Round 18: 浅原 晃(神奈川) vs. Craig Krempels(アメリカ)

Posted in Event Coverage on December 2, 2005

By Daisuke Kawasaki

鍛冶 友浩と中村 修平はIDで決勝進出を確定!

長く続いた世界選手権も最終戦である。

17ラウンド終了時点のスコアボードを見ると、上位6名までが39点以上であり、彼らはIDを選択する事でトップ8を確定させることが可能だ。ここで鍛冶 友浩中村 修平の2人がトップ8を確定させることとなった。

すでにベスト8に日本人が2名、一昔前の状況からは考えられないとは今大会において、そしてこの1年間のPTを通して幾度となく繰り返されてきた言葉であるが、だがしかし、もう一度繰り返さざるを得ない。

一昔前では考えられなかったが、日本人は本当に世界のトップレベルの国となった。

さて、日曜日への切符は残り2枚となったが、まず、38点の Postema, Bas(オランダ)と37点の森 勝洋が対戦。ここの勝者がトップ8入りを確定させる。

最後の椅子だが、最も近い位置にいるのは同じく37点のKrempels, Craig(アメリカ)。彼が18ラウンドを勝利した場合、トップ8が無条件に確定する。負けた場合、17ラウンド終了現在36点で並ぶプレイヤー達の中でもっともOPが高いプレイヤーが日曜日に畳の上に座ることを許される。

では、36点のプレイヤーの中で現時点で最も高いOPを持つプレイヤーはと言うと…10位の浅原 晃である。そして、浅原はこのラウンドにおいて、そのCraigとの直接対決となりフィーチャリングテーブルへと呼ばれた。

Craigのデックはサイクリング。
浅原のデックは「デックの神(God of the Deck)」の名を冠した《平等化/Balancing Act》。

トップ8突入の為の2つの最低条件(自身勝利とCraigの敗北)を同時に充たすチャンスを手に入れた浅原。果たして浅原にデックの神は微笑むのか。

Game 1

実は浅原とCraigは過去に世界選手権で対戦した経験がある。それも2回だ。そして2回とも18ラウンドなのである。これを因縁と呼ばずしてなんと呼ぶべきか。二度あることは三度あるというが、ジンクスを大事にするタイプのプレイヤーである浅原にとって精神的にこんなに楽な事はないだろう。何故なら過去の対戦はどちらも浅原の勝利だったのだから。

しかし、だからと言って安心は出来ない。浅原は試合前に自身に気合を投入する為に豆乳を飲む。

ダイスロールにより先攻はCraig。浅原は土地が1枚しかない手札をマリガンと言う幸先の悪いスタート。いや、浅原の言葉を借りて「運をストックした」と前向きに解釈するべきか。

序盤は静かにゲームが進む。

タップインランドを並べながら《テラリオン/Terrarion》を置く浅原のターンのエンドにCraigはランドをサイクリングしながらドローを進める。Craigが《霊体の地滑り/Astral Slide》をキャストすれば今度は浅原が《テラリオン》経由の《氷/Ice》とドローを進めていく。そして《氷》のドローで《燃え立つ願い/Burning Wish》をひいた浅原が4枚目の土地をセットしながら《彩色の宝球/Chromatic Sphere》でドローを進めて《平等化/Balancing Act》をサーチ。

アメリカ王者にもなったクレンペルス

Craigに残された時間は数少ない。《永遠の証人/Eternal Witness》をキャストしてサイクリングランドを回収し強力なアドバンテージエンジンを完成させたCraigはターンを終了する。浅原へのけん制の為の1マナを残して。

Craigが残したマナは赤と白。そして回収したサイクリングランドの色は緑。7つのマナと《平等化/Balancing Act》と《土を食うもの/Terravore》という全ての要素をそろえた浅原ではあったが、もしCraigが赤か白かのサイクリングランドを隠し持っていた場合、《平等化》にスタックして《永遠の証人》をリムーブされてしまうと、Craigが復旧するのに十分な時間を与えてしまう可能性がある。もちろん、このタイミングで《平等化》をうたなければならないタイミングなのであれば、サイクリングランドがない可能性にかける必要もあるだろう。だが、手札に《オアリムの詠唱/Orim's Chant》と《枯渇/Mana Short》を抱えた浅原に焦る必要はない。浅原は青白含む4マナを残したままターンを終了する。

そして、Craigのアップキープに《オアリムの詠唱》をキャストし、セットランド後のメインフェイズに《枯渇》をキャストしてCraigの行動の可能性をすべてつぶしてから、悠々と土地を全てサクリファイスした《平等化》からの《土を食うもの》キャスト。PTLAで《平等化》デックを選んだ理由として「簡単なコンボデックが好きなんですよね」と答えた浅原。確かに簡単だが、それが美しい。浅原のデック構築への美学が伝わってくるかのようだ。

11枚の土地の力を糧にした《土を食うもの》が1回アタックしたところでCraigは投了した。

浅原 1-0 Craig

Game 2

サイドボード中に浅原は《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus》と《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》を見て英気を養う。秘密兵器である彼らにはサイドボードでおとなしく応援してもらう事にして、浅原はエンチャント対策をサイドインした。

続いて先攻はCraig。だが、この正念場でCraigは痛恨のマリガン。ただでさえ相性の悪いこのマッチにおいて致命傷だ。

序盤はゲーム1同様静かに進む。浅原がタップインランドを並べつつキャントリップでドローを進め、Craigがサイクリングでドローを進める。

大きな動きが起こったのはCraigの5ターン目。Craigは渾身の力で《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》をキャスト。浅原がコンボパーツを揃えきる前にこのハードパンチャーで殴りきれるかもしれない、いや殴りきるしかない。試合前に抱き合って勝利を誓い合ったNeil Reevesが見守る中、Craigは力強く、希望を込めてターンを終了する。ただ1つのマナを残して。

そんなCraigの願いを断ち切る浅原の無常な《枯渇》。

Craig "Really?"

Craigは半信半疑だ。そうゲーム1に続いての最速コンボの可能性を浅原が示唆してきたのだから。だが、《霊体の地滑り》もないこのタイミングで浅原がわざわざ《平等化/Balancing Act》に向けて《枯渇》をうつ必要もない。Craigはわかってはいるだろうが、それでも自分を誤魔化すように、自分に言い聞かす様に《平等化》がないことを祈る。そして、土地をタップして今度こそターンを終了する。

念願のプロツアーサンデーを手にした浅原 晃

しかし、本当はわかっているはずなのだ。

…コンボのパーツが揃っているのならば、《枯渇》をうたない理由もない事を。

浅原 2-0 Craig

人事は尽くした。

天命ならぬ天名を冠したデックも用意した。

そして、

18ラウンド終了後のスタンディングが発表され、浅原のまわりを仲間たちが取り囲む。

「歴史と伝統」がキーになっている世界選手権の決勝に浅原の「歴伝」G.o.D.が名を刻む。

Craig Krempels

Download Arena Decklist

Akira Asahara

Download Arena Decklist

ちなみに、明日(土曜日)のサイドイベントとして開催されるGocco杯(スタンダード)にも浅原は出場予定とのこと。

使用デックは…世界選手権本戦とはまた違った形の「God of Deck」になる予定だそうだ。浅原ファンは是非ご参加あれ。

→世界選手権イベント情報

Latest Event Coverage Articles

December 4, 2021

Innistrad Championship Top 8 Decklists by, Adam Styborski

The Innistrad Championship has its Top 8 players! Congratulations to Christian Hauck, Toru Saito, Yuuki Ichikawa, Zachary Kiihne, Simon Görtzen, Yuta Takahashi, Riku Kumagai, and Yo Akaik...

Learn More

November 29, 2021

Historic at the Innistrad Championship by, Mani Davoudi

Throughout the last competitive season, we watched as Standard and Historic took the spotlight, being featured throughout the League Weekends and Championships. The formats evolved with e...

Learn More

Articles

Articles

Event Coverage Archive

Consult the archives for more articles!

See All