第8回戦:諸藤 拓馬(福岡) vs. 小室 修(東京)

Posted in Event Coverage on August 23, 2013

By Tetsuya Yabuki

諸藤 拓馬(左) 、小室 修(右)

 小室修。コムシューの愛称で親しまれる彼は、みんなのマスコットな愛され(弄られ)キャラだ。

 グランプリ・横浜2003で優勝して「一発屋」と呼ばれ、プロツアー・名古屋2005で優勝して「二発屋」と呼ばれ、二発屋って何なんだ、どれだけ勝てばそう呼ばれないんだとか騒がれながらというかなんというか、その後もグランプリや日本選手権でTop8に入った小室の戦績は確かなものだろう。今は『CARDSHOP晴れる屋』で働いている。今回持ち込んだのは呪禁バント。本人曰く「運試しに来た。」とのことだ。

 諸藤拓馬。彼もまた皆に愛される笑顔キャラだ。天然で憎めないそのキャラクター。日本選手権優勝者である彼は「豪腕」と呼ばれる程の強運の持ち主だ。いや、勿論だがマジックは運だけで勝てるゲームではない。日本チャンプになる程には、確かな実力を持ったプレイヤーだ。

 持ち込んだデッキはジャンクリアニメイト。《漁る軟泥》によって一時は消えたデッキかと思われたが、マークの薄くなってきたこのタイミングで表舞台に還ってきた。

 キャラの濃い二人、始まる前のトラッシュトークも弾む。小室がやれ「一時間しか練習してない」だの、諸藤が「それよりはもう少し練習した」だの、何処まで本当なのかよくわからない。

 ふらっと観戦に来た晴れる屋店長:中島主税に対して諸藤が「どっちを応援するんですか!?」と訊いてみると、中島は当然のように「諸藤君側に決まってるでしょ〜」と回答していた。なるほど、ここらへんが小室の小室たる所以である。小室が「なかじー(中島主税)応援してよ!」と声をかけてみれば、「いやいや、むしろ呪い送っておくわ!」とさすがの中島だ。

諸藤 拓馬(ジャンクリアニメイト) vs. 小室 修(呪禁バント)

ゲーム1

 小室が即座にマリガン、これを喜ぶ諸藤。

 さらにマリガンを重ねダブルマリガンとなってしまう小室。さらに喜ぶ諸藤。このキャラクターが許されるあたりが諸藤だろう。

 しかし喜んでいた諸藤は、このゲーム最初のアクション、小室の《不可視の忍び寄り》を見て悲鳴を上げる。「ひえー、これはもう負けましたわー!相性悪すぎですわー!」とこれまた諸藤節だ。なるほど確かに「呪禁バント」vs「ジャンクリアニメイト」の相性は、一般的に「呪禁バント」が有利と言われている。

小室 修

 とはいえ小室はダブルマリガン。諸藤は落ち着いて《ケンタウルスの癒し手》で応える。

 小室はさらに《不可視の忍び寄り》を重ね、さらに《幽体の飛行》でクロックを引き上げる。……が、しかしそこまで。これ以上のクロックを追加できない。

 諸藤は《スラーグ牙》を追加し、自分の生きるターンを伸ばすと共に、クロックを上げていく。

 小室はやはり攻撃するしかない。追加の《聖トラフトの霊》はしかし、オーラが無いためその真価を発揮できない。

スラーグ牙修復の天使

 諸藤が《修復の天使》で《スラーグ牙》を「明滅」させると、小室は悲しげに自分のカードを片付けた。

小室 0-1 諸藤

 相性の悪いマッチアップのゲームを先取して意気揚々の諸藤。トークが弾む。

 小室も応じながらデッキを差し出す。「最初の7枚も次の6枚も土地が無かったよー」と愚痴りながら。なんとも賑やかなフィーチャー席だ。

ゲーム2

諸藤 拓馬

 ゲームは諸藤の2ターン目の《エルフの神秘家》、そしてその返しの小室の《聖トラフトの霊》で始まった。しかしこれには即座に諸藤が《ヴェールのリリアナ》。小室も負けじと《聖トラフトの霊》を追加するが、諸藤も落ち着いて《スラーグ牙》で守りを固めていく。

 小室、ここで《聖トラフトの霊》を使い捨てて《ヴェールのリリアナ》を破壊し、《不可視の忍び寄り》を展開した。《怨恨》《ひるまぬ勇気》《呪文裂き》と抱えている小室としては、ここにオーラを重ねてダメージレースを制する構えだ。

 諸藤も攻撃に行くしかない。すれ違いの殴り合いだ。マナクリーチャーを含めて全軍攻撃後、フルタップで2枚目の《スラーグ牙》をプレイ……しかしここには小室の《呪文裂き》が突き刺さる!

呪文裂き

 逆襲とばかりに小室の《ひるまぬ勇気》《怨恨》で5点のライフが諸藤から小室へ移動。諸藤も《堀葬の儀式》でなんとかターンを伸ばしていくが、小室も《天上の鎧》によってクロックを8点に引き上げる。諸藤としてはなんとかあの《不可視の忍び寄り》に対処しなくてはならない。

 そして「豪腕」諸藤は引いたカードをさも当たり前のようにプレイした。

ヴェールのリリアナ

 大量のオーラに守られているはずの《不可視の忍び寄り》も、この女史のヴェールによって墓地に送られ、それと共に小室の勝利も立ち消えてしまったのだった。

 ちなみに。諸藤は初手に緑マナが無かったようである。

小室 0-2 諸藤

 そして驚愕の事実が判明する。スリップに結果を記入する、その時諸藤は驚きの声をあげた。

諸藤:「コムシューさんだ!」

 ……えっ。

諸藤:「いやー僕、顔と名前が本当に一致しないんですよ。まさかコムシューさんだったとは。コムシューさんといえば僕でも知ってるくらいの有名プレイヤーですよ!嬉しいなぁ!あ、握手して下さい!」

 とても仲良さそうに話していた二人はなんだったのか。これには小室も、観戦していた中島主税もびっくりな事件であった。

 最初から最後まで諸藤劇場だったこの試合。このあたりが、諸藤が愛される所以である。

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