Fiction》)は森の手札には無かったものの、それによって2枚の手札である《等時の王笏》と《金属モックス》があらわになる。それらは2枚目の《陰謀団式療法》とそのフラッシュバックによってディスカードさせられ、ついには森の手札は0に。

だが、Karstenも3枚目の赤マナが揃わない。墓地に落ちた《血染めのぬかるみ》を回収しようと《壌土からの生命》を連続で撃つが、森も《対抗呪文》《吸収》と連続でドローして意地を見せる。

だが、二度あることは三度あるという格言よりも、三度目の正直と言う格言が勝ったのか、3回目にキャストされた《壌土からの生命》によってついに《血染めのぬかるみ》は回収され《突撃の地鳴り》がキャストされる。

森も《正義の命令》からのトークンによって地道にアタックしつつ、土地を並べ、なんとか逆転の道を模索するものの、Karstenが自身のマナと手札を計算し始めると投了を宣言した。

Karsten 2-0 森

Frank Karsten

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Katsuhiro Mori

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