Round 9: 大森 健一朗(兵庫) vs.
山口 聡史(愛知)

Posted in Event Coverage on June 23, 2012

By Wizards of the Coast

 現時刻は22:10。約12時間ほど前に開始のアナウンスがあった、参加者が1500人を超える日本史上最大のトーナメントも、ようやく一つの折り返し地点ともいえる、初日の最終ラウンドを迎えた。

 紹介するのは9戦全勝で1500人をリードする先頭集団のマッチアップだ。様々なアーキタイプがまばらに混在する環境において珍しくジャンド同士であることは興味深い。

Treetop Village
血編み髪のエルフ

 ジャンドは《樹上の村/Treetop Village 》などのミシュラランド、《血編み髪のエルフ》や《台所の嫌がらせ屋》の恩恵もあって、中長期戦や消耗戦に秀でたアーキタイプである。最序盤は《稲妻》や《思考囲い》で牽制し、足がもつれた対戦相手を一気に後ろから追い抜いていく。

 そんなコンセプト同士がぶつかれば、最序盤には《タルモゴイフ/Tarmogoyf 》と《闇の腹心/Dark Confidant》の生死をめぐる妨害合戦、そこで決着がつかなければ待ち受けるは泥沼のトップデッキ合戦、という非常にわかりやすい流れでゲームが進行する。

Dark Confidant
Tarmogoyf

 《闇の腹心/Dark Confidant》と《タルモゴイフ/Tarmogoyf 》の生存率。

 ミシュラ土地と《血編み髪のエルフ》の枚数。

 このように要素を整理すると、ドローの内容に左右される泥沼の運試しのように思えるが、序盤と終盤でのゲームの焦点は違い、一見するとおまけのようなライフの駆け引きがより一層の複雑さをもたらす。ミシュラランドの起動するタイミングやショックランドの置き方など、探せばきりがないほどに選択肢が見えてくる。

 最後は運で決着がつくのかもしれない。

 だが、運勝負まで持ち込むことが困難なのがジャンド同型のマッチアップなのだ。

R9_ohmori_VS_yamaguchi.jpg

 初日の全勝をかけて今、最強の続唱使いがぶつかる。

ゲーム1

 12面のダイスを振り、12を出した山口は先攻を宣言した。1回のマリガンを挟んだ後に渋い顔で6枚をキープすると、《樹上の村/Treetop Village》を横向きに手札からおいてゲームの開始を告げた。

 対する大森はさほど悩んだ様子もなくキープした7枚から《新緑の地下墓地》をセットし、《》をフェッチしてくると《コジレックの審問》を山口に差し出した。

 公開された山口の5枚は、《稲妻》《思考囲い》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《闇の腹心/Dark Confidant》《火の灯る茂み》、という内容だった。呪文の内容は申し分ないが、黒マナが出ないことが悩みといったところだろうか。大森はわずかに悩んだ後に《稲妻》を墓地に送った。

 返すターンに《火の灯る茂み》をおいた山口は、手札に残された唯一プレイできる呪文である《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を場に繰り出していく。

 大森は2枚目の《新緑の地下墓地》から《》を導くと、《稲妻》を落とした答え合わせをするように《闇の腹心/Dark Confidant》をプレイする。

 現状ではどちらが極端に有利とも取れず、お互いに《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《闇の腹心/Dark Confidant》というキーカードを場に残している。ただ、色マナの不安を抱えていること、手札を見られている分だけ山口がやや不利と見るのが妥当だろうか。

 だが、その見解は次の山口のターンで杞憂に終わる。

 山口は《新緑の地下墓地》を山札から引き当て《血の墓所/Blood Crypt 》をサーチすると、{B}{R}{R}とマナを生み出して、前のターンに引いていた《稲妻》で大森の《闇の腹心》を除去し、逆に《闇の腹心/Dark Confidant》を戦場に出したのだ。あらゆる不利な要素を跳ね返してのビッグイニングだ。

 さすがに大森の顔も曇る。

 仕方なく《血の墓所/Blood Crypt》からの《稲妻》で山口の《闇の腹心/Dark Confidant》に退場願い、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を止めるべく、大森も《タルモゴイフ/Tarmogoyf》で迎え撃つ。

山口 聡史

 だが、山口のドローは加速し続けていく。上からもたらされたカードは《終止》で、大森の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》は無残に散る。2ターン連続で《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が大森を襲い、序盤のフェッチランドからの基本土地という選択で温存したライフが努力も虚しくゴリゴリと削られる。

 なんとか《タルモゴイフ/Tarmogoyf》は《大渦の脈動》で捌くものの、残された大森の2枚の手札は《怒り狂う山峡》と《樹上の村/Treetop Village》のみ。対する山口は土地が3枚で止まっているものの、戦場には《樹上の村》があり、ライフで優位に立っている以上は圧倒的に山口が有利な状況である。

 《樹上の村/Treetop Village》が攻撃し、《思考囲い》で安全確認をした上で繰り出された2枚目の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が大森を追い詰める。この間の大森のドローは2枚ともに土地で、なんとも悲壮な雰囲気が戦場に漂う。

 だが、返すターンで《稲妻》を引き込んだ大森は、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》に制圧されそうな戦況を何とか《怒り狂う山峡》のブロックとの合わせ技で切り抜ける。

 その後の2ターンはお互いに停滞が続いた。大森は土地を引き続け、山口は4枚目の土地を見つけ出せずにいたのだ。

 どちらが先に有効なカードにたどり着くかというめくり合いに発展したが、大森のライフは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》の攻撃で削り取られており、わずかにしか残されていない。たとえ大森が有効なカードにたどり着いたとしても、まだ潤沢にライフの残されている山口には十分の勝機が残されている。

 そんな出来レースとも言えるめくり合いは、思わぬ形で幕を閉じた。大森が引き込んだ1枚は《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》だったのだ。

Sword of Light and Shadow

 長い間土地を引き続けたおかげで、装備品を場に出して《樹上の村/Treetop Village》を起動し、それに装備して攻撃するほどの余裕が残されている。山口の手札に除去はなく、攻撃は完了し、大森のライフは引き上がり、墓地にあった《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が手札に帰る。

 起死回生の大森のトップデッキに、間に合えと祈るように4枚目の土地とともに《オリヴィア・ヴォルダーレン》を繰り出す山口だったが、いつの間にか盤上はおろかライフまで逆転されてしまうと山口に勝機は残されていなかった。

大森 1-0 山口

ゲーム2

大森 健一朗

 再び先手をとった山口は、《台所の嫌がらせ屋》《稲妻》《古えの遺恨》、土地4枚という7枚を悩みぬいた末にマリガンすることにした。

 1枚減っての6枚は、《稲妻》《古えの遺恨》《コジレックの審問》《闇の腹心/Dark Confidant》土地2枚という内容で、序盤のカギを握る《コジレックの審問》と《闇の腹心》がある以上は文句のない初手だといえる。

 とりあえず小手調べと、山口の審問が明らかにした大森の7枚は、《コジレックの審問》《思考囲い》、《闇の腹心/Dark Confidant》2枚、土地3枚という絶好の内容なのだった。仕方なく《闇の腹心》の片割れを落とす。

 返す刀で大森も審問で山口の手札を覗いて《闇の腹心/Dark Confidant》を落とし、確認した《稲妻》を続くターンの《思考囲い》で落とすことで着実に地盤を整えていく。何も有効なカードを引いていない山口は、大森を対象として《稲妻》をプレイし、役に立つ見込みの見えない《古えの遺恨》が墓地に送られる。

 待ってましたと、準備万端の下調べの後に大森は切り札である《闇の腹心/Dark Confidant》を繰り出すが、土地しか握っていない山口が引いてきたのは《暗黒破/Darkblast 》。思わず大森の顔が不運を嘆くように歪む。

 何はともあれと大森は《樹上の村/Treetop Village》と《台所の嫌がらせ屋》を後続として送り込んでみると、山口のドローが芳しくなかったおかげで6点の攻撃の後、《怒り狂う山峡》を起動しての7点分の攻撃で一気に山口を追い詰めることができた。

 山口はなんとか起死回生の一撃を狙って《血編み髪のエルフ》を2ターン連続でプレイするも、ライフはわずかに5しかなく、一度傾いてしまった盤面を立て直すには力不足だった。

大森 2-0 山口

 

By Jun'ya Takahashi

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