Round 7: Darwin Kastle(アメリカ) vs. 森田 雅彦(大阪)

Posted in Event Coverage on November 30, 2005

By Keita Mori

キャスル対森田。「伝説」対「現在進行形」

私の個人的な所見だが、アメリカの有名プロプレイヤーを(かなり大雑把に)大別すると、二つのタイプにカテゴライズされていくことになる。「ギャンブラー」と「ゲーマー」だ。

「ギャンブラー」タイプというのは文字通りの勝負師で、その博才をカジノやポーカーの舞台で開花させていったものも少なくない。一番有名な例はワールドシリーズ・オブ・ポーカーで準優勝を果たした「ザ・セレブリティ」ことDavid Williamsで、専門誌の表紙を賑わすようにもなった彼はいわゆる億万長者だ。ほかにも、ポーカーで一流のプロとしてならしながら「純粋な趣味として」マジックを続けているというGave Wallsのような――エクステンデッドのプロツアーに《機知の戦い/Battle of Wits》デッキを持ち込んだ――例もある。

総じて、「ギャンブラー」タイプには華がある。とにかく魅せる。

プロツアー殿堂入りを果たした早熟の天才児、「ジョニー・マジック」ことJon Finkelも明らかにこのカテゴリーの人材で、彼がマジック界で最初のスーパースターとなり、そしてもっと大きな勝負の舞台へと旅立っていったのも(個人的には)頷ける話だ。ちなみに、FinkelについてはJonny Magic and the Card Shark Kidsというドキュメンタリー(残念ながら、当然洋書である)が出版されているので、一読をおすすめしたい。

そして、一方の「ゲーマー」タイプの代表格となるのが「奇才・デッキビルダー」Alan Comerであり、この試合に登場する「静かなるヒル・ジャイアント」Darwin Kastleだろう。

正直なところ、彼らの個人史にはFinkelやBuddeのような圧倒的な華やかさには欠けているかもしれない。しかし、彼らを知る誰もが、このゲームへの造詣と愛情の深さに敬意を抱いている。Kastleはプロツアー49大会に連続出場を果たすという鉄人的な記録を保持している人物で、団体戦フォーマットの先駆け――世界ではじめてのチーム・プロツアーチャンピオン――だ。

そんな、文字通りの「生ける伝説」となったKastleに挑むのが森田 雅彦。現在進行形でマジックの最前線を闘う青年だ。

「今じゃ、挑戦者は、私のほうだね」

英語版取材記者のDavid-Marshallに冷やかされたKastleは微笑みながら右手を差し出し、恐縮しきりの森田が握手に応じた。

Game 1

Kastleは豪奢な指輪をはずしてから、デッキを手に取った。

殿堂リングと、キャスル愛用のYMGダイス

その正確な額面は(Wizardsいわく)企業秘密だということだが、伝え聞いたところによると時価200万円強。栄光の「殿堂リング」は純金製で、ダイヤをはじめとした宝石がちりばめられている。

「これ、ゲームをするのにはむいてないんだ」

かくも巨漢ながら、愛らしいKastleである。

さあ、勝負だ。

各種フォーマットで大流行している「ボロス・デック・ウィンズ」(いわゆる赤白)のKastleはダイスロールに勝利して先攻を獲得し、開幕ターンに《ボロスの補充兵/Boros Recruit》、2ターン目に《ボロスのギルド魔道士/Boros Guildmage》と連続召喚。その上で、第3ターン目には《戦松明のゴブリン/War-Torch Goblin》をプレイし、この《ゴブリン》の起動型能力によるプレッシャーでアタックを通してから《雷楽のラッパ吹き/Thundersong Trumpeter》を追加、という快調な滑り出しでゲームをスタートした。

対する森田は昨日のスタンダードで話題を集めた「セレズニア」スタイルを基調とした多色デッキで、第2ターンと第3ターンに《セレズニアの福音者/Selesnya Evangel》を呼び出すという、こちらもある意味象徴的な立ち上がりでゲームをスタートさせた。

そして、早くもこの第1試合の雌雄を決してしまうのが…続く第4、5ターンとなる。対戦相手の手札で出番を待っているファッティたちをあざ笑うかのような、このスピード感こそがボロス・ギルドの最大の魅力であろう。

4枚目の土地を置いたKastleは迷わずに全軍、4体のウィニークリーチャーたちをレッドゾーンへと送り込む。森田は2体の1/2《セレズニアの福音者》をそれぞれ1/1《戦松明のゴブリン》と1/1《ボロスの補充兵》へのブロック要員として指名したが、そこに襲い掛かるのが《ウォジェクの号笛/Wojek Siren》。「光輝」によって、全軍に+1/+1の修整だ。

予感はしていたものの、実際持たれていたらしょうがないよな。

Wojek Siren

そんな表情の森田は淡々とこれを受け容れ、《セレズニアの福音者》は忘れ形見とばかりにトークンを1体だけ場に残して退場。

森田は返すターンに2/2《護民官の道探し/Civic Wayfinder》を呼び出してから《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》を起き、タップアウトでターンを終える。

すると、5ターン目を迎えたKastleはやはり全軍での突撃を宣言。森田は1/1トークンと2/2《護民官》で2/1《雷楽のラッパ吹き》をダブルブロック。沈着なるKastleはここで《ボロスのギルド魔道士》の「先制攻撃」付与能力を2回起動し、《雷楽のラッパ吹き》と《戦松明のゴブリン》を対象とした。かくて、3点の先制攻撃ダメージが森田本体へとスタック(予約)され、《ラッパ吹き》は《護民官の道探し》を一方的に葬る。そして、通常の戦闘ダメージがスタックされる前に、「御役御免」となった《戦松明のゴブリン》の自爆型起動能力を使用。1/1トークンも退場。

一連の戦闘によって森田の残りライフは6点となり、盤上にはDarwin軍の3体の攻撃陣だけが残る。もはや彼我の戦力差は克服しがたい。

続くKastleの《野良剣歯猫/Sabertooth Alley Cat》も《ギルド魔道士》によって「速攻」能力を与えられることになり、その名に恥じぬ快勝をボロスデッキが6ターンキルで飾った。

Boros Deck Wins。

Darwin Kastle 1-0 森田 雅彦

大阪の森田 雅彦

Game 2

5ランド+「印鑑」という重い重い初手を森田はマリガン。そして、4枚の土地と2枚の《力の種/Seeds of Strength》という、やはり芳しくないハンドをしぶしぶキープせざるを得なくなってしまう。案の定、3ターン目の《エルフの空掃き/Elvish Skysweeper》、6ターン目の《セレズニアの福音者/Selesnya Evangel》という遅い遅いスタートとなってしまう森田。

一方その頃、「静かなるヒル・ジャイアント」は《ウォジェクの燃えさし魔道士/Wojek Embermage》と《ヴィーアシーノの牙尾/Viashino Fangtail》というダブル=ピンガー体制を確立させていたのであった。

「…さすがに勝負にならんすね。僕のデッキ…相当グチャってますからね」

森田は苦笑するしかない。デッキリスト参照。

Darwin Kastle 2-0 森田 雅彦

Darwin Kastle

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Masahiko Morita

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