Round 18: 森 勝洋(東京) vs. Bas Postema(オランダ)

Posted in Event Coverage on December 2, 2005

By Yusuke Osaka

勝負はすべてこのマッチに集約される!

森 勝洋は13ラウンド終了時に、12勝1敗という成績で断トツの1位で5ラウンドのうちどこかで一勝すれば良い状態だったわけだが、そこから不調が続き、3敗1分けしてしまい、12-4-1という崖っぷちまで追い詰められてしまった。しかし、この試合に勝てば、森が夢にまで見たという、世界選手権のベスト8に入ることができる。

対戦相手はオランダのBas Postemaで、GPアイントホーヘンでベスト8に入賞し、今回はオランダ代表選手として世界選手権に招待された選手だ。

森のデッキはセプターチャント(もしくはNo Stick)。BasのデッキはPTロサンゼルスの時に藤田 剛史が使用したタイプのBDWだ。《吸収/Absorb》が入ってる森のデッキは、攻撃的なBDWに相性が良く、ベスト8への期待感が高まる。

Game 1

先攻はBas。

Basは1ターン目に《炎の稲妻/Firebolt》を本体に打ち込み、森のライフは18。森は《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》を起動し、ライフ17。

Basは2ターン目に《ゴブリンの軍団兵/Goblin Legionnaire》をキャストし、3ターン目にアタックと《炎の稲妻》を打ち込み森のライフは13となる。森は更に《溢れかえる岸辺》を起動しライフを12とする。

手札を前に傾けながら長考していたBasに、淡々とプレイしていた森だが「手札が見えてるよ。あと、プレイ遅すぎ」と2段の突っ込みを入れる。森の普段のキャラクターが出ている一言だ。大事な試合だがリラックスしているのがわかる。

Basは4ターン目に《ゴブリンの軍団兵》で攻撃を加え、森のライフは10。《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》を場に追加する。返すターンで、森は独特の素早い動きで《神の怒り/Wrath of God》をキャストし、《ゴブリンの軍団兵/Goblin Legionnaire》が生贄にささげられて森のライフを8とした。

Basの手札を覗き込むと《稲妻のらせん/Lightning Helix》2、《溶岩の投げ矢/Lava Dart》、とあり、墓地には《炎の稲妻/Firebolt》があるので、Basは火力だけで森を焼ききる事が可能だ。4マナを保有しているBasだが、白マナが不足しているため、《稲妻のらせん/Lightning Helix》を1発森に打ち込むのみで森のライフを5にした。

次のターンにBasは土地を引き込み、墓地に落ちていた《炎の稲妻》をフラッシュバックし、森のライフは残り3。そのエンドステップに森は《嘘か真か/Fact or Fiction》をプレイし、3連続で《火+氷/Fire+Ice》がめくれてBasは嫌な顔。《等時の王笏/Isochron Scepter》、《島》、《火+氷》3の5枚を《等時の王笏/Isochron Scepter》、《島》の2枚と《火+氷》3枚に分け、森は力強く《火+氷》3枚を手札に加えた。

ライフ3の森はメインステップで《狡猾な願い/Cunning Wish》から《原野の脈動/Pulse of the Fields》を持ってきて即キャストしてライフを7にし《原野の脈動》は手札に戻り、ターンを返す。Basは5点バーンと《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をアンタップで出す事によって自身のライフを9まで減らし、《原野の脈動》の手札に戻るモードを牽制した。

森は何もせずにターンを終え、Basは《炎の稲妻》をフラッシュバックし、森のライフは5。エンドステップに森は白パルスを打ち、ライフを9まで回復し、白パルスは墓地へ。長引くと火力を引かれてしまう森は決め手にアクセスするために、《火+氷/Fire+Ice》で意味のないパーマネントを2回タップして2枚のカードを引いた。

森は土地も決めても引けなかったようで、何もせずにエンド。返すBasは《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》をキャストし、《略奪/Pillage》で《金属モックス/Chrome Mox》を破壊するが、スタックでマナを出され、《火+氷/Fire+Ice》によって《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》が焼かれてしまう。単純にBasがキャストする順番を間違えたようだ。そのエンドに森は全マナをタップして《嘘か真か/Fact or Fiction》をキャスト。《賛美されし天使/Exalted Angel》2枚と《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》、土地2枚、に分け、森は《賛美されし天使》2枚を入手。

森は《賛美されし天使》を変異でプレイ。森のエンドステップにBasは《稲妻のらせん/Lightning Helix》を打ち込むが、森の《吸収/Absorb》によって森のライフは安全圏まで増えてしまった。

Basはドローしたカードをしばらく見つめた後に投了。

森 1-0 Bas

Basサイドボード:
+1《銀騎士/Silver Knight
+4《解呪/Disenchant
-3《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage
-2《炎の稲妻/Firebolt

試合の合間に森とBasが会話をしていたが、Basは日本が大好きらしい。

「大好きなら試合に負けて森をトップ8に送り込んでくれ」と心の中で言ってみた。

森 勝洋

Game 2

Bas先攻でマリガン。

土地4枚と《稲妻のらせん/Lightning Helix》、《ゴブリンの軍団兵/Goblin Legionnaire》の少し不安な6枚でキープ。

森は《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》からエンドに《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》。2ターン目にBasは《ゴブリンの軍団兵》をキャスト。

森は《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》を出し、少し考えてから《正義の命令/Decree of Justice》を刻印した《金属モックス/Chrome Mox》を。Basは土地の出す順番を間違えたせいで、3ターン目の展開が上手くいかず、《ゴブリンの軍団兵》でアタックしたら戦闘中に森が《火+氷/Fire/Ice》で《聖なる鋳造所》をタップされてしまい、。《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》ライオンを追加するだけ。森のライフは16。

森は土地を出すのみで、Basは2体で攻撃を加えたあとに、《聖なる鋳造所》をアンタップで出し、《溶鉄の雨/Molten Rain》をキャストするが、森の《吸収/Absorb》にはばまれる。森ライフは13。

クリーチャーによるダメージが増えすぎたため、森は《神の怒り/Wrath of God》で一旦リセットをかける。Basは《銀騎士/Silver Knight》を出す。森はやはり土地をセットするだけでターンを終え、《銀騎士》で攻撃し、《溶鉄の雨/Molten Rain》を《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》に打ち込む。森のライフは7。エンドステップに森は《嘘か真か/Fact or Fiction》をキャストし、Basは土地が充分ではない森を考慮し、《賛美されし天使/Exalted Angel》2枚と《吸収/Absorb》の3枚と、《火+氷/Fire+Ice》、《平地/Plains》に分けるが、流石に3枚の方を取った。

《銀騎士》の先制攻撃をスタックに乗せた後に《アダーカー荒原》からダメージを喰らい《原野の脈動/Pulse of the Fields》をキャストした森だが、《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》からを出したためにライフが6になり、《原野の脈動/Pulse of the Fields》スタックで《稲妻のらせん/Lightning Helix》を2発打ち込み、カウンター呪文を打てなかった森は投了。

Lightning Helix

Bas 1-1 森

Game3

森が先攻。

世界選手権という一番大きな大会のベスト8が決まる重要な試合が始まる。

土地が一枚しかなくて迷うBasだが、《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》があるためにキープした。初めてはいけない初手に見え、森勝利の予感を感じた。

森は《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》セットして起動。Basは《サバンナ・ライオン》から《銀騎士/Silver Knight》とキャストするが、《銀騎士》には森の《マナ漏出/Mana Leak》。

サバンナが2回攻撃し、《ゴブリンの軍団兵/Goblin Legionnaire》を追加。森のライフは15。

森は土地を出すのみ。返すBasは2体で攻撃を加え、さらに《炎の稲妻/Firebolt》を2発打ち込み、森のライフを6にした。そのエンドステップに森は《嘘か真か/Fact or Fiction》をキャストし、《対抗呪文/Counterspell》、《火+氷/Fire+Ice》、《神の怒り/Wrath of God》の3枚と、《知識の渇望/Thirst for Knowledge》《原野の脈動/Pulse of the Fields》の2枚に分け、3枚の方を手札に加えた。

ライフ6の森はメインターンでかなりの時間を使い、戦略を考えた後、《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》をタップインし、勢いよくテーブルに《神の怒り/Wrath of God》を叩きつけた。《ゴブリンの軍団兵/Goblin Legionnaire》が本体に飛んできて、森のライフは4となる。BDW相手にライフ4というのはどの角度からも簡単に減ってしまうもので、フルタップのモリカツは腹をくくってこのプレイをした。

実際にBasの手札には《稲妻のらせん/Lightning Helix》があり、引かれたら負けるカードはBasのデッキに多数入っていて、次の1枚の引きに森のベスト8がかかっているようなものだ。ギャラリーにも強い緊張が走り、森を応援する多数の人は、「引くな!」と強く祈っていたはずだ。

皆の祈りが通じたのか、Basは直接ダメージを与えるカードを引けず、《ゴブリンの軍団兵》をキャストする。マナがあればこのターン中に森のライフを0にできたのだが、微妙にマナが足りてなかった。

森のマナが起きて、森は土地を出すのみでターン終了。《ゴブリンの軍団兵》の攻撃に、森は《火+氷/Fire+Ice》を打ち込み、《ゴブリンの軍団兵》の赤能力で森のライフは2になった。墓地には2枚の《炎の稲妻/Firebolt》があり、Basの手札は《稲妻のらせん》だ。森の手札は見えないが、森がひとたびフルタップしてしまえばすぐにでも死ぬ、緊張のデュエルだ。Basは森から異様な雰囲気を感じ取って、火力を打たずにターン終了。

森は4マナを立たせて、変異をキャストし、エンドする。森の《吸収/Absorb》を意識してか、手札の《稲妻のらせん》を打てないままにBasのターンにうつる。《銀騎士/Silver Knight》と《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》を展開した上で、《溶岩の投げ矢/Lava Dart》を持っているかのような動きを見せるBasだが、あまりにもチンケすぎて、反対側から見ても嘘だとわかるようなものだったはずだ。森は実際に持っていない事を一瞬で気付いたらしい。

ライフ2の森。手札の《稲妻のらせん》と墓地の《炎の稲妻/Firebolt》2枚によって、どうとでも攻めれるが、森のオーラに怯えて攻めきれないBos。森は自分のメインで《賛美されし天使/Exalted Angel》をフリップアップして、アタック。《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》によって減っていたBassのライフは9となり、森のライフは6に。

返すBosの2体アタックを受け、森のライフは再び2という危険水域まで落ちた。やはりBosは動けずに、ターンを終了すると、森は素早く土地と《賛美されし天使》をアンタップし、即座にアタック。Basのライフは5になり森は6。Basはエンドステップに《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》を起動した上で、森本体に《稲妻のらせん/Lightning Helix》を打ち込む。これは通され、森のライフは3に。

森が念願のベスト8進出!

Basはカードを引いた直後に2体で攻撃を宣言。森は決意を固めた後にフルタップで《正義の命令/Decree of Justice》をサイクリングで2体のトークンを出した。《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》と《銀騎士/Silver Knight》をブロックし、第二メインに戻ってから深く考え込むBas。Basは《炎の稲妻/Firebolt》を森の本体に打ち込み、森のライフを1にし、なんと、エンド宣言をした。

前のターンに《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》を起動したために、ライフが4になっていたBasは《賛美されし天使/Exalted Angel》の攻撃でちょうどライフが0になった。

森 2-1 Bas

長い間不遇の時代を過ごした苦労人・森 勝洋のベスト8入りが決まった瞬間である。

周囲にいた、森に思いいれがある人達が、喜びでむせんでいる森を取り囲み、祝福の言葉をかけ続けていた。誰もがその場から離れようとせず、森がベスト8入りを果たした喜びをずっと噛み締めていた。

常に敗北の恐怖が付きまといつつも、思い切った森。そのオーラに負けるかのようにカードを引けなかったBos。どれを取っても素晴らしいデュエルであった。

筆者が見た試合の中で、一番スリリングで感動的な試合だ。

森 勝洋、ベスト8進出おめでとう!

Katsuhiro Mori

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Bas Postema

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