
これぞ和製 Big Name 詰め合わせといった感のある Executioners。
Invitational 経験者である真木孝一郎、Grandprix を 2 度制覇している藤田憲一、Apac 1998 Champion ほか多数のタイトルで知られる"Hatman"こと中村聡というそうそうたる陣容である。
最近の勢いでこそ Anchans(藤田修、石田格、森勝洋)や Datcho Club(藤田剛史、東野将幸、森雅也)の面々に一歩劣ってしまうかもしれないが、古くからの実力者が一堂に会しているからこその貫禄といった面では役者が違うとさえいえるかもしれない。
藤田憲一 vs. Tim Rivera

Game 1
Pyre Zombie に Darigaaz,the Igniter という凶悪な 2 枚のレアに代表される極悪なデッキを操る「組長」こと藤田憲一。キャラクター的にも相性バッチリのデッキを相棒に、Tim Rivera なる対戦相手に格の違いを見せつけた。
Rivera が召還した Coastal Drake を Foul Presence をエンチャントして藤田が除去してみせた . . . というのがこのマッチアップのファーストアクション。4 マナオープンで何ともこれみよがしな Rivera にむけて敢えて Ancient Kavu を突っ込んで Exclude させた藤田は嬉しそうな Rivera を一瞥してうすら笑い。そのまま Thunderscape Battlemage black-kicker を召還して揺さぶりをかけ、Thornscape Familiar と続けてあっという間に攻撃的な陣容を整えた。
苦しい Rivera であったのだが、一転してここでトップデック:Phyrexian Scuta !
これを即召還した(Kicker)ものの、藤田が意味ありげな仕草と表情で先ほどの 2 体でアタックしてきたのは本体にスルー。もちろん藤田のブラフであったわけで、この何気ない 4 点が確実に Rivera の死期を早めてしまったのでもあった。
藤田は Rivera がトップデッキから意気揚々と召還した Razorfin Hunter に Zap。Rivera は誇らしげにこれを Confound してみせたのだったが、藤田は平然と自陣の Battlemage に Bloodfire Infusion をエンチャントして「何かありそうな」素振りと表情を見せた。Rivera はハンドにあった Exotic Curse をノータイムでこの Battlemage にむけて使用したのだったが、藤田が続けて展開してきた怪物、Darigaaz,the Igniter を前に目を白黒させることになった。
藤田は Rivera がブロッカーとして召還してきた Tower Drake を Strafe で除去してから、それ単体で制空権を一手に掌握してしまった Darigaaz でアタック。残る数点を Canopy Surge でもって削り取り、順当に先勝を飾った。
藤田憲一 1-0

Game 2
藤田は 2 ターン目に召還した Shivan Zombie に Foul Presence をエンチャントして Rivera の Tower Drake を即座に除去。続いて出てきた Metathran Aerostat にも Scorching Lava kicker を見舞い、Voracious Cobra を展開して地上に確固たるアタッカーをも確保したのだった。
Rivera は落ち着きのない素振りながらも Probe Kicker でのアドバンテージから状況を打開することを選択。しかし藤田はこれをものともせず、続くターンに Pyre Zombie を卓上に叩きつけるかのように召還したのだった。
ただでさえ構築戦でも強力なこの一枚、リミテッドにおけるその能力を「壊れている」と主張するものがあっても何ら不思議では無いだろうものだ。
Rivera はブロッカーたる Grave Defiler の召還から見事に Phyrexian Scuta と Phyrexian Bloodstock という 2 体をハンドに呼び込むことに成功したが、藤田はこれを一笑して Fires of Yavimaya を展開。Rivera は Jilt kicker でもって Shivan Zombie と Voracious Cobra を除去しようとこころみたのだったが、Fires of Yavimaya によって Cobra は護られてしまう。結局どうにもならないアタッカーである Voracious Cobra と Pyre Zombie がさらなるダメージを稼ぎ出してから Canopy Surge kicker によって藤田が貴重な勝ち星を獲って見せたのだった。
. . . 藤田の貫録勝ちとでもいったところだろうか。
藤田憲一 2-0
必勝要員であった藤田が卓上の仲間たちの戦況に目を向けると、苦戦気味の真木孝一郎と、対照的にいわゆる「天使マジロ」を決めた中村が淡々とアタックを繰り返していたのだった。
Executioners wins 2-1