Siron Sweeps to Victory

Posted in Event Coverage on June 30, 2005

By Wizards of the Coast

2005年プロツアー・ロンドン王者はジェフリー・シロン(Geoffrey Siron)!

ライバルたちが他の4色をめぐって争う中、ジェフリー・シロンは決勝ドラフトで赤いカードを独占していった。そして、彼は9連勝というマッチスコアで栄冠を掴み取ってしまったのである。完璧なるスウィープでリミテッド戦のプロツアーを制した人物が出たのははじめてのことで、これはもう歴史的なことと言えるだろう。シロンは30000ドルの小切手ともに、今期のプレイヤー・オヴ・ジ・イヤー争いにおける大きなチャンスを掴んだ。

また、テロの余波を受けた厳戒態勢の中ではじまったこのプロツアーでは、日本勢も大きな足跡を残している。35名の遠征者のうち、なんと16名もが初日を突破するという健闘ぶりを見せ、大礒 正嗣と藤田 剛史が決勝ラウンドに勝ち進んでいるのである。特に、大礒はツアー参戦14回にして5度目のベスト8入賞で、この驚異的な決勝進出率はフィンケルやブッディを超えた世界で最高峰の数字なのである。今や、大礒を実力世界一のプレイヤーとして挙げる声も大きくなってきたようだ。

そして、シロンの圧倒的な強さを見せるデッキを前に二度目の苦杯を舐めさせられてしまった藤田 剛史も、このイベントにおける活躍で大きく株を上げたと言えるだろう。『Resident Genius』として世界最高峰のデッキビルダーとしての声望を得ていた藤田は、その実力が限定戦においても一級品であることを満天下に知らしめたのだ。

top 8 bracket

Quaterfinals

Antti Malin

Tomi Walamies

Arnost Zidek

Tsuyoshi Fujita

David Larsson

Johan Sadeghpour

Masashi Oiso

Geoffrey Siron

Semi-finals

Antti Malin, 3-1

Tsuyoshi Fujita, 3-2

Johan Sadeghpour, 3-1

Geoffrey Siron, 3-0

Finals

Tsuyoshi Fujita, 3-0

Geoffrey Siron, 3-0

Champion

Geoffrey Siron, 3-0

観戦記事 ベスト8最終順位
  • Blog - 7:57 pm: 決勝:藤田 剛史(大阪) vs. Geoffrey Siron(ベルギー)
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    by Keita Mori
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  • Blog - 2:44 pm: 準々決勝:大礒 正嗣(大阪) vs. Geoffrey Siron(ベルギー)
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1. Geoffrey Siron $30,000
2. Tsuyoshi Fujita $20,000
3. Johan Sadeghpour $15,000
4. Antti Malin $13,000
5. Masashi Oiso $9,500
6. Tomi Walamies $8,500
7. Arnost Zidek $7,500
8. David Larsson $6,500
組合 結果 順位
    最終
15
14
13
12
11
10
9
8
15
14
13
12
11
10
9
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1
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4
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1

BLOG

◆予選ラウンドを振り返って

ともに第15回戦をIDで終え、インタビューに応じる両雄

――お二人とも、決勝進出おめでとうございます! インタビューのはじめに、お二人に予選ラウンドを振り返っていただこうと思いますが、印象に残っているマッチってどんなのがありますでしょうか?

大礒:そうですねぇ。何というか、ラッキーというか、デッキがスゴイまわりをしてくれたっていうのが大きいですね。ユージーン・ハーヴェイ(Eugene Harvey/アメリカ)との試合なんかは、相性が最悪な中を運だけで勝てたようなもんでしたし、ホーエン(Richard Hoaen/カナダ)との試合も、何の努力もなく引きだけで勝ってしまった感じがありますね。ツイてましたよ。

藤田:オレは…やっぱり、最後にあたった鍛冶(友浩)君が男気というか友情でIDしてくれたことですかね。逆の立場になったとき、次はオレの番やろうね。

――たしかに、33点(11勝3敗)の藤田さんと30点(10勝4敗)の鍛冶さんが最終15回戦であたってしまったわけですからね。そういう意味では、最後を大礒さん(11勝1敗2分)と藤田さんがあたっていれば簡単だったんでしょうけれどねぇ…

藤田:マッチの組み合わせはうまくいかないもんすね。

――さて、予選の戦歴を振り返ってみると、すでにベスト8入りが内定していた大礒さんの第5ドラフトを除いて考えるとして、藤田さんが一貫して青いデッキを、大礒さんはずっと赤いデッキを組んでらっしゃいますね。

  藤田 剛史 大礒 正嗣
1st Draft 青白 3-0 赤緑 3-0
2nd Draft 青白 2-1 赤緑 3-0
3rd Draft 青緑 2-1 青赤 2-1
4th Draft 青白 2-1 赤黒 3-0
5th Draft 青黒 2-0-1 (ID×1) 青黒 0-0-3 (ID×3)

藤田:オレはホンマは白が、白ウィニーが好きなんやけどね。

大礒:オレは白は嫌いですね(笑) でも、あまり人気が無いくらいのほうが、本当に白が好きな人には良いのかもしれないですね。第4ドラフトでローリーさんが下家だったとき、オレが流した《兜蛾/Kabuto Moth》を青白が好きなローリーさんはキャッチしてくれているだろうから、《氷河の光線/Glacial Ray》と《空民の学者/Soratami Savant》をパスしても《学者》の方をとってくれるだろうな…なんて思いながら、《花火破/Hanabi Blast》をピックしたりしました。

藤田:たしかに、白をやるかどうかは『上から流れてくるかどうか』で正直なところ、即撤退もあるからね(笑) ほんま、流れてきてなんぼ。まわり次第やね。

大礒:単純に物語のパックが減って救済が加わったわけですから、白と黒は個人的にはやりたくないなぁ。という感想ですね。謀叛までは白黒大好きだったんですけどね(笑)

――では、『青赤緑の3色から2色を選ぶ』というのが、大礒さんの鉄則ですかね?

大礒予選最終ドラフトは同卓の鍛冶君とローリーさんにいかにスルーパスを送るかを考えていたので青黒になってますけど(笑) (学業が)忙しくてなかなか時間が取れないというのもあるので、救済が入って強化された3色の絡みでしか練習していないですね。

藤田:オレにも、もっとパスしてくれたらよかったのに(笑) 結構キツいマッチを戦ってきたよ、最後。

大礒:逆周りの謀叛のときとか、結構頑張ったつもりなんですけどね(笑) ただ、シロン(Geoffery Siron/ベルギー)を強くしても本末転倒だから悩みましたけどね。

藤田:まあ、なんだかんだで物語の《痛めつける鬼/Painwracker Oni》なんかは10手目くらいだったかな(笑)

――第13回戦のユージーン・ハーヴェイとの3ゲーム目、藤田さんはその《鬼》の畏怖の5点パンチ×4発だけで勝っていましたよね。

藤田:あれは…ほんまにラッキーやったね(笑) 《目覚めの悪夢/Waking Nightmare》で《鼠の守護神/Patron of the Nezumi》をピンポイントに落とされてヤバい雰囲気やったからね。

藤田 剛史

大礒:あのとき(最終ドラフト)は、隣(下家)の鍛冶君は赤緑好きそうだから避けないとな、でも、《兜蛾/Kabuto Moth》も流したほうが良いよな…ということで、レアの《鼠の短牙/Nezumi Shortfang》ピックからスタートで、2手目で《秘教の抑制/Mystic Restraints》。気がついたら青黒になっちゃったみたいな感じでしたね。最後のドラフトは。ちゃんと救済でも《荒場越えの突撃/Charge Across the Araba》とかトスしましたよ!

◆ドラフトのアーキタイプについて

――さて、それでは神河救済参入後のブロックにおけるドラフトのアーキタイプなんかの話をおうかがいしてみたいと思います。まず、藤田さんは3回青白をトライして、あわせて7勝2敗という安定した戦績を出してらっしゃいますよね。

藤田:青白はね。3連敗だけはしないデッキなんよね。なんせ、飛んでるだけだから、どっかしらに相性で勝てるデッキは転がっているし。ただ、3連勝が難しい(笑) 2連勝同士であたる『コイツは無理だ!』っていうゴッドデッキさんになかなか勝てない。

――読者の皆さんのピックの参考に、藤田さんのエキスパンション別コモン・ピック順位を教えていただいてもいいですか?

藤田:うーん、こんなとこですかね。

藤田剛史の青白ピック順位リスト(コモン)

  神河物語
1 《兜蛾/Kabuto Moth
2 《伝承の語り部/Teller of Tales
3 《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard
4 《秘教の抑制/Mystic Restraints
5 《手の檻/Cage of Hands
 
  神河謀叛
1 《ゆらめく玻璃凧/Shimmering Glasskite
2 《蝋鬣の獏/Waxmane Baku
3 《裂け尾の巫女/Split-Tail Miko
4 《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours
5 《月明かりの徘徊者/Moonlit Strider
 
  神河救済
1 《飛行の翼の思念/Shinen of Flight's Wings
2 《月弓の幻術師/Moonbow Illusionist
3 《月翼の蛾/Moonwing Moth
4 《霊都の驀進/Plow Through Reito
5 《狐の伝承織り/Kitsune Loreweaver

大礒:物語で、《手の檻/Cage of Hands》より《秘教の抑制/Mystic Restraints》なわけですね。システム重視ですか。

藤田:《松族の狙撃手/Matsu-Tribe Sniper》も《霜投げ/Frostwielder》もとまるからね。そうそう、ピンガー対策と言う意味では、謀叛の《光の心/Heart of Light》。コレ必須ね。

※ピンガー:"Ping"erをそのままカタカナ表記したもの。《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》系の1点のダメージを飛ばす能力ことを"Ping"と呼ぶ。

大礒:青白では活きますよね。

藤田:というか、青白でしか強くないからね(笑) あと、《繕いの手/Mending Hands》も安い評価のクセに活躍するお得なカードとして覚えておいてほしいですね。

大礒:実質的にプロテクションと同等の働きをしてくれますしね。

藤田:うん。ともかく、そういった(周囲の評価の)安いカードを活かせるから、デッキの必要枚数が足りないことは無いっていうのも青白の特長かも。ただ、2勝1敗までは出来ても、3連勝を狙うにはちょっと、と。

――では、勝負駆けには向かないというわけですね。それでは、明日の決勝ドラフトでは青白以外ですかね? 優勝めがけて。

藤田:そもそもベスト8に残れると思ってなかったし(笑) 普段どおりを心がけます。

――では、『青赤緑の3色から2色』というコンセプトの大礒さんには…6戦全勝を飾っている赤緑アーキタイプのピックリストを教えていただけますでしょうか?

大礒:はいはい。こんな感じですかね。

>大礒正嗣の赤緑ピック順位リスト(コモン)

  神河物語
1 《氷河の光線/Glacial Ray
2 《山伏の炎/Yamabushi's Flame
3 《木霊の力/Kodama's Might
4 《木霊の手の内/Kodama's Reach
5 《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder
 
  神河謀叛
1 《岩石流/Torrent of Stone
2 《節くれ塊/Gnarled Mass
3 《凍らし/Frostling
4 《松族の狙撃手/Matsu-Tribe Sniper
5 《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort
5 《桜族の春呼び/Sakura-Tribe Springcaller
5 《刃鬣の獏/Blademane Baku
 
  神河救済
1 《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar
2 《霜剣山の呪刃/Sokenzan Spellblade
3 《螺旋形の燃えさし/Spiraling Embers
4 《霜剣山の逆落とし/Barrel Down Sokenzan
5 《樹海の古松/Elder Pine of Jukai

藤田:おぉ。《凍らし/Frostling》評価高いねえ。

大礒:ええ。《節くれ塊/Gnarled Mass》とデッキによっては悩みますね。

大礒 正嗣

藤田:あとは、救済で《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》1位なんやね。

大礒Lure教に入信しました。緑では《樹海の古松/Elder Pine of Jukai》のほうが上っていう人がいますけど、オレは断然こっちですね。たしかにアドバンテージをとってくれるんですけど、アタックやブロックに参加しにくいカードだし、実はデッキの内容バラすだけのときも結構ありますからね。

藤田:たしかに、《樹海の古松/Elder Pine of Jukai》よりは明らかに上やね。いつ引いても強いのがセコい。終盤に引いても普通に《寄せ餌/Lure》として機能してくれるし、2ターン目に出ても万々歳やし、簡単に転生するし(笑)

大礒:けなすトコないカードですよね。

藤田:あと、使われる立場として言わせてもらうと、出されたときのプレッシャーが半端ない。攻防に絡みにくい《樹海の古松/Elder Pine of Jukai》とはランクが違う。

大礒:あと、救済に関しては《翁神社の夜警/Okina Nightwatch》とか《悪忌の教練官/Akki Drillmaster》とか、ベスト5圏外でも相当に強いカードが目白押しなんですよね。

――救済で高い水準のピックが期待できるというのがこの色の強みということですか?

大礒:それは大きいと思います。ただ、逆に、同じ観点から不人気になる白を独占したいという人がいても、それはそれでお互いのためにもいいと思います。住み分けられますしね。

◆決勝の行方

藤田:まあ、なんにしても明日の優勝は大礒で決まりでしょ(笑) 間違いなくこの面子やったら大本命やで。殿堂も確定。

大礒:いやあ、殿堂は何年も先の話なのでまったく。あと、決勝ラウンドはあまり自信ないんですよね。でも、第4~第5ドラフトよりも面子が薄い気はしますねえ。ハーヴェイも9位で落ちちゃいましたし。

――なにかと話題に出てくるユージーン・ハーヴェイ、やはり強かったですか?

大礒:普通は気づいてもらえなさそうな、細かいところの攻防にすっごい敏感なんですよ。そこらへんにいるプレイヤーとは全然違うな、というのを今回痛感しました。今回のベスト8のメンバーでも、正直なところハーヴェイにかなうプレイヤーはあまりいないと思います。

藤田:まあ、『つまりはこんなショボイ面子やし、オレ優勝』と大礒はきっと思ってるで。もう、この際そういうことにしとこ(笑)

――明日のクジ引きでは、お二人が隣り合って青白と赤緑に住みわけられるような席順になることを祈っています。是非がんばってください。そして、出来れば決勝で直接対決をお願いしますね!

藤田:そして大礒圧勝と(笑)

大礒:いやいや。全然そんな自信は無いです(苦笑)


Sunday, July 10: 2:44 pm - 準々決勝:大礒 正嗣(大阪) vs. Geoffrey Siron(ベルギー)

by Akira Asahara
『出れば3割ベスト8』大礒 正嗣

もはやプロツアートップ8の常連といった感じの大礒だが、実際に打率ならぬプロツアートップ8率なるものがあるらしく、大礒は14回中5回、つまり3割を越える。…あのジョン・フィンケルでも2割ちょっとらしいので、そういう意味で世界最強プレイヤーといいかもしれない。あんたすごいよ。そんな、大礒にデッキの程を聞いたところ、

「回るといいかなー」

と力強いコメントが。これか、この謙虚さが勝利の秘訣。しかし、この杞憂がまさか的中してしまうとは…このとき誰が予想しただろうか。

Game 1

ダイスロールでSironの先手。Sironはマリガンなし。大礒は《花鬣の獏/Petalmane Baku》×2、土地5枚のハンドを少し悩んでテイクマリガン。《花鬣の獏/Petalmane Baku》愛好家として名高い大礒だがさすがに無理と判断したか。マリガン後の手札は《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》、《小走りの死神/Scuttling Death》、《大牙の衆の忍び/Okiba-Gang Shinobi》、《死の否定/Death Denied》、《沼/Swamp》×2と重い手札でやむなくキープ。とりあえず土地しかも、早急に《森/Forest》を引かないとピンチ。

以下大礒のドロー

《せし郎の息子、そう介/Sosuke, Son of Seshiro
《森/Forest
《螺旋形の燃えさし/Spiraling Embers
《肉体の奪取/Rend Flesh
《狩猟の神/Kami of the Hunt

と冴えなすぎる展開。

しかも、相手の場には、新型《弧炎の魔道士/Arc Mage》こと、《霊光の略奪者/Ghost-lit Raider》も出てきてしまい大ピンチ。

隊長! ここで《森/Forest》を引かないと間に合いません。

《沼/Swamp

うがー。

Siron 1-0 大礒

Game 2

大礒の先手、今度は《森/Forest》、《沼/Swamp》と2枚の土地しかないものの《節くれ塊/Gnarled Mass》等のクリーチャー陣を手札に潜ませており、土地さえ引ければ好勝負が期待出来る。Sironは《凍らし/Frostling》を1ターン2ターンと2体展開する、対する大礒は運命の3ターン目、《森/Forest》は引いておらず、場には《森/Forest》、《沼/Swamp》、手札は《節くれ塊/Gnarled Mass》。

森来い来い来ーい。

ドロー《沼/Swamp》。

うがががが。

《肉体の奪取/Rend Flesh》などで粘ってみるものの、土地も3枚で止まってしまい無念の2連続事故。

Siron 2-0 大礒

Game 3

追い詰められてしまった大礒、しかし、これは逆境。逆境とは思い通りにならない境遇などのことを言うのだが、つまりは真の漢に与えられる試練。これを乗り越えればさらに成長できる! かも。

Geoffrey Siron

大礒先行の手札は案の定というか、《森/Forest》3枚、と《小走りの死神/Scuttling Death》、《胆汁小僧/Bile Urchin》等の黒いカード陣。またしても噛み合ってないがこれを大礒は力強くキープ。

しかし、ここからも力強く、土地を引かない大礒。ちょっと何かに呪われてしまったのかもしれない。

場の状況も噛み合ってないにも程があると言った感じで、《大薙刀/O-Naginata》は《花鬣の獏/Petalmane Baku》、《胆汁小僧/Bile Urchin》と装備できないクリーチャー陣で、《目つぶしの粉/Blinding Powder》で粘ろうにも、相手の《霊光の略奪者/Ghost-lit Raider》が
どうしようもない。

そして《せし郎の息子、そう介/Sosuke, Son of Seshiro》も《霜剣山の逆落とし/Barrel Down Sokenzan》で除去られてしまい、絶体絶命。野球で言うと、112対0といった感じに。

しかし、手札には《小走りの死神/Scuttling Death》があり、場には4マナ。ここで、ブロッカーとなる大きなクリーチャーもしくは、土地を引ければ、流れが変わる可能性はある。ここから勝てれば、伝説になる!

ドロー、土地じゃない。

でも4/5。大きい!。

マナは4マナ、出せる!。

ん?

4/5? 4マナ?

《剃刀顎の鬼/Razorjaw Oni》降臨。

Siron 3-0 大礒


Sunday, July 10: 5:51 pm - 準々決勝:藤田 剛史(大阪) vs. Arnost Zidek(チェコ)

by Keita Mori

5年ぶりのスポットライト。

藤田 剛史

しかし、『Resident Genius』藤田 剛史は気負うことなく『いつもどおりの』ドラフティングに終始し、青緑というアーキタイプで血戦に臨むことになった。リミテッド戦は苦手と笑う藤田だが、この週末を通じて一貫して青いデッキをドラフトし、そのすべてを2勝1敗以上の成績で勝ち上がってきている。

対するArnost Zidek(アールノスト・ジデック)は、チェコからやってきた注目のプレイヤーで、世界最大の規模で開催された(参加者1600人超)グランプリ・パリでベスト8に入賞している。

ところで、決勝ドラフトで《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》と《真髄の針/Pithing Needle》をピックできたことに藤田は大喜びである。

Game 1

第1ゲームはまさしくZidekの、Zidekによる、Zidekのためのステージだった。

はるばるチェコから同伴してきた恋人が見守る中、彼は先手の第2ターンに《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》を召喚し、3ターン目に《雇いの力男/Hired Muscle》を加える。この試合における『畏怖/Fear』というのはまさにキーワードそのもので、青緑というカラーコンビネーションの藤田 剛史に対して…これは絶対的なクロックとして機能するのだ。

先手マリガンスタートの藤田に対して、Zidekは《沼/Swamp》を3枚戻しての強烈な《竹沼への沈み込み/Sink into Takenuma》を打ち込み、藤田の手札をすべて墓地へと捨てさせる。さらに、《空の墓の神/Kami of Empty Graves》を戦線に加えて《雇いの力男/Hired Muscle》を『反転』させ、実質的な4/4の『畏怖』もちクリーチャーを追加することになった。

こうなると、《雲蹄の麒麟/Cloudhoof Kirin》の追加はやりすぎだろう。

Arnost Zidek 1-0 藤田 剛史

Game 2

Arnost Zidek

2ターン目に《苦弄の心酔者/Kuro's Taken》を後手Zidekが、3ターン目に《ねじれた鏡映の神/Kami of Twisted Reflection》を先手の藤田が、という立ち上がりだった。

そこへ、Zidekが《未熟な呪士/Callow Jushi》を、藤田は神河物語でファーストピックした《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》を、それぞれ追加する。『スピリット』と『秘儀』を満載した青黒のZidekのデッキにおける《呪士》や《力男》は、『反転』出来ることを計算していいカードだ。

Zidekは《呪士》で2点アタックしてから、4/1の《空の墓の神/Kami of Empty Graves》を召喚。対する藤田は静かに3/1飛行の《鏡守り》を攻撃させたのみでターンエンド。ここで、Zidekは秘儀呪文である《秘密の帷/Veil of Secrecy》を4/1《空の墓の神》にプレイして、1/1《心酔者》とともに突撃。これらがダメージを本体に与えてから、《無神経な詐欺師/Callous Deceiver》を送り出した。これにて、『気カウンター』を3つ乗せた《未熟な呪士/Callow Jushi》が反転するわけである。

なんとか対抗したい藤田は、反転した3/4の《呪士》をブロックするために《内静外力/Inner Calm, Outer Strength》をプレイ。すると、ここでZidekの2枚目の《秘密の帷/Veil of Secrecy》が炸裂し、その思惑もはずされてしまう。

そして、第1試合を髣髴とさせる《竹沼への沈み込み/Sink into Takenuma》が詠唱されると、思わず藤田の口から弱音が出る。

『こんなん無理やわ。デッキパワーが違いすぎる』

…大礒に続き、藤田も3連敗で散ってしまうのだろうか。

Arnost Zidek 1-0 藤田 剛史

閑話休題。

藤田 剛史

ところで、サッカー日本代表が昨年7月のアジアカップでヨルダン代表と戦ったときの試合のことを、皆さんはご存知だろうか? PK戦に突入してから、日本代表が最初の2本を連続で外してしまい、絶体絶命の窮地に立たされてしまったという試合のことである。

苦境に立たされた中、主将の宮本 恒靖は劣悪なピッチの状態を審判団に訴え、サイドチェンジを要求した。そして、主審にその訴えが聞き入れられ、中断されたGK戦はピッチの逆サイドからリスタートすることになった。そこから、ゴールキーパーの川口 能活が奇跡的なセーブを連発し、日本代表は逆転勝利をおさめたのである。

文字通りに死中に活を見出しての勝利を手にした日本代表は、そのままトーナメントそのものを優勝することになった。報道はそれこそ『神風が吹いた』などという表現を使ったが、たしかに強烈な印象をもたらしてくれた試合だった。

Web中継試合へ

浅原 晃の記事を参照していただければ一目瞭然。大礒 正嗣が不本意なかたちで準々決勝3連敗を喫してしまった。そして、その大礒たちの試合にかわって、藤田とZidekのこの試合がウェブ中継されることになったのだ。

有名な藤田が負けてしまう前に、一試合くらいは紹介しておこう。そんな空気であったが…何はともあれ、サイドチェンジはサイドチェンジだ。

Game 3

そして、藤田 剛史は中継のキューを待つ微妙な小休止をはさんで、完全に息を吹き返す。

Overwhelming Intellect

Zidekが満を持して投入してきた《雲蹄の麒麟/Cloudhoof Kirin》に《抑圧的意志/Oppressive Will》を、さらに続く《小走りの死神/Scuttling Death》には…《抗い難い知力/Overwhelming Intellect》を炸裂させたのだ!

セカンドカラーこそ緑と黒という違いがある両者だが、やはり青いマッチアップにおける5枚もの追加のドローというのは、極めて大きなインパクトである。それも、相手の強力なカードを打ち消した上でのこととなれば、尚更だ。

にわかに膠着しかけていた試合は一気に動き出し、藤田は《月弓の幻術師/Moonbow Illusionist》でアタックを開始した。そして、潤沢な手札から《寛大な麒麟/Bounteous Kirin》を解き放ち、《茨の子/Child of Thorns》と《苔の神/Moss Kami》を追加する。

そんなわけで、《寛大な麒麟》の能力によって一気にライフを20点オーバーという安全水準まで引き上げた上で、藤田はこの3本目に勝利する。

思わぬかたちで、反撃の狼煙があがった。

藤田 剛史 1-2 Arnost Zidek

Game 4

反転攻勢モードとなった藤田は、後手ながら2ターン目に《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》を召喚し、3ターン目にも《川の水神/River Kaijin》を加えた。先手のZidekは4ターン目に《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》を展開するという立ち上がりで、相当なプレッシャーを《思念》から感じているのがひしひしと伝わってくる。

Arnost Zidek

それにしても、この試合では先ほどのようなカウンター呪文には恵まれなかった藤田だが、より直線的な勝利にアプローチすることに成功したと言えるだろう。4ターン目に《空民の精神浚い/Soratami Mindsweeper》、5ターン目に《桜族の春呼び/Sakura-Tribe Springcaller》、6ターン目に《寛大な麒麟/Bounteous Kirin》と、まさしく波状攻撃だ

一方、《欠け月の神/Kami of the Waning Moon》や《空の墓の神/Kami of Empty Graves》を召喚してみるZidekではあったが、そこに藤田が後続として《樹海の古松/Elder Pine of Jukai》と《ねじれた鏡映の神/Kami of Twisted Reflection》を送り出す。

そして、《麒麟》と《空民》の攻撃を受けて…25対11という一方的なライフレースを余儀なくされてしまうのだった。

Zidek投了。

藤田 剛史 2-2 Arnost Zidek

Game 5

あっという間に立場をひっくり返されてしまったZidekは、テレビカメラの存在も忘れて貧乏ゆすりを見せるようになった。時折だが、かなり激しい。

ともあれ、2ターン目に《涙の神/Teardrop Kami》、3ターン目に《無神経な詐欺師/Callous Deceiver》という初動をZidekは見せ、藤田は4ターン目に《桜族の春呼び/Sakura-Tribe Springcaller》を呼び出した。

2/4というサイズもさることながら、《桜族の春呼び》が生み出してくれるマナというのが、ことのほかに大きい。そんなわけで、5ターン目にして6マナ域へと到達した藤田は、3枚の土地を残して《月弓の幻術師/Moonbow Illusionist》召喚できたわけだった。そして、Zidekの返す刀であった《雇いの力男/Hired Muscle》を、バサリと《抑圧的意志/Oppressive Will》で斬って捨てる。前述の通り、『畏怖』という回避能力はこの試合の行方を大きく左右するものであり、これは大きい。

しばらく考え込んでから、Zidekは空を飛ばせた青い《詐欺師》と4/1《空の墓の神》でアタック。藤田は冷静に2/1《月弓の幻術師》で4/1《空の墓の神》を討ち取り、続くターンに《苔の神/Moss Kami》を送り出した。相手の太刀をしっかりと受け流した上で、返す刀で大上段から斬りつけるのだ。

それでも、Zidekも《小走りの死神/Scuttling Death》を盤面に送り込むわけだが、藤田は《真髄の針/Pithing Needle》でこの《死神》の起動型能力を封じ込める。その上で、2/4《春呼び》でアタックしてから、3/1飛行の《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》を呼び出した。藤田に残されたハンドは2枚で、《樹海の古松/Elder Pine of Jukai》と《鱗の大男/Scaled Hulk》だ。

にっちもさっちも行かないZidekは、ここで《苔の神/Moss Kami》を《涙の神/Teardrop Kami》の生贄能力によってタップし、フルアタック。藤田のライフを9点にまで削り落とし、4/1の《空の墓の神/Kami of Empty Graves》を召喚した。

しかし、今や追い風を捕まえたのが藤田 剛史であることは、動かしがたい事実だ。

返すターンに、藤田は5/5トランプル《苔の神》と3/1飛行《鏡守り》で攻撃。8点のダメージによってライフ水準は一気にイーブンに、藤田が9点、Zidekが8点となった。そして、藤田は戦闘後に《鱗の大男/Scaled Hulk》と《確約の神主/Promised Kannushi》を追加召集する。これが実質的な駄目押しとなり、Zidekはまもなく投了を余儀なくされたのだった。

Arnost Zidek and藤田 剛史

藤田 剛史 3-2 Arnost Zidek

Final Results:藤田 剛史が準決勝へ進出
激戦を終えた藤田は、ため息をついてから呟いた。

『なんにしても、空気が変わったおかげやね。あっこで座席を変えてから、なんか落ち着きを取り戻せたし、カードの引きも良くなったよね』

思えば、対戦する席を変えてからZidekは《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》をまったく引けなかったし、《雇いの力男/Hired Muscle》にしても絶妙なカウンターを食らってしまった。さらに言うなら、藤田がフルタップした瞬間に《雲蹄の麒麟/Cloudhoof Kirin》を送り出すことも出来なかったし、除去らしい除去をプレイすることも出来なかった。

はたして、勝敗を分かつ機微とはどこにあるものなのか。

実に考えさせられる試合なのであった。


Sunday, July 10: 6:46 pam - 準決勝:藤田 剛史(大阪) vs. Antti Malin(フィンランド)

by Akira Asahara
Antti Malin

大礒が倒れた今、日本人で決勝の舞台に立っているのは藤田 剛史ただ一人。僕の屍を越えていってくださいと言い残して星になった、大礒の意思をついで優勝する事が出来るのか。日本人みんなの期待も一身に集めております。

Game 1

お互い、手札を迷わずキープ。Malinは1ターン目《大薙刀/O-Naginata》から、2ターン目《荒れ狂う鬼の奴隷/Raving Oni-Slave》と黄金パターンで展開。ライフを3点失うものの先行2ターン目3/3クリーチャはかなりの脅威、しかも《大薙刀/O-Naginata》のおまけ付き。そしてこの《荒れ狂う鬼の奴隷/Raving Oni-Slave》が15点ものライフを削ることになる。…Malinの。

かわいそうな程噛み合ったとは藤田の談で、3ターン目、《荒れ狂う鬼の奴隷/Raving Oni-Slave》に《大薙刀/O-Naginata》を装備した所で《消耗の渦/Consuming Vortex》これで6点。次のターン再召喚で9点、《大薙刀/O-Naginata》を装備して終わると、藤田は返しのターンで《幻影の翼/Phantom Wings》をトップデッキし、さらに3点。Malinは5ターン目、再召喚してまた3点と。なんとこの段階でライフが4。《荒れ狂う鬼の奴隷/Raving Oni-Slave》が文字通り荒れ狂う展開にオーマイガーな様子のMalin。

最後は《空民の精神浚い/Soratami Mindsweeper》に《内静外力/Inner Calm, Outer Strength》でぴったり4点。

藤田 1-0 Malin

Game 2

Raving Oni-Slave

そして少し形は違えど、ラウンド2も同じような展開に。Malinは初動にもたつき、4ターン目《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》からのスタート、先ほどの《荒れ狂う鬼の奴隷/Raving Oni-Slave》も同じだが、バウンスに弱いタイプのカードというのは多く存在していて、その最たるものがこの2つ。そして藤田の手札には《消耗の渦/Consuming Vortex》。

藤田は序盤《月弓の幻術師/Moonbow Illusionist》、《桜族の春呼び/Sakura-Tribe Springcaller》と順調に展開し、《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》に1回攻撃されライフは15。

ここでMalinは出来ればオーガを展開したいところだが、ここで召喚出来たのは《内臓捻りの鬼/Gutwrencher Oni》、惜しいことにデーモン。デーモン祭りが発生してしまう。藤田は返し、飛行クリーチャーで攻撃すると、Malinのアップキープに《内臓捻りの鬼/Gutwrencher Oni》のディスカード後に《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》を《消耗の渦/Consuming Vortex》でバウンス。《内臓捻りの鬼/Gutwrencher Oni》は死ぬわ、手札は1枚減るわ、《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》を戻されてテンポ悪いわ、デーモン祭りも終了だわで場的には散々な様子になってしまったMalin。

何とか《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》を再召喚し、戦線を立て直したい所だが追加のクリーチャーを引けずガッデムな様子。

藤田

最後は《月弓の幻術師/Moonbow Illusionist》に《内静外力/Inner Calm, Outer Strength
でぴったり9点。

Game 3

最後は土地事故で決着。Malinは《沼/Swamp》しか引くことが出来ず、キャスト出来た呪文は《雇いの力男/Hired Muscle》、《目覚めの悪夢/Waking Nightmare》、《霊魂の奪取/Rend Spirit》の3枚だけでしょんぼりな様子に。さすがにマジックにならず、Malinは手を差し出す事になった。

藤田 剛史、優勝まであと1歩。

藤田 3-0 Malin


Sunday, July 10: 7:57 pam - 決勝:藤田 剛史(大阪) vs. Geoffrey Siron(ベルギー)

by Akira Asahara
ベルギーのSiron

あのとき、プロツアー東京で決勝戦を戦ったときの藤田は、第三勢力に数え上げられることもないような島国の代表選手だった。そして、藤田自身が扉を開いてから月日は流れ、すっかりとあたりの光景は変わってしまった。

それが、今や、プロツアーとなれば毎回の決勝ラウンド進出者が輩出され、『現段階における世界最高のプレイヤー』候補の中にも日本人の名前があたり前のように挙げられるようになった。

このプロツアー・ロンドンでのすべてのラウンドのフューチャーマッチに日本人が招待され、昨シーズン通産でもっとも多くのプレイヤーをプロツアー・サンデーに送り込んだ国が日本ということになった。

また、かつてはプロポイント目的で欧米のトップが日本のグランプリへ遠征してきたものだが、今や、日本人たちが北米をサーキットしているという有様だ。

そういえば、プロツアー・シーン全体を見渡しても、藤田より長いキャリアをもったプレイヤーはそう多くない。

ともかく、五年の歳月を経て、藤田はここに帰ってきた。

Game 1

これ以上ないほどに明確なストーリーを持ったアーキタイプの一つ、青緑のデッキを携えてここまでを勝ち上がってきたのが藤田 剛史。とにかく、青い航空部隊や緑のファッティで殴る。

対するGeoffrey Siron(ジェフリー・シロン/ベルギー)のデッキはと言うと、とにかく強い。神河救済が入って強化されたはずの人気色、赤をほとんど独り占めして作り上げてしまったデッキなのだ。一応は大礒 正嗣が《螺旋形の燃えさし/Spiraling Embers》を2枚タッチしているものの、卓上で赤いプレイヤーはこの二人だけ。

そんなわけで、Sironは『歴伝』呪文の《不死の炎/Undying Flames》や優秀な火力である《霜剣山の逆落とし/Barrel Down Sokenzan》をかなり遅い順目でピックできているのだった。おかげで、ほとんどSironは赤単色タッチ白という仕上がりである。陳腐だが、とにかく強い。

さて、後手の藤田が《確約の神主/Promised Kannushi》から《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》、先手の《悪忌の手下/Akki Underling》を展開するという両雄のファーストアクション。藤田はSironのターン終了ステップに《長老》を生贄にささげて3ターン目に早々と1/4飛行の《空民の精神浚い/Soratami Mindsweeper》を召喚となる。

ここへ、先手のSironは《火の咆哮の神/Kami of Fire's Roar》を加え、藤田は続く《霜剣山の呪刃/Sokenzan Spellblade》を《抑圧的意志/Oppressive Will》でカウンターして見せた。

実は、このあとしばらく藤田は土地しかドローできない展開が続き、デッキの内容が公開情報であるのを逆手にとって、必死にをアンタップしていることをアピールしつつターンを終える。そう、準々決勝で大活躍した《抗い難い知力/Overwhelming Intellect》を露骨に匂わせているわけだ。

そんな中、Sironは《霜剣山の逆落とし/Barrel Down Sokenzan》で1/4飛行の《空民》を除去し、『掃引』のおかげで7枚に戻ったハンドを活かして《悪忌の手下/Akki Underling》を4/2先制攻撃にして、突撃させた。

ここで藤田は《茨の子/Child of Thorns》を展開し、Sironは2/3の《火の咆哮の神/Kami of Fire's Roar》だけでのアタックをしばらく繰り返す。藤田も土地ばかりを引いており、《幻影の翼/Phantom Wings》をポロリとこぼしてしまいつつも、ライフが10点にまで削りおとされてしまう。

Akki Underling

ここまでをスペル8枚、土地9枚という内容のドローをしてしまっている藤田だが、やはり6マナを残すのを徹底しつつ、《樹海の古松/Elder Pine of Jukai》を召喚。《抗い難い知力》の構えを決してとかない。

さて、静かに手札をためてきたSironは、手札が7枚に戻ってから《悪鬼の手下》と《火の咆哮の神》ダブルアタック。そこで藤田は4/3先制攻撃の《手下》を1/1《茨の子》でチャンプ気味に、2/3《咆哮の神》を1/1《神主》と2/1《古松》でブロックした。藤田は《子》を生贄に捧げて《古松》を+1/+1しようとするのだが、ここで7枚の手札を抱えているSironからレスポンスで《山伏の炎/Yamabushi's Flame》。

結局、この戦闘によって盤上すべてのクリーチャーを失ってしまったわけで、藤田は《抗い難い知力》をもっているフリを諦め、《川の水神/River Kaijin》、《月弓の幻術師/Moonbow Illusionist》、転生した《茨の子/Child of Thorns》とクリーチャーを一気に召喚し、《幻影の翼/Phantom Wings》でSironの《火の咆哮の神/Kami of Fire's Roar》をバウンスした。藤田の手札は一気にこれでゼロだ。

この動きを見て、Sironは手札に温存していた《霊光の略奪者/Ghost-Lit Raider》をプレイ。それでも、藤田は手札が空の状態から《苔の神/Moss Kami》をトップデッキし、2/1飛行の《月弓の幻術師》でアタックしてからプレイした。

それなら、とSironは4/2先制攻撃の《悪忌の手下》でアタック。1/4《川の水神》と1/1《茨の子》で藤田はこれをブロックするが、《霊光の略奪者/Ghost-Lit Raider》の援護射撃によって、やはり一方的な殺戮劇となってしまった。

それでも藤田は5/5トランプルと2/1飛行で7点アタック。ライフレース上は11対10という具合に差を縮めた。さらに藤田は戦闘後に《桜族の春呼び/Sakura-Tribe Springcaller》を展開して、盤上の支配力の差を縮めにかかる。

しかし、Sironはここで《霜剣山の逆落とし/Barrel Down Sokenzan》によって《苔の神/Moss Kami》が焼き払い、《霊光の略奪者/Ghost-Lit Raider》は《月弓の幻術師/Moonbow Illusionist》を狙撃。こうなってしまうと4/2先制攻撃の《悪忌の手下/Akki Underling》を通すしかない藤田は、残りライフ6点。そこへ、さらに《凍らし/Frostling》を追加するSiron。

かくて、次のドローが土地であることを確認してからの投了となった藤田なのだった。

Geoffrey Siron 1-0 藤田 剛史

藤田はサイドボードから《平地/Plains》と《光の心/Heart of Light》と《天羅至の掌握/Terashi's Grasp》を追加。Sironが赤と白の『本殿』と《捕らわれの炎/Captive Flame》を投入しているからだ。

Game 2

『この手のクリーチャーが3体いたら、後手をとってはじめると思います』

二度目のタイトルマッチとなる藤田 剛史

と、プロたちにいわしめたクリーチャー、《悪忌の手下/Akki Underling》を後手2ターン目に展開するSiron。

藤田が3ターン目に召喚した《川の水神/River Kaijin》の1/4というサイズも平時ならば頼もしい地上の壁なのだが、4/2先制攻撃という規格外がこれを簡単に乗り越えていく。

4/2先制攻撃でアタック。藤田はこれをスルー。残りライフ16。

4/2先制攻撃でアタック。今度は藤田がこれを1/4《川の水神/River Kaijin》でブロックしてから《内静外力/Inner Calm, Outer Strength》。しかし、Sironはレスポンスで《霜剣山の逆落とし/Barrel Down Sokenzan》だ。

4/2先制攻撃でアタック。藤田はこれをスルー。残りライフ12。Sironは戦闘後に《捕らわれの炎/Captive Flame》を展開。なんとかこのエンチャントは藤田の《真髄の針/Pithing Needle》が即応するが、《悪忌の手下/Akki Underling》がとまらないことは変わらない。

4/2先制攻撃でアタック。藤田はこれをスルー。残りライフ8。戦闘後にSironは《浪人の犬師/Ronin Houndmaster》を追加。

全軍突撃。藤田は《悪忌の手下》を《消耗の渦/Consuming Vortex》でバウンスして、2点スルー。残りライフ6。そして《悪忌の手下》を藤田は《抑圧的意志/Oppressive Will》でカウンター。なんとか踏みとどまる。

そして、さらに藤田はこの正念場で4/4飛行にしてライフ回復ソース、《寛大な麒麟/Bounteous Kirin》をトップデッキ! …できたのだが、これが無情にも《霜剣山の逆落とし/Barrel Down Sokenzan》で焼殺されてしまうわけなのだった。

Geoffrey Siron 2-0 藤田 剛史

Game 3

2戦続けての《悪忌の手下/Akki Underling》にやられたい放題の藤田は、ここに来て後手を選択。そんな、藁にもすがりたい藤田の思いを知りながらも、やはり《悪忌の手下/Akki Underling》からスタートし、3ターン目にも《霊光の略奪者/Ghost-Lit Raider》を加える先手Siron。相変わらず絶好調なのか。

しかし、藤田も2ターン目に《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》、3ターン目に《真髄の針/Pithing Needle》で《霊光の略奪者》封じつつ《茨の子/Child of Thorns》を召喚、と奮闘。単なる2/1クリーチャーとしてアタックに参加してきたSironの《略奪者》を1/1の《茨の子》で討ち取った。

そこからSironは《火の咆哮の神/Kami of Fire's Roar》を呼び出し、藤田は《生命の咆哮の思念/Shinen of Life's Roar》をプレイする。

ここでSironは2/1の《悪忌の手下/Akki Underling》をアタックに参加させ、藤田は1/2の《生命の咆哮の思念》での相討ちを選択。そこへSironは爆発力抜群の《霜剣山の呪刃/Sokenzan Spellblade》を戦闘後に召喚し、藤田は『プロテクション:スピリット以外』をもつ《春の先駆け/Harbinger of Spring》で睨みを利かせた。

しかし、Sironが《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》を見事にここで引き当て、膠着しかけた場に一気に台無しになってしまう。

これを受けて、藤田はあわれなる2体のタフネス1クリーチャーで攻撃宣言し、戦闘後に4/4の《鱗の大男/Scaled Hulk》をプレイ。ただ、この期待のファッティも《本殿》からの1点と《山伏の炎/Yamabushi's Flame》であえなくゲーム外へ追放されてしまい、Sironは《霜剣山の呪刃/Sokenzan Spellblade》をパンプアップさせてからレッドゾーンへと送り込んだ。

Pro Tour London Champion !

ここで藤田は《桜族の春呼び/Sakura-Tribe Springcaller》と《確約の神主/Promised Kannushi》を加えつつ、空中からの1点攻撃を行ってターンを終了。

Sironは《本殿》でまず《春の先駆け/Harbinger of Spring》を殺し、藤田は転生で《茨の子/Child of Thorns》を回収。さあ、ここで2回《呪刃》のパンプアップ能力を起動してSironは攻撃宣言だ。藤田としてはこれを2/4《桜族の春呼び》チャンプブロックするしかなく、さらに戦闘後の《凍らし/Frostling》によって、健気にダメージを稼いでくれていた《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》をも殺されてしまう。

絶体絶命の窮地に立たされた藤田だったが、ここに来て出来たことが…転生で回収した《茨の子/Child of Thorns》の再召喚のみ。もちろん、これは《本殿》からの一時的な弾除けにしかならない。そして、一方のSironは《捕らわれの炎/Captive Flame》を引き当て、ただでさえ圧倒的な戦闘力をより致命的なものへと押し上げたのだった。

かくて、激闘に幕。

自分を倒した男、ベルギーの若者の健闘を讃えるために、藤田 剛史は右手を差し出した。

Geoffrey Siron 2-0 藤田 剛史

Congratulations to Geoffrey Siron, Pro Tour London 2005 Champion !

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