第7回戦:斎藤 友晴(東京) vs. 八十岡 翔太(東京)

Posted in Event Coverage on December 20, 2013

By 金子 真実

 斎藤 友晴 vs. 八十岡 翔太。

 こんな夢の様なマッチアップがこの大舞台で実現した。

 両者が一流のプロプレイヤーであることには異論は無いだろう。

 2人はつい一ヶ月前のグランプリ・京都2013でチームを組んだ仲だ。2人に森 勝洋を加えた強力なこのチームは、当たり前のようにTop4に勝ち進み、しかし当人たちにとっては残念なことにTop4で負けてしまった。

 普通の人にとっては十分なこのTop4という結果にも、彼らのチームは誰も満足していない。

 そしてその一ヶ月後、彼らは同じくグランプリという舞台に挑む。プロたる彼らにとって負けたくない戦い。お互いにショップの名前を背負い負けられない戦い。そんな2人が、この7回戦で激突した。全勝対決。勝てば二日目が確定。

 オレンジの「晴れる屋」シャツを着ている斎藤の使用するデッキは青白コントロール。紺色の「MtgMintCard」のシャツを着ている八十岡の使用するデッキは青黒コントロール。形は違えど青いコントロールの対決となったこの試合。

 2人は「元チームメイト」として、「仲間」として談笑し。


 これから、「ライバル」として戦う。

ゲーム1

 八十岡の《漸増爆弾》が牽制として盤面に登場。斎藤も《アゾリウスの魔除け》で手札を整えていく。八十岡の《波使い》がゲームをスタートさせるが、これには即座に《今わの際》。主導権を握らせない。八十岡の《漸増爆弾》もまた余裕ができたところで《拘留の宝球》で対処する斎藤。お互いにカウンターを構えながら静かに動いていく。

それにしてもお互いプレイが早い。動くのか動かないのか、ここは構えるのかといった判断は瞬時にこなし、めまぐるしくターンが進行していく。

 斎藤が7マナを貯めたところで《思考を築く者、ジェイス》から仕掛けていく。これはお互いに《中略》が唱えられ、着地。このジェイスが斎藤に《スフィンクスの啓示》を提供し、しかし返しの八十岡の《変わり谷》により退場した。

 そしてまた盤面には静寂が訪れる。静かに土地を並べていく2人。

 次に仕掛けたのもまた斎藤だった。八十岡のターン終了時にX=2の《スフィンクスの啓示》が唱えられ、2ならばとこれは八十岡スルー。さらに《アゾリウスの魔除け》でドローを重ねる斎藤に対して、その隙にと八十岡は《好機》でカード枚数で勝負していく。

 しかしこの隙を逃すような斎藤ではない。《太陽の勇者、エルズペス》がプレイされ、お互いに《解消》を撃ちあいながら着地、斎藤の場に3体の兵士が現れた。

 が、八十岡もまた《英雄の破滅》で《太陽の勇者、エルズペス》を破滅に追い込み、さらには《予知するスフィンクス》が斎藤にプレッシャーをかける。斎藤の《至高の評決》でまた盤面は綺麗になった。

 今度は八十岡の番。《悪夢の織り手、アショク》という軽いフィニッシャーを展開したうえで、こっそりと置かれていた2枚の《変わり谷》が斎藤を追い詰める。が、斎藤も2枚の《今わの際》と《拘留の宝球》できっちりと対処。

斎藤 友晴

 またも攻守が入れ替わる。八十岡のアップキープに斎藤の《スフィンクスの啓示》がX=5で唱えられ、なんとこれが解決されてしまった。八十岡も《予知するスフィンクス》で対抗しようとするものの、これが《至高の評決》で対処されてしまえばアドバンテージ差は圧倒的だ。

 斎藤の《太陽の勇者、エルズペス》が圧倒的なカード量を背景にゲームを決めた。

太陽の勇者、エルズペス

斎藤 1-0 八十岡

幕間

 お互いに無言で、迷うこと無く15枚のサイドボードを手にとって、いったん75枚のデッキにした。15枚入れて15枚抜くスタイルのサイドボーディング。そして15枚の抜くカードを吟味していく彼ら。

 デッキを組むのは何も大会が始まる前だけではない。彼らは今、まさにデッキ構築を、「調整」を行っているのだ。

ゲーム2

 即座にキープした八十岡に対して、手札を見て苦笑しながら即座にマリガンした斎藤。

 《変わり谷》から攻める姿勢を見せる八十岡、当然のように2ターン目から攻撃を加えていく。斎藤もこれに《変わり谷》を置くことで応え、3ターン目にして《変わり谷》同士が相打ちする。さらに次の《変わり谷》の攻撃もまた相打ちとなり、お互いに土地が2枚削れたうえでコントロール対決は始まった。

 八十岡が《漸増爆弾》から《悪夢の織り手、アショク》と軽く仕掛けていくが、これに斎藤は《反論》で対処。次の《思考を築く者、ジェイス》に対しても《中略》で対処し、返しに斎藤の《記憶の熟達者、ジェイス》が降り立った。

 が、八十岡も負けてはいない。即座に《思考を築く者、ジェイス》が唱えられ八十岡にカードを提供すると、さらには《思考囲い》から《真髄の針》を突き刺し、《記憶の熟達者、ジェイス》を止める。

 八十岡は《思考を築く者、ジェイス》を使い捨ててカードを補充したうえで、なんと4枚目の《思考を築く者、ジェイス》! 斎藤は《変わり谷》でジェイスの力を抑えていくものの、八十岡の《思考囲い》に《解消》は使わせられ、劣勢は否めない。八十岡は《好機》を通し、やりたい放題だ。

 斎藤も《思考を築く者、ジェイス》を呼び出し、《真髄の針》により置物になった《記憶の熟達者、ジェイス》と入れ替える。この新たなるジェイスが提供したのがなんと《波使い》。斎藤は防御的な八十岡のデッキに対して、攻撃的な《波使い》をサイドインしていたのだ。

 しかしここでずっと置かれていた《漸増爆弾》が輝く。4つ目のカウンターを載せ、お互いのジェイスと斎藤の波使いを巻き込んで爆発。八十岡は《予知するスフィンクス》という脅威を再展開し、攻撃の手を緩めない。斎藤のトップからの《思考を築く者、ジェイス》も《反論》し、さらに《変わり谷》は《英雄の破滅》。斎藤の全ての脅威に対処した。

八十岡 翔太

 そして八十岡は宣言する。

「もう、何も通らないよ。」

 手札も場も無い斎藤に対して、3枚の打ち消し呪文と《予知するスフィンクス》を抱えた八十岡の圧倒的な宣言だった。

予知するスフィンクス

斎藤 1-1 八十岡

幕間

 またもお互い15枚抜くサイドボーディング。どちらが攻勢に出るサイドボーディングを行うのか。お互いの思惑が交錯する。お互いが何枚のサイドボーディングをしているのかがわからないように、全部混ぜて少しずつカードを抜いていく。このレベルの戦いでは、些細な情報も命取りだ。

 八十岡が残り時間20分を確認し、お互いシャッフルを開始する。

ゲーム3

 即座にキープした斎藤に対して、即答でマリガンする八十岡。ゲーム2と対照的だ。

 お互いギルドランドを置くが、斎藤が2ターン目に《凍結燃焼の奇魔》で攻勢に出る。

 八十岡も3ターン目、《強迫》から仕掛けていく。《拘留の宝球》《中略》《記憶の熟達者、ジェイス》《波使い》から落とすカードを検討。

 このターンに《群れネズミ》を展開したい八十岡としては当然ながら《拘留の宝球》を落とす……かと思われたのだが、これはいったん考えなおし。ここでマナを寝かせて展開されるであろう《波使い》とダメージレースをして、自分の《群れネズミ》は勝てるのか。足りるのか。計算。計算。結果、《拘留の宝球》は落とすものの、この《群れネズミ》は展開されない。斎藤もまたターンを返されて検討、検討。《凍結燃焼の奇魔》は1点攻撃したのみでターンを返した。

 お互いに出方を伺いながら《凍結燃焼の奇魔》が攻撃を続けるが、しかしついに《破滅の刃》が《凍結燃焼の奇魔》を襲う。そして八十岡はアンタップした後、今度こそ《群れネズミ》を盤面に叩きつけた。

群れネズミ

「しかたない。」斎藤の口からそう零れそうだ。《記憶の熟達者、ジェイス》がプレイされ、斎藤に新たなカードが与えられるが、《群れネズミ》への対処はできていない。この《記憶の熟達者、ジェイス》には《真髄の針》が刺さり、しかし斎藤の《波使い》のためには力を与えてくれた。八十岡の思《思考囲い》が2体目の《波使い》を叩き落とし、《群れネズミ》が増えていく。

 八十岡の元で増えていくネズミ達。そして4体のネズミ達が、斎藤に向かって齧りつく。斎藤を守るために全てのクリーチャーが犠牲になり、それでもこのネズミの群れに対処できない斎藤。

 次のターンもネズミの群れに囓られると、斎藤は握手の為に手を差し出した。

斎藤 1-2 八十岡

斎藤:「普通のコントロールにはメインの《変わり谷》とかサイドの《波使い》で有利なんだけどね……。《群れネズミ》とかみたいな、軽いフィニッシャーが入ってるデッキには厳しいね。」

八十岡:「やっぱりサイド後は有利だね、軽い手札破壊と軽いフィニッシャーだからね。」

 想定した通りの勝ち方を出来た八十岡は満足そうな笑顔を浮かべる。斎藤も悔しそうに、しかし笑顔で話をする。「ライバル」として死力を尽くした彼らは今、「仲間」に戻って談笑する。

 そして彼らは席を立ち、次のラウンドに挑む。「プロ」として。


Yasooka, Shota

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Saito, Tomoharu

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