Round 2: Darwin Kastle (アメリカ) vs. Alan Comer(アメリカ)

Posted in Event Coverage on November 30, 2005

By Koichiro Maki

殿堂入りしたアラン・カマー

90年代が歴史の壁を飛び越えて、今ここに復活する! 

卓上には、先ほど殿堂入りを表彰されたばかりの Darwin と Alan で、それを見守るのは、Alex Shvartsman (アメリカ)に Olle Rade(スウェーデン)、そして今はWizards で働く Scott Johns だ。あまりにも懐かしすぎるメンバーで構成されるこの対決。いったいどちらがどうやって勝利するのだろうか?

Game 1

「俺等ダメすぎじゃん」

ゲームは壮烈な事故合戦で始まった。Alanは2枚で。Darwin は《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》が有るにも関わらず3枚で。互いに土地が事故って何も出来ないターンが続いた後、Alan は笑いながら冒頭の台詞を呟いた。

天才的デッキビルダーとして知られている Alan Comer が使用するのは、《嵐の目/Eye of the Storm》をキーカードとして採用した青黒のコントロールデッキ。対する Darwin は《けちな贈り物/Gifts Ungiven》デッキだ。

「長い。」

事故続きのAlan が、その《嵐の目/Eye of the Storm》をディスカードすると、Darwin はそのテキストをじーっと見つめた後にそう呟いた。だが、その笑顔の奥には鋭い目が隠れている。なにしろこの二人は殿堂のオリジナルメンバーなのだ。血統の確かさはWizards のお墨付き。

さて、ようやく土地が並び始めた。カメラをゲームに戻すとしよう。

Darwin の場には、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》《極楽鳥/Birds of Paradise》《木彫りの女人像/Carven Caryatid》《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》と7枚の土地。対するAlan の場には、ただ6枚の土地のみ。傍目には、割と致命的な場だ。

《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》の恩恵が土地の痛みを癒したことにより、Darwin のライフは21。Alan は未だ原点のままだ。

ここで、Alan の《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》がDarwin に。宣言は、《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》。残念ながら、もしくは幸いなことに、Darwin のデッキにはこのカードが投入されていなかったが、デッキの全情報が Alan の頭脳へと注入されていく。Darwin は《空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder》を追加すると、教主で4点をAlan に叩き込む。

Eye of the Storm

そして、Alan の場に7枚目の土地がセットされた。ついに、スタートから続く15分の眠りを終え、《嵐の目/Eye of the Storm》が登場だ!  ただし、残りマナはまだ無いので、ターンは一度Darwin に戻る。だが、Darwin には具体的な対抗手段が無く、ただ攻撃を行っただけでターンを終えた。

さぁ、祭タイムの始まりだ。まずは《地底街の手中/Clutch of the Undercity》を唱える Alan 。一旦は《嵐の目/Eye of the Storm》に吸い込まれるが、すぐにそのコピーが作られ、ダメージと共に《空を引き裂くもの、閼螺示/Arashi, the Sky Asunder》を手札へと戻す。Alan は続けて《手練/Sleight of Hand》を詠唱。既に《嵐の目/Eye of the Storm》には《地底街の手中/Clutch of the Undercity》が吸い込まれているので、1マナのドローサポート呪文は、もれなくバウンス効果のついた強力呪文に早変わりする!

しかも、Alan のデッキはインスタント・ソーサリー満載だ。あらゆる角度から、呪文絨毯爆撃が Darwin を狙うわけで。Alan が《連絡/Tidings》を唱えると…

「投了するわ」by Darwin Castle

「いい答えだ」by Scott Johns

Alan 1 – Darwin 0

Game 2

「あれは、アンティ?」

通りかかった Randy Buehler (マジック開発部ディレクター)が二つ並んだ殿堂リングを見ながら戯けた。このマッチには、古いプレイヤーの心を捕らえて放さない何かが確かにある。

純金に大粒のダイヤをあしらった「殿堂記念リング」

Dawrin は《冒涜する者、夜目/Nighteyes the Desecrator》を連続で召喚し、ビートダウンを仕掛けるが、Alan はペアの《最後の喘ぎ/Last Gasp》でこれを退け、続く《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》にも《処刑/Execute》と完璧な対処を。

だが、ここで Alan のガスが一度尽きた。Darwin が隙をついて召喚した3体目の《冒涜する者、夜目/Nighteyes the Desecrator》への対応策が無かったのだ。それを見逃す Darwin ではない。次々と Alan の墓地を取り除き、反転させることに成功する。

Alan は、そこに罠をしかけていた。ターンが終了するところで、《地底街の手中/Clutch of the Undercity》を使用し手札に戻す。これで除去呪文でなくとも、カウンターでの対処が可能となったわけだ。けれど、その代償は少なくなく、Alan のライフは致命的レベルまで減少した。

構造上、Alan のデッキにはクリーチャーを大量に対処するカードは入っていない。一対一のトレードをする呪文とドローサポートを詰め込み、それを《嵐の目/Eye of the Storm》で利用することでアドバンテージを得るデッキだからだ。

そこを Darwin は突いた。小さなクリーチャーを並べ、じわりと Alan のライフを奪っていく。その波が、やがて Alan を飲み込んでいった。

Alan 1 – Darwin 1

Game 3

《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》《戦利品狩り/Trophy Hunter》。Darwin は快調に展開を続ける。だが、Alan もドローサポートからの《殺戮/Slay》を繰り返し、痛みを最小限にとどめる。

ここで、Darwin は《墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab》を召喚する。これが、渋く効いた。なにしろ、単純なカウンターでの処理では、《墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab》は発掘能力で容易く Darwin の手札に戻ってしまう。何かそれ以外の手段が必要だ。

Alan が取った手段はこうだった。《差し戻し/Remand》を使い続け、《墓掘り甲のスカラベ/Grave-Shell Scarab》を手札に無理矢理押しとどめたのだ。普通に考えるとただの急場しのぎなのだが、大量に投入されたドローサポートを利用し連続詠唱することで、十分な時間を稼ぎ出したのだ。

そう、4マナ残して《嵐の目/Eye of the Storm》を設置するまでの。

Darwin は困惑した表情を浮かべながら、アンタップする。何だ、何が起きるんだ。Alan がわざわざここまで耐えた以上、きっと《帰化/Naturalize》一枚では終わらない何かしらの仕掛けが内包されているはずだ。

Darwin は勇気と共に最初の一歩を踏み出してみた。《迫害/Persecute》をAlan に唱える。この《迫害/Persecute》は、一旦《嵐の目/Eye of the Storm》に吸い込まれてから、改めてコピーが作成された。

《迫害/Persecute》 → Alan

ニヤリとAlan が笑った。手札から《差し戻し/Remand》を。懐かしい、例の嬉しそうな口調で、説明を始めた。スタックリストをまとめるとこうなる。

《迫害/Persecute》 → Alan
《迫害/Persecute》 → Darwin
《差し戻し/Remand》 → Alan に対する《迫害/Persecute

Darwin 大混乱。え、何、どうすれば、どうなるの。ちょっとちょっと。でも、大丈夫。場にいる人間のほとんども一緒に混乱しているのだ。ただ一人、天才ビルダー、Alan Comer を除いて。

Darwin を最も混乱させていた原因の最も大きな理由は、Alan に残されたアンタップしている1枚の土地だ。もし、そこから何か呪文を唱えられるならば、Darwin が対抗手段を唱えたとしても、それを《差し戻し/Remand》つきの一連コピーで封じ込めてしまう。

しばしの混乱の後、Darwin は理解した。なるほど、何かあったらそれはそれだ。構造からいって、これはマナが増えれば増えるほど悪化するわけで、今この場で処理が無理ならば、きっとこの後も無理なのだと。それは、デッキのソーサリー・インスタント比率を考えればわかる。Darwin は《帰化/Naturalize》を《嵐の目/Eye of the Storm》に唱えた。コピーが次々と作成される。

《迫害/Persecute》 → Alan
《迫害/Persecute》 → Darwin
《差し戻し/Remand》 → Alan に対する《迫害/Persecute
《迫害/Persecute》→  Alan
《差し戻し/Remand》→ 《迫害/Persecute》を対象にしている《差し戻し/Remand
《帰化/Naturalize》→ 《嵐の目/Eye of the Storm

にこり。少し寂しそうに、だが、Alan は笑みを浮かべた。まるで、悪戯をみつかった子供のような表情だった。そして、嬉しそうに《嵐の目/Eye of the Storm》を破壊し、以後の処理を開始した。

Alan は、黒と青、二度の《迫害/Persecute》で手札の全てを奪われ、鍵である《嵐の目/Eye of the Storm》を破壊された。

逆に Darwin は《差し戻し/Remand》によってカードを引き、Alan の《迫害/Persecute》は色が違っていたことで被害を受けなかった。

勝負は決した。恐るべき《嵐の目/Eye of the Storm》によって。

ラウンドの勝者はDarwin だが、ゲームを決めたのは間違いなくAlan が持ち込んだ《嵐の目/Eye of the Storm》だった。

Darwin Kastle 2 – Alan Comer 1

HC Kastle

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Eye of the Storm

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